人生最大の汚点となった入会試験から、ひと晩が過ぎた。あんな屈辱を味あわされてもなお、貴方の中で冒険者への憧れは強まるばかり。  あれから淫紋について書かれている本も読んだ。休憩がてら目を通した数年前の新聞にあの受付嬢の姿を見つけた時には記憶が蘇り、主に下半身が大変なことになったが、冒険者になるには受付嬢に一矢報いる必要がある――そんな決意に変わった。  本来であれば、もう少しといわずもっと修行と勉強に時間を費やすべきではある。あれほど力の差を見せつけられたのだ、貴方も馬鹿ではない。しかし、家にいれば父親や母親がすぐに「冒険者になるなんて考え直せ」と説教してくるのである。  そうなると、意地でも冒険者になってやりたい。冒険者になり、地位と名誉を築く。そうしてあの受付嬢をぎゃふんと言わせてやる――壮大な夢だ。  夢を叶えるためにはただ修行に明け暮れているばかりでも、勉強しているばかりでもいけない。行動あるのみ。一日でも早く冒険者登録を済ませ、立派な冒険者として旅に出て、実績を積んでいくしかない。  下半身にはまだ違和感が残っており、下着が擦れるだけでも刺激を感じてしまっていたが、貴方は自分を奮い立たせ、昨日と同じようにギルドへ足を踏み入れた。 「あらまあ……また来たの」  受付嬢は、そこにいた。入ってきた貴方に気付くと気だるげにカウンターに肘をつき、顎を乗せる。昨日と同様、ボディラインがはっきりとわかる服を着ている。強調される谷間に視線がいかないよう、貴方は己の拳を握りしめた。爪が食い込む痛みが、貴方を現実にとどめてくれる。 「不本意だけれど、一応一撃入れたことにしてあげる」  はぁ、とため息交じりに言われた言葉の内容が、貴方には理解できなかった。何度も頭の中で繰り返し、咀嚼し、ようやくその意味を理解する。受付嬢が、貴方の勝ちを認めたのだ。  戦いには負けたが、そもそもあの勝負は「一撃入れること」を目的としていた。受付嬢が認めたのであれば、それはすなわち、貴方の勝ちを意味していた。  握ったままの拳を掲げ、喜びを示そうとした時だ。受付嬢が、言葉を繋げた。 「それじゃ今日は、対モンスター戦の訓練ね。相手はスライム。飼い慣らしやすいから、色々な用途に使われるわ。貴方も一度や二度は姿を見たことがあるでしょう?」  昨日の一件で冒険者登録をしてもらえるとばかり思っていた貴方は、信じられないものを見るように受付嬢を見つめた。しかし受付嬢は冷ややかに微笑み、「やるの、やらないの」と答えを促す。貴方の答えは決まりきっていた。  昨日と同じように試験場に足を踏み入れ、昨日と同じように武器を選ぶ。剣はだめだ。重たいばかりで全然斬れやしなかった。部屋の中を見渡すと、斧、こん棒、魔術師用のロッド、グローブ――さまざまな武器が用意されているのがわかった。  その中でも貴方に使えそうなものといえば、無造作に壁へ立てかけられた木刀くらいのものだ。どうせ斬れないのなら木刀の方が軽く、小回りが利く。昨日のように遠心力を味方につけることはできないが――そもそも、遠心力を利用したところで、一撃も与えられなかったのだ。  木刀を握ってみると、不思議と手に馴染む気がした。晴れて冒険者となった暁には、お金を貯め、このくらいの太さと軽さの剣を鍛冶屋に作ってもらうのもいいだろう。  視界に盾が入り込んだが、手は伸ばさなかった。盾があっても防ぎきれない攻撃があることを、昨日は嫌というほど体に教え込まれた。重たいだけの飾りは不要だ。  貴方は木刀だけを手に、受付嬢の前に躍り出た。受付嬢は貴方の手に握られた木刀を見るなり、面白そうに目を細める。そして凛とした声で「始め」と宣言した。  開始の合図と同時に、受付嬢の背後から飛び出したスライムが貴方目掛けて飛んでくる。速さは大したことない。これならば、いける。  貴方は木刀を振り下ろした。木刀は見事スライムに命中した――が、プルプルして全く効いていないようだ。続けて何度も斬りかかるも、結果は同じ。スライムはプルプルと震え、全くこたえていないように見える。  攻撃は当たっているのにダメージを与えられないまま、時間ばかりが過ぎていく。貴方は焦り始めた。自分ばかりが疲弊しており、スライムはポヨンポヨンと緊張感もなくバウンドしている。  昨日の今日だ。二日連続で酷使しすぎた体は、あちこちが軋んでいた。  しかし、このくらいで音を上げているようでは、冒険者になどなれるわけがない。一度冒険に出れば、いつ敵に襲われるかわからない場所で野宿をしたり、戦いが何日も続くことだってあるだろう。たかが二日試験を受けた程度で音を上げている場合ではないのだ。  貴方は自分を奮い立たせた。どうしても叶えたい夢がある。そのために、まずはスライムを倒さなければ。気合い十分に力強く踏み込んだのがいけなかった。  スライムをぶにゅりと踏みつけてしまい、重心が傾く。倒れまいと踏ん張り、もう片方の足でどうにか体勢を整える――整えたと、思っていた。  踏みつけたままのスライムが貴方の足を登り始めたのだ。いったいどこにそんな質量があったのか。元の小さなスライムからは考えられないほどに、体を這うスライムの面積は広い。貴方は知らなかった。スライムの伸縮性や、その幅広い種類を。  ぬるぬるとした感触が不愉快で、貴方は足を揺らした。蹴り出すように勢いよく脚を振り、スライムを落とそうとする。しかし、スライムは離れるどころかどんどん足を這いあがり、そしてついに貴方の下半身を覆ってしまったのだ。  冷たくも温かくもない、スライムの中途半端な体温が気持ち悪い。下半身だけが液体に浸かったかのような感覚に顔をしかめる。どうにかして振りほどけないものかと木刀で突いてみても、効果はない。  変化はすぐに訪れた。スライムに覆われた服が、みるみるうちに溶けていくではないか。 「冒険者になる前の一般人に大きな怪我はさせられないから、エロ用途の子を用意したわ」  傍観者である受付嬢はくすくす笑いながら、貴方の下半身にまとわりつくスライムを指さし、そう言った。そうしている間にもどんどん服は溶けてしまい、貴方の素肌があらわになっていく。  貴方は抗議せずにはいられなかった。自分は冒険者になるための試験を受けに来たのであって、辱めを受けに来たのではない。淫魔系のモンスターが一定数存在しているのは知っているが、二日連続で試験の課題とされるほどに遭遇率が高いわけじゃない。  しかし、抗議の言葉は途中で止まる。服はとっくに溶け切り、スライムにまとわりつかれたペニスがムニュムニュプニプニと刺激され、腰が抜けそうになったのだ。掴んで剥がそうとしても、ぐにょぐにょと伸びるだけで、余計にペニスが刺激されてしまう。  元より、自慰だって少し前に覚えたばかりの貴方。自分の手で握り、単調なリズムで上下させるだけで快感を得ていた性の初心者だというのに、昨日は強制的に射精させられ、今日はスライムにまとわりつかれ。いくらなんでも、刺激が強すぎる。  昨日のいつ強制的に射精させられるかわからない恐怖も辛かったが、弱い愛撫がずっと続く今日もこれはこれで苦しい。自分の手では味わえない柔らかくぬるぬるした感触に包まれ、しごかれ、否応なしに勃起してしまう。 「うわあ。スライム相手に、なんて情けない姿かしら」  馬鹿にしていることを隠しもせず、受付嬢が言葉を吐き出す。 「ほらほら、どうしたの~? スライムでチンチン遊びしてないで、ちゃんと戦いなさ~い」  受付嬢に煽られ、木刀を振るう手に力が入る。利き手で木刀を振り回し、もう片方の手では直接スライムに触れて引き剥がそうと躍起になった。だがどんなに暴れても、スライムは振りほどけない。それどころかぎゅうぎゅうと搾り取られるような動きで、貴方は我慢できずに喘ぎ声を漏らしてしまう。  ペニスがどんどん気持ちよくなってくる。スライムは変幻自在に形を変え、密度を変え、あの手この手で貴方のペニスを刺激し続けた。  いつの間にか落としてしまっていた木刀を拾うものの、強くは叩けない。自身のペニスを中心に下半身を包まれているのだ。狙いが外れると、大変なことになってしまう。  どくん、どくん。そうこうしているうちに、貴方は射精してしまった。スライムにしごかれて、昨日の試験で枯れ果てるまで絞り尽くされたと思っていた精液を吐き出してしまったのだ。 「あはっ、半透明なスライムを選んでよかったわぁ。射精した精液が丸見え。ねえ、貴方にも見えてるでしょ? 昨日あんなに散々射精したっていうのに、白くて濃~いドロドロした精液がスライムの中で泳いでるわよ」  受付嬢は指をさしてケラケラ笑ったが、貴方は到底笑う気になどなれなかった。昨日みたいな屈辱はもうないと思っていた。しかし、貴方が知らないだけで屈辱を上回る屈辱が待っていたのだ。  淫紋を刻まれ、指を鳴らすだけで射精させられたのも屈辱だが、それでも相手が美しい女性であったからまだ救いがあった。それが、今日はどうだ。性別があるかもわからない、あったとしてもその見た目に性的魅力のカケラも感じられないスライムに、男として最も大事な部分を包まれて射精させられたのだ。その上、射精した精液に指をさされて笑われる始末。  恥ずかしさでぶるぶる震えていると、鈴口に痛みを感じた。痛みはどんどん尿道を遡っていく――スライムが尿道に侵入しているのだ。  貴方は混乱し、悲鳴を上げた。必死にスライムを引き剥がそうと抵抗するも、ぬるぬるプニュプニュするだけで少しも剥がせない。 「あらあら、たーいへーん。そのままじゃお腹の中が破裂しちゃうから、淫紋の効果で内臓を柔らかくしてあげるわ」  受付嬢は自分を女神とでも思っているかのように、慈愛に満ちた笑みを浮かべ、提案した。しかしスライムを引き剥がすのに必死な貴方には、言葉の意味までは伝わっていない。わけのわからないうちに魔法をかけられ、膀胱が柔らかくなる。  人体について詳しくない貴方でも、この容量が異常であることくらいはわかった。長時間トイレを我慢していた時の何十倍も膀胱が重たい。いますぐ出してしまいたいのに、スライムは本来進むべき方向に逆らい、あなたの尿道を遡っていく。  いまなら、受付嬢がなにを話したのか理解できる気がする。受付嬢が魔法をかけなければ、貴方の内臓は容量オーバーで破裂していただろう。内臓が先か、それとも尿道が先かはわからないが、少なくとも無事では済まなかった。  受付嬢に対し、素直に感謝の気持ちを抱くのにはいささか抵抗があったが、礼など伝える暇もなく新たな変化が訪れた。淫紋の力で尿道の痛みが消え、スライムが尿道を進む不快感だけが残ったのだ。痛みがなくなっただけマシだと思いたいが、体験したことのない不快感に貴方は吐き気を覚える。  しかしそれもつかの間だった。内側から刺激されることで、貴方のペニスが勃起してしまったのだ。  さっき射精したばかりのペニスが、またもスライムによって勃起させられた。それも、入ってはいけない場所に入られて。さっきとは比較できないほどの恥辱に、貴方の顔が真っ赤に染まる。 「あははっ。チンチンを硬くして、スライムが入らないようにしてるの?」  そんな様子を受付嬢は笑い、馬鹿にして煽ってくる。  好きで勃起したわけじゃないと言いたくても、にゅるにゅるずるずると尿道をスライムが遡るほどに刺激を感じ取ってしまい、貴方はそれどころではない。口を開けば情けない喘ぎ声が漏れてしまうので、唇を噛むことでやり過ごす。 「膀胱からチンチンに繋がる尿道はね、前立腺を貫通しているの。弾力のあるスライムが前立腺の内側からきもちよ~く丁寧にマッサージしてくれているでしょう?」  前立腺という聴き慣れない箇所がなんであるか頭で考えるよりも先に、体が理解する。誰にも触れられたことはないし、この先もきっと触れられることはないはずだった場所だ。  理解してしまえば、より一層強く快感を拾ってしまう。貴方の腰が、がくがくと震え始めた。スライムが尿道を進む度に、まさにマッサージのごとく、ペニスと前立腺が刺激される。  やがて股間にまとわりついていたスライムの容量が減り、下腹部だけがぽっこりと膨らんでしまった。まるで妊婦のようだが、貴方の腹に入っているのは胎児ではなくスライム。まごうことなきモンスターだ。 「冒険者になるの、諦める?」  受付嬢は相変わらず女神のような慈愛に満ちた表情で、それが最善とでもいうように提案する。それだけはいやだ――貴方は首を左右に振り、拒否した。しかし体内に侵入されている恐怖でガチガチと歯を鳴らし、体が震えてしまう。  それはそうだ。このスライムに敵意があれば、このまま内臓を溶かされて死んでしまうのだから。 「強情ねぇ……ふふっ」  受付嬢の合図で、スライムがぷしゃぁ……と尿道から吹き出た。それと同時に受付嬢は指を鳴らし、貴方は絶頂する。その指の音が、終わらない射精の始まりの合図となった。  ぶちゅうっ、びゅるるるるっ、ぶびゅるるるるるっ。一体どれくらいの量が侵入していたのだろう。途切れることなくスライムが出続けている。排尿と同じ行為のはずなのに、貴方の体はしっかりと快感を拾っていた。淫紋の効果としか思えない。淫紋のせいにしないと、すでにボロボロの自尊心が粉々に砕け散ってしまいそうだ。今後排尿するだけでもこんな快感を拾ってしまったら――貴方はきっと、一生快楽に囚われることとなる。  びゅるるっ。ぶぴゅっ。びゅるっ。びゅるるるるっ……スライムは出続ける。尿道を通り、前立腺を通り、スライムが出続ける。ずっと我慢していた尿や精液のように。生々しい粘っこい音を立て、勢いよく吹き出し続ける。  あまりの快感に、自分の意思とは関係なく体が勝手にブリッジをしてしまう。はたから見れば、スライムに体を釣りあげられているように見えるだろう。  股間を受付嬢に見せつけるような体勢で、がくがくと震える手足を床につく。一番に震えているのは手でも足でもなく、腰だ。スライムが外へ向けて飛び出す動きに、ペニスも前立腺も刺激されているのだ。侵入されていた時のマッサージのような快感とは打って変わり、乱暴なまでの直接的な快感。  腰が揺れるせいで、吹き出すスライムがあちこちに飛び散る。だが、そんなことに構っている余裕はない。一刻も早くすべてを出し切り、この快楽から解放されたい――その一心で、貴方は自分の腹筋に力を込めた。  ぶびゅるるるる! 腹筋に力を入れた甲斐があり、スライムの勢いが増した。しかし貴方は素直に喜べなかった。少しでも早くスライムを出し切れるのは確かだが、勢いを増したことで刺激も強くなってしまったのだ。  誰かに動かされているのではないかと疑うくらい、腰が跳ねた。もはや震えているとか揺れているなどという次元ではない。無様な声を漏らし、顔を涙やよだれ、鼻水でぐちゃぐちゃにしながら、腰を跳ねさせる。そこら中に飛び散ったスライムを踏んだ足が滑り、倒れそうになっても、腰が高く上がるのを止められない。スライムが貴方の体内を移動するたびに、高く高く腰を突き上げてしまう。  ようやくスライム射精が終わり、貴方は虫の息になっていた。全力疾走した後のような疲労感と倦怠感、そしてそれらを大幅に上回る快感の余韻に浸っている。そんな貴方の元へ、受付嬢が近付いてきた。昨日のように、靴を鳴らして。 「まだ冒険者になりたい?」  顔のすぐそばでしゃがみ込んだことによって、貴方の位置からでは受付嬢のパンティーが丸見えだ。ごくり、と喉が鳴るのを抑えきれず、誤魔化すように貴方は何度も頷く。すると受付嬢はにやりと笑い、あさっての方向に手をかざした。  今度はなにをしたのだろう、と視線を移すと、なにやら複雑な魔法陣が宙に浮かび上がっている。魔法陣が放つ光の中から、先程のスライムよりもふた回りほど大きなスライムが現れた。 「男の子には、もうひとつ穴があるわよね?」  にたりと笑いながら言われたその言葉の意味を理解した瞬間、貴方は四つん這いで逃げ出した。なりふりなど構っていられない。冒険者になる事を諦めるつもりはないが、それとこれとは話が違う。今日のところは逃げ帰り、また明日、改めて再チャレンジしよう。そう思い必死に手足を動かすも、先程のスライム射精で腰が抜けており、まともに進むことができない。  じたばたしているうちに受付嬢がツカツカとヒールを鳴らして近付いてきた。あなたが必死に稼いだ距離を一気に詰め、貴方が手で隠すよりもはやく、尻の穴にスライムをあてがう。 「ふふっ」  受付嬢の楽しそうな笑い声が聴こえると同時に、尻の穴にぶにゅぶにゅとスライムが侵入し始めた。言い知れぬ不快感に、貴方は情けなくも「ひぃ……!」と悲鳴をあげる。 「この子は調教用のスライムでね、お尻の中の汚いのを全部消化して綺麗にしちゃうのよ?」  受付嬢は丁寧に解説するが、貴方はどうにかスライムを抜こうとして手を動かすことでいっぱいいっぱいで、頭に入ってこない。なんとかスライムを掴めたと思っても、たちまち指の間から抜けだしてしまう。尻の穴への侵入は止められない。 「モンスターに捕まったら卵を植え付けられたりするから、その体験も兼ねてね」  とってつけたような理由を添えられ、今度こそ貴方は血の気が引いた。下半身ばかりが熱を帯びているのに、手足や上半身は貧血を起こしたようにくらくらする。あまりの事態に眩暈を起こしているのだと気付いたところで状況が変わることはなく、スライムはどんどん貴方の尻の穴に侵入していく。  ごぷっ……空気を含み、下品な音を立て、どんどん奥の奥まで侵入していくスライム。体内を蠢く異物の感覚がおぞましい。直腸をスライムが通る度に先程覚えさせられたばかりの前立腺が圧迫され、貴方の意思に反して勃起してしまう。 「あら、こっちもほしいのね? そんなにチンチンをビンビンにさせておねだりされたら、仕方ないわね」  少しも仕方なさを感じさせない声で言い、受付嬢はなにかを手に取る。先程まで貴方の膀胱に入っていたスライムだ。  ダメダメ、それだけはイヤ! 貴方は女の子のようにイヤイヤをする。高くか細い声で懇願し、必死に首を左右に振って拒絶する。それを見た受付嬢はケラケラと笑い、貴方のペニスにスライムを密着させた。 「全部入ったら、同時に出してあげるわね? 内側と外側から同時に前立腺を刺激されるから、絶対確実百パーセントの確率でケツアクメを覚えて、貴方の今後の人生ダメになっちゃうと思うけど、ご愁傷様っ」  侵入される快感に身もだえながら、歌うような受付嬢の言葉に絶望する貴方。屈辱には上の上があると学んだばかりなのに、さらなる上を用意されていたとは夢にも思わなかった。  しかし、後悔したところでもう遅い。ぐぢゅる、ぷちゅっと卑猥な音を立てて侵入していくスライムの刺激は止むことはない。それどころか、より深く快感を得ようと腰が勝手に揺れてしまうのだ。  ゆるして! ゆるして! ごめんなさい! ゆるして!  親に叱られた小さな子供のように、泣きながら謝罪を繰り返す貴方。  こんなにも誰かを恐ろしいと思ったのは初めてだった。モンスターならいざ知らず、同じ人間である受付嬢がここまで非情とは、にわかに信じられなかった。だが現に貴方は何度も受付嬢によって犯され、昨日のお昼までとはまるで違う体に作り替えられてしまったのだ。まだ女も知らぬ童貞だというのに、知ってはいけない世界に落とされてしまった。 「ぐちゃぐちゃに泣いてそこまでいうなら……これが最後の確認よ。冒険者になるの、諦める?」  貴方はどん底に落とされた。だが、モンスターはおろか、同じ人間である受付嬢にここまでこてんぱんに犯されてしまっては、もう冒険者などどうでもよかった。地位も名誉も女の子も、健全な精神と体があって初めて楽しめる。このままでは戻れないところまで壊されてしまう――そう悟った貴方は、ついに首を縦に振った。何度も何度も、壊れた人形のように。  冒険者になるのは諦めるから、許してください。決意を絞り出すようにいって、ぼろぼろと泣く貴方。その言葉を聴いた受付嬢が邪悪な笑みを浮かべている事など、涙で歪んだ視界では気付けなかった。 「ごめんねえ。もう手遅れなんだあ。だってほら、どっちにしろ、入れたものは出さないといけないからぁ。だからぁ、貴方の前立腺が終わっちゃうのはぁ、もう決定事項なのぉ」  クールな印象はどこへやら。受付嬢は間延びした声で、貴方にも理解できるよう言葉を区切りながら話す。驚きと絶望に涙が止まった貴方の視界には、少女のように無邪気な笑みを浮かべる受付嬢が映った。 「最初は貴方に冒険者への道を諦めさせるつもりだったんだけどぉ……私の顔に屈辱の一撃を入れた貴方を虐げ、辱めること自体が目的になったのよね」  前半は間延びした声で、後半は仮面を脱いだかのような冷たい声で受付嬢は自白した。貴方は必死にごめんなさい、と繰り返し、なんでもするから許してください、と繋げる。しかし受付嬢は聴く耳など持たず、 「はい、終了」  とハミングを歌い、リズムを取るかのように指を鳴らす。それと同時に貴方は絶頂し、意思とは関係なく尿道と肛門からスライムの排泄が始まる。しかし、貴方にとってのそれは、排泄ではなく射精だった。  精子を射精する時よりも、何十倍、何百倍もの快楽を与える流体が、ペニスから大量に噴き出す。尻の穴からも、極太の快感の塊が勢いよく出続けている。  ぶびゅるるるる、ぶぼっ、びゅくびゅく。粘っこい水音が貴方の耳までも犯す。尿道から、そして直腸から前立腺を激しく擦り上げながらスライムが噴き出し続け、貴方はまたも暴力的な快感に腰を跳ねさせていた。  この二日間で散々精子を生産させられている睾丸がきゅううっと持ち上がっているのが自分でもわかる。ペニスがスライムを吐き出すための脈動。ぶばっと下品な音を出して尻の穴からスライムが出る刺激。そのすべてが貴方にとっては快感でしかない。  スライムが腹の中で暴れまわっているのではないかというくらい、貴方は全身をがくがくと跳ねさせた。その度に、股間から噴き出るスライムが床に飛び散る。飛び散ったスライムを踏んだ足が滑り、どすんと音を立てて床に倒れ込んでしまう衝撃にすら貴方は快感を拾っていた。  屋内を流れる微かな風さえも、いまの貴方にとっては快感を生むきっかけとなる。身もだえ、のた打ち回るほどに、快感は増す一方だ。  貴方は願った。昨日のように、意識を手放せますように、と。気絶してしまえば、スライムが体内から出ていく感覚もわからなくなるだろうと期待し、いまかいまかとその時を待つ。  しかし、いくら待ってもその時は訪れなかった。  未知の快楽に陵辱される貴方の姿をひとしきり見ていた受付嬢が、スライムになにかしらの合図を与えるのが視界の隅で見えた。すると一本の太い筒状で尻の穴から出ていたスライムが、ボコボコとした玉状の形に変わったのだ。興味本位で読んだ大人の本に描かれていた、アナルビーズ、というものにそっくりだ。  ポポポポポッ。軽快な音を立て、アナルビーズならぬスライムビーズが尻の穴から出てくる。大きなビーズに前立腺を直腸越しに連打され、貴方は呻くような喘ぎ声を漏らす。  そしてさらに受付嬢がなにごとかを合図すると、今度はペニスから射精状態で出続けているスライムも、その形をビーズ状に変えた。あなたの前立腺が、内側からビーズにほじくり返され続けているのだ。  本物のアナルビーズがどんな感触なのか、貴方は知らない。貴方が知っているのは自分の手の感触と、受付嬢によって強制的に与えられる射精、そしてスライムの感触だけ。  スライムビーズはぎゅっと凝縮し、程よい硬さで貴方の内部から前立腺を叩き、ほじくり、抉る。ビーズが尻の穴から出る度に、鈴口から飛び出る度に、情けない声が漏れた。ビーズは前立腺だけではなく、貴方のふたつの出口をも快感に溺れさせたのだ。  内と外からビーズ責めにされた前立腺は、貴方の意思とは関係なくメスの快楽を急速に高めていく。さほど時間を置かず、貴方の脳髄が終わらぬメスアクメの到来を告げた。  試験場に貴方の嬌声が響く。自分の意思とは関係なく、呼吸する度に女の子のような甲高い声が上がってしまう。その声を聴いたのか、気が付けばギルドの冒険者たちが試験場に集まっていた。  女性が多いが、男の姿も少なくはない。男女問わず、貴方のもだえる姿に好色な視線を送っている。肴に酒を飲む者、貴方へ向けてお金を放る者と、楽しみ方は十人十色。その中に、貴方の憧れていたあの女冒険者の姿もあった。  しかし、貴方にはそんなことを気にする余裕などない。スライムに尿道と尻の穴を犯され、生まれて初めての体の内側で感じる、女性としての絶頂快楽に正気ではいられない。  体を曲げ、ひねり、よじり、足先までピンと伸ばし、まさに身もだえして快楽を逃がそうとするが、あとからあとから与えられる快楽にはキリがない。体内のスライムがすべて排出されるまで、絶頂地獄は続くのだ。 「あらあら、ずいぶんと気持ちよさそうね~。ふふっ」  受付嬢はもだえる貴方の顔の真上に立ち、ねっとりした視線を下ろしてきた。その視線さえも快感となり、貴方の腰がびくびくと跳ねる。  そんな貴方の様子を見て、受付嬢は虚空に手のひらをかざす。また不思議な魔法陣が現れたかと思えば、受付嬢は魔方陣を自分の股間へ持っていった。すぐにムクムクと起き上がったそれには、見覚えがある。それもそのはず、それは貴方にとって、最も身近な生殖器だ。受付嬢は魔法を使い、自分に男性器を生やしたのだ。 「モンスターに負けたときの命乞いの仕方も学ばないとね」  受付嬢は楽しそうに笑い、服を脱ぎ去る。ふくよかな乳房と凶器にも見えるペニスがひとつの体に存在するその姿は、この世のものとは思えないほどの美しさだった。  しかし、貴方にはその美しさを愛でることも、目に焼き付けることもできない。受付嬢から少しでも距離を取ろうと、力の入らない体でどうにかこうにか動いているのだ。そんなことは無駄だと理解していながら、本能が貴方に逃げろと命じている。 「ほ~ら、チンポに媚び売ってごらんなさい。殺すよりもボクの穴で気持ちいいことした方が得だよって思わせるくらいにね」  無情にも、受付嬢の手が貴方の尻を鷲掴みにした。四つん這いで逃げようとしていたのが仇となってしまったのだ。肉の感触を楽しむように揉みしだき、ヒクヒクと動いている尻の穴には息を吹きかけられる。それだけで軽く絶頂に至ってしまったが、貴方は逃げるのを諦めてはいなかった。  諦めの悪い性格がこの快楽地獄を招いたこともわかっているが、このままでは快楽に殺されてしまう――生命の危機を感じ、貴方はがむしゃらに体をよじる。  しかし、悲しいことに、何度も絶頂した貴方の体力より、元冒険者である受付嬢の力の方が強かった。抵抗などものともせずに貴方の腰を掴むと、先程生やしたペニスの先端を貴方の尻の穴にこすり付ける。  自分のものよりも何倍も大きなそれを挿入されたら、どんなに気持ちいいだろう……と、そんなことを考えてしまっている自分の思考に気付いた時には、貴方の体は受付嬢に媚びを売るように腰を揺らして、クパクパと尻の穴を開いていた。 「ほらほら、どうしたの~? またスライム入れられたい? 今度こそ内臓破裂しちゃうかもしれないなぁ。殺されたくないなら、チンポに媚び売りなさ~い」  快楽で馬鹿になりつつあった貴方の思考に、先程の恐怖が蘇る。妊婦のように膨れ上がった下腹部……あれをもう一度されたら、今度こそ膀胱が破裂してしまうかもしれない。受付嬢のことだから、きっと尻の穴からも同時に責めるだろう。  与えられ続ける快楽よりも恐怖が勝った貴方は、今度は自らの意思で腰を振った。受付嬢の鈴口に尻の穴を擦り付けるように腰を揺らし、挿入しやすいように自分の手で尻の肉を持ち上げる。  観客である冒険者たちのヤジが飛んできたが、貴方が集中すべきは他の誰かではなく、受付嬢ただひとり。 「言えるわよねぇ? ボクのアナルをずぼずぼ犯してください……って」  言いたくない。だが、言うしかない。貴方は一度唇を噛み、口を開いた。だが言葉を発するよりも早く体を貫かれ、あまりの衝撃に息が詰まる。 「あ~ら、ごめんねぇ。あまりにも遅いから、チンポ、入れちゃったぁ」  スライムなどとは比べ物にならない。見るからに凶器のそれは、体内に迎え入れるには大きく太すぎた。貴方の直腸を押し広げ、内臓を圧迫し、最初から容赦のない抜き差しに貴方は白目を剥く。 「もう男の子としてイけなくなるくらい、犯してあげるわ」  宣言通り、激しいピストンが始まった。長いストロークで貴方の奥の奥を突き上げ、ギリギリまで抜いては前立腺を擦り上げてまた奥を突き上げる。体内に残っていたスライムがローション代わりとなり、びゅぶっ、ぶちゅっと下品な音を響かせて受付嬢のペニスが出入りする。肌のぶつかる乾いた音は、結合部からあふれ出た体液で湿った音に変わっていった。 「泣くほど気持ちいいのね~」  こんなに激しく動いているというのに、息を乱す様子もない受付嬢は、今もなお、貴方を煽る。反論しようにも、止めどなくあふれる涙と嬌声で言葉など思いつかない。貴方の頭の中は、肛門とその奥から与えられる快楽で埋め尽くされていた。  しばらくして、貴方は自分が卑猥な言葉を叫んでいることに気が付いた。  チンポで犯されるの気持ちいい。もっとぐちゃぐちゃにして。ケツマンコ壊して。  いままで口にしたこともない言葉ばかりだ。貴方が叫ぶたびに冒険者たちが沸き上がり、受付嬢の突き上げが強くなる。 「あは……イッちゃえ」  そういった受付嬢は、それまで入り込んでいなかった奥を貫いた。ごりゅっという、聴こえてはいけない音がして――次の瞬間、貴方の意識は真っ白に染まった。