先程のプレイ中、貴方は確かに敗北宣言をした。しかし受付嬢の動きは止まるどころか激しさを増すばかりで、やっとのことで気を失ってもすぐに奥を抉られ強制的に呼び起こされてしまう。 「え~? さっき? なんのことぉ? そんなの、私には聴こえなかったなぁ」  これ以上はもう許してほしい――敗北宣言をしたはずだと訴えても、受付嬢は聴こえなかったの一点張りでとぼける。その間も、ばちゅんばちゅんと勢いをつけて腰をうがたれている貴方。しゃべるのだってやっとだというのに、絶望に次ぐ絶望で、もうなにもかもが限界だった。  ぢゅぽんっと音を立ててペニスが引き抜かれたかと思えば、受付嬢はまたもなにかしらの魔法を自身にかけている。貴方にとってはトラウマでしかない、プルプルとしたスライムが新たに出現していた。  受付嬢はたったいま出したばかりのスライムを、自身に生やしたペニスにまとわりつかせる。快感を拾ったのか、それともこのあと貴方にしようとしていることへの期待からか、うっとりした表情でぶるりと体を震わせた。 「モンスターの卵はね、植え付けられた者の魔力を吸い取って、急激なスピードで育つの。男も女も関係なく苗床にされちゃうのよ。つまり魔力が枯渇して衰弱死してしまうまでに救助されれば、望みがあるってこと。だから、モンスターへの誘惑という名の命乞いは、敗北時の生存手段として一般的なのよ」  至極真面目なトーンで語られたが、スライムをまとった受付嬢のペニスが顔になすりつけられるので、貴方の頭には入ってこない。ぬるぬると、ぬちゃぬちゃと音を立て、貴方の頬を、唇の端を、そして鼻先をペニスがすべる。 「ほら、チンポに媚び売って? 男の子なのにケツマンコ犯してくださいって自らレイプ志願までしたんだもの、お掃除フェラくらい余裕よねぇ?」  貴方は目の前に出されたペニスを咥えようと顔を動かした。しかし受付嬢がいたずらに腰を引いたせいでペニスに触れることはなく、あたかも自らの意思でそうしている淫乱のように、舌を突き出した状態になる。  スライム排泄絶頂地獄と直腸挿入でのメスイキを覚えさせられたばかりでとろけきっていた意識が、少しずつ鮮明になっていく。  さっきは見て見ぬふりをした女冒険者の姿を今度こそしっかりと意識した貴方は、転がっていた木刀を杖にして立ち上がった。  体はいまだに、度重なる強制的な絶頂の余韻でガクガクと震えている。木刀の支えがないとすぐにでも崩れ落ちそうな足に鞭を打ち、受付嬢を睨み上げた。 「あら、格好いい」  受付嬢は貴方の雄姿を鼻で笑い、ペシッと音を鳴らして貴方の睾丸を蹴り上げた。受付嬢からすれば軽い蹴りだったに違いない。しかし男である貴方にとって、全身を性感帯に変えられたといっても過言ではない貴方にとって、その刺激は、内臓を直接蹴り上げられたような痛みだった。  たまらず崩れ落ちる貴方。全身から汗が噴き出て、酸素がうまく取り込めない。すっかり仲良しになった床にうずくまり、自分の股間を守るように両手で覆う。すかさず冒険者たちからヤジが飛んできたが、プライドでどうこうできる痛みではなかった。 「命乞いをしろと言ったはずよ? 幸い、高ランクのヒーラーもいることだし、玉のひとつやふたつ潰しても元通りになるのよねえ。命乞いがしたくなるまで、玉遊びしてみる? 潰して……治して……潰して……治して……ふふっ」  受付嬢の言葉に、恐怖でガクガクと震える貴方。膀胱が空でなければ間違いなく失禁している。 「痛い思いをしたくなかったら、どうすればいいか――わかるでしょう?」  催促するように、貴方の目の前でペニスをぴくぴくさせ、受付嬢は笑う。貴方は震えながら手を伸ばし、脈打つペニスを握ると、ゆっくりとしごきながら舌を這わせ始めた。 「んふっ、あははっ! いい光景ねえ。ほら、もっと舌を絡めて? そんな下手くそな愛撫じゃあ、モンスターを発情させられないわよぉ? モンスターの身も心も気持ちよくさせて、少しでも時間稼ぎしなきゃならないのに。そんなんじゃあ、そのまま殺されちゃうかもしれないわねえ?」  フェラチオなど、したこともされたこともない。貴方はペニスを口の中で刺激しながら、上目遣いで受付嬢の様子を見た。少しの表情の変化も逃がさないように、反応がいいところがあれば重点的に責め、反応が悪いところがあればさっさと見切りをつけて違う場所を責めるために。  悲しいことに、どこをどんな風に刺激しても受付嬢は眉ひとつ動かさなかった。ずっと変わらず、楽しそうに、そして見下すように薄ら笑いを浮かべ、貴方を煽る。  大きなペニスをずっとしゃぶっているせいで顎が疲れた貴方は、口を離した。受付嬢がなにかを言うより早く後ろを向き、自らの両手で尻の穴を広げる。さっき散々弄ばれたせいで、なにかが入っていない方が不自然とでも言わんばかりに、貴方の尻の穴は栓を求めてヒクヒクくぱくぱとヒクついていた。 「まだ足りないわねぇ~! もっとケツ振ってアピールしなさぁい? 動物みたいに求愛行動してチンポに媚びるのよっ。チンポハメて~! ってお願いしながらねぇ」  言われるままに尻を振り、たどたどしくも「チンポはめて~」という貴方。すると周りの冒険者たちからどっと笑いが起きた。その笑い声で、睾丸を蹴られた恐怖から引き戻される。顔を上げると、憧れの女冒険者は、貴方を指さして笑っていた。  羞恥と絶望に背筋が凍る貴方。その隙に腰を鷲掴みにされ、またも挿入されてしまった。  スライムによる内臓の陵辱とは違う。人間の意思で腰が打ちつけられる、先程覚えたばかりの性行為。しかし何度抜き差しされようとも、この行為に愛はない。ただただ欲望の解消を目的とした、乱暴な行為だった。  貴方の腰は元冒険者である受付嬢の腕力で無理矢理に動かされ、貴方の穴は完全に快楽のための道具として使われている。これは性行為ではなく、貴方の体を使った、受付嬢の自慰にほかならない。 「スライムで陵辱されるのとっ、ナマチンポで陵辱されるのとっ、そしてスライムチンポで陵辱されるのっ、どれが一番気持ちいいのぉ?」  言葉で煽られながら、貴方はすっかり性玩具(せいがんぐ)として扱われていた。そんな様子を見て、先輩冒険者たちは酒を飲み、笑い、はやし立てる。恥辱と屈辱と快楽でおかしくなりそうな状態に耐えきれず顔を伏せていると、ふいに尻を叩かれ、のけぞる。  のけぞったところで肩を掴まれ、膝立ちにさせられてしまった。挿入されているペニスに角度がつき、前立腺を深くえぐられる。 「はぁんっ」  貴方は自分の耳を疑った。女の子のように高く可愛らしいその声は、紛れもなく自分の口から出たものだったのだ。その声を聴き、冒険者たちは沸き立つ。貴方は真っ赤になり、俯いた。ちからづくで無理矢理犯されているというのに、見られているというのに、自分は男だというのに、なんという声を出してしまったんだ。 「もっと可愛い声を出して、もっとチンポに媚びなさぁい」  受付嬢はこれ見よがしに前立腺を抉り上げる。貴方は口をつぐんでいやがった。  これ以上の屈辱はない。これ以上の快楽はない。この二日間で一体何度そう思ったことか。貴方は自分の未熟さを痛感していた。受付嬢の言う通り、まだお子様だったのだ。世間のことはおろか、自分の体のことさえもまるで知らないお子様だったのだ。  唇を噛んで泣いていると、受付嬢がペニスを引き抜いた。貴方の体温でほかほかと湯気を立てるペニスで、貴方の睾丸をぺちぺちと叩く。痛みを感じない程度ではあったが、蹴られた時の衝撃を思い出し、ひゅっと陰嚢が縮こまる。 「声を我慢しちゃ、だ、め、よ」  言い聞かせるように区切り、一言ずつに睾丸を叩かれる。その度に、蹴られる恐怖が蘇った。  貴方がコクコクと頷いたのを見届けると、受付嬢は再びペニスを貴方の尻の穴に挿入した。膝立ちのまま遠慮なしに叩きつけられる腰。声を抑えられず、女の子や小動物のように高い声で可愛く喘ぐ貴方。はやし立てる冒険者たち。  ガクガクと揺すぶられながら虚ろな視界が捉えたのは、憧れの女冒険者だった。彼女は興奮した様子で頬を上気させている。それを見ていると、貴方の下腹(したはら)に渦巻いていた快楽がピークを迎えた。  んぐっ! とうめき、体を硬直させる貴方。 「あ、イっちゃった? 私、さっきから淫紋の機能はなにも使ってないんだけどなぁ。お尻の穴をチンポで掘られただけでケツアクメしちゃったのぉ?」  受付嬢は周りに知らしめるような大きな声で、心底楽しそうに言葉を続ける。 「男の子が絶対覚えちゃいけないイキ方だよ、それぇ。男の子として終わっちゃったねえ、キミぃ」  受付嬢はケラケラ笑いながら、なおも腰を動かし続ける。絶頂したばかりで敏感になっているというのに、腸壁のきつい締め付けなどものともせずペニスがナカを搔き乱す。  腹の中を突かれる度に、言いようのない快感が溜まり、溜まり切ったそれが時折絶頂となり貴方の脳髄を溶かす。試験場を囲む冒険者たちも興奮し、自ら股間に手をやり自慰をしている男女も少なくない。 「誘惑成功ねえ。みんなキミとヤりたいと思ってるのよぉ。こうなればもうキミを殺そうとする人は誰もいないわ。貴方の命乞いは大成功」  腰の動きを止めず、息を乱しもせずに言い切る受付嬢。ふふっと笑うと、さらに激しく動き始めた。貴方の絶頂の感覚はどんどん短くなり、表情は発情しきったメスのそれに変わっていた。  これまでの絶頂地獄とは違い、脳が心地よい快楽として受け入れている。性玩具として扱われる屈辱も、メスの声を上げる恥辱も、自分の痴態を見て周りが興奮するという悦楽も、あなたの脳にはそのすべてが快楽としてインプットされていく。絶頂する度に、貴方の体にはメスとしての喜びが刻まれていく。  ラストスパートと言わんばかりに、受付嬢は腰の動きを変えた。長いストロークで腸壁を余すことなくこすり上げ、その最中に前立腺を抉ることも忘れない。一番奥を押し潰すと、前立腺を擦りながら抜けそうなギリギリまで引き抜く。  ぶぢゅっ、ずぢゅう。どちらの体液なのか、はたまたスライムなのか。正体の分からない水音と、パンパンと肌がぶつかる音が響く。  試験場は性の香りで満ち溢れていた。あっちでもこっちでも、自身の股間をいじくる者、互いの股間をいじくり合う者、男女問わず挿入し、激しくピストンする者ばかり。憧れていたあの女冒険者も、うっとりとした表情で貴方を見つめながら、自身の中心部に突っ込んだ魔法具をがむしゃらに動かして快楽を貪っていた。  貴方は女冒険者との性行為を妄想した。しかしその妄想はいままでとは決定的な違いがあった。いままでであれば、貴方が女冒険者に挿入し、快楽責めにしていたはずだ。しかしいまの貴方が妄想するのは、女冒険者にペニスや睾丸を踏まれ、尻の穴をほじくられ、笑いながら犯される光景だ。可愛らしい声を上げて悦んでいるのは女冒険者ではなく、貴方のほうなのだ。 「あはっ、いいわぁ~! 締め付けがもっとも~っと強くなったわねぇ。アナルが精液欲しいっておねだりしてるみたぁい」  機嫌良さげに受付嬢はいい、貴方の尻をパシンっ、パシンっと叩く。その衝撃で尻の穴がひくつき、さらにきつく締め付けた。目覚めさせられたメスとしての本能が、受付嬢の精液を求めてうごめいている。  決して痛くはない程度なのが物足りない。貴方は自ら尻を振り、受付嬢を誘惑した。 「そんなに卵を植え付けられたいのぉ? チンポずぼずぼして、精液ぶびゅるるって注ぎ込まれて、私の卵を育てたいのかしらぁ~?」  受付嬢の手が貴方の下腹(したはら)を撫でた。淫紋の刻まれたあたりだ。メス堕ちさせられたとはいえ、体の構造が変わったわけではない。しかし貴方は確かに、受付嬢の手の平でやさしく撫でられる下腹部の奥深くに、あるはずのない子宮を感じた。  もちろん、錯覚に過ぎない。だが錯覚だとしても、あるはずのない子宮はきゅんきゅんとときめき、収縮を繰り返し、受付嬢の精液を、卵を搾り取らんとばかりに誘い込む。  思い出したように、自分のペニスを握ってみた貴方。快感は得るものの、いまひとつ物足りない。尻の穴で受け入れている、受付嬢のペニスから与えられる刺激が強すぎるせいだろうか。慣れた手つきでしごき上げ、手のひらで亀頭の先端を転がしても、決定的な刺激には繋がらない。 「あ~らら、メス堕ちボクちゃん、チンチンだけじゃイケなくなっちゃったのかしらぁ? 私が手伝ってあげましょうか?」  受付嬢は楽しそうに提案して手をかざすと、魔法陣からこれまでとはまた違うスライムを出現させた。スライムは分裂し、小さな二つが貴方の乳首を、大きなひとつが貴方のペニスを包み込む。 「まだ男の子としてイケるかしらぁ?」  ひどく馬鹿にした言い方で、受付嬢がスライムに合図を送る。途端に、三つのスライムが吸引を始めた。ぬるぬるのぬちょぬちょが、乳首を、ペニスを、すごい力で吸い上げる。  人肌より少し熱いくらいのスライムに吸い上げられ、貴方は自分の腰がへこへこ揺れていることに気が付いた。しかしその動きは、自身のペニスから得られる快感を求める動きではなかった。受付嬢の動きに合わせ、ペニスが抜けそうになれば腰を引き、奥まで入ってくるタイミングで押し付ける。より深く、より強く受付嬢に犯してもらうための動きだ。 「あらあら、せ~っかく乳首とチンチン気持ちよくしてあげてるのに、アナルの方が気持ちいいのぉ?」  非難がましく――しかし、やはり楽しそうな声で受付嬢が話す。受付嬢の息がほんの少しだが上がってきているのがわかり、貴方はまた受付嬢のペニスをきつく締め付けてしまった。  きつく締めるごとに、受付嬢のペニスの太さや形、脈打つ血管を意識する。鈴口が一番奥を潰し、大きめのカリが入口に引っかかる。  貴方が動くことにより、スライムにも変化が訪れた。まるで貴方の動きに合わせるように、乳首を捻り上げ、受付嬢のものとは比べ物にならないほどに粗末なペニスをスライドする。尿道を刺激された時よりも明確で、しかし物足りない刺激だ。  ギルドに来る前の貴方なら、あっという間に射精していただろう。だがいまの貴方は、もう本物の快楽を知ってしまった。メスに堕とされ、強制的に味あわされる快楽地獄というものを。 「あははっ、さっきまでの貴方なら、きっとすぐに射精しちゃってたねぇ? なのにま~だ射精しないの? しないんじゃなくて、できないの? そぉんなチンチンの刺激だけじゃイケなくなっちゃったんでしょぉ。男の子として終わっちゃったんだから当然だよねっ。貴方はぁ、もう、女の子としてイクしかないんだよぉ。ほらほら、かわいらしいクリトリスをスライムにごしごししてもらいなさいよぉ。下から舐め上げたり、二本の指で挟んでプルプルさせられるようにさっ」  受付嬢がいうと、スライムはその通りに動いた。舌のようなザラザラ感を再現し、指のようなしっかりした硬さで貴方のペニスを――クリトリスを、可愛がる。貴方は女の子のように、ひときわ高い喘ぎ声を上げた。  やめて、もっと、気持ちいい。その三種類の言葉しか知らないように、何度も叫ぶ。 「ケツマンコ、種付けしてあげるねぇ?」  ゴッと鈍い音がして、入ってはいけないところまでを受付嬢のペニスに貫かれたのがわかった。だがしかし、そこが気持ちいい。他のどの部位よりも、体の奥深くを犯されるのが一番気持ちいい。 「んっふふふ、ここに卵、植え付けてあげる」  受付嬢の動きが明らかに変わった。とっくにラストスパートだと思っていた激しい動きはなんだったのかと思うほど、貴方の感じてしまう箇所ばかりを的確に突いてくる。乳首やクリトリスを吸っていたスライムは再びひとつの体に戻り、ずずず、と言い知れぬ感触を植え付けながら尿道に侵入する。 「この子はちょっと硬めだから、ケツマンコをガンガンに突かれながらでも気持ちいいでしょっ」  自分の存在を忘れるなとばかりにスライムが、受付嬢のペニスが、尿道と直腸から同時に前立腺を刺激する。貴方の腹はあっという間にぱんぱんになってしまった。まだ卵を植え付けられていないのに、すでに妊婦のように下腹部が膨れてしまっている。だが、まだ、足りない。こんなものではない。  ついさっきまでは男性を象徴するシンボルだったはずの、貴方のクリトリスを覆うスライムは、まだ全部が入り切ってはおらず、尻の穴をごちゅごちゅとうがつ受付嬢のペニスも、まだ射精してはいない。  貴方は歓喜した。この先に、もっともっと大きな快楽が待ち受けていることに。まだ知らぬ快楽を与えられることに。生まれてからずっと付き合ってきた体が、メスとして作り変えられることに。  もう気持ちよくなることしか考えられない。貴方は快楽を求め、快楽を貪るように腰を振った。口からはいままで使ったことのないような卑猥な言葉が飛び出し、受付嬢を誘惑する。  五感すべてが犯されていた。しかしそれがとても心地いい。視覚を犯す冒険者たちの痴態も、聴覚を犯す体のぶつかる音も、触覚を犯す刺激も、味覚を犯す己の飲み切れなかった唾液や生理的な涙も、嗅覚を犯す体液の匂いも――すべてが貴方を犯し、さらなる快楽へと落としていく。  気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい! 溜まりに溜まった快楽が弾けるのを予感し、貴方は体から力を抜いた。その方が気持ちよくなれるのだと、受付嬢に身をもって教わったのだ。すべてを受付嬢から与えられる快感に委ね、目を瞑る。  その時は、期待した通りすぐに訪れた。頭が真っ白になり、なにも考えられなくなる。腰がビクッビクッと大きく跳ねているのがわかったが、自分の意思で止められるものではない。最上級の絶頂だ。  そして、絶頂に達した貴方の尻の穴の締め付けに、受付嬢も達したのが分かった。 「あはぁ……ッ! ん……んっ……はぁ……」  パンパンに膨らんだペニスの先端から、ぶびゅるるるっと音を立ててドロドロの液体が飛び出し、貴方の腸内を満たしていく。それは――スライムだ。  絶頂から戻ってくる過程で、残念に思っている自分自身に気が付いた。受付嬢の精液でなければ卵を植え付けてはもらえない。受付嬢にそんなことができるのか、スライムではだめなのかという事は、冷静になればなるほどばかばかしい問題なのだが、達している状態の貴方の思考はどろどろに溶け切っている。  にゅるんっと受付嬢のペニスが引き抜かれてしまった。その拍子に、貴方の口から残念そうな声が漏れる。もっと埋めていてほしかったのに。  しかし、すぐに違和感に気付く。埋まっていたものが引き抜かれたのなら、ナカに出された液体が排泄されるはずだ。その答えは、艶やかさを増した受付嬢の声が教えてくれた。 「貴方のアナル……ケツマンコ。スライムで栓してあげたわ」  どこにそんな腕力があるのか――受付嬢は後ろから貴方の太腿を抱えて持ち上げる。赤ん坊におしっこをさせるような体勢だ。生まれたばかりの近所の赤ん坊が、親に「おしっこしーしー」と言われながらこの体勢をさせられているのを見たことがある。 「さ、冒険者の先輩方にご挨拶なさい」  射精したばかりだというのに受付嬢はほとんど疲労を見せず、ほがらかに宣言する。試験場にいるすべての冒険者の視線が貴方に向いたのがわかった。憧れの女冒険者の視線も、まっすぐ貴方に注がれている。 「ぼくがお尻の穴からスライム射精するところ、見てください」  言葉は自然と口から出ていた。受付嬢は満足気に「ふふっ」と漏らし、合図をする。その瞬間、勢いよくスライムが排泄された。  ぶびゅあああッ! ひどい音だ。ひどく、煽情的な音だ。自分の尻から生まれる音にすら快感を拾っていた貴方の耳に、受付嬢の指の音は聴こえなかった。 「イっちゃえ」  強制的な絶頂に、貴方は叫び声を上げて悦ぶ。冒険者の中には、その様子を見て同時に絶頂している者もいるようだ。あちこちから嬌声が上がっているが、貴方の声ほど可愛らしいものはない。  スライムを出し切り、精液を出し切り、その声さえも枯れ果て、力尽きた貴方を床に下ろし、受付嬢は微笑む。満たされたこの表情こそ、受付嬢の本来の笑みなのかもしれない。 「今日はここまで。試験の続きを受けるつもりがあるなら、またいらっしゃい」  目を細め、自身の唇を舌なめずりしたあと、受付嬢は冒険者たちの方へと体を向けた。そして手を二回打つと、 「はい、解散解散!」  と高らかに宣言し、すぐに繋げる。もう最初の印象そのままの、クールなできる女、という感じの声で。 「この子はまだ一般人なんだからね! 変なことをしちゃだめよ!」  冒険者の中には不満げな声を上げる者も少なくなかった。受付嬢だけがいい思いをするのは不公平だ、とでも言いたげに。受付嬢はものともせず、片手を振ると、しっしっと追い払う仕草をした。  このギルドで――いや、この街で受付嬢に楯突こうとするような愚か者はいないのだ。さっきまでの貴方以外には、きっと。ひょっとすると、この大陸のどこを探してもいないかもしれない。  大柄でいかにも屈強そうな男性冒険者が受付嬢の冷ややかな視線ひとつで黙り込んだのを見て、貴方は自分の愚かさを呪った。 「好きなだけ休んでから帰りなさい。安心していいわ、ギルドの冒険者が貴方になにかをすることはないから」  受付嬢はこの二日間で一番の優し気な表情を浮かべ、その表情に見合った柔らかな声で貴方に告げる。どこからか持ってきた布を自身の体に巻き付け、もう一枚の分厚い布は貴方へと被せてくれた。  人は見かけによらないのかもしれない。貴方はまたひとつ学んだ。この二日間はいままで生きてきた中で最も濃密な二日間だった。多くを学び、多くを失い、そして多くを得た。  きびすを返し、試験場を出ていく受付嬢の背中を見送りながら、襲い掛かる強烈な睡魔の中で貴方は二日間を振り返っていた。まるで走馬灯のように鮮明に記憶が蘇り、尻の穴が太くて大きなものを求めてきゅんっとひくついた。かつてはチンチンと呼ばれていた貴方のクリトリスは期待にジンジンと熱を持ち、乳首同様、わずかに布が擦れただけでも快感を拾う。  眠気に負けそうになりながら、徐々に冷静さを取り戻していく思考で、貴方は自分の言動をはっきり思い出し始めていた。恥辱も屈辱も極まれりではあったが、一番ひどいのは、あるはずのない子宮の存在を感じ、卵を植え付けられたいと願ったことだ。  メス堕ち、陥落、完敗という三つの言葉が貴方の思考を支配する。それを振り払うべく、深呼吸をして、改めて受付嬢の背中を見つめた。 「――いまはまだ……ね」  扉を閉める寸前、受付嬢がこちらを振り返ってなにかを言ったようだが、貴方の耳には届かなかった。ただ辛うじて見えたにやりと笑った表情が、下りてきた瞼の裏にはっきりと焼き付いて離れそうにない。