トラック4 『彼女と星空』 おーい、こっちこっち。いい場所とれたよ‼ 暗いから足元気を付けてね。ほら、ここに座って こらこら、もっと引っ付いて。今はもう冬だよ? 寒いんだから、暖を取らないと 身体冷えるから、これあげる。私が作った、特製ホットミルク やっぱり周り、誰もいないねぇ。やっぱここって隠れスポットなのかも ここ、穴場なんだ。前にたまたま見つけてさ。ほら、上を見て。ちょうど綺麗に星が見える 綺麗だよね。好きなの。こうやって星を眺めるの。君は、好き? そっか。良かった。ふふっ ……ねぇ、君は、さ ……私が、結婚するかも、って言ったら……どう思う? ……あー、まだ決まった話じゃないよ? でも、相手が相手だから 元々私には、許嫁がいてさ。その人、この世界の統治者なの。つまり、王様 私の血筋は昔、この世界の女王様だったらしくて そのせいで昔からの決まりで王族と婚約を結ぶんだってさ 決められた結婚。私はもちろん反対 人柄もよく知らないし。まず会ったことないし それに何より、私たちにとってはラスボス的な存在だから 私達の呪いは、その王様が直々に管理してる 呪いを解くためには、その王様を倒すしかない そのために私達は戦っている だから本当は結婚なんてありえない。私は最後まで抗い続けたい ……でも最近は、戦いがどんどん激しくなってきてる ケガをすることも多くなったし、何より……危険な場面も多くなった。 正直、いつ死んでも可笑しくない 彼は言ってた もし結婚を承諾するなら、今までの事を不問にして、仲間の安全も保障するって 私や君の呪いだって、きっと…… もしも、結婚することで全部丸く収まるなら、私は…… ……君は、どう思う? 私の……結婚の事。私の……ことは…… ……いや、やっぱなし。今の話は気にしないで。うん 平気平気。なんとかなるなる♪ それよりも星を見なくちゃね なぁに、もしかして私が暗い話しちゃったから、心配になっちゃった?  もー、その話はおしまいっ。そ・れ・よ・り・も♪ 私、今日誕生日なんだよねぇ?♪ そう、私の誕生日。 当然君は、何かとびきりのプレゼントを用意してくれてるんだよね?♪ ……え、用意してるの?  冗談のつもりだったのに……。ほんとに? ほんとに用意してくれてたんだ…… ……ふふっ、これは一本取られましたなぁ ……ありがと。開けても、いい? では失礼して……。……わぁ、手袋だ。可愛い~♪ あったかそ~♪ 早速付けちゃおーっと。……サイズぴったり。モフモフだぁ   凄く嬉しい。ありがとね 凄く嬉しいけど、どうして手袋にしたの? これ付けてると男の人にも触れられる? それほんと? なるほど、電気を通さない材質で出来てるのかぁ 確かにこれなら、呪いは発動しないかも これならいっぱい触れられちゃうわけだ。そっか、考えもしなかったなぁ。こんな事…… これで私も恋愛が出来ちゃうのか。そっかぁ…… ……あれ? どうしたの? 急に寝転んで。 もしかして、眠たくなってきちゃった? ……そっか。最近色々あって疲れてるもんね。 君、頑張り屋さんだから じゃあ……私も隣で寝ちゃおっと。 よっ……と。じゃあ眠れるまで、特別に私が頭を撫でてあげよう よしよし、今日も頑張ったね♪ そのまま私の声に合わせて、寝ちゃおっか……?   瞼を閉じて……何も考えず……ただゆっくりと力を抜いて……   ほら、力を抜いて……。リラックスして、ゆっくり呼吸をしようね~   大きく息を吸って……、吐いて……。吸って……、吐いて……   ……ゆっくり、吸って……吐いて……吸って……吐いて……   ……もう大丈夫。後は私に任せてね。……おやすみなさい