ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック1:部室へようこそ♪ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;SE:学校のざわめき ;SE:瀬奈の近づいてくる足音 ;SE:足音止まる ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「もし、そこのあなた? 今お時間はございますか?」 【瀬奈】 「突然お声がけして申し訳ありません。あなたが気になってしまって、つい……」 【瀬奈】 「戸惑ってしまうのも無理はありませんね。わたしとあなたは一度も同じクラスになったことはありませんし。お見かけしたことはあったかもしれませんが、こうしてお話するのは初めて……」 【瀬奈】 「警戒されてしまうのも無理はありません。ますは自己紹介から。わたし、小豆沢瀬奈と申します。実は折り入ってご相談がございまして……」 【瀬奈】 「あ、ご安心なさってください! お高いツボをお売りしたいとか、ご利益のあるお水を売りつけたいわけではございません。決して、あなたを騙すつもりはないのです。ないのですが……」 ;ボイス位置:1 息切れしながら 【瀬奈】 「はあっ……はあっ……す、すいません。これはその、ちょっとした発作というか……わたしが背負いし業のようなもので……」 【瀬奈】 「す、少し……少しだけで良いのです。お時間をわたしに頂けないでしょうか……?」 【瀬奈】 「あうっ、もうダメです……。我慢出来ません……っ!!」 【瀬奈】 「さきっぽだけ、さきっぽだけでいいので! いれさせて頂けませんか!!」 【瀬奈】 「こ、ここではあなたを美味しくいただけない……っ! すみませんっ! お首、失礼しますっ! 破ァッ!!」 ;SE:瀬奈がユーザーの後頭部に手刀を叩き込む音 ;SE;瀬奈がユーザーを抱える音 ;SE:瀬奈が走っていく音(20秒ほど。徐々に小さく→20秒ほどで徐々に大きく) ;SE:瀬奈がASMR部の部室のドアを勢いよく開ける音 ;SE:瀬奈がユーザーをソファに座らせる音 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「ふーっ。一仕事でした。あ、お目覚めになりましたか?」 【瀬奈】 「本当に申し訳ございません。わたしったら気が動転して……。ついあなたの後頭部に手刀を叩き込み気絶させ、その上このような密室にお連れしてしまいました……」 【瀬奈】 「一定の条件を満たすと暴走してしまうんです、わたし。自分でもどうにかしようと奮闘しているのですが……。お恥ずかしい限りで……」 【瀬奈】 「それで、折り入ってご相談したいことがありまして……。いえ、無理矢理に拉致されたあなたに、わたしの話など聞く義理がないというのは重々承知なのですが……」 【瀬奈】 「でも、どうしてもと思いまして、このような手段をとってしまったのです。どうか、お聞き頂けないでしょうか?」 【瀬奈】 「ご返答がない……。つまり良い、ということですね?」 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「コホン、では改めて! そのご相談というのはですね……あなたの『穴』を、わたしに預けて頂きたいのです」 【瀬奈】 「……急にそんなこと言われても、とお思いになるのも自然なことでしょう。人体の急所を、他人に、しかも初対面の相手に委ねるなんて、狂気の沙汰であると……」 【瀬奈】 「ですがご安心下さい。わたしのテクニックであれば、あなたを極上の快楽に導いて差し上げることが可能です。これでもわたしは穴という穴を知り尽くした、穴のプロフェッショナル……」 【瀬奈】 「サービスには自信がございますので、どうかご一考頂けないかと」 【瀬奈】 「……ええ〜っと? 上手く伝わっていないみたいですね?」 【瀬奈】 「ただ、わたしと小一時間、この部屋で二人きり、熱いひとときを過ごしては頂けないかと、そう申し上げているのですが……」 【瀬奈】 「魅力的な提案ではなかったでしょうか。やはりわたしなどでは、あなたの持つその穴にはつり合わない。まさか、すでに穴を預けることができるような、信頼できる相手がいらっしゃると?」 【瀬奈】 「そんな、うう、ぐすん」 【瀬奈】 「ご、後生ですから! 一度だけでいいんです! わたしに思い出をください! これっきり! これっきりですからっ!!」 ;ボイス位置:1 囁き声で 【瀬奈】 「……この感じ、勢いで行けそうですね。ではっ!」 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「ご了承頂きありがとうございます!! それではですね、まずはここASMR部の説明から……」 【瀬奈】 「あれ……? また何かわたしおかしなことを言ってますか? 大丈夫ですよね? 続けますよ?」 【瀬奈】 「わたし達がいるここは、ASMR部の部室でして。ご存知ですか? ASMR。流石に名前ぐらいは知っていらっしゃいますよね?」 【瀬奈】 「Autonomous Sensory Meridian Response(オートノマス・センサリー・メリディアン・レスポンス)」 【瀬奈】 「この頭文字をとったものが、ASMRです。直訳すれば自律感覚絶頂反応、となりますね」 【瀬奈】 「難しく考えず、基本的には聴覚を通じてゾワゾワ、ゾクゾクとする感覚を楽しむもの、とお考え下さい」 【瀬奈】 「耳かき、囁き声、タッピング音や咀嚼音であるとか、あるいはシャンプー、オイルマッサージ音だったり……。とにかく、それらがバイノーラルマイクという高品質の機材で録音され、私達の元に動画サイトやダウンロード販売サイトを通じて届けられるわけです」 【瀬奈】 「そしてっ! そんなASMRを研究し、さらには作品を作ってしまおう! というのがわたしが副部長を務める、このASMR部なのです!!」 【瀬奈】 「あっ、すみません。急にテンションが上がってしまって」 【瀬奈】 「とにかくですね。あなたに協力してもらいたいのはその制作、というよりむしろ、制作に至るまでのテストなのです」 【瀬奈】 「まだピンと来てない、ですか? やはり言葉だけでは不十分でしたか……。ええとですね、それならば……、破ァッ!」 ;SE:瀬奈がユーザーの足を蹴り払う音 ;ボイス位置:1 より近くで(瀬奈がユーザーに膝枕をして、顔覗き込んでいるイメージです) 【瀬奈】 「あっ、急にすみません。姿勢を整えさせて頂きました。得意なんですよ、足払い。これが一番はやいので」 【瀬奈】 「こうしてわたしの太ももに頭を載せて頂いたのは、他でもありません。あなたの穴がよく見えるからです」 【瀬奈】 「そう、あなたの耳穴。全校生徒827名を観察し続け、ついに見つけた最高の穴……」 【瀬奈】 「それを今からこのわたしの耳かきで極上の快楽に導いて差し上げます。詳しい話は、その間に致しましょう」 【瀬奈】 「では、新たな世界を感じる準備は、よろしいでしょうか?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック2:耳かきの前に耳のマッサージです♪ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「とは言え、いきなり耳かきというのも性急過ぎていけませんね」 【瀬奈】 「まずは軽くお耳のマッサージをしながら、色々とお話でもいたしましょうか」 ;SE:両耳マッサージ音開始 【瀬奈】 「指で、表面を滑らせるように……。すこしくすぐったく感じるかもしれませんが、我慢、ですよ?」 ;SE:30秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「はあ〜っ。それにしても、触れているだけでも本当に良い穴だとわかります……。一億人に一人の逸材ですよ、あなたは」 【瀬奈】 「わたし、一度穴を視ればわかるんです。その人の耳についての全てが、手に取るように……」 【瀬奈】 「耳かきの頻度、耳垢の乾き具合、付着しやすい場所など、わからないことなどありませんから」 【瀬奈】 「その上で申し上げますが、やはりあなたの耳はわたしの求めていた耳穴、そのものなのです。決め手となったのは……」 【瀬奈】 「耳垢生産の速さ! ……これです」 【瀬奈】 「高い頻度で耳かきを行うのはかえって耳に悪いのですが、あなたのその耳垢生産速度であれば、問題など微塵もございません」 【瀬奈】 「つまり、わたしの飽くなき探究の日々に着いてこられる優秀な穴は、今こうしてもみほぐしているあなたのものだけ、ということなのです」 【瀬奈】 「これからあなたにはわたしのリアルな耳かきの感触を覚えて頂き、それから制作したASMR音源を聞いて頂く。つまり、あなたにおこなってもらいたいのは、現実と、ASMRという一種の虚構を埋めるための助言なのです」 【瀬奈】 「やはり、どんなに高品質な録音機材を使用しようと、制作されるものと実際の耳かきには多少の差異が生じてしまうものです。しかし、その差を極限にまで縮め、よりリアルなASMR音声を作成することが、わたしの夢であり目標であり、使命なのです」 【瀬奈】 「そういう訳で、あなたにはわたしの野望に付き合って頂きたいのです。どうか、ご協力願えないでしょうか?」 【瀬奈】 「……返答はなし、ですか。そうですか。で、あれば……」 ;SE:両耳マッサージ音停止 ;SE:スマホカメラのシャッター音 ;SE:両耳マッサージ音再開 【瀬奈】 「この、あなたのとろけ顔を、SNSで拡散させて頂きます」 【瀬奈】 「こんな手段、できればとりたくはなかったのですが……。万が一、あなたに逃げられた時のための保険として致し方なく……」 【瀬奈】 「脅すような形になってしまったのは申し訳ありません。しかし、あなたも悪いのですよ? 先程からずっと黙って、煮え切らない態度ばかり……」 【瀬奈】 「こんな、魅力的な穴を前にはやる気持ちを抑えられるほど、わたしは我慢強い人間ではないのですよ。ふふっ」 ;SE:10秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「ああ、だんだんと赤みをましてくるこの極上の耳……。食べてしまいたいぐらいです」 【瀬奈】 「こうして耳を弄りながら、これからどんな快楽を与えてあげるかを考える、この時間がとても愛おしく、そしてもどかしい……」 【瀬奈】 「どうでしょう? だんだんとわたしに支配される覚悟は出来てきたでしょうか?」 【瀬奈】 「ふふっ。逃げ場はすでに塞がっておりますし、覚悟というよりは、諦め、という言葉の方が正しいかもしれませんが……」 【瀬奈】 「わたしの気持ちがご理解頂けるようになるには、時間がかかるかもしれませんね。でもいつか、この情熱を分かち合えるようになりたいものです」 【瀬奈】 「というのも、耳かきやASMRのことになるとわたしは周囲が見えなくなるほど熱くなってしまって、ヒかれてしまうことも多く……」 【瀬奈】 「他の部員にも、わたしが一番怖い、などと言われてしまっていてですね……。わたしからすれば、皆さんとそう変わらないと思うのですが……」 ;SE:30秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「さて、だんだんとお耳とその周りがあたたまってきたようですね。心地よく感じられているでしょうか?」 【瀬奈】 「はじまりは確かに強引でしたが……今日は満足して帰って頂けるように、丁寧におもてなししますから……。絶対、逃げないで下さいね?」 【瀬奈】 「わたしが耳かきを持つと、部員の皆さんは逃げてしまうんです。わたしの耳かきは『この世に戻ってこられなくなる』だとか、『自分が何者なのかわからなくなる』だとか、ヒドい言いようで……」 【瀬奈】 「最初の一回以降は、そんな風に断られてばかりでして。まるでわたしの耳かきが法的にアウトな代物のように扱われるのは、流石に納得がいかないのですが……」 【瀬奈】 「まあ、そんな経緯もあり、こうして被検体、コホン。協力してくれる方がいるというのは、本当に嬉しいことなんです」 【瀬奈】 「ええと、少し怖がってます? し、心配ないですからね? ちゃんと生きて帰ってこれますし、アイデンティティも喪失しませんから。大げさなんですよ、あの子たち」 【瀬奈】 「そのうち、彼女たちに出逢うこともあるかもしれませんね。個性豊かというか、少々変わり者が多いといいますが、普段の態度はともかく、ええと、ね、根は良い人ばかりなので。仲良くしてあげてください。お願いします」 【瀬奈】 「……なんだか、余計に不安にさせてしまったような。すみません。わたしったら口下手でして」 【瀬奈】 「肝心な部分を抜かして話してしまったり、誤解を招く表現をしてしまったり……」 【瀬奈】 「焦ったりすると特にそうなんです。悪癖、というやつです」 【瀬奈】 「今も緊張しているようですね、わたし。耳に触れていれば落ち着くと思っていたのですが、あなたはわたしにとって、特別な人みたいです」 【瀬奈】 「……今のも誤解を招く表現、だったりします?」 【瀬奈】 「時々相手の反応で解るのですが……。はあ。どうすればこの癖は治るのでしょうか。なぞです……」 【瀬奈】 「そろそろ、お耳のマッサージはおわりなのですが……。ふふっ、もっとして欲しいですか?」 【瀬奈】 「ではもう少しだけ、ですよ……? わたしも、今すぐ耳かきしたい衝動に抗うの、大変なんですから……」 ;SE:一分ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「んっ……。もしかして、ですけど。お耳、弱かったりします? あ、いえ。ただやっぱり、そうなのかなって」 【瀬奈】 「本当に適任ですね、あなたは……。この部の宝になりそうです」 【瀬奈】 「反応を観察して楽しみたい、という部員は多いですから。かくいうわたしも、そうなのですけれど」 【瀬奈】 「あなたがいれば、わたし達の作るASMR作品はさらなる進化を遂げられる。そんな気がします」 ;SE:30秒ほど両耳マッサージ音 【瀬奈】 「これでよし、です。さて、お耳のマッサージは終了です。いかがでしたか? お耳の血行も良くなって、ほかほかしてきたと思います」 【瀬奈】 「お風呂上がりに耳かきをなさる方も多いですが、個人的にはマッサージをしてからのほうが、耳垢が余分な湿気を含まないので耳かきがしやすいんです」 【瀬奈】 「では、いい感じにあなたのお耳も美味しく仕上がってきたところで」 【瀬奈】 「本番の耳かき、やっていきましょうか♪」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック3−1:オーソドックスに、竹耳かきです♪(右耳) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「それでは、まずは右耳から。頭の左側をわたしのおひざに」 ;ボイス位置:3 普通に会話 【瀬奈】 「……ああ、よく見えますよ。素晴らしい耳垢たちが……。じゅるっ」 【瀬奈】 「あ、すみません。垂れてはおりませんので! はあ、でも、こんんな、やっぱり改めて見ると……はぁんっ」 【瀬奈】 「ごくっ。はーはー、動悸と唾液の分泌が止まりません。わたし、わたしはっ……」 【瀬奈】 「はぐっ! おひふふんへふ、わらひ(落ち着くんです、わたし)! むぐ……ふーっ……ふーっ……ぷはぁ……」 【瀬奈】 「ああ、ご心配なさらないでください。冷静になるために、ちょっと自分の腕を噛んだだけですので」 【瀬奈】 「よし。理性も取り戻したところで、早速この耳かきをお披露目です」 【瀬奈】 「じゃじゃん。竹耳かき〜。わ〜っ♪」 【瀬奈】 「あれ……? あの、ここは拍手でお出迎え頂きたいところだったのですが……」 【瀬奈】 「なるほど……。ある程度ASMRに知識のある方か、生粋のミミカキスト以外の方は竹耳かきと聞いても、ああ、よくあるやつね、としか思わない。そういうことですか」 【瀬奈】 「いいですか。この竹耳かきはですね。いわば『定番の味』『母なる海』『実家』『安心毛布』などと言われていて……えとえと、それからそれから……」 【瀬奈】 「こほん。とにかく万人の還る場所であり、抜群の安定性を誇る至高の耳かき、なのです」 【瀬奈】 「論より証拠。まずはこの感触を感じて頂ければきっと解ると思います」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「いかがですか? そうです。この『帰って来た』感。これこそが竹耳かきの素晴らしさであり、最高の武器なのです」 【瀬奈】 「様々な耳かきを試した結果、最終的に竹に帰って来るかたは数しれず……」 【瀬奈】 「大の大人であっても、耳かきをされている間は子供に戻ってしまう。そう思わせる力がもっともあるのが、この竹耳かきなのです」 【瀬奈】 「確かに、高品質、かつ高機能な耳かきは巷(ちまた)にあふれています。しかし竹耳かきは変わらず、いつもそこにある」 【瀬奈】 「定番。いつもの。でもそれが最強。そんなシンプルな法則を、我々人類に思い出させてくれるのが、この竹耳かきなのです」 【瀬奈】 「ちなみに、こちらの竹耳かきは囲炉裏の煙でスモークされた特別製。竹の感触の良さを極限にまで高める加工がなされています」 【瀬奈】 「いかがでしょうか。なんて、わたしの話などおそらく半分以下ほどしか、聞こえていないでしょうね」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「頭がとろんとろ〜ん、まぶたもすとんと落ちてきそうになるぐらい、心地よいでしょう?」 【瀬奈】 「これが、わたしの耳かきです。その体に教え込んで差し上げますね?」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「実は、耳かき自体、不必要な行為だ、という話はご存知ですか?」 【瀬奈】 「人間の体はよくできているもので、耳垢自体は放っておいても、勝手に耳の外にゆっくり出ていくそうなんです」 【瀬奈】 「特別な場合、たとえば耳が聞こえづらくなったり、かゆみが酷くなるほど耳垢がたまらないかぎり、耳かきをする必要などございません」 【瀬奈】 「しかし、なぜそれでも人は耳かきを求めるのか。少し、考えてみてください」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「答えは出ましたか? はい。今あなたの心の中にあるその答えも、真実です。その上で、わたしなりに出した答えを聞いてください」 【瀬奈】 「それは、『無駄だから』でしょう」 【瀬奈】 「ふふっ。驚きましたか? 生粋の耳かき好きのわたしから、こんな答えが出るなんて想像出来なかったのではないでしょうか」 【瀬奈】 「でも、よく考えてみて下さい。世の中には、大切、かつ必要なものがたくさんあります。例えば、愛。お金、安全な住居、衣服、食事……」 【瀬奈】 「それらを確保し、自らに保証し続けることが、わたし達人間のすべきことであり、義務なのだと思います」 【瀬奈】 「ですが、それだけでは疲れてしまいませんか?」 【瀬奈】 「あなたにもありませんか? すべきこと、必要なことばかりに向き合いすぎて、疲れてしまったことが」 【瀬奈】 「きっとあるはずです。そんな時と場合のために天上からわたしたちに与えられたのが、無駄で、無意味で、でも気持ちがいい、そう。……耳かきです」 【瀬奈】 「長々と語ってしまいましたが、ふふっ。こんな無駄話をしている間に、たくさんの耳垢をとることが出来ました♪」 【瀬奈】 「何かお話していないと、興奮で手元が狂ってしまいそうでしたので、わたしの声が邪魔でしたら、申し訳ありませんでした。けれど……」 【瀬奈】 「少なくとも、お嫌ではなかったようですね。それでは、次は左側を耳かきさせて頂きますね?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック3−2:オーソドックスに、竹耳かきです♪(左耳) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:7 普通に会話 【瀬奈】 「わあ……。やっぱり左耳も素晴らしいです。この芸術的な耳垢分布……!! ではでは、失礼します!」 ;SE:1分ほど耳かき音 【瀬奈】 「はあんっ、んんっ! こほん。そ、そうです。お話、お話さえしていればわたしは大丈夫……。ええと、ええと……」 【瀬奈】 「で、ではっ! 何故わたしがここまで耳かきを愛するようになったのかについて、お話させて頂きますね?」 【瀬奈】 「あれは、幼少の頃、というかわたしの持つ、最古の記憶なのですが……」 【瀬奈】 「それが耳かきをしてもらっている場面なのです。母の実家、つまりはわたしのお祖父様とお祖母様のお家ですね。そこの縁側で、セミのじい、じい、という声をバックグラウンドに、白いワンピースを着た母にしてもらった耳かき……」 【瀬奈】 「その時感じたときめき、心地よさは言葉にするのは難しいのですが、とにかく極上でして。その記憶がわたしという一人の耳かき狂いを作り上げたといっても、過言ではないでしょう」 【瀬奈】 「ある意味では、わたしはあの日、あの時の耳かきに囚われてしまっている、とも言えるのかもしれません」 【瀬奈】 「その後、何度も母に耳かきをねだりましたが、ダメでした。いえ、心地いいのはいいのですが、やはり何かが足りず……。プロの耳かき師を頼っても結果は同じ……」 【瀬奈】 「ならばあの絵も言われぬ最高の空気感を、わたし以外の他の誰かに与えられるようになれば。自身で再現できるようになれば。手法を確立し、わたし以外の誰かにその技術を伝授できれば。きっと、巡り巡ってあの日の耳かきをもう一度味わえる。そう考えたのです」 【瀬奈】 「そういった経緯で、今でも耳かきをしてもらうことは好きですが、耳かきをするのはもっと好きになってしまって」 【瀬奈】 「こうしてわたしは耳かきに夢中な日常を、今も過ごしているのです。……こんな話、初めてしたかもしれません」 【瀬奈】 「言葉にしてみると、我ながらおかしな人だな、とは思いますが……」 【瀬奈】 「なんというか、恥ずかしくなってきました。自分についてこんなに長くお話するというのは、その、うう……」 ;SE:5秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「話題、変えましょうか。そうしましょう。ね?」 【瀬奈】 「とは言っても、わたしから提供できるお話は耳かきについてのことばかりでして」 ;SE:10秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「たとえば今。この耳かきで掘っているのは、耳の穴の入り口から大体一センチのあたりなのですが……」 ;SE:5秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「ここがベストな耳かきポジションなんです。というのも、これより深い場所には殆ど耳垢がないので。それにあまり奥のほうに耳かきを差し入れると、傷つけてはいけない場所を傷つけてしまうかもしれないですし……」 【瀬奈】 「耳を気持ちよくしたいと思って、耳をかえって傷つけてしまうことのないように、実際の耳かきでは細心の注意を払わなければならないんです」 【瀬奈】 「と、耳かきにはある程度の危険が伴うわけですが、そんな危険な行為を他人にしてもらうこと自体、ちょっと異常ですよね」 【瀬奈】 「理性的に考えれば、耳かきを人に依頼するなんて危ないですよね。今回のあなたはその、例外と言いますか、当てはまらないかもしれませんが……」 【瀬奈】 「とにかくっ、耳かきって、人と人とのコミュニケーションの中でもかなり特殊だと思いませんか? だって、急所をあえて人にゆだねるんですよ? ただ気持ちいいからやって欲しいなんて理由で」 【瀬奈】 「それでいて、そんなある意味危険な行為が古来より脈々と続いている……。なんというか、わたしはその事実に神秘性、ロマンを感じてしまうのですよね」 【瀬奈】 「文献に初めて耳かきが登場したのは室町時代だそうです。ですから例えば戦場では無敗を誇る、注意深くかつ勇猛な武士も、おうちで奥さんに耳かきをしてもらっていたかもしれないわけですね」 【瀬奈】 「そんなふうに想像を巡らせると、いまこうして行われている耳かきにも、感慨深く感じられますよね……」 【瀬奈】 「耳かきが本来無駄で、無意味で、その上一つ間違えれば危険でも、人々の間で親しまれながら長い歴史を紡いできた、という事実……」 【瀬奈】 「やはり耳かきって不思議で、魅力的ですよね……。あなたもそうは思いませんか?」 【瀬奈】 「あの、聞いてますか? もしもし、もしもーし」 【瀬奈】 「気持ちよく感じてくださっているだけならいいのですが、もう少しわたしの話に耳を傾けてくれても……」 【瀬奈】 「あれ、ちょ、ちょっと……? 少しは反応してくださーい」 【瀬奈】 「うう、今回ばかりは、自分の耳かきテクが憎いです……」 【瀬奈】 「そうこう話しているうちに、左耳の耳かきもこれにて終了です。お疲れ様でした」 【瀬奈】 「いかがだったでしょうか。わたしの耳かきは。心地よく感じていただけたなら嬉しいです」 【瀬奈】 「ですが、まだこれは序の口。今回はただ耳かきをしただけ、ですから」 【瀬奈】 「次回からはASMR作品から逆輸入したテクニックを使って、あなたの耳を、体を、心を更にとろけさせてみせます」 【瀬奈】 「また近いうちに、お声をかけさせて頂きますね?」 【瀬奈】 「それでは、またお会いしましょう♪」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック4−1:今日は変わり種。スクリューな耳かきです♪(右耳) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;SE:ドアの開く音 ;SE:ユーザーの歩く音 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「あ、どうぞこちらに」 ;SE:ユーザーが立ち止まる音 【瀬奈】 「待っておりました。ご連絡してから、果たして来て頂けるかと不安だったのですが、ほっと一安心です」 【瀬奈】 「この前は、ええと、脅すような形をとってしまい、申し訳ありませんでした。あの写真はこの通り、こうして……」 ;SE:瀬奈がスマホを取り出す音 【瀬奈】 「削除、させて頂きましたので。ご安心なさってくださいね。あの後、本当に反省したんです。申し訳ありませんでした」 ;瀬奈がスマホをしまう音 ;ボイス位置:1 小さな声で 【瀬奈】 「……ふふっ。よかったー」 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「んんっ(咳払い)。それでよろしければ、なのですけど……。前回に引き続き、また耳かきをさせて頂いてもよろしいでしょうか?」 【瀬奈】 「今回は絶対に暴走しませんので。ご安心を」 【瀬奈】 「実は上物が手に入ったのです……。これはいち早く試したい。どうせならあなたに、はじめてを頂いて欲しいと思いまして……」 【瀬奈】 「いかがでしょうか。受け入れて頂けますか?」 【瀬奈】 「まあ! うれしいです。では早速、こちらへ」 【瀬奈】 「ぽんぽん。ここです。お膝の上に、頭を」 ;SE:ユーザーが瀬奈の膝に頭を乗せる音 ;ボイス位置:3 普通に会話 【瀬奈】 「……くううっ、やっぱりです。いい感じにまた、耳垢が溜まってきましたね。わたしの目に狂いはなかったようです」 【瀬奈】 「では、今回の耳かきをご紹介します。じゃーじゃん、じゃーじゃん、じゃじゃーん! スクリュー耳かき〜」 【瀬奈】 「ぱちぱちぱちぱち。うふふっ、ありがとうございます。そうなんです。通販で頼んでいたものがようやく届いたんです!」 【瀬奈】 「見て下さい! この形だけでもわかる『つわもの』感! ありとあらゆる耳垢を掘って掘って掘り進めてやるぞと言わんばかりのドリル型っ!」 【瀬奈】 「この機能美がたまらなく官能的、ですよね……。では早速、使い心地を試してみましょう♪」 【瀬奈】 「耳の入口にそっと差し入れて……」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「わ、わああ……。なんでしょう、この気楽さは。軽やかな手応えで、どんどん、するすると耳垢が取れてしまいます……!」 【瀬奈】 「この小さな螺旋状の部分が、いい感じに小さめの耳垢をこそぎとってくれて、とっても楽しいです……」 【瀬奈】 「いかがでしょう? このスクリュー耳かき。先端のこりこり、くりゅくりゅ、といった独特の感触がすばらしい、と販売サイトのレビューには書かれていたのですが……」 【瀬奈】 「やはり、実際に確かめてみることが大事ですね。あなたの表情からは、至福、というそんな二文字が浮かんでおります」 【瀬奈】 「そういえば、前回に言ったASMR作品の要素を取り入れた耳かき、同時に試してみちゃいますか?」 【瀬奈】 「少々、刺激が強いですし……わたしもその、ちょっと恥ずかしいのですけど……」 【瀬奈】 「〆切まであと一ヶ月を切り、時間もありませんし……」 【瀬奈】 「ご了承、いただけないでしょうか?」 【瀬奈】 「ありがとうございます! では、失礼して……」 ;ボイス位置:3 囁き声で 【瀬奈】 「いかが、ですか? ……近いのは、はい。近いんですけど、うう……。耳元で、吐息があたるこの感覚を味わいながら、耳かきの音を楽しむ。この形がASMRにおける耳かき音声のオーソドックスな形でして」 【瀬奈】 「実は初めてなんです。ダミーヘッドマイクではしたことがあるのですが、生身の方には一度も……」 【瀬奈】 「ご不快でなければ、このまま進めさせていただきますね?」 【瀬奈】 「ん、しょ……。少し、あなたの耳とわたしの目が近すぎて、耳垢が見えにくいですが……慣れてしまえばきっと、何とかなりそうですね……」 【瀬奈】 「このスクリュー耳かきなら、ピンポイントで耳垢を狙ってこそぎ取るというより、一定の範囲をならすような使い方でもよさそうです……」 ;SE:一分ほど耳かき音 【瀬奈】 「こんな、感じですかね……? なんとなく、コツが掴めてきました」 【瀬奈】 「こし、こし、こし、こし……。こんな風に、オノマトペと共に耳かきをする、というのもASMR作品ではかなり需要がありまして」 【瀬奈】 「わたしもはじめてASMRの耳かき音声を聞いたときは衝撃でした。くり、くり、くり、くり……。こんな声かけがあるだけで、普段の耳かきとは違った快楽を感じられるのですから」 【瀬奈】 「くーり、くり、こしこしこし……。ぞり、ぞり、ぞり、ぞり……。どうでしょう? なんだか、全身にぞくぞくと感じるものがありませんか?」 【瀬奈】 「その感覚、覚えておいてくださいね? くりゅ、くりゅ、さり、さり……。どんなオノマトペがいいか、色々と試させてください」 【瀬奈】 「音声作品に必要なのは、癒やしです。聞いている方がリラックスして聞けるように、こうして……」 【瀬奈】 「こしょこしょ、こしょこしょこしょ……。」 【瀬奈】 「どう、でしょう。上手くできていますか?」 【瀬奈】 「まだまだだったら、言ってくださいね……? さわさわ……さわさわさわ……」 【瀬奈】 「ごそごそ、ごそごそ……。どんな擬音がいいかは、もしかすると人によりけり、なのかもしれませんが……」 【瀬奈】 「あなたにとってどうか、というのが今は大事ですので……」 【瀬奈】 「しょり、しょりしょりしょりしょり……。さて、一通りの擬音は出尽くしましたが、いかがでしょう」 【瀬奈】 「まだわからない。そんな顔ですね。では、左耳の方でも、色々と試してみましょうね」 ;SE:耳かき音止める 【瀬奈】 「ですがその前に……。今回はこちら。梵天の方も使用させて頂きます」 【瀬奈】 「前回の竹耳かきでは、耳垢を綺麗に全てすくい取れたので使用しませんでしたが、今回は多少、小さな耳垢が残っています」 【瀬奈】 「それらを全て、綺麗に取るためには、この白いふわふわとした梵天を使用するわけですね。ひさしぶりに使うので、少しワクワクしています」 【瀬奈】 「では、参りますね……」 ;SE: 梵天の音開始 【瀬奈】 「耳の中で、もそもそと動くこの梵天の感触は、耳かきでかく際の快感とはまた違った心地よさがございますよね……」 【瀬奈】 「実は、この梵天という名前。なぜそんな名称になったのか、はっきりとはわかっていないんです」 【瀬奈】 「正確に言えば、諸説あって結局どれなのか定かではない、という感じですね……」 【瀬奈】 「もっとも有力な説は、修験者(しゅげんじゃ)の着る梵天袈裟、あのマリモのようなものがついているアレですね。そこから、とのことですが」 【瀬奈】 「わたし、その梵天袈裟を実際に触ってみたことがあるのですが、なんというか……。感触的には別物、という感じでした」 【瀬奈】 「それから、もう細かいことはいいや。なんだかよくわからない、ふわふわの気持ちいいやつ。という認識でいいような気がしてしまって。ふふっ」 【瀬奈】 「ハッ。またわたしったらあなたに興味のない話を。前回はしゃべり過ぎた、と反省していたのですが……」 【瀬奈】 「イヤじゃありません……? では時々、少しだけこういう話を聞いて頂ければうれしいです……」 【瀬奈】 「ふうっ。いい感じに綺麗になってきましたね……。少し、こそばゆいですか? でも、もうちょっとだけ我慢、いえ、堪能してください」 ;SE:一分ほど梵天音 ;SE:梵天音止める 【瀬奈】 「よし、これで綺麗に……。あっ。待ってください。最後の仕上げがまだでした」 【瀬奈】 「……すーはー。あの、ドン引きはだめですよ? すうううううっ」 【瀬奈】 「ふ、ふ〜っ」 【瀬奈】 「ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふうううううっ」 【瀬奈】 「あうう……。やっぱり、案の定恥ずかしいやつです……。やらなきゃよかったです、ああもう、うう……」 【瀬奈】 「ASMRの作品では大体これがあるんですよ! だってお耳ふーふーがないのはASMRじゃないんですよだから仕方ないんです私悪くありません!」 【瀬奈】 「これは実験、なんですから。あなたはそれを甘んじて受け入れてくれる契約じゃないですか! あれ、違いましたっけ」 【瀬奈】 「も、もう。この話は終わりです! 次、左耳行きますから!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック4ー2:今日は変わり種。スクリューな耳かきです♪(左耳) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:7 囁き声で 【瀬奈】 「では、左耳も失礼しますね?」 【瀬奈】 「こちらも、やはりいい感じの耳垢分布……。やり甲斐がありそうです」 ;SE:耳かき音開始 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「どうでしょう。先程から受けている、ASMR作品的な耳かきは」 【瀬奈】 「私的にはかなりの冒険でして……。お、お耳ふーふーとか、思い切ってかなり恥ずかしいことにも挑戦してみたんですが……」 【瀬奈】 「いい作品を創りたいんです。だから、頑張らなきゃって」 【瀬奈】 「実はわたし、元々ASMRを知らずにこの部に勧誘されたんです」 【瀬奈】 「もともと、わたしが耳かきが好きだということはこの学校でもそこそこの噂になっていたらしく……」 【瀬奈】 「その話を聞きつけた部長が、私をこの部室に引っ張ってきたんです。ふふ、そうですね。ちょうど、わたしがあなたをここに連れてきた時のように」 【瀬奈】 「そこで、とりあえずこれを聴け。と言われて渡されたイヤホン。そこから流れてきた、耳かき音声作品……」 【瀬奈】 「世界が変わる思いでした。実際の耳かきとは少し違いますが、その良さ、素晴らしさをここまで再現できるのか、と」 【瀬奈】 「それからは夢中になって聴き漁りましたね。昼夜問わずに。まあ、あまりにも気持ちよすぎて時々寝てしまっていたので、健康的にはまったく問題なかったのですが……」 【瀬奈】 「でも、それぐらい夢中になってしまって。だって、それこそ本当に夢のようではありませんか? 実際の耳かきはやりすぎるとかえって耳に悪い行為ですが、音声作品はそうではありません」 【瀬奈】 「決して耳を傷つけることなく、それでいてリアルの耳かきと同等か、時折それ以上の快感を感じさせられるわけです。もう、無限に聞いていられるな、と思ったものです」 【瀬奈】 「でもなんとういうか、凝り性なんでしょうね。わたしならこうするかな、とか。もっとこんな感じの作品があればな、なんて思うようになって……」 【瀬奈】 「それでついに制作する側に回ってしまった、という……。あはは、ほんと、部長さんの目論見通りですね」 【瀬奈】 「あらっ、またわたし恥ずかしい自分語りを……。もう、あなたの前では調子が狂ってしまいます……」 【瀬奈】 「み、耳かきに、集中しますね?」 ;SE:20秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「こしこし、こしこし……。くりくり、くりくりくりくり……」 【瀬奈】 「すーはーっ。くり、くりくりくり……。さりさり、さりさり……、さりさりさり……」 【瀬奈】 「ごそごそ、くりゅくりゅ、ごそごそ、くりゅくりゅ……」 【瀬奈】 「しゅりしゅり、しゅりしゅり、しょりしょり、しょりしょりしょりしょり……」 【瀬奈】 「ぞりぞりぞり、こしょこしょこしょ……」 ;SE:20秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「こしょこしょこしょ……なんだか、何も話さないというのもかえって恥ずかしい気もしてきました……」 【瀬奈】 「さっきから気持ちがふわふわしてしまっていますし……。体もいつもよりぽっぽっと熱くなっているような……」 【瀬奈】 「風邪はひいていないはずなのですが、おかしいですね」 ;SE:10秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「家族以外で、ここまで近い距離で接した方は、あなたが初めて、なんです」 【瀬奈】 「部の皆さんともこんなに近い距離で話したこと、なかったり。それに、なぜかあなたにはわたしのこと、もっと知ってほしくなってしまうんです」 【瀬奈】 「なんなのでしょう。この気持ち。あまりうまく言葉に出来ないのが、もどかしいです……」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「……大体、綺麗になったと思います。それでは梵天のほうに移りますね?」 【瀬奈】 「では、そっといきますね」 ;SE:梵天音開始 ;SE:1分ほど梵天の音 【瀬奈】 「ふわふわと耳垢をこすりとる……。あまり奥までぐりぐりしなくても、綺麗に耳垢はとれますから……」 ;SE:30秒ほど梵天の音 【瀬奈】 「こうして、さわさわと撫でるように、それでいて要所要所にはしっかりとこすりつけて、付着した小さな垢を取り除いていく……」 【瀬奈】 「梵天の良さは、この繊細な感触と音ですよね。それに、このふわふわの見た目が可愛らしくて」 【瀬奈】 「なんだか、耳かきをしているわたしも癒やされる気がします」 ;SE:1分ほど梵天の音 【瀬奈】 「こんな感じ、でしょうか。さて……」 【瀬奈】 「では、こちらの耳も、ふーふーっと、させて頂きますね?」 【瀬奈】 「ドキドキしますが、なんとかやり遂げますっ」 【瀬奈】 「ふーっ、ふーっ」 【瀬奈】 「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」 【瀬奈】 「す〜っ。もっと、頑張ってみます」 【瀬奈】 「ふ〜っ、ふ〜っ、ふ〜っ」 ;ボイス位置:7 普通に会話 【瀬奈】 「はぁはぁ、これが今の所、わたしの限界、みたいです……」 【瀬奈】 「やっぱり実際に、生身の人にするのは恥ずかしいです」 【瀬奈】 「あ、あの……。あなたはよかったですか? わたしのその、はじめては……」 【瀬奈】 「あ、あれ? わたしまた変なこと言ってしまいました? な、あの、よろしければどう変だったか解説をして頂けたらなと」 【瀬奈】 「そ、そんなに口を真一文字に結ばなくても……。もう、いじわるなんですから。ふふっ」 【瀬奈】 「……それでは、これにて今回の耳かきは終了です。ご協力いただき、感謝です♪」 【瀬奈】 「本来ならここでお帰り頂いてもよろしかったのですが……。実は、その……」 【瀬奈】 「お茶とお菓子をご用意したので、よろしければぜひお召し上がりになってからお帰り頂ければなーなんて」 【瀬奈】 「なので、もう少しだけ、一緒にいませんか? ふふっ。では、準備、いたしますね……」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック5−1:お耳をいたわる、ソフトな吸着型耳かきです♪(右耳) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「お呼びした時間ジャストですね。ふふっ」 【瀬奈】 「今日も来てくれてありがとうございます。わたしの耳かき、恋しかったですか? なーんて、ちょっと調子に乗っちゃいました♪」 【瀬奈】 「すみません。はしゃいじゃって。だって、あなたと出会ってから毎日が本当に楽しくてたまらないんです♪」 【瀬奈】 「今日もいっぱい、私の耳かき、楽しんでくださいね?」 【瀬奈】 「ではでは、恒例の耳かきお披露目タイムです♪ ドラムロール! だだだだだだだだだだだだだだ……だんっ! 今回は〜こちらっ!」 【瀬奈】 「吸着型耳かき〜」 【瀬奈】 「こちら先端の部分がゴムで出来ている、ブラシ型耳かきになります! 耳肌にぴたっとくっつくような、今までとは違った感触が楽しめますよ〜」 【瀬奈】 「しかも、それだけじゃないんです。こちらの耳かきにはもう一つ、秘密の機能がございまして……」 【瀬奈】 「ふっふっふ。まずはソファにおすわりになって下さい」 ;SE:ユーザーがソファに座る音 【瀬奈】 「今回は膝枕はなしです。わたしもちょっとさみしいですが、辛抱です……。 それで、えーっと、ここをこうして……、で、わたしはこっちに」 ;SE:瀬奈がソファに座る音 ;ボイス位置:3 普通に会話 【瀬奈】 「首のうしろと肩にわたしの腕が触れてしまいますが、問題ありませんか? はい。では、失礼して……」 【瀬奈】 「お顔はまっすぐですよ。動かないでくださいね……。よし、では始めますね?」 【瀬奈】 「私の手は右側に、私の目は左側に。これでどう耳かきをするのか? そんな疑問は、この机の上に立て掛けたスマートフォンの映像を見て頂ければ解けるでしょう」 【瀬奈】 「そうなんです! この耳かき、実はカメラとライト付き、という高機能なものでして!」 【瀬奈】 「こうして……。お耳の中を覗きこみながら……」 ;ボイス位置:3 囁き声で 【瀬奈】 「耳かきができる、というわけです。どうです? 凄いでしょう?」 【瀬奈】 「これなら吐息や言葉も更にクリアに届けられますし……、肝心の耳かきもつつがなく進められる、というわけです」 ;SE:1分ほど耳かき音 【瀬奈】 「……実はその、あなたとの実験を繰り返すうちに、だんだんと欲が出てしまいまして」 【瀬奈】 「耳かきによる快楽はもちろんのこと、あなたにはもっとわたしで感じて欲しいなと、思うようになってしまったんです」 【瀬奈】 「あの……? いつもより体をこわばらせていらっしゃいますが、またおかしなことを言ってしまいました?」 【瀬奈】 「……なんというか、すみません。やっぱりわたし、変な女なんでしょうね。自覚があまりなかったのですが、あなたのリアクションを見ているうちに疑惑が確信にチェンジしてきたといいますか……」 【瀬奈】 「気にしない、気にしませんよわたしは。耳かきに集中です」 ;SE:一分ほど耳かき音 【瀬奈】 「どうでしょう。吸着型耳かきの感触は」 【瀬奈】 「わたしとしては、普段使っている耳かきとはまた違った使用感で、新鮮で楽しいのですけど」 【瀬奈】 「こしこし、こしこしこし……。細かな耳垢が、こんなに簡単にとれるなんて。これはレギュラー入り確定、ですね」 【瀬奈】 「実は、あなたの反応を見て次の作品に使用する耳かきを決めていたのですが……」 【瀬奈】 「やはり、竹、スクリュー型、そしてこの吸着型は確実に使用することになりそうですね」 【瀬奈】 「〆、切……。イヤなことを思い出してしまいました。あと一週間で、もうどうしようかと……」 【瀬奈】 「本当にどうしましょう? 耳かきの音だけにこだわりすぎて、内容がスカスカと言いますか……」 【瀬奈】 「やはり必要なのは、ロールプレイなのでしょうか」 【瀬奈】 「たとえば、ですけど。休日、同棲中の恋人にしてもらう、といったシチュエーションを、声優さんが演じて、耳かき音声をそこに合わせる、というようなものですね」 【瀬奈】 「わたし、実は全然演技力がないんです。もう、大根も大根、しかもかなり煮込まれたあとのクッタクタな感じ、と言われてしまっていて……」 ;あえてたどたどしい演技で 【瀬奈】 「コホン。『お、お兄ちゃん♪ 耳かきしてあげる♪』」 【瀬奈】 「……なんていうか、駄目すぎます、よね。自然ではないというか……」 【瀬奈】 「それで、耳かき音のクオリティアップをすることで、ロールプレイを省く、という作戦に出たのですが……、部長の答えはノー!」 【瀬奈】 「ただ一言。やれ、と。もう、絶望です。耳かき音や吐息だけではダメなのですね」 【瀬奈】 「とにかくいい音を提供できる自信はありますが……間が持たないと言われてしまえばそれまで」 【瀬奈】 「何かいいアイデアはありませんかね……」 ;SE:30秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「あ……」 【瀬奈】 「いいこと、思いついてしまったんですけど」 【瀬奈】 「今のわたしたちの会話を、そのまま、というのは無理かもしれませんが、殆どそのまま使用する、というのはどうでしょうか」 【瀬奈】 「タイトルはこうです。『ASMR部活動記録』みたいな……。どうでしょう?」 【瀬奈】 「わたし達ASMR部のみんなの、リアルなやりとりをお客様に提供するんです。きっと、需要もあるでしょうし、新たな試み、といった感じで注目も集められるかも」 【瀬奈】 「それなら、わたしも演技する必要はありませんし。普段の感じを録音できれば……イケそうですね」 【瀬奈】 「録音方法については少し工夫が必要そうですが……。そのあたりは詳しい部員がいますので、のちのち相談するとして……」 【瀬奈】 「なんだか、何とかなりそうな気がしてきました。……〆切、あと一週間後ですけど」 【瀬奈】 「ま、まあ。人間本気を出せば、大体のことは乗り越えられるものです」 【瀬奈】 「というわけで、今週いっぱいはわたしといっしょの時間が続くかもしれませんが……、どうか、ご協力ください♪」 【瀬奈】 「右耳、すっかり綺麗になりましたね」 【瀬奈】 「では左耳も。体入れ替えなきゃですね。少々お待ちを〜」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック5ー2:お耳をいたわる、ソフトな吸着型耳かきです♪(左耳) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:7 囁き声で 【瀬奈】 「それでは、左耳、失礼しますね……?」 ;SE:耳かき音開始 【瀬奈】 「今後に光明が見えてきたとなれば、耳かきさばきも軽やかになります。ふふっ」 【瀬奈】 「はじめはあなたの耳穴を見るだけで悶えてしまっていたわたしも、今やちゃんと落ち着けるようになりました。これが慣れというものでしょうか」 【瀬奈】 「もうあなたのことで暴走することはきっとないはずですので、ご安心を」 ;SE:20秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「そういえば。なぜだか最近、部員には雰囲気が変わったね、とか。可愛くなった、なんてお世辞を頂いていて」 【瀬奈】 「わたしが気づいていないだけで、わたしの中で何か変化があったのでしょうか。それは何だか、危うい感じがしますね……」 【瀬奈】 「ああ、なるほど。これが思春期。わたしにもあったんですね。いえ、両親には反抗期もないしあなた大丈夫? と逆に心配されてしまっていたのですが……」 【瀬奈】 「これで私も年相応の、移り気で危なっかしい少女、ということになるのでしょうか。ふふっ、自分で言うことではないような気がしますが」 【瀬奈】 「くりくり、くりくり……。ですが、手元は危うくないですよ。わたしの耳かきはどんな時だって正確です」 【瀬奈】 「ふふっ、わたしにはそれしか取り柄はないので。くりゅくりゅくりゅ、くりゅくりゅくりゅくりゅ……」 【瀬奈】 「ここ、気持ちいいですか? えへへ、だんだん、わかってきちゃいました。あなたの弱点」 ;SE:10秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「こことか……」 ;SE:10秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「ここ、それとここもですかね」 【瀬奈】 「耳の中にはたくさんの神経が集まっていますから、敏感な場所なのは当然なのですが……」 【瀬奈】 「敏感さにも個人差というのはあるもので、右耳より左耳のほうが弱い、だとか。耳の中でも特にこの場所は敏感、だとか……」 【瀬奈】 「そういう違いはあるものです。指紋のように、本当に人それぞれなのは面白いですよね」 【瀬奈】 「と、いうわけで。あなたの弱み、また握らせて頂きました♪ えっへへ。……そういえば、あの、あなたのトロ顔画像、削除してから少し後悔していまして」 【瀬奈】 「あ。いえその。あんな強迫行為、もちろん正しい意味で後悔して然るべきなのですが。あはは……」 【瀬奈】 「でも、あのうっとりとしたあなたのお顔を、いつでもポケットに入れて持ち歩けたんだなって思うと、ちょっとだけもったいない気がしちゃいまして」 【瀬奈】 「あれ? 今のちょっと気持ち悪かった、です……?」 【瀬奈】 「やっぱり……。でも本音なので、訂正しませーん」 【瀬奈】 「だんだん、いい感じに耳垢がとれてきましたが……、まだ耳かきは終わりませんよ」 【瀬奈】 「お耳に負担の少ない吸着型ですからね。先程の右耳でもしましたが、いつもより更にマッサージ性の強い耳かきができちゃうんです」 ;SE:20秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「こんなふうに、やさしく……丁寧に、耳の中の肌を撫でるように……」 【瀬奈】 「うーん、やっぱり綺麗です。それに、形も好き……」 【瀬奈】 「他の部員には、あなたのお耳、見せたくないかもです」 【瀬奈】 「……はっ。今わたし、意地悪なこと言っちゃいましたよね。あの、本当に深い意味はなくて……」 【瀬奈】 「ただ、あなたのことをもう少し独り占めしたいなって思っただけなんです」 【瀬奈】 「あれ〜? また固まってます? もしもし? あ、大丈夫ですね。びっくりしましたよ、もう」 ;SE:10秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「……でも、本当に奇跡的ですね。まだ部員の皆さんと顔をあわせていないだなんて」 【瀬奈】 「鉢合わせてもいいはずなんですけどねー。いや、本当に。すれ違ったりはしているかもしれませんが」 【瀬奈】 「皆さん、けっこう自由な方たちなので。この部室にも来たい時に来る、というような感じで使っていらっしゃって……」 【瀬奈】 「あなたが出ていってから、数分後に部員の一人が入って来て、昼寝してからおうちに帰っていった、なんてこと、そういえばありました」 【瀬奈】 「時間の問題かもしれませんが、わたしとあなた、ひとまずは二人きりの部活動、ということで……」 【瀬奈】 「……ん? ちょっと、待ってください。わたし、あなたに入部届いただいてましたっけ。いやその前に、入部の話って……」 【瀬奈】 「あ、あちゃーです。ううっ、わたしったらほんとにドジで……。すみません、この後お時間があったら、入部届、書いて頂けます?」 【瀬奈】 「あの、お断り、なんて仰らないですよね? ね?」 ;SE:5秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「なんで黙ってるんですか……? もしかして、わたしの反応見て、面白がってます?」 【瀬奈】 「わかってるんですから。声をかけて間もない頃ならわかりませんでしたが、もう、あなたはわたしの耳かきの虜」 【瀬奈】 「抜け出すことなんて、できるわけありません。よって入部は確定的事項……」 【瀬奈】 「で、ですよね……?」 ;SE:5秒ほど耳かき音 【瀬奈】 「ほら、やっぱりからかってるじゃないですか。ふん、いじわるですっ」 【瀬奈】 「そういうことでしたら、わたしにも考えがあります。そんなに入部を迷うようでしたら、ダメ押しが必要のようですね」 ;SE:耳かき音止める 【瀬奈】 「ふうっ。これで耳かきは終わり、ですが……」 【瀬奈】 「お次は、お耳の保湿とマッサージを行いますっ」 【瀬奈】 「ふふふっ。逃げようとしたって無駄です。とりゃっ」 ;SE:瀬奈がユーザーを取り押さえる音 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「わたしのホールドからは逃げられません。こう見えて、よりよい耳かきのために毎日のトレーニングは欠かさず行っておりますから、パワーには自信あるんです」 【瀬奈】 「その疑いの目はなんなんです? 大事なんですよ、筋力。特に指先の精密な動きを支えるのは、体幹の強さだったりするんですから。ま、それはともかく……」 【瀬奈】 「ここから先はデザートのお時間です。ぜひ、ご堪能下さい♪」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック6:お耳のマッサージと保湿です♪ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:1 囁き声で 【瀬奈】 「それでは、耳かきのアフターケアとして、マッサージをしていきますね〜」 【瀬奈】 「お耳の周りを、指でくるくると撫でるように……。くるくる、くるくる……」 【瀬奈】 「なんてセリフがあると、今、どこを撫でられているのかがユーザーさんがわかりやすいらしいんです」 【瀬奈】 「ただ、あんまりそういうことを言い過ぎるとわざとらしくなっちゃって。タイミングと量が大事なのかな〜とは思うんですけど」 ;SE:マッサージ音開始 ;SE:1分ほどマッサージ音 【瀬奈】 「そういえば音声作品、聞いてみましたか?」 【瀬奈】 「まだでしたら、わたしのオススメ、いくつかご紹介しますよ♪ 今度、リストにして送りますね〜。ぜ〜ったい、聞いてださいよ?」 【瀬奈】 「最近の盛り上がりはもう、本当に凄いんですよ……。アニメで活躍されている人気声優さんの作品が出てきて、それはもう素晴らしいクオリティのものが発売されたり……」 【瀬奈】 「それに負けじと、個人で制作されている方の作品が売上をグングン伸ばしたり……」 【瀬奈】 「この部にいる人達も凄いんです。それぞれ得意なことがあって、情熱や意志があって……」 【瀬奈】 「わたしとしては自分なりに、ある程度はマイペースにやっていこうと入部したての頃は思っていたのですが、やはり影響は受けてしまっているようで。今もやる気がメラメラと」 【瀬奈】 「やはり、ASMRに出会ったことが、わたしを変えたんだと思います」 【瀬奈】 「耳かきしか知らなかった頃よりも、もっと世の中に眼を向けるようになったといいますか。きっと、ASMRを知らなければ、わたしはあなたとこうして一緒の時間を過ごすこともなかったでしょう」 【瀬奈】 「もともと人見知りで、交友範囲の狭い人間でしたので。この部に入って、お友達が出来て、わたしは変われたんだと思います」 【瀬奈】 「あなたもこのASMR部に入ったら、わたしとおなじように何かが変わるかもしれませんね」 【瀬奈】 「ちょっと、変な人になっちゃうかもですけど。ふふっ。でも、きっとその方が楽しいですよ」 【瀬奈】 「それでは、そろそろクリームの方、塗って行きますね……」 ;SE:クリームでのマッサージ音開始 ;SE:1分ほどクリームでのマッサージ音 【瀬奈】 「ぬりぬり……。どうでしょう。心地いい音、しますよね。わたしASMR作品で知るまでは、耳かきしたあとに保湿クリームを塗るなんてしたことはなかったんですが」 【瀬奈】 「実際にやってみるとなかなかどうしてハマってしまいまして」 【瀬奈】 「こういうマッサージが得意な子がいるので、頭を下げてやり方を教わったんです」 【瀬奈】 「プロフェッショナルの仕事には程遠いかもしれませんが、それでも何も知らない人よりは上手だと思いますよ♪」 ;SE:2分ほどクリームでのマッサージ音 【瀬奈】 「ほらほら、きもちよーくなってきたでしょう? 頭の中がほわほわ〜っとして……」 【瀬奈】 「難しいこととか、悩みとか、どこかにぽ〜んって飛んでっちゃう感じ、しません?」 【瀬奈】 「わたし、これを初めてやってもらった時に、ぐっすり寝てしまったんです。気づいたら下校時刻を過ぎていて、とても焦りましたが……。そのぐらい気持ちよくて……」 【瀬奈】 「耳かき以外のことにも目を向けなきゃなって、そう思うきっかけになったのは間違いないですね〜」 ;SE:1分ほどクリームでのマッサージ音 【瀬奈】 「んしょ、大体、まんべんなく塗ることが出来ました。これから、ゆ〜っくりまたもみほぐしていきますね〜」 【瀬奈】 「こめかみあたりから、耳のほうへ血流を集めていく感じで……、確かこう、でしたね」 【瀬奈】 「出来ているでしょうか? 少し不安ですが、続けますね」 ;SE:1分ほどクリームでのマッサージ音 【瀬奈】 「よいしょっ。力加減に気をつけないとです。マッサージを受ける方が痛気持ちよく感じるくらいの力で、と説明は受けたのですが……」 【瀬奈】 「なかなか難しいですね。よいしょっ、ぬるぬる〜っ、もみもみっ」 【瀬奈】 「もみもみ、もみもみ……。あ、気持ちよさそうですね。良かったです。一安心できました」 【瀬奈】 「もう少し、続けますね……」 ;SE:1分ほどクリームでのマッサージ音 【瀬奈】 「んっ、んっ……。ふうっ、お顔、ぽっぽしてきました? 血行がじんわりとよくなってきますからね」 【瀬奈】 「んっしょ、んっしょ……ふう。これで、お耳の保湿マッサージは終わりです。……あらあら。まだ、もっとして欲しかったりします?」 【瀬奈】 「正式に入部して頂けるなら、考えなくもないですけど。ふふっ」 【瀬奈】 「なんて、冗談ですよ。その話はのちのち。もう少しだけ、マッサージしますね」 【瀬奈】 「なんだか、あなたのことだけはからかいたくなってしまうんです。許してくださいね?」 ;SE:1分ほどクリームでのマッサージ音 【瀬奈】 「もみもみ、もみもみ……。あんまりやりすぎも良くないですし、あとほんの少しだけですからね?」 【瀬奈】 「欲しがりさんですよね〜。あなたって。あはは、怒らないでくださいよ」 【瀬奈】 「気持ちいいことに抗えないのは、わたしも一緒ですから」 【瀬奈】 「ええ。人を気持ちよくさせるのも気持ちいいんです。そういうものですよ♪」 【瀬奈】 「では、ラストスパートです。……スパートというのもちょっと違いますか。とにかく最後の仕上げ、いきますよ〜」 【瀬奈】 「よいしょ、よいしょ……。もみもみ、もみもみ……」 ;SE:1分ほどクリームでのマッサージ音 ;SE:マッサージ音止める 【瀬奈】 「……はい。これで本当の本当に、保湿クリームでのマッサージはおしまいで〜す。体をゆ〜っくりと起こして下さい」 ;SE:ユーザーが体を起こす音 【瀬奈】 「どうでしょう。お耳周りをほぐしただけですが、頭や全身がす〜っと軽くなった気がしませんか?」 【瀬奈】 「……お喜び頂けたようで、わたしも嬉しいです♪」 【瀬奈】 「それでは、改めてお聞きしますが、この部、ASMR部への入部はいかがなさいますか?」 【瀬奈】 「お返事、頂きたいです。今、この場で……」 【瀬奈】 「わたしとしましては、末永くあなたと共にいたいのですが……」 ;ボイス位置:3 囁き声で 【瀬奈】 「お嫌、ですか?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック7:それではまた明日も部室にお越し下さい♪ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「入部届のご記入、ありがとうございました♪」 【瀬奈】 「これで晴れて、あなたもこのASMR部の一員ですね! わたし、うれしいです」 【瀬奈】 「これからあなたとたくさんの作品を作っていけると思うと、ワクワクします♪」 【瀬奈】 「とそんな今後の展望に胸踊らせる前に……、まずは目の前の〆切、ですよね……。部長、普段は適当なんですけど、そういうところだけは厳しくて……」 【瀬奈】 「とりあえずこの先一週間、修羅場になることだけはお覚悟ください……。まあ、主に覚悟しなければならないのはわたしなのですが……」 【瀬奈】 「とりあえず、今日のところはここで解散となります。明日から本格的に動いてもらうことになりますので、よろしくお願いしますね?」 【瀬奈】 「さて、それでは……」 ;SE:瀬奈がユーザーを抱きしめる音 ;ボイス位置:3 囁き声で 【瀬奈】 「歓迎のぎゅーです。あははっ、驚きました?」 【瀬奈】 「我が部ではフリーハグ制を導入していまして。……なんでも部員同士の結束を高めるため、だとか」 【瀬奈】 「何かいいことがあったり、落ち込んでいる人を見かけたらすぐさまぎゅーっとしなければならないルールなんです」 【瀬奈】 「ぎゅ〜っ、ぎゅ〜っ、ぎゅ〜っ……」 【瀬奈】 「……なんだかちょっと、恥ずかしいですね。えへへ」 ;SE:瀬奈がユーザーから離れる音 ;ボイス位置:1 普通に会話 【瀬奈】 「で、では、こんな感じのおかしな部活動ですけど、一緒に楽しくがんばりましょーねっ!」 【瀬奈】 「わたしは後片付けがありますので、お先にどうぞ。はい、ではでは〜。また明日です♪」 ;SE:ユーザーがドアの方へ歩く音 ;SE:ユーザーがドアを開け、閉める音 ;ボイス位置:9 普通に会話(ドアの先から漏れ聞こえる感じでお願いします) 【瀬奈】 「……どうしましょう、体が勝手に……っ」 【瀬奈】 「フリーハグ制ってなんなんですかっ、そんな制度ないですよわたしのおバカっ。い、勢い余ってなんてことを……っ!!」 【瀬奈】 「部員の皆さんにはなんて、明日からどうしましょう、はわわわわわ……!!」