うん……?  あら。  何でしょう。  ああ。  お嬢様が個人的な感情をお寄せになるあまり補習の要因となってしまった、現国の小説でございますね。  ふふっ❤ 申し訳ありません。  あの作品。  お嬢様が熱中してお読みになり、解釈を語られるお姿が、とても可愛らしかったものですから、つい……❤  あの作品が、どうかなさったのですか?  ええ。  あら……。  なるほど。  そのような事がおありになったのですね。  だからお嬢様は、日菜子様に続いて、私の意見も聞いてみたくなったと。  然様でございましたか。  そうですね……。  私が、日菜子様が仰る所の『主観が多め』の解釈を述べるのであれば。  実の所……。  『『彼女』は、『主人公』が思う程、対等になる事にこだわってはいないのではないか』  と思います。  彼女は、主人公の想いを嬉しく、ありがたく受け止め。  心から感謝しています。  ですからその気持ちに報いる為、最大限努力するでしょう。  それは彼女にとって、当然の事です。  ……ですが。  それはあくまで、主人公の為。  『主人公』は、二人が『対等になる事』にこだわっておられますが……。  『彼女』は、『対等になれても、なれなくても、自分の気持ちは変わらない』と思っているのではないでしょうか。  たとえば、主人公が最大限尽くして下さった結果、それが叶わずに終わっても。  彼女は主人公の心配はすれど『それで構わない』と受け入れる事でしょう。  私は、そう考えます。  それは、私であれば、そのように考えるからです。  然様でございます。  主観です。  だって……これから例えば、何かの間違いがあって。  お嬢様よりも、私の方が、立場が上になるような事があったとしても。  私がお嬢様を想い、焦がれて。  お側にいたいと願う事に変わりはない。  それを踏まえると、確かに。  『ふさわしい女性になる』という意味では、将来的に『少しでも近づければ』『対等になれれば』と思いますが……。  『精神的な釣り合いが取れているか、取れていないか』『どちらの立場が上か、下か』という意味での『対等さ』は、あまり重要でないように思えるのです。  つまりは。  今後何がどうあろうと、私はお嬢様のお側にいる、という事です。  この先貴方が大きな成功を収められ、今以上の立場になられても。  逆に……思うようにならぬ事があって、少々苦難の多い道を歩む事になったとしても。  私は必ず、貴方様の隣にいる。  それは私の中で、もう決まっている事ですから。  ふふふ。  ある意味私は。  お嬢様の、永遠のしもべなのかもしれませんね。  そうです。  私は、お嬢様が思っているよりもずっと。  お嬢様をお慕いしていて。  同時に……この関係を愛しておりますから。  あら。お嬢様も同じように思って下さるのですか?  ……そのように仰って頂けるなんて。  私は、この世で一番の果報者ですね……❤  愛しておりますよ……お嬢様。  何があっても離れません。  これからもずっと。  永遠に、共にありましょうね……❤  ちゅ❤