XX23年 1月10日(火) 始業式でした。 何だろう、少し不思議なことが起こりました。 1月11日(水) 今日も不思議なことが起こりました。 どうしてだろう? お話したこともないのになあ。 1月12日(木) うーん。今日は一緒じゃなかったから少し寂しい気持ちになっています。 1月13日(金) 三学期が始まってから、学校に行く電車が一緒の男の子がいます。 火曜日も水曜日も、今日も同じ電車で、同じ車両でした。 その男の子は、さゆと同じ学校で、校章を見る限りだと、同じ学年なのかな……。 えっと、その人は、あの、すごくかっこいいです。 ああ、書いちゃったあ。 優しそうな顔もそうだし、その人が持っている雰囲気とかも、 すごく素敵で、かっこいいんです。 始業式に行く電車で初めて一緒になって、この人かっこいいなあって思ってたら、 さゆ、ドキドキしちゃって、始業式の最中もその後も、 ずっとその人のことを考えていました。 全然知らない人なのに、どうしてこうなるんだろう。 不思議だなあ。 1月15日(日) 明日は会えるかなあ。 学校がない日は会えないから寂しいです。 1月16日(月) 今日も例の男の子と同じ電車で通学でした。 うう、この前の日記でかっこいいとか書いたせいで、 何だか変に意識しちゃいました。 ああでも、本当にかっこいいなあ。 毎日、ちらって見てるの、バレてないかなあ。 もしバレたら、さゆ、恥ずかしくて死んじゃいますよお。 1月17日(火) 今日も同じ電車。彼はマフラーをしていました。 マフラーを巻いた彼はかっこいいのと、少しだけかわいいのが混ざっていて さゆは、電車の中できゅんってしました。 1月18日(水) 朝の電車でこんなに癒されるなんて、と驚くぐらいに、 さゆは彼に癒されています。 名前は何ていうんだろう。 性格は、きっと優しそう。 毎日同じ電車だから、会釈したら応えてくれるかな。 いやだめだめ! なれなれしいって思われて嫌われるかもしれないですから。 1月20日(金) 今日は電車が一緒じゃなかったです。 どうしたんだろう。 明日と明後日学校ないから、今日、たくさん見ておきたいなって思ったのに。 う~、お名前分からないけどかっこいいあなた、同じ電車に乗れなくてさゆは寂しいですよ! それにしても、この感情、これってやっぱり……。 明日、くおんちゃんとお出かけすることになったから、ちょっと聞いてもらおうかなあ。 1月21日(土) くおんちゃんに例の男の子の話をしたら、 「な、なんだってぇ~!」 って大きなリアクションをとった後、 ついにさゆに春が来たとか、寒波の中でハートウォーミングなエピソードとか いろいろ言った後、大きな声でこう言いました。 「それは恋だよ! 恋!」 カフェの中でした。 店員さんや、他のお客さんの視線を感じました。 ぴゃぁ~~~~~~!! ばかばかばかばか!! くおんちゃんのばかっ! みんな見てましたよ! さゆたちのこと! 絶対、こんな子どもが恋愛とか早いって、みたいに思われてますよ! それに、もしも、万が一、例の男の子が同じお店にいたら どうするんですか! も~! でも、ごめんごめんって謝って、ホットココアとクッキーを奢ってくれて、 さゆのことを応援するって言ってくれたので、 くおんちゃんは素敵なお友だちだなあと思いました。 1月24日(火) 体育の授業の後に、自動販売機で買ったスポーツドリンクを飲んでいる時、 あの人はどんな飲み物が好きなんだろう、とか、 好きな飲み物が一緒だったら嬉しいな、とか考えていました。 そうすると、隣にいたくおんちゃんから 「すっかり恋する乙女だね」 って言われました。 え! さゆが今考えていたこと、バレてるの!? 恐る恐る聞いたら 「さゆの目がね、何か今までと違うんだよね」 ニヤッとしながら、くおんちゃんはそう言いました。 ぴゃぁ~~~~! 恥ずかしい! これ、目でバレるってことかなあ。 彼にバレたらどうしよう……。 1月25日(水) 今日も同じ電車、今日もかっこいい彼でした。 さゆが彼に恋をしているのがバレて、彼に気持ち悪いと思われたら さゆは生きていけないので、今日は一回だけ彼の姿をチラ見して、 その後は寝たフリをしました。 姿を見られないのは残念でしたけど、彼と同じ空間にいられるのが幸せでした。 1月30日(月) はじめて、声を聞きました。 電車から降りて、学校へ向かう途中、 彼とお友だちがお話しするの、聞いちゃいました。 ああ、何て素敵な声なんだろう。 ついつい、はぁぁぁ~って声が出ちゃいそうで、さゆはすぐに手で口を抑えました。 2月2日(木) 今日は同じ電車じゃなかったみたいで、 彼と出会えず、さゆは一日しょんぼりしてました。 学校帰りにみゃーちゃんファミリーのいる公園に行って、 みゃーちゃんに、今さゆが恋をしていることを聞いてもらいました。 2月9日(木) 明日は雪が降るみたいです。 お母さんが、明日雪すごくなりそうだから リハがなくなったって言ってました。 さゆの学校も休みになったら一緒に遊ぼうと言われましたが、 さゆとしては、彼との電車タイムがなくなるのは嫌なので、 学校休みにはならないで欲しいです。 2月10日(金) 学校は休みになりませんでした! でも、お母さんが言っていた通り、今日は雪がすごくてとても寒かったです。 こんな時、さゆが考えるのは、 どうして女子だけスカートなんだろう、ということです。 雪が降ってこんなにも寒いのに、素足をさらすなんて、 正気の沙汰じゃないとさゆは思います。 男子はスカートじゃないから羨ましいなあ。 でもでもでも! 今日も彼と電車で一緒だったからいい一日でした。 さゆは彼に 「寒いけど、お互い頑張りましょうね」 って言いました、心の中で。 2月12日(日) 部活が午前中で終わったくおんちゃんとお出かけしてきました。 くおんちゃんは、もうすぐバレンタインだし、彼にチョコを渡してみたら? と提案してきました。 うう~、渡したいのは山々ですけど、さゆ、それで彼に怖がられたり、 気持ち悪がられたりするのが不安だから無理ですよぉ。 でもさゆが手作りチョコを渡して、それを食べてもらって、 美味しいなんて言われたら……! そんな、そんな夢のような展開になったら……! もうさゆ、嬉しすぎて気絶しちゃいます! くおんちゃんの提案に返答するまでにそんなことを考えていたら、 さゆの顔は真っ赤になっていって、くおんちゃんに 「さゆ、今いろいろ妄想してるでしょ?」 って言われちゃいました。 ぴゃぁ~! 今日もバレてる! 2月13日(月) こっそり、買ってみました。 2月14日(火) 朝、学校に行く前に、お母さんから 「さゆ、誰かにチョコあげたりしないの?」 と言われました。 「別にあげる人なんていないよ」 そう答えましたが、正確には、 あげたい人はいるけど、怖くてあげられない。 です。 はぁあ~~~、思い切って声をかける勇気があれば、どれだけよかったんだろう。 実はさゆ、何かのきっかけで、今日チョコレートをあげられるかもしれないと思って、 昨日の放課後にチョコを買っておいたんです。 でもあげられませんでした。 もしかしたら放課後にどこかで遭遇できるかもと思っていましたが、 そんなに甘くはありませんでした。 2月15日(水) お昼休みに結城先生とくおんちゃんにチョコをあげました。 結城先生は、さゆちゃんありがとうと言ってくれたし、 くおんちゃんは、 「さすがさゆ! 女の私にも平然とチョコをくれる! そこに痺れる憧れる!」 と言ってくれました。 もともとは彼に渡す予定のものだったのですが、喜んでもらえてよかったです。 2月20日(月) 最近、日が長くなって来たのかもしれません。 朝起きた時に明るいし、学校から帰る時もそうです。 でもさゆは、日が長くても、そうでなくても、 彼と同じ電車に乗れた日は、 ポカポカと暖かい気持ちになれます。 こういう日記を書いているということは、今日も同じ電車だったということです。 今日も彼はとてもかっこよくて、 さゆはそんな彼と同じ空間にいられて嬉しかったです。 ああ、さゆにコミュ能力があれば、声かけたりとかできるのかなあ。 一言でいいから、声をかける勇気が欲しいなあ。 2月21日(火) 「so lonely」 いつもと同じ電車 前から三番目の車両 乗ってから数分後 私の運命の時が来る あなたに逢えた日 あなたと同じ電車に乗れた日 砂漠を彷徨った果てにオアシスを見つけた人はこんな気分なのかもしれない とっても大きな、嬉しい気持ちが溢れてくる 幸せだなって思う 不思議だね ただ逢えただけなのに 会話すらしていないのに いつもドキドキしてる 逢えるかもしれないって 期待と不安の数分後 私の運命の時が来る あなたに逢えなかった日 あなたと同じ電車に乗れなかった日 何もない大きな平野に放り出されたようなこの気持ち so lonely... とっても寂しい、空虚な気持ちに支配される so lonely... 不思議だね 赤の他人なのに 会話すらしていないのに 2月22日(水) 昨日はポエムな気分だったので、詩を書いてみました。 この日記は誰に見せるってわけでもないし、別にいいですよね。 昨日は彼と同じ電車じゃなかったので、寂しくて悲しくて、 その気持ちをポエムに乗せてみた、というわけです。 でも、今日は同じ電車でした! 二日ぶりに見る彼は、やっぱり素敵で癒しで、とっても眼福でした! 2月23日(木) 一昨日書いたポエムを読み直して、なかなかに恥ずかしい気持ちになりました。 どれだけポエムな気分だったのでしょうか。 日記なので残しておきますけど……。 2月26日(日) お昼ご飯のとき、お母さんに、お父さんとどうやって出会ったのか、 どうやって付き合ったのか聞いてみました。 お母さんとお父さんはあるバンドのサポートメンバーとして知り合って、 一緒にリハをしたり、ライブをしていくうちに好きになっていったそうです。 告白はお母さんからしたみたい。 「こういうこと聞いて来るなんて、さゆ、好きな子でも出来た?」 話がひと段落した後、お母さんに聞かれました。 まさかの質問にテンパったさゆは、 「こここ、この件に関しましてはノーコメントとさせていただきます」 と、何故か記者会見みたいな感じで答えて、部屋に戻りました。 2月27日(月) 大変なことが起こりました! 今日は朝だけでなく、夕方、学校から帰る時も彼と同じ電車でした。 しかも! なんと! さゆが座ってる隣の席に彼が座って来たんです! まさかこんなことになるなんて! 彼が隣に座った瞬間、 さゆの顔は真っ赤になって、心臓は初めてってぐらいドキドキしました。 心臓のドキドキする音が彼に聞こえていないか不安だし、 何かドキドキに合わせてさゆの身体もドクンドクンって揺れてるような気がして、 これはバレるまずいまずいと思って、さゆ、あわてて次の駅で降りました。 初めて降りる駅でした。 降りた駅のベンチに座って、ホームから見慣れない景色を見ながら、 心臓が落ち着くのを待っていました。 すっごいドキドキしたし、どうしようどうしようってなったけど、 不思議なことに、ドキドキが収まった後、何だかすごく幸せな気持ちになりました。 どう表現すればいいんだろう。 ふわぁってするような、暖かくて、心地よい、経験したことのないタイプの幸せでした。 数分間隣にいただけなのに、こんなに幸せなんだなあ。 もっとこの幸せを味わいたいなあ、って思っちゃいました。 3月1日(水) 今日は卒業式でした。 三年生を送り出す大切な日なんですが、さゆは彼のことばかり考えてしまっていました。 卒業生の中に、文化祭でたこ焼きを買いに来てくれたカップルさんもいて、 その姿を見つけるや否や、さゆの妄想は全開となり、 彼と文化祭を回ってみたいとか、一緒にたこ焼きを買いに行ってみたいとか、 そんなことばかり考えていました。 ああ、ごめんなさい。先輩方、こんな後輩でごめんなさい。 3月7日(火) 今日から学年末テストです。 三学期に入ってから、さゆは恋に夢中だった気がしますが、 テストは頑張りたいと思います。 3月9日(木) 学年末テストは明日で終わり。 テストが終わったら、くおんちゃんとフードコートでアイスを食べる約束をしました。 いつか彼とも一緒にアイスを食べたりしたいなあ。 3月10日(金) びっくりな展開です! なんと、彼とくおんちゃんには共通のお友だちがいたんです! 衝撃の事実はショッピングモールの中で発覚しました。 テストが終わって、くおんちゃんとさゆがいつものフードコートに向かっている最中、 彼を見かけました。 それだけでも驚きと幸せでいっぱいなんですが、すごいのはここからです。 彼はお友だちと二人でいました。 さゆがくおんちゃんに、あの人が例の人だよって伝えたら、 くおんちゃんは、 「え! 一緒にいるの、男子バスケ部の子じゃん。私、知ってる」 と言いました。 くおんちゃんは、ちょっと話しに行こうって言って、 さゆを連れて彼のもとへ、正確には男子バスケ部のお友だちのもとへ行きました。 はじめて、彼を正面から、近くで見ました。 くおんちゃんとバスケ部のお友だちが会話している中、 さゆは、彼に会釈しました。 本当は、こんにちはって言いたかったんですけど、口が震えて声が出ませんでした。 そしたら、彼はさゆに会釈を返してくれました。 あああ、嬉しい、嬉しい、嬉しい! すき、すき、すき! さゆは、彼のことが好きなんだなって、その時完全に理解しました。 心に刻み込まれました。 ずっとドキドキしていて、でも居心地が良くて、 くおんちゃんとお友だちさん、この後ずー----っと話していてくれないかなあって思いました。 今思い出しても、幸せでぼーっとしちゃいます。 会釈をしてくれた彼の目、彼の顔。 あなたは、さゆを認識してくれたんですね。 すき。だいすき。 何だか、その、 同じ学校で、同じ学年で、学校に行く時は同じ電車で、 彼も私もお友だちがバスケやってて、 たまに帰る電車が一緒だったり、ショッピングモールで偶然出会ったり、 もしかして、彼とさゆって、運命で結ばれていたりするんでしょうか。 はぁぁ~、もしそうだったらいいなあ。 お話が終わって、さゆたちと彼らは別行動になり、 いつものフードコートでくおんちゃんとアイスを食べていると、 「本当は4人でどこかに行こうとか言いたかったんだけどね。  ちょっと勇気出なかったわ、ごめん」 と言われました。 ううん、謝らないで。充分だよ。ありがとう。 と、さゆは答えました。 彼がさゆを認識してくれただけで、充分なんです。 ああ、すき。だいすき。 3月13日(月) あああ、さゆのばか! 彼に電車の中で会釈したら返してくれるかなって思っていたんですが、 その勇気を出せませんでした。 いつも通り、チラ見しておしまいです。 3月16日(木) 今日はいつもの電車に彼の姿がありませんでした。 寂しいよぉ。 3月19日(日) 部活が終わった後のくおんちゃんと、スーパー銭湯に行ってきました。 大きなお風呂に浸かるのはとても気持ちよくて、癒されました。 サウナにも入ったんですけど、暑すぎてさゆはすぐに出ちゃいました。 くおんちゃんは10分ぐらい入っていて、その後冷たい水風呂に入っていました。 ちょっとすごすぎます。 さゆはサウナに10分入るのも、水風呂に入るのも無理なので、尊敬です。 お風呂から出て髪を乾かしている時、くおんちゃんが言いました。 「さゆさ、好きな人と私の間に共通の友人がいるわけだし、  何かしたかったらいつでも言ってよ。  私、力になるから」 くおんちゃん、優しいなあ。 ありがとう。 3月20日(月) 今日もかっこよかったです。すき。 3月24日(金) 終業式でした。 高校一年生もここでおしまい。 いろんなことがありました。 夏までは少し辛いこともありましたけど、 素敵な出来事の方が多かったように思えます。 高校二年生も素敵でありますように! あと、二年生では彼と同じクラスになれますように! 3月25日(土) 新学期は4月6日からなのですが、 それまで彼に逢える機会がないことに絶望しています。 ああ、この前みたいにショッピングモールで偶然遭遇したりしないかなあ。 3月28日(火) あいたい。 3月29日(水) みゃーちゃんファミリーのいる公園に行って、 彼に逢うことの出来ない寂しい気持ちを、みゃーちゃんたちに聞いてもらいました。 4月1日(土) 今日はくおんちゃんとカラオケに行って来ました。 お店に入ると、中学時代にさゆと仲良くしてくれていた内藤くんが アルバイトとして働いていました。 何だか気まずくて、お話することはありませんでした。 そう言えばあの後、りほちゃんや岩屋さんはどうなったんだろう。 坪田さんも見かけることはなくなったし……。 ううん、今は考えないようにしよう。 カラオケでは、くおんちゃんが きゅんきゅんきゅんっていう歌いだしのラブソングを歌っていて、 すごくかわいい曲だなあって思いました。 この曲かわいいねって言ったら、くおんちゃんはもう一回歌ってくれました。 二年生になっても、くおんちゃんと仲良くできたらいいなあ。 4月2日(日) 昨日くおんちゃんが歌っていた曲を買っちゃいました。 この曲すごくかわいいから歌ってみたいなあ。 それを彼に聞いて欲しいなあ。 なんちゃって。 4月3日(月) きゅんきゅんきゅん 4月5日(水) 明日から二年生が始まります。 さゆの気持ちは一つです。 彼と同じクラスになれますように。 同じクラスになれますように。 同じクラスになれますように! 同じクラスになれますように!! 神様お願いします!! 4月6日(木) 「My friend」 とても悲しいことがあったとき 心が打ちのめされそうになったとき 優しく声をかけてくれた あなたは my friend あなたがいなかったら 私は暗い海の底にいたままだったかもしれない ありがとう my friend 思えば最初からそうだった 新しい場所で孤独に震えていたとき 優しく声をかけてくれた あなたは my friend あなたがいなかったら 私は前を向けなかったかもしれない ありがとう my friend たまにちょっとだけ loud voice それでも大切な my friend our friendship is forever 4月7日(金) 昨日もポエムな気分だったので、さゆの気持ちをポエムに乗せてみました。 さゆは彼と同じクラスにはなれませんでした。 彼は二組で、さゆは三組だったんです。 結構落ち込みました。 でもでも! くおんちゃんとまた同じクラスになれました。 くおんちゃんはさゆが落ち込んでいるのを察したのか、 「さゆ、元気出して。  あの人と同じクラスにはなれなかったけど、  距離を縮める方法は他にもきっとあるよ。大丈夫大丈夫」 って言ってくれました。 ぴゃぁ~~! くおんちゃんだいすきだいすき! こんな素敵なお友だちがいて本当によかったと思いました。 4月8日(土) そういえば、結城先生は今年もさゆの学校でスクールカウンセラーをしてくれるみたいです。 結城先生は優しくて、それでいてとても頼れる人なので嬉しいです。 ………………さゆの恋のこと、相談してみようかなあ。 そういうのはよくないかなあ。 4月9日(日) 逢いたいなあ。電車の中でしか逢えないけど、 それでも逢いたいなあ。 4月10日(月) 朝の電車で一緒でした。 暖かいなあ。眩しいなあ。って思いました。 しあわせ。 4月13日(木) 今日はさゆの17歳の誕生日でした。 なんと! くおんちゃんがさゆの家に来て、 プレゼントをくれました。 放課後に、今日は体育館使えなくて部活休みだから、 さゆの家に行っていい? と言われて、 普通に遊びに来るものだと思っていたら、 さゆの誕生日をお祝いしに来てくれたんです! くおんちゃんからのプレゼントは、 とってもかわいいパープルピンクのヘアピンと、 どうやって買ったのか分からない、ものすごく布面積の小さな水着みたいなもの? でした。 「こっちは普段使い用で、こっちは勝負用だよ。私、さゆには勝負をして欲しくて」 ご機嫌に話すくおんちゃんでしたが、 勝負用のやつは、気持ちは嬉しいですけど恥ずかしくて着れませんよぉ。 でもヘアピンは、明日から早速つけてみようと思いました。 プレゼントを受け取った後、お母さんがケーキを買って帰って来て、 くおんちゃんとさゆとお母さんの三人でケーキを食べました。 三人で食べるケーキはとっても美味しかったです。 そういえば、くおんちゃんのお誕生日はいつなんだろう? って思って聞いたら、9月2日でした。 去年の9月はさゆ、いろいろあって落ち込んでいて、 くおんちゃんのことを考える余裕がなかったんですけど、 今年は彼女の誕生日をしっかりお祝いしようと思いました。 4月14日(金) くおんちゃんにもらったヘアピンをつけて学校に行きました。 登校する時の電車で、彼と一緒になりました。 少しだけ見た目の変わったさゆを、彼は気づいてくれたでしょうか。 「これ、お友だちにもらったんですよ。似合いますか?」 って、さゆは心の中で彼に聞いてみました。 本当は直接聞いてみたいですけど、そんな勇気はありません。 4月16日(日) みゃーちゃんファミリーのいる公園に行って、 みんなでひなたぼっこをしました。 ひなたぼっこをしている時も、考えているのは彼のことばかりです。 4月17日(月) 今日の朝も、彼と同じ電車でした。 ずっと、あなたのことを考えています。 なんて言ったら、気持ち悪いと思われるかもしれません。 でも、でも。 4月18日(火) 「告白したら?」 お昼休み、屋上でお弁当を食べている時に、くおんちゃんが言いました。 「私なりに、さゆと彼が距離詰める方法考えたけど、  ちまちまやるよりも、もう思い切って告白した方がいいと思う。  そもそも、告白っていうのはどこかのタイミングでするわけだし」 確かに。 くおんちゃんの言うことは正論です。 告白はどこかのタイミングでしなければいけないものです。 でも、断られたらどうしよう。 さゆ、失敗するのが怖いです。 一度の失敗で、取り返しがつかなくなることもあるわけですし……。 「まあ、これは私の考えってだけで、決めるのはさゆなんだけどね。  私は、このままモヤモヤし続けるよりも、覚悟を決めて告白した方がいいかなって」 空になったお弁当箱をランチクロスで包みながら、くおんちゃんは言いました。 確かにそうですよね。 告白、かあ。 4月19日(水) 告白…………告白…………愛の告白………… 4月20日(木) 結城先生にカウンセリングをしてもらいました、さゆの恋愛のことで。 もっと言うと、告白しようかどうか悩んでいるということで。 こんなことでカウンセリングに来てごめんなさい。と言ったら 結城先生は笑顔で、全然大丈夫だよ。さゆちゃんの好きな人はどんな人なの? と言ってくれました。 さゆは、彼のことをたくさん話しました。 「さゆちゃんがここに相談しに来た時点で、  告白するかしないかは、もう決まってるんじゃないかな。  気持ちを伝えることはとても怖いけど、とても大切なこと。  私はさゆちゃんのこと、応援してるよ」 結城先生がさゆの背中を押してくれた気がします。 さゆ、彼に告白しようと思います。 4月22日(土) 告白しようと思う。 夜ご飯を食べた後、くおんちゃんにそんなメッセージを送ったら、 すぐに電話がかかって来て、急遽会うことになりました。 少し遅い時間に会う彼女は、シャンプーのいい匂いがしました。 くおんちゃんは、さゆが告白を決心したことを褒めてくれて、 告白までの段取りをしてくれることになりました。 ざっくり書くと、くおんちゃんが共通の友人を介して彼と話をして、 さゆと二人きりになれる時間を作る。というものです。 ここまでやってくれるなんて、くおんちゃんには感謝しかありません。 いつもいつも本当にありがとう。 さゆ、頑張るね。 4月25日(火) 明日の放課後、屋上で告白することになりました。 急に呼び出してごめんなさい。 私は、三組の原田さゆです。 突然なんですけど、私はあなたのことが好きです。 大好きです。 すごくかっこいいし、優しそうだし、声も素敵だし、 学校に行くとき同じ電車だし、 同じ学校だし、同じ学年だし、 私、勝手に運命みたいなものを感じちゃってて。 私と付き合ってください。 お願いします。 これが、さゆの考えた告白の言葉です。 くおんちゃんに、 「告白するとき、一人称は『さゆ』じゃなくて『私』の方がいいかもね」 と言われたので、そこに気をつけました。 あああ、明日、どうなるんだろう。 緊張するよぉ。 でも頑張ろう。 彼に、さゆの気持ちを伝えよう。 4月26日(水) やった! やったあ! 今日、さゆは、一月からずっと片思いをしていた人に 愛の告白をしました。 さゆと付き合って欲しいってお願いしました。 そうしたら、なんと! 彼はさゆの告白を受け入れてくれました。 つまり、彼とさゆは彼氏彼女の関係になったんです。 放課後の屋上で、彼と二人きりになって告白するのはとっても緊張しましたけど、 でも勇気を出して良かったです。 早速、二人一緒に下校しました。 上手くお話できなかったけど、隣に彼がいるというだけで、すごくすごくすごく幸せでした。 連絡先も交換しました。 さっき、おやすみなさい、ってメッセージを送ったら おやすみ、って返って来ました。 ああ、嬉しいなあ。本当に嬉しいなあ。 こんなにも幸せな時間があるなんてなあ。 4月27日(木) 学校に行く電車で、彼と一緒になりました。 おはようございますって言ったら、おはようって返してくれて、 さゆは嬉しくて嬉しくて、電車の中で飛び跳ねたくなりました。 もちろん飛び跳ねませんでした。 あああ、すき、だいすき。 4月28日(金) だいすき。 今日も一緒に登校してくれてありがとうございます。 4月29日(土) 今日はくおんちゃんの部活が午前中で終わったので、 二人でショッピングモールのフードコートに行きました。 食べたのはもちろんアイスです。 「いや~、よかったよかった。さゆ、ホント勇気出したよね。すごいと思うよ」 さゆの恋愛の立役者、くおんちゃんは言いました。 さゆは、今回のことでも他のことでも、 くおんちゃんにたくさん助けてもらっているので お礼の意味をこめて、今日のアイスはさゆが奢りました。 くおんちゃん、いつもありがとう。 さゆ、くおんちゃんがいてくれて本当によかったよ。 4月30日(日) なんと! 5月5日にデートすることになりました。 ど、どうしよう。嬉しいけど緊張するよぉ。 5月2日(火) デートまであと3日。 今からドキドキしています。 明日、美容室で髪を切ってもらいます。 可愛い感じになりますように。 5月3日(水) デートまであと2日。 美容室で髪を切ってもらいました。 うん。いい感じです。 可愛いって思ってもらえたらいいなあ。 5月4日(木) 明日は彼と初めてのデートです。 さゆの人生初めてのデートでもあります。 着ていく服、どうしようかなあ。メイクもした方がいいかなあ。 今日のさゆはファッションショーをしているようで、 服を何着も着替えて、それをお母さんに見てもらいました。 どれが似合うかを聞いたら、お母さんはニヤニヤしながら、 デートでもするの? と聞いて来ました。 バレてる! ああ~、楽しみだけど緊張するなあ。 手を繋がれたらどうしよう。 さゆ、緊張したら手汗がすごいから、ハンカチ忘れないようにしなきゃ。 5月5日(金) 今日は彼とデートをしてきました。 2人で映画を見に行って、喫茶店で飲み物を飲んで、 その後散歩しながらお喋りをしました。 映画館で映画を見ているとき、ポップコーンを食べようとしたら、 彼も同じタイミングで食べようとしていたみたいで、手と手がぶつかりました。 さゆはその直後からずーっとドキドキしてしまって、映画の内容があまり頭に入って来ませんでした。 手を繋ぐこと、ちょっとだけ期待していましたけど、今日はそうなりませんでした。 でもでもでもでも、それでも十分幸せな一日でした。 本当は500行ぐらい今日のことを書きたいのですが、デートでドキドキしっぱなしで疲れてしまったので 今日はもう寝ます。おやすみなさい。 5月6日(土) 昨日、喫茶店で飲み物を飲む彼、すごくかわいかったなあ。 ストローでちゅーって吸って、ごくんごくんって美味しそうに飲んで。 どうしてあなたは、かっこいいのにかわいいんですか? って思いました。 だいすき。 5月7日(日) またデートしたいよぉ。 5月8日(月) さゆから誘ったら引かれるかなあ。 5月9日(火) ぴゃぁ~~~~~! 誘っちゃった! 誘ってしまいました! 今度の日曜日、デートしたいですってメッセージを送っちゃいました。 今、返信を待ちながら日記を書いています。 がっついてると思われるかなあ。でもデートしたいしなあ。 また彼と一日一緒にいたいしなあ。 わ! 今返事来ました! OKでした! 日曜日にまたデートです! やったぁ~! 5月10日(水) ああ、大変大変。大変です! 今日は彼と一緒に下校することができました。 たまたまなのか何なのか、帰り道、人があまりいなかったので、 さゆが、彼の手にちょこんって触れてみたら、 彼がさゆの手を握ってくれました。優しく、ぎゅって。 わああああ、思いだすだけでやばいよぉ。 彼の手は、とっても暖かくて、彼の優しさが手から伝わってくる気がして、 さゆは幸せのあまりとろけそうになってしまいました。 そのまま、手を繋いでしばらく歩きました。 日曜日のデートでも、手を繋いでくれるかなあ。 繋いでくれたらいいなあ。 5月14日(日) 彼とデートでした。 ああ、幸せすぎます。 今日はたくさん手を繋いでくれましたし、 ちょっと恥ずかしいんですけど、恋人繋ぎもしちゃいました。 彼の手は暖かくて、優しくて、たくましいです。 彼と一緒に手を繋いで歩いていると、全ての景色がきらきらと輝いて見えます。 人を好きになるって、何だかすごいことなんだなあと思いました。 すき。だいすき。 5月15日(月) 彼の手で、もっとさゆを触って欲しいです。 って、何を書いているんでしょうか。 これだとさゆ、えっちな子だよ。 5月16日(火) 今日も一緒に下校しました。 ああ、だめです。 さゆ、昨日から少し変です。 彼の手、今日もさゆの手を握ってくれた、指を絡めてくれたあの優しい手で、 さゆのことを触って欲しいですし、 彼の唇……とても綺麗な唇とさゆの唇を重ねたりしてみたいです。 だめだって分かっているのに、こういうことばかり考えてしまいます。 5月17日(水) 妄想が止まらないです。 どうしよう……。 こんなの、くおんちゃんにも結城先生にも言えないです……。 さゆは、彼とキスしたいし、もっと言うと、えっちしてみたいです。 日記に書くと、それが形として残ってしまうので、 書かないようにしていました。 でも、もう抑えきれないです。 キスしたい。えっちしたい。 彼と手を繋いでから、こんなことばかり考えるようになりました。 何でこんなこと考えちゃうんだろう。 さゆのばか。 5月18日(木) 今週は土曜日にデートすることになりました。 キスしてみたいとか、えっちしてみたいとか、頭の中はそんなことばかりでしたが、 もちろん彼に伝えられるわけがありません。 5月19日(金) 「さゆってさ、もうえっちしたの?」 いつも通りのお昼休みの屋上、 くおんちゃんの口から出てきたタイムリーすぎる話題に、 お茶を吹き出しそうになりました。 してないよ、と答えると、 「男って狼だからね。さゆたちも付き合いだして一か月近く経つし、  そろそろあっちからしたいって言って来るかもよ?」 がおー、と両手を上げて襲い掛かるようなポーズをしながら、くおんちゃんはそう言いました。 「でも、彼氏にしたいって言われても、さゆがしたくなかったらちゃんと断るんだよ。  ちゃんと断れば彼氏も分かってくれると思うし」 「男の人ってそういうこと、そんなにしたくなるものなのかな」 「大好きな彼女と一緒にいたら、そうならないわけがないと思う。  男は狼だから」 男は狼、というワードを気に入っているのか、多用するくおんちゃんでした。 でも、そっか。 くおんちゃんはさゆのことを心配してくれていましたが、さゆは少し嬉しくなりました。 彼がさゆのことを魅力的だと思ってくれていたら、 彼からキスしたいとか、えっちしたいとか言ってもらえるかもと思ったからです。 ぴゃぁ~~~~~! どうしようどうしよう! 彼が狼だったら、さゆのこと美味しそうだと思ったら、ああ……。 だめ、妄想してしまいます。 5月20日(土) 彼とデートでした。 キスも、えっちも、ありませんでした。 手を繋いでもらえたのはすごく嬉しかったんですけど、そこから先はなくて、 さゆって魅力ないのかなって、ちょっとだけ落ち込んじゃいました。 頑張って彼の前では悟られないようにしたつもりだったんですけど、 どうだったんだろう。 5月21日(日) ひょっとしてさゆ、から回ってるのかなあ。 彼と付き合いだして、手を繋いでもらえただけでも幸せなのに、 キスやえっちを期待して、それがないと落ち込んで。 もしかしたら、彼にとってさゆは、 告白してきたから仕方なく付き合ってあげてるだけで、 キスもえっちもしたくならないような女なのかなあ。 魅力、ないのかなあ。 さゆじゃ満足出来ないって思われてるのかなあ。 不安だよぉ。 5月22日(月) だめ。欲張っちゃだめ。 5月23日(火) 彼の横顔、好き。 お耳がかわいいなあ。ちゅってしたいなあ。 って、また妄想してる。 だめだめだめ。 さゆ、欲張っちゃだめ。 5月24日(水) 今日から中間テストです。 テストが終わって、いつもより早い時間に、彼と2人で下校しました。 今日のテストは難しかったとか、そういう話をしました。 テストのことよりも、話したいことがありました。 あなたはいつだってかっこよくて優しいけど、さゆはそんなあなたに釣り合っていますか? さゆは、あなたにとって魅力的ですか? あなたが狼だったら、さゆに襲いかかりたいですか? 聞きたい。 でもこんなこと、聞けるわけがありません。 5月26日(金) 今日、さゆは彼とキスをしました。 えっちもしました。 日記を書いていて不思議な感覚になっています。 今日は中間テストの最終日で、 テストが終わって一緒に下校している時、彼の顔を見ていると 何だか感情が湧き上がって来て、 最近考えていること(キスとかえっちのこと)を彼に話してしまいました。 そうすると、彼は、自分もしたいと思ってるって言ってくれて、そのまま……。 彼の唇はとても柔らかくて、身体はとても逞しくて、そして暖かくて ………どう書けばいいんだろう。 キスも、えっちも、とても気持ちよくて、でもそれ以上に幸せでした。 うん、幸せ。 彼とえっちするのって、幸せなんだなあって思いました。 終わった後に、気持ちよかったって言ってもらえて、 さゆは、嬉しくて泣きそうになってしまいました。 一番好きな人に、さゆの身体で気持ちよくなってもらえて、すごく嬉しかったんです。 あと、さゆの結構恥ずかしい部分も判明しちゃいました。 思いだすだけでも恥ずかしいので、このことは日記に書かないようにします。 それにしても、初めてだったのにそんなに痛くなかったなあ。 もしかして、さゆが去年から一人でしてたから……? 5月28日(日) 昨日の夜、彼とえっちする夢を見ました。 彼とキスをして、彼の手がさゆの身体を触って、その後に一つになって……。 朝起きたとき、さゆの身体はその、すごくえっちな状態になっていました。 そのまま、さゆは一人でしました。 これは記録として書いておきますが、はじめて、一人でするときに最後まで出来ました。 すぐにでした。 今まで、一人でしていたとき、こんなになることはなかったのに、 彼とのえっちを思い出しながらするとすぐに最後までいってしまいました。 でも、一回だけじゃ足りなくて、何度も何度もしました。 書いていると、また身体が熱くなって来ます。 どうしよう……。 5月29日(月) 学校が終わって、家にお父さんもお母さんもいなかったので、 今日も一人でしちゃいました。彼の事を考えながら、たくさん。 彼は、さゆに女性としての幸せであったり、気持ちよさを教えてくれました。 さゆが一人で最後までできるようになったこと、伝えたいなあ。 ん、何だかいけない欲望が出てきている気がします。 6月1日(木) 今日も優しい彼。 大好きな彼。 さゆが一人でしているところを見て欲しい。 最後まで出来るようになったのを見て欲しい。 そんな、ヘンタイな欲望がさゆの中に渦巻いています。 ああ、だめ。 狼はさゆなのかもしれません。 6月2日(金) 2回目のえっちをしました。それも学校で。 たまにさゆは、自分の気持ちを抑えきれなくなる日があります。 今日がまさにそうでした。 今週、ずっと胸の奥で渦巻いていたさゆのえっちな願望を、彼にぶつけてしまいました。 彼は、さゆの全てを受け止めてくれました。 いつもくおんちゃんやクラスのみんながいる教室で、 さゆたちは一つになりました。 こんなことしてくれる人、他にいないと思います。 私の彼氏さんは、何て優しいんだろう。 優しくてかっこよくて、そしてたまにかわいくて、 理想の彼氏さんです。 だいすき。 6月5日(月) 一緒に登校して、一緒に下校しました。 だいすき。 6月6日(火) たまに、怖くなります。 さゆは、その、すごくえっちな子ですから、 こんなえっちな子とは付き合ってられないって、 捨てらたりしないかなって。 インランな彼女なんかいらないって……。 でも、止められないんです。 えっちなの、止められない。 6月7日(水) 「何かさゆ、最近色っぽいって言うか、そういう空気出てるよね。  あと、肌がめちゃ綺麗なんだけど、何かあった?」 お昼休み、くおんちゃんがニヤニヤしながら聞いてきました。 さゆはここ最近のことを話すのは恥ずかしいし、 でも嘘をつくのも嫌なので 「それはご想像にお任せしますだよ」 と、変な日本語で答えました。 そうするとくおんちゃんは、 おおっ! と驚いたような表情を見せて 「なるほど! つまりそういうことね!  いや~、さゆに先を越されてしまったでござる!」 そんな感じのことを言って、察してくれました。 何故か侍のような口調になっていました。 そう言えば、くおんちゃんは好きな人といないのかなあ。 6月12日(月) えっちのとき、いっつもさゆばかり気持ちよくしてもらっているから、 たまにはさゆが彼のことを気持ちよくしてみたいなあ。 とか考えていました。 6月13日(火) さゆが何をすれば彼は興奮して、気持ちよくなってくれるんだろう。 そんなことを考えながら学校から帰宅して、誕生日にくおんちゃんからもらった 勝負用の水着? を着てみました。 これ、恥ずかしくて着れないって思ってたけど、 男の人からしたらいいのかも……。 その、ものすごく、えっちです……。 これを着て彼にご奉仕とか、そういうことしたら喜んでくれるかなあ。 ああ、少しワクワクしてきました。 6月14日(水) 彼にご奉仕するイメトレ? をしてみました。 ここをこうしたら気持ちよくなってもらえるかなあ、とか……。 6月15日(木) 今日はさゆのお部屋でえっちをしました。 くおんちゃんにもらったえっちな水着を着て、 彼に気持ちよくなってもらえるようにたくさんご奉仕しました。 途中で感情が爆発して、彼にさゆのことを聞いてしまいました。 さゆがこんなにえっちな女の子でも、嫌いにならないでくれますか? って。 彼は、嫌いにならないって言ってくれました。 すごく濃厚で、気持ちよくて、幸せな時間でした。 だいすき。 6月16日(金) 今日の夜ご飯は肉じゃがでした。 とっても美味しかったので、 お母さんに、今度作り方教えて、と言いました。 いつか、さゆの作ったご飯を彼に食べて欲しいなあ。 6月19日(月) たまに来る不安な日。 えっちの時、いつもさゆから誘ってる気がして、 もしかして、無理させちゃってるかなと思いました。 6月20日(火) しばらく我慢して、待ってみようかな。 無理させてたら悪いですし……。 6月21日(水) がまん……がまん……。 6月23日(金) 今日はなんと、彼からえっちを誘ってくれました! ラブホテルに行ってみようって。 さゆは誘われたことが嬉しくて嬉しくて仕方がなかったです。 だって今までは、さゆが誘ってばかりでしたから。 ラブホテルでは、えっちなお薬を使ってしちゃいました。 途中から気持ちよくなりすぎて、わけがわからなくなってきて、 最後はちょっとやっちゃいけないことをしちゃいました。 でも彼は怒らなかったし、気にしないでいいよ。と言ってくれました。 はぁ、本当に優しいなあ。 だいすき。 だいすきだいすきだいすき。 書ききれないぐらいだいすき。 6月24日(土) 昨日の夜、寝ようとしたら急に寂しくなって、 彼に電話してしまいました。 たくさんえっちして疲れてるはずなのに、 彼はさゆが寝るまで通話してくれました。 優しい優しいさゆの彼氏さん。 大切なさゆの彼氏さん。 スマホをスピーカーにして、枕の横に置いていると、 まるで彼が隣にいるような気持ちになって、安心して眠れました。 さゆは今、とても幸せです。 さゆには、大好きな彼氏さんがいます。 彼は、さゆの全てを受け止めてくれる優しい人です。 昨日、そんな彼が、さゆを求めてくれました。 さゆを欲しがってくれました。 いろんなことがあって、さゆは自分のことを嫌いな時期がありました。 本当に嫌いでした。 でも、彼がさゆを求めてくれたとき、 さゆはさゆのことを、少しだけ好きになれました。 大好きな人に求められるという事実が、さゆを肯定してくれました。 自分を認めてあげることが出来ました。 さゆがさゆのことを好きになれたのは、あなたのおかげです。 本当にありがとう。 大好きです。