「片づけて頂けますか?」  "あの人"は言った 柔らかい声で、申し訳なさそうに。私に、お願いをしてくれた。 私、頼られて、嬉しかったんだ。 積み上げてきた色んなことも、人間関係も。全部かなぐり捨ててここに来て。 ずーっと寂しかった。 そんな時、親身に声をかけてくれた"あの人"。 彼の役に立ちたかったから。 わたし、嬉しかったんだ。 わたし、ひつようとされたかった。 だれよりもあいされたかった。。 だから、そう。 だから――。。 *******  "化け物"は嬉しそうに女にのしかかり、激しく腰を打ち付けていた。 女は男の下で泣き叫びながら、この閉ざされた空間で絶頂を繰り返す。  彼女は生贄だ。 この「普通ではない田舎」で発生した"化け物"と、 村が上手くやっていくための、捧げものだ。 彼女にはもう、意思がない。 ただ、この"化け物"に貪られているだけなのだ  「僕がちゃーんと、護ってあげますからねぇ。誰にも指一本触れさせませんからぁ」    言葉にならない喘ぎを上げながら、女は満面の笑みで"化け物"に感謝の祈りを捧げる。 "化け物"はその様子に嬉しそうな顔をしながら、女の体が壊れてしまってもおかしくない腰遣いで、自分の欲望を満たそうとする。 満たされない"化け物"と女はずっとずっと混じり合う。 周囲は体液に塗れ、淫猥な臭気を漂わせているだろうが、今の二人には全くそれは問題ないだろう。  女は"化け物"の「愛」に包まれて。"化け物"は自分に狂った「生贄(エサ)」を手に入れる。 お互いの求めているモノが、ここには存在しるのだから。  女が甲高い悲鳴を上げる深い絶頂。 歯を食いしばり、震え、潮を吐き出し、狂った牝猫のような声を上げる。  「あぁ、カワイイ。可愛いっ!」    "化け物"は「生贄(エサ)」をすっぽり包み込むようにして。 これ以上ないほどの嬉しそうな顔をして、中に大量の精を注ぎ込んだ。