「嬉しいときも、悲しいときも、寂しいときも。 〜にゃん太と花梨の一年〜」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック1『キミはにゃん太だ! 今日から私の家族だよ!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー //雨の街角で、ダンボールに捨てられているにゃん太。 //5秒ほどアスファルトを打つ強い雨音。 ;SE:雨音 //車が前を通り、にゃん太に水をかけていく。 //【10】から【16】に走り抜けていく車。 ;SE:走り抜けていく車の音 ;SE:バシャッと激しく水をかけていく //傘を差した花梨がにゃん太を拾う。 //5秒ほどアスファルトを叩く雨音。 //ダンボールに傘が差し出される。 ;SE:雨音 ;SE:傘に当たる雨音 //雨音はBGM的に継続。 ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「捨て猫……だよね? まだ小っちゃい……」 【花梨】 「なんでこんなにかわいいのに捨てちゃうんだろ? 飼えないなら産ませちゃダメだよ」 //しゃがんでにゃん太を抱え上げる花梨。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「んっしょっと……おっ、見た目に寄らずそこそこ重たいなぁ、キミは」 【花梨】 「ジタバタできるぐらいには元気だし、弱ってはないかな? うん、よかった、よかった♪」 【花梨】 「でもビチャビチャだし、これじゃ寒いよね? 今、拭いてあげるね。待ってて」 //カバンからハンカチを出す。 ;SE:カバンを開ける 【花梨】 「じっとしててね? 暴れちゃダメだよ」 //ハンカチでにゃん太を拭く。 //10秒ほどハンカチで顔全体を拭く。 ;SE:ハンカチで顔を拭く 【花梨】 「んっ、とりあえずこれで大丈夫かな」 【花梨】 「でも雨だって強くなるし、それに……それに──」 ;くしゃみ 【花梨】 「──くっちゅんっ! んんっ……はふぅ……」 【花梨】 「ほら……どんどん寒くなってきてる。こんなところにいたら、病気になっちゃうよ?」 【花梨】 「うん、大丈夫。安心してね。ちゃーんと連れてってあげるから」 【花梨】 「──さっ、行こっ♪」 //にゃん太を抱きかかえ、その場から去る花梨。 ;SE:衣擦れ ;SE:去って行く足音。 //15秒ほど雨音を流してF・O。 //家に帰って来る。 ;SE:ガチャッとドアが開く 【花梨】 「ただいま〜♪」 //靴を脱いで部屋に向かう。 ;SE:靴を脱ぐ ;SE:奥へ向かう足音 【花梨】 「ここ、私の家だよ。安全だから怖がらなくていいからね」 【花梨】 「あっ、今、ちゃーんと拭いてあげる。待っててね」 //バスタオルを取りに行く花梨。 //【1】(近)から【9】(上、遠)へ移動する。 ;SE:去って行く足音 //隣の部屋から聞こえる声。 ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「んっと……大きめな方がいいよね? 一枚じゃ足りないかなぁ?」 【花梨】 「身体を拭くヤツとぉ〜……下に敷くヤツが必要だよね」 【花梨】 「これとこれかな? うん、よしっと」 //バスタオルを持って、にゃん太の前に座る花梨。 //【9】(上、遠)から【1】(上、近)へ移動する。 ;SE:近付いてくる足音 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「はい、拭きますよ〜。暴れちゃダメだぞー。じっとしててね」 //抱きかかえてバスタオルで全身を拭く。 //30秒ほど全身をゆっくり隅々まで拭く。 ;SE:タオルで拭く //タオルで全身を拭きながらの会話。SEは継続。 ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「猫ちゃん、キミは何歳かなぁ? ん〜……小っちゃいし、生後一ヶ月くらいかな?」 【花梨】 「こんな小っちゃい子を捨てちゃうなんて、ほんっと、どういうつもりなのかなっ! なのかなっ!」 【花梨】 「信じられないよね! 育てられないなら産ませちゃダメだよ! 去勢もしっかりしないと!」 【花梨】 「あっ、ごめん、ごめん……ちょっと力が入っちゃったね。もっと優しくするね」 【花梨】 「ゴシゴシ、ゴシゴシ……ふきふき、ふきふき……ゴシゴシ、ゴシゴシ……」 【花梨】 「あっ、こっちも濡れてるね〜。ゴシゴシ、ゴシゴシ……ふきふき、ふきふき……」 【花梨】 「あれ? そういえばキミ、男の子かな? 女の子かな?」 //確認中。少し間を置く。 【花梨】 「あー、男の子かぁ。ふふふっ」 【花梨】 「おっきくなったら、去勢しなきゃだね〜。まだちょっと先だけど」 【花梨】 「うん、そうだぞー。キミは今日から私の家族になるのだっ」 【花梨】 「ペット可のマンションでよかった。禁止だったら、キミをお迎えできなかったもん」 【花梨】 「なんだろうなぁ……こういうのって、やっぱ運命なのかなぁ」 【花梨】 「キミがダンボールに捨てられてるのを見て、『あっ、こういうのって本当にあるんだー』って思っちゃった」 【花梨】 「──でも、早めに見つけられてよかったよー」 【花梨】 「あのまま雨に打たれてたら……考えただけでも可愛そうだもん」 【花梨】 「家じゃなくて、お医者さんに連れてかなきゃいけなかったかもだしね」 【花梨】 「んっと……まだ濡れてるとこあるかな〜?」 【花梨】 「おっ、ここかな? ちょっと濡れてますなぁ。ゴシゴシ、ゴシゴシ……ふきふき、ふきふき……」 【花梨】 「ちょっともう一回、全身拭いちゃうね。じっとしてるんだぞー」 //30秒ほど全身をゆっくり隅々まで拭く。 ;SE:タオルで拭く //SEここで停止。 【花梨】 「──よしっと! うん、これで大丈夫かな。あとは……そうだ! ご飯だよね! ご飯!」 【花梨】 「うん、ちゃーんと帰りに買ったんだから! 子猫用の猫缶!」 【花梨】 「ちょっと待ってねー。お皿用意するね!」 //キッチンへお皿を取りに行く。 //【1】(近)から【9】(遠)に遠ざかって行く足音。 //キッチンから聞こえる声。 ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「えっと……とりあえずこれでいいかなぁ? う〜ん……猫ちゃん用の食器も買わないとなぁ」 【花梨】 「食器と水受けと……それからトイレにケージに、キャットタワー」 【花梨】 「買う物いっぱいだなぁ。まぁ無駄遣いしなきゃ、バイト増やさなくても大丈夫だよね」 【花梨】 「──で、食器はこれでいいかな」 //近付いてくる足音。 //【9】(遠)から【1】(近)に近付いてくる足音。 ;SE:足音 //目の前に座って食器を置く。 ;SE:衣擦れ ;SE:食器を置く ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「あっ、こら〜、食器をぺろぺろ舐めないのっ。今、ちゃーんとご飯あげるからね〜」 //猫缶を開けて、スプーンで掻きだして皿に盛る。 ;SE:猫缶を開ける ;SE:スプーンで掻きだして皿に盛る 【花梨】 「おっ、もりもり食べてるなぁ。気に入ってくれて良かった♪」 【花梨】 「えっと……そうだ、そうだ! 名前決めなきゃね!」 【花梨】 「そうだなぁ〜……う〜ん……」 //少し間を開ける。 【花梨】 「──にゃん太! キミの名前はにゃん太で決まり!」 【花梨】 「あははは……ごめんねー、私ってば名前付けるセンス無いんだよねぇ」 【花梨】 「実家で飼ってた文鳥は『ピーちゃん』だったし……」 【花梨】 「でも嬉しいなぁ。田舎から出てきたばっかりで、まだ大学も始まってないし……」 【花梨】 「寂しいかなぁって思ったけど、にゃん太が来てくれたから平気かな」 【花梨】 「にゃん太〜……よっとっ!」 //胸に抱きかかえる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:3(上、近) 【花梨】 「ふふっ、来てくれてありがとう。これからよろしくねっ」 //【3】右耳の辺りにキス。 ;SE:ちゅっと短めなキス ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック2『ちょっと匂うぞー。お風呂入ろっか!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー //朝。5秒ほど鳥のさえずり。 ;SE:鳥の声 //スマホのアラームが鳴る。 //花梨が止めるまでアラームは継続。 ;SE:スマホのアラーム音 ;ボイス位置:7(近) 寝ぼけた感じで 【花梨】 「う〜ん……スマホ、スマホ……」 //スマホを探している花梨。 ;SE:衣擦れ 【花梨】 「うあ〜……毛玉があるぅ。もふもふ、もふもふ……」 //頭全体をゆっくりと撫でる ;SE:頭を撫でる 【花梨】 「もふもふ……いいなぁ……えへへへ、えへへへ……もふもふ……もふもふ……」 ;寝息 【花梨】 「……す〜〜す〜〜……す〜〜〜す〜〜〜……すや〜〜〜」 //5秒ほどスマホのアラーム音。 ;SE:スマホのアラーム音 【花梨】 「はうぅう……もふもふじゃなくてぇ……起きなきゃぁ〜」 【花梨】 「スマホ……スマホ……んっと……どこぉ……?」 //スマホを探している花梨。 ;SE:衣擦れ 【花梨】 「んん〜……あったぁ……うんっしょ……」 //アラーム音停止。 【花梨】 「ん〜……にゃん太おはよぉ〜……」 【花梨】 「にゃん太さんは、今日ももふもふですなぁ。もふもふ、もふもふ……」 //背中全体をゆっくりと撫でる。 ;SE:背中を撫でる 【花梨】 「今日は必要な講義もないし、ゆっくりできるかなぁ……」 【花梨】 「う〜……オフトンが放してくれないよ〜。このまま寝ちゃいそう……」 【花梨】 「──よし! ガバッと起きるぞ! ガバッと! せーのっ!」 //勢いよく布団から出て上半身を起こす。 ;SE:布団をはね除ける ;SE:ベッドのきしむ音 ;ボイス位置:15(上、近) 【花梨】 「──ガバッ! これでどうだっ!」 ;伸び 【花梨】 「ううう〜〜〜ん……朝あぁあぁぁあ……」 【花梨】 「にゃん太〜……おはよぉ〜」 //にゃん太を顔の前に抱きかかえる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「にゃん太は今日も、可愛いですなぁ〜」 【花梨】 「ほらほら、おはよーのちゅーは? にゃん太さぁーん、してして♪」 【花梨】 「ふふふっ、私からしちゃおっかなぁ」 //【1】口にキス。 ;SE:ちゅっと短めなキス 【花梨】 「うん、目が覚めたぞー。さてと、モーニングルーティーン、モーニングルーティーン♪」 【花梨】 「まずはぁ──歯磨きと洗顔かな。よいしょっと」 //ベッドから立ち上がり、洗面所へ向かう。 //【7】(近)から【15】(遠)へ向かう足音。 ;SE:衣擦れ ;SE:足音 //隣の部屋(洗面所)から花梨の声が聞こえてくる。 ;ボイス位置:15(遠) 鼻歌 【花梨】 「ふんふんふ〜ん♪ ふんふんふ〜ん♪」 //起き上がり、ベッドから飛び降りるにゃん太。 ;SE:衣擦れ ;SE:ベッドから飛び降りる //フローリングを歩いて、洗面所に向かう ;ボイス位置:7(上、近) 【花梨】 「あっ、にゃん太、また来たぁ。もう、顔洗ってるとすぐ来るんだから」 【花梨】 「邪魔しちゃダメだぞ〜。大人しくしててね?」 //洗濯機に飛び乗り、洗面台に乗るにゃん太。 ;SE:洗濯機に飛び乗る ;SE:洗面台に飛び乗る ;ボイス位置:3(斜め上) 【花梨】 「あっ、こら〜。大人しくしててって言ったのにぃ」 【花梨】 「なんで私が顔洗ってると、洗面台に乗ってくるの?」 【花梨】 「しかもすっごい器用だよね。壁と洗濯機を足場にして、トントンって登ってきちゃうんだもん」 【花梨】 「忍者にゃん太めぇ〜、邪魔しちゃダメだよ? 洗顔が終わるまで待っててね」 //花梨が洗顔のため、蛇口を開けて水を出す。 //【3】から音が聞こえてくる。 ;SE:きゅきゅっと蛇口を捻る ;SE:水が出る音 //5秒ほど水道から水が出る音。 //手で水をすくい、洗顔を開始する。 ;SE:パシャ、パシャと数回顔に水を当てる //洗顔終了。蛇口を閉めて水を止める。 ;SE:蛇口を捻る ;SE:水が止まる 【花梨】 「ふぅ……サッパリ、サッパリ♪ これで目も覚めたねっ」 【花梨】 「ん〜……シャワーどうしよっかなぁ? もう目が覚めたし、今日は出かける予定もないから……ないから……」 【花梨】 「ん〜……くんくん、くんくん……? あれ? なんか臭いような……」 【花梨】 「くんくん、くんくん……すんすん、すんすん……ん〜……んんんん〜……?」 //花梨がにゃん太の頭のにおいを嗅ぐ。 //5秒ほど頭全体を嗅ぎ回すように『すんすん』と呼吸音。 ;SE:呼吸音 【花梨】 「にゃん太、臭い! キミ、ちょっと匂いますなぁ」 【花梨】 「決めた! 今日は一日、徹底的に、にゃん太を綺麗にしちゃうんだから!」 【花梨】 「そうと決まればぁ……まずはシャワーだね! うん、にゃん太、一緒に入ろっ♪」 【花梨】 「ちょっと待っててね〜。今、服脱いじゃうからっ」 //服を脱ぐ花梨。 ;SE:衣擦れ 【花梨】 「──よしっと。じゃ、にゃん太さん、お風呂に入りますか〜」 //バスルームのドアを開いて中に入る。 ;SE:ドアを開く ;SE:バスルームに入室する //バスルームなので、声が軽く反響する演出を。 //花梨の声はにゃん太の頭上【1】の上から聞こえる。 ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「にゃん太がお風呂嫌いじゃなくて、ほんっと助かるなぁ」 【花梨】 「嫌いな子って暴れて大変だって聞くもん。にゃん太は大人しいもんね〜」 【花梨】 「さてさて、じゃあ始めよっか? まずはシャワーからだね〜。ちょっと待ってね」 //蛇口を捻ってお湯を出す。 ;SE:蛇口を開く ;SE:シャワーの音 【花梨】 「んと……確か温度って37℃くらいだったよね? このくらいかな?」 //10秒ほどシャワーの音。 ;SE:シャワーの音 【花梨】 「うん、これくらいだね。じゃ、お湯かけるよ〜」 //頭から背中、全体的にシャワーでお湯をかける。 //30秒ほどゆっくり移動しながら、背面の全方向から音が聞こえるように。 ;SE:シャワーの音 【花梨】 「ふふふっ、にゃん太、いい感じ。目がとろ〜んってしちゃってる」 【花梨】 「にゃん太って、本当にお風呂好きだよね」 【花梨】 「こんなに気持ちよさそうだし、専用のお風呂買ってあげちゃおっかなぁ」 【花梨】 「猫用の小っちゃなバスタブとか、ちょっと可愛いしね♪」 【花梨】 「うんっ、こんなモンかな。じゃあ、シャワー止めるよ〜」 //蛇口を閉めて、シャワーを止める。 ;SE:蛇口を閉める ;SE:シャワーを止める 【花梨】 「この間買った猫用のボディーソープ、まだあるかなぁ?」 【花梨】 「うん、半分くらいあるね! じゃあ、にゃん太さん……綺麗にしちゃうぞ〜。ふふふふっ」 //ボトルをプッシュし、ソープを出す。 ;SE:数回ボトルのプッシュ音 ;SE:掌に出したソープを泡立てる 【花梨】 「んっと……背中からかな。動いちゃダメだぞっ」 //にゃん太の身体をボディソープで泡立てながら洗う。 //30秒ほどゆっくり移動しながら、背面の全方向から音が聞こえるように。 ;SE:毛を泡立てて洗う音(洗髪の音) //身体を洗いながらの会話。SEはBGM的に継続。 【花梨】 「にゃん太、ウチに来たときより、ちょっと太ったね〜」 【花梨】 「う〜ん……まぁ、このくらいだったら平気かな? もうちょっと太ったら、痩せなきゃだけど」 【花梨】 「キミはちょっと食べ過ぎだぞー。いつもいっぱい食べるんだから」 【花梨】 「まぁ……ねだられたらあげちゃう、私もダメなんだけどね。えへへへっ」 【花梨】 「それにしても、にゃん太って毛並み良すぎない? つやつやですなぁ」 【花梨】 「ノミもいないみたいだし、抜けてるところもないし……うん、男前のふさふさだぞー」 【花梨】 「でも、ちょーっと匂うから、綺麗にしましょうね〜」 【花梨】 「ゴシゴシ、ゴシゴシ……シャカシャカ、シャカシャカ……」 【花梨】 「お腹の方もゴシゴシするぞー。動いちゃダメだよ?」 //にゃん太の身体をボディソープで泡立てながら洗う。 //30秒ほどゆっくり移動しながら、前面の全方向から音が聞こえるように。 ;SE:毛を泡立てて洗う音(洗髪の音) //身体を洗いながらの会話。SEはBGM的に継続。 【花梨】 「おっ、やっぱりちょっと太ってますなぁ。にゃん太さん、お腹がプニプニですぞ」 【花梨】 「ふふふっ、やっぱり背中より柔らかくて、触り心地いいなぁ」 【花梨】 「でも、デリケートなところだし、優しく洗わないとね」 【花梨】 「ゴシゴシ、ゴシゴシ……なでなで、なでなで……ゴシゴシ、ゴシゴシ……」 【花梨】 「こうやって洗ってると、にゃん太が初めて来た日のこと思い出すなぁ」 【花梨】 「こんなにお腹がプニプニじゃなかったよね〜。もっとガリガリだった」 【花梨】 「──でも、結構元気だったよね。ご飯もいっぱい食べてくれたし」 【花梨】 「お医者さんに連れて行っても、虫くだしだけで済んだもんね〜」 【花梨】 「うん、うん、これからも元気に育つんだぞー」 【花梨】 「──よし! これくらいで大丈夫かな。泡を流しちゃうから、ちょっと待っててね〜」 //蛇口を捻ってお湯を出す。 ;SE:蛇口を開く ;SE:シャワーの音 【花梨】 「ちょっと熱いかなぁ。もうちょっと水を……んっ、こんなもんかな」 //10秒ほどシャワーの音。 ;SE:シャワーの音 【花梨】 「じゃ、お湯かけるよ〜。泡流すからねっ」 //頭から背中、全体的にシャワーでお湯をかける。 //30秒ほどゆっくり移動しながら、背面の全方向から音が聞こえるように。 ;SE:シャワーの音 //泡を流し終えてシャワーを止める。 ;SE:蛇口を閉める ;SE:シャワーが止まる 【花梨】 「はい、お終いっ! うん、綺麗になったぞー。男前だ」 【花梨】 「私もシャワー浴びよっかなぁ。にゃん太、待っててね♪」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック3『お風呂上がりの耳掃除』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー //バスルームから出てリビングへと向かう。 ;SE:バスルームのドアを開く ;SE:リビングへ向かう足音 ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「しっかり拭いたから、すぐ乾くよね? 本当はドライヤーかけたいけど……」 【花梨】 「にゃん太ってば、ドライヤー嫌いなんだもん。暴れて逃げちゃうし」 【花梨】 「おっきな音がダメなのかなぁ? ……まっ、仕方ないよね」 【花梨】 「さてさて……今日はこれで終わりじゃないぞー」 【花梨】 「てってーてきに、にゃん太を綺麗にしてやるんだから!」 【花梨】 「んと……ちょっと待ってって〜」 //部屋の後方にある棚に、爪切りと猫用の耳かきを取りに行く。 //【1】(上、近)から右回りに【13】(遠)に移動。 ;SE:去って行く足音 ;ボイス位置:13(上、遠) 【花梨】 「確かこの辺に置いたと思うけどなぁ……ん〜っと、どこやったっけ?」 【花梨】 「耳かきも爪切りも、ここに置いたと思うんだけどなぁ……」 【花梨】 「えっと……え〜っと…………あった、あった」 //部屋の後方にある棚から戻り、にゃん太の前に座る。 //【13】(遠)から右回りに【1】(上、近)に移動。 ;SE:近づいてくる足音 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(斜め上) 【花梨】 「にゃん太、爪切りますよ〜。んっと……どうしよっかな……」 【花梨】 「膝に乗せちゃった方がいいのかな? にゃん太、こっちこっち! うんっしょっと──」 //にゃん太を膝の上に乗せる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:5(近) 【花梨】 「あっ、これいいかも」 【花梨】 「でもにゃん太……ちょっとおじさん臭いなぁ。膝の上に『ぼて〜』って座ってるんだもん」 【花梨】 「休日のお父さんとか、下町の社長みたいだよ? 貫禄あるなあ。ふふふっ」 【花梨】 「んっと……じゃあ、左手からだね。暴れたらケガしちゃうから、大人しくしてるんだぞー」 //左手の爪を切る。 //【8】から音が聞こえてくる。10秒ほどゆくり『パチン』を繰り返す。 ;SE:爪を切る音 //爪を切りながらの会話。SEはBGM的に継続。 【花梨】 「にゃん太って、本当にいい子だよね〜」 【花梨】 「お風呂も暴れないし、爪切りも大人しいんだもん」 【花梨】 「友だちに聞いたら、お風呂も爪切りも、嫌がる子の方が多いんだって」 【花梨】 「それに比べて、にゃん太さんは本当に大人しいですなぁ。爪切りもシャワーも気に入ったのかな?」 【花梨】 「もうすぐ左手が終わるからね〜。ちょっと待ってね」 //左手の爪を切る。 //【8】から音が聞こえてくる。10秒ほどゆくり『パチン』と繰り返す。 ;SE:爪を切る音 //SE停止。 【花梨】 「──うん、綺麗になった。これでガシガシされても痛くないかな」 【花梨】 「じゃ、次は右手だね。はい、お手々出しましょうね〜」 //にゃん太の右手を持つ。 ;SE:衣擦れ 【花梨】 「こっちも結構伸びてますなぁ。ちょっと短くしちゃうね」 //右手の爪を切る。 //【2】から音が聞こえてくる。10秒ほどゆくり『パチン』と繰り返す。 ;SE:爪を切る音 //爪を切りながらの会話。SEはBGM的に継続。 【花梨】 「にゃん太は爪切りもシャワーも大人しいけど、爪研ぎだけはバリバリ、ガシガシするからなぁ」 【花梨】 「でも、前よりだいぶマシになったかぁ。来たばっかりの頃は、ほんっといろんなとこバリガシってしてたし」 【花梨】 「ソファーもダメにしちゃうし、壁紙もボロボロで剥げちゃうし……」 【花梨】 「今はキャットタワーの爪研ぎでやってくれてるけど、最初は大変ですっごく参ったんだから」 【花梨】 「まぁ、猫ちゃんをお迎えするなら、爪研ぎは仕方ないけどね。ふふふっ」 【花梨】 「あっ、右もそろそろ終わるから、もうちょっとのガマンだよ?」 //右手の爪を切る。 //【2】から音が聞こえてくる。10秒ほどゆくり『パチン』と繰り返す。 ;SE:爪を切る音 //SE停止。 【花梨】 「うん、これでいいかな。後ろ足は今度にしよーね♪」 【花梨】 「──さてと、次はお耳の掃除だぞっ」 【花梨】 「はい、じゃあにゃん太さん、膝枕しよっか? 最初は右耳ね」 //右耳を上にして、にゃん太を膝枕する。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:3(近) 【花梨】 「どれどれ……おっ、結構汚れてますなぁ」 【花梨】 「新しい洗浄液なんだけど、どうかなぁ? 前と違って、ちょっとオイルっぽいんだよね」 【花梨】 「麺棒を洗浄液に浸してぇ……ん、これでいいかな?」 【花梨】 「じゃ、右耳からお掃除しまーす」 //右耳の掃除。粘度のあるオイルで耳の中を掃除する。 //30秒ほど強弱をつけて掃除する。 ;SE:オイルで耳掃除 //耳掃除をしながらの会話。SEはBGM的に継続。 【花梨】 「んっしょ……あんまり奥までやらない方がいいんだよね?」 【花梨】 「見える範囲だけでぇ……カキカキ、カキカキ……コリコリ、コリコリ……」 【花梨】 「ん〜……どうかな? にゃん太さん、痛くないですかぁ?」 【花梨】 「ふふふっ、満足そうにしてるし、大丈夫だよね」 【花梨】 「じゃあ、もう少し……カキカキ、カキカキ……コリコリ、コリコリ……」 【花梨】 「うーん、こんなもんかなぁ。あまりやっちゃうと傷になるっていうし……」 【花梨】 「うん、お終い! このくらいでいいよね」 //SE停止。 【花梨】 「次は左耳かな。はい、にゃん太さん、反対向きましょうね〜」 //膝の上でにゃん太の向きを変え、左耳を上にする。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:7(近) 【花梨】 「んーっと、こっちは……ふむふむ、やっぱり汚れてますなぁ」 【花梨】 「右よりちょっと汚いぞー。にゃん太、これ……痒くなかった?」 【花梨】 「少し強めにカキカキしても大丈夫かなぁ? 痛いと可愛そうだし……」 【花梨】 「できるだけ優しくするから、じっとしてるんだよ?」 【花梨】 「そぉ〜っと、そぉ〜っと……」 //左耳の掃除。粘度のあるオイルで耳の中を掃除する。 //30秒ほど強弱をつけて掃除する。 ;SE:オイルで耳掃除 //耳掃除をしながらの会話。SEはBGM的に継続。 【花梨】 「ふふっ、にゃん太も大人しくしてるし、痛くないみたい」 【花梨】 「もうちょっとだからね〜……カキカキ、カキカキ……コリコリ、コリコリ……」 【花梨】 「もし彼氏がいたら、こうやって膝枕で耳掻きするのかなぁ?」 【花梨】 「──って言っても、そんな人いないしね〜。今はにゃん太さんが彼氏ですっ」 【花梨】 「でも、私もいつか彼氏ができるのかなぁ? 大学生になったら……って思ってたけど……」 【花梨】 「なんていうか、そんな暇ないよね。単位も取んなきゃだし、バイトだってあるし」 【花梨】 「まだ大学にも馴れてないから、きっと彼氏なんてもっと先なんだろうなぁ」 【花梨】 「まっ、しばらくはにゃん太が彼氏だよ♪ いーっぱいイチャイチャしようね。ふふっ」 【花梨】 「というわけでぇ……耳掃除終わりましたっ。どうかな? どうかな?」 【花梨】 「おっ、にゃん太さん、気分よさそうですなぁ。うん、サッパリさんだね♪」 【花梨】 「さてさて、今日は一日休みだし、ゆっくりしますかぁ!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック4『にゃん太、お留守番しててね!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー //花梨が大学から帰ってくる。 ;SE:玄関のドアが開く ;SE:近づいてくる足音 ;ボイス位置:15(上、近) 【花梨】 「にゃん太、ただいまっ。今日はバイトがお休みだよ〜。早く帰って来ちゃった」 【花梨】 「最近、ちょっと忙しかったから、ゆっくりしようかなぁって思って」 【花梨】 「にゃん太とも、イチャイチャしてなかったしね〜」 【花梨】 「──というわけでぇ……よっと!」 //にゃん太を胸に抱きかかえる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「おおっ、にゃん太さん、また重くなりましたなぁ〜」 【花梨】 「普通にしてるとわかんないけど、ダッコするとわかるよ」 【花梨】 「う〜ん……そんなに甘やかしてないと思うけどなぁ。キャットフードだっていつも――」 【花梨】 「──適量。適量? ごはん、てき、りょう……?」 【花梨】 「にゃん太っ、ちょ、ちょっとゴメンね!」 //にゃん太を放して洗面所へと駆けて行く。 //【1】(上、近)から【9】(上、遠)に駆けて行く。 ;SE:衣擦れ ;SE:小走りで去って行く足音 //少し間を開ける。 //隣の部屋(洗面所)から花梨の声が聞こえてくる。 ;ボイス位置:9(遠) 【花梨】 「あっ、あぁあぁ〜〜〜〜っ! やっぱり増えてるぅうぅ〜〜〜〜!」 //洗面所から戻ってきて、にゃん太の前に座る。 //【9】(上、遠)から【1】(上、近)に近づいてくる。 ;SE:近付いてくる足音 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「ううう〜……私ってば、嬉しいといろいろ食べちゃうんだよね。もりもりいっぱい……」 【花梨】 「最近大学にも馴れてきたし、友だちもいっぱいできたから。うう……」 【花梨】 「そのせいって言ったら変だけどさ、にゃん太にも私基準でごはんあげちゃってたかも……」 【花梨】 「にゃん太が太ったのは、私の巻き添えだね。ううう〜……ごめんね」 【花梨】 「お詫びにわしゃわしゃしてあげる! ほらっ、わしゃわしゃわしゃ〜〜〜っ!」 //顎の下をわしゃわしゃと撫でる。 //15秒ほど顎の下を撫でる音。 ;SE:毛を撫でる 【花梨】 「おっ、ゴロゴロ言ってますなぁ。そっかそっかぁ、許してくれるのかぁ」 【花梨】 「ほんっと、にゃん太は可愛いなぁ」 //スマホが鳴る //5秒ほど【15】(遠)から聞こえてくる。 ;SE:スマホの着信音。 【花梨】 「おっ、電話だ電話。誰からかなぁ〜。にゃん太、ちょっと待っててね」 //立ち上がり、携帯を取る //【1】(上、近)から【15】(遠)に移動。 ;SE:衣擦れ ;SE:遠ざかる足音 ;SE:スマホの通話ボタンを押す ;ボイス位置:15(上、遠) 【花梨】 「もしもし〜♪」 【花梨】 「あっ、恵美ちゃん! どうしたの〜?」 【花梨】 「えっ、うん、今日はバイトが無いから、すぐに帰っちゃった」 【花梨】 「んー、どうしたの? なにか用事でもあった?」 【花梨】 「うん、うん……」 //話しながらキッチンに移動する。 //【15】(上、遠)から【9】(上、遠)に移動しながら会話。 ;SE:遠ざかる足音 //移動しながらの会話開始。 【花梨】 「あー、あの講義? 木曜二限のね。うん、レポート提出って確か、まだ二週間くらいあるよ」 【花梨】 「私は大丈夫かな。うん、もう半分くらい終わってるし。恵美ちゃんは?」 【花梨】 「えっ、すご−い! もう終わったんだ? うん、うん……」 //移動しながらの会話終了。 //キッチンから聞こえる花梨の声。 //ポッドからお湯を入れる ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「あっ、ちょっと待ってくれる? 今コーヒー淹れるから」 //カップを出し、粉末コーヒーを入れる。 ;SE:カップを置く ;SE:袋を開け、粉末コーヒーをカップに入れる。 ;SE:お湯を注ぐ 【花梨】 「お待たせ。うん、それでどうなったの……? うん、うん……」 //キッチンからにゃん太の隣りに移動して座る。 //【9】(上、遠)から【7】(上、近)に移動。 ;SE:近づいてくる足音 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:7(上、近) 【花梨】 「あー……それで私を捜してたんだ?」 【花梨】 「ほら、今日って午前の講義で、恵美ちゃんと一緒だったじゃん」 【花梨】 「そのときに言ってくれれば、帰らずに待ってたのになぁ」 【花梨】 「──で、どうするの? 明日は……んーっとバイトがあるかな」 【花梨】 「明後日じゃダメかな? ちょっと遅い?」 【花梨】 「──えっ? 会わせたい人がいるの? その人が今日じゃないと空いてないんだ?」 【花梨】 「……それ、どんな人? 恵美ちゃんの彼氏?」 【花梨】 「あー、はいはい! 八代くんでしょ? 知ってる、知ってるー」 【花梨】 「学食で何度か話したことあるかなぁ」 【花梨】 「えっ!? 会わせたい人って八代くんなの? なんで私に?」 【花梨】 「んー……わかった。準備するね。じゃあ、えっと……8時に駅前で」 【花梨】 「うん、わかった。あとでね〜♪」 //通話終了 ;SE:スマホの通話を切る 【花梨】 「にゃん太〜、お待たせっと」 //にゃん太を抱きかかえる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「にゃん太、ごめんね〜。お出かけの予定ができちゃった」 【花梨】 「なんかね、八代くんが話があるんだって。なにかなぁ……」 【花梨】 「……なーんてっ、実はちょっと分かってたりするんだよねぇ」 【花梨】 「だって八代くん、学食でよく話しかけてくるし、見られてるなぁって視線感じるし……」 【花梨】 「あっ、気持ち悪いとかじゃないよ? むしろ逆かな」 【花梨】 「……ちょっと嬉しいかも。えへへへっ」 【花梨】 「あっ、そろそろ準備しなきゃ! にゃん太、ごめんね! お留守番しててねっ!」 //時間経過演出で、30秒ほど街の喧騒。 ;SE:街の喧騒 //街の喧騒をF・Oし、時計の秒針音をF・I。 //30秒ほど時計の音。 ;SE:時計の秒針 //花梨が帰ってくる。 ;SE:ガチャッと鍵が開く ;SE:ドアが開く //玄関から花梨の声が聞こえてくる。 ;ボイス位置:11(上、遠) 【花梨】 「にゃん太、ただいま〜っ!」 //玄関から部屋に入ってきて、にゃん太の横に座る。 //【11】(上、遠)から【3】(上、近)に移動。 ;SE:近づいてくる足音 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:3(上、近) 【花梨】 「にゃん太、ただいまっ! いい子にしてた?」 【花梨】 「私はねぇ……なーんか、どっと疲れちゃったよぉ。緊張してたのかなぁ?」 【花梨】 「恵美ちゃんってば酷いんだよ? だって来ないんだもん!」 【花梨】 「だから私と八代くんだけ! メッセージ送ったら『がんばれー』だもん!」 【花梨】 「八代くんもね、三人で食事するって誘われたんだって!」 【花梨】 「なんていうか……もう! 恵美ちゃんのばかぁ!」 【花梨】 「ふぅ……喉渇いちゃった」 【花梨】 「コンビニで氷と、ノンアルのサワー買ってきちゃった。ちょっとお酒の雰囲気だけ……ふふふっ」 【花梨】 「んっと、グラスは……マグカップでいいか。ちょうどあるし!」 //コンビニの袋から氷を出してグラスに入れる。 ;SE:ビニール袋の音 ;SE:グラスに氷を入れる 【花梨】 「んで、缶の蓋を、んぐぐ、よいしょっ──」 //サワーの缶を開けて、氷入りのグラスに注ぐ。 ;SE:缶を開ける ;SE:炭酸をグラスに注ぐ 【花梨】 「じゃあ……にゃん太さん、いただきますっ! かんぱぁ〜い♪」 ;サワーを飲む 【花梨】 「んっ……んんっ──ぷはぁ! おいし〜♪」 【花梨】 「あのね……八代くんと二人でご飯食べたんだけど、すっごいマジメなんだよ〜」 【花梨】 「私も緊張したけど、八代くんも緊張してたなぁ」 【花梨】 「でね、でね、いろいろ話したんだけどぉ……んっと、あのね──」 ;ボイス位置:3 囁き 【花梨】 「『彼女になって』──って、言われちゃった。えへへへ」 ;ボイス位置:3(上、近) 【花梨】 「んっと……なんとなく期待してたよ? 期待してたけど……今日なのかなぁって」 【花梨】 「──あっ、断ってないから! 断ってないよ〜」 【花梨】 「だって私も、八代くんのこと好きだし……」 【花梨】 「あっ、にゃん太さん、妬いてるんですか〜? この嫉妬やさんめっ!」 【花梨】 「ほら、こっちおいでっ! にゃん太〜」 //にゃん太を胸に抱き上げる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「八代くん、そのうち部屋に来ると思うから、仲良くするんだぞー」 【花梨】 「うん、にゃん太がいるのは知ってるよ。猫飼ってるよーって話したから」 【花梨】 「八代くんも猫好きなんだって! 実家で飼ってたみたい」 【花梨】 「もしアレルギー持ってたら、ちょっとお付き合いできないよね」 【花梨】 「だってやっぱりにゃん太は家族なんだし、彼氏よりも大事だもん!」 【花梨】 「だから嫉妬はダメだぞ〜。にゃん太のこと、一番に思ってるからねっ」 【花梨】 「にゃん太っ、大好きだよっ♪」 //にゃん太の口にキスをする。 ;SE:ちゅっと短めなキス ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック5『楽しいことも悲しいことも、ぜーんぶ話してあげる!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー //しとしと降っている梅雨の雨。 //30秒ほど雨音を流す。 ;SE:雨音 ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「雨、止まないなぁ……。梅雨も本格的だね。はぁ……」 【花梨】 「雨はキライじゃないけど……でも気が滅入ってるときは、やっぱりイヤだよね」 //しとしと降っている梅雨の雨。 //15秒ほど雨音を流す。 ;SE:雨音 【花梨】 「ダメダメ! イヤなのにじーっと窓の外なんか見て……」 【花梨】 「梅雨の雨なんか眺めてたって、気が晴れることなんかないんだから! やめやめっ!」 【花梨】 「ジメジメするし、窓を閉めてエアコンでも点けよっ!」 //窓をゆっくりと締める。 ;SE:窓を閉める 【花梨】 「えっと……リモコンどこ行ったかな?」 //にゃん太の周りを歩き回りながら独り言。 //【15】(上、遠)から後ろを回って【11】(上、遠)へゆっくりと移動。 ;SE:移動する足音 //移動しながらの独り言開始。 【花梨】 「あれ? ここに置いたと思ったけどなぁ……」 【花梨】 「こっち? 八代くん、この前来たとき使ってなかったっけ?」 【花梨】 「そういうだらしないところがあるから、ケンカになっちゃうんだって! もう!」 【花梨】 「えっと……こっち? どこかな? えっと、えーっと……」 //移動しながらの独り言終了。 ;ボイス位置:11(上、遠) 【花梨】 「──あった! なんでこんなとこにあるの!? もう! 本当にぃ──ばかぁ!」 【花梨】 「はぁ……怒ったら、余計に蒸し暑くなっちゃった。エアコン点けよ。ドライでいいかな」 //エアコンを付ける。 //【15】(上、遠)から聞こえてくる駆動音。 ;SE:ピッとリモコンの音 ;SE:エアコンの駆動音 【花梨】 「はぁ……雨って本当に憂鬱だなぁ。外にも出られないし……」 【花梨】 「こういう日は部屋に籠もって、ベッドで本を読むのが一番かな」 【花梨】 「うん、積み本がいっぱいだし、ちょっとでも消費しとかないとねっ」 【花梨】 「えっと……あの読みかけの文庫本、どこに置いたかなぁ……」 【花梨】 「あっ、そうだ。この間、読みながら寝落ちしちゃったんだよね。ベッドの枕元かな?」 //ベッドへ移動する。 //【11】(上、遠)から、後ろを通って【14】(上、遠)へ移動。 ;SE:遠ざかって行く足音 ;ボイス位置:14(上、遠) 【花梨】 「うん、あった。今日はこの本をグダグダ読んで、ゆっくりしよ」 //ベッドに寝転んで文庫本を読む。 ;SE:ベッドに寝転ぶ 【花梨】 「えっと……どこまで読んだっけ? あっ、ここか」 //本を読み始める。 //30秒ほどゆっくりページをめくる音。 ;SE:ページをめくる音 //時間経過演出 //30秒ほど秒針の音を流す。 ;SE:時計の秒針の音 【花梨】 「はぁ……」 //文庫本を放り投げ寝返りを打つ。 ;SE:文庫本をベッドに放り投げる ;SE:ベッドのきしむ音 【花梨】 「にゃん太、こっちおいでっ」 //にゃん太が花梨の横に移動する。 ;SE:移動する猫の足音 ;SE:ベッドに乗る ;ボイス位置;1(近) 【花梨】 「ねぇ、にゃん太……やっぱり謝った方がいいのかなぁ?」 【花梨】 「うん、八代くんは悪くないんだよね。私が悪いってわかってるもん」 【花梨】 「でも酷いこと言っちゃったし、今さら謝っても……」 【花梨】 「にゃん太、どうしよう……? 八代くんと別れちゃうのかな?」 【花梨】 「……やだ……そんなのやだよ……」 ;涙声で 【花梨】 「ぐすっ……ふえぇえぇ……別れたくない……ぐすっ……ひっく、ひっく……ふえぇえぇ……」 //しとしと降っている梅雨の雨。 //30秒ほど雨音を流す。 ;SE:雨音 //時間経過演出 //30秒ほど秒針の音を流す。 ;SE:時計の秒針の音 //15秒ほど花梨の寝息。 【花梨】 「す〜〜……す〜〜……す〜〜〜……すや〜……すぅうぅう〜〜、すぅうぅうう〜〜〜……んっ、んんんっ……すぅ〜〜〜〜、すぅ〜〜〜〜……」 //スマホが鳴る。 //【11】(上、遠)から着信音が聞こえてくる。 ;SE:スマホの着信音 //スマホに出るまでSEは継続。 【花梨】 「んっ……寝ちゃってたんだ? あっ、えっと……電話?」 【花梨】 「あっ、スマホ鳴ってる。どこだっけ……? えっと……」 //ベッドから起き上がってスマホを取りに行く。 //【1】(近)から右回りに【11】(上、遠)に移動。 ;SE:ベッドのきしむ音 ;SE:移動する足音 ;ボイス位置:11(上、遠) 【花梨】 「──えっ? 八代くん!? どうしよう……出た方がいいのかな?」 【花梨】 「……うん、出なきゃ──ちゃんと話をしなきゃ、ダメだよね」 //SE停止。スマホに出る。 ;SE:通話ボタンを押す 【花梨】 「……はい……うん。ちょっと寝てたから……」 【花梨】 「うん、うん……わかってる。そのことだよね? うん……」 //ベッドへ移動しながら会話。 //【11】(上、遠)から左回りに【1】(上、遠)へゆっくりと移動。 ;SE:移動する足音 //移動しながらの会話開始。 【花梨】 「えっと……なんていうか……あのね……」 【花梨】 「──えっ? なんで八代くんが謝るの? 悪いのは私だよ?」 ;涙声で 【花梨】 「ダメだよぉ……怒っていいんだよ? なんでそんなに優しいの?」 【花梨】 「あんなの……絶対に私が悪いんだもん……八代くんは悪くないって」 //移動しながらの会話終了。 //ベッドに腰を座って話している。 ;SE:ベッドのきしむ音 ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「本当にごめんなさい……悪いのは私だから……」 ;嗚咽混じりに 【花梨】 「だから……だから……これからも一緒にいてください……ううう、ぐすっ……ぐすっ……」 //しとしと降っている梅雨の雨。 //30秒ほど雨音を流す。 ;SE:雨音 //雨がやんで鳥の声と街の喧騒が聞こえる。 ;SE:鳥の声 ;SE:街の喧騒 ;ボイス位置:1(上、近) ;跳ねるような明るい声で 【花梨】 「あっ、雨止んだみたい。ちょっと空気の入れ換えしよっか」 //ベッドから降りて窓を開ける //【1】(上、近)から【9】(上、遠)へ移動。 ;SE:ベッドから降りる ;SE:遠ざかる足音 ;SE:窓を開ける ;ボイス位置:9(上、遠) 伸びをする 【花梨】 「ん〜〜〜〜っ! やっぱり晴れだよね! 気持ちいいなぁ」 【花梨】 「にゃん太さんはっと……あっ、まだベッドでグダグダしてるぅ」 //窓辺からベッドに移動してくる足音。 //【9】(上、遠)から【1】(上、近)へ移動。 ;SE:近付いてくる足音 ;SE:ベッドのきしむ音 ;ボイス位置:1(上、近) 【花梨】 「えへへ、八代くんと仲直りできたよ♪」 【花梨】 「ほんっと、どうなると思ったけど……良かったぁ!」 【花梨】 「私一人だったら、きっと絶えられなかったよぉ」 【花梨】 「にゃん太がいてくれたから、落ち込んでてもなんとかできたんだよ?」 【花梨】 「えへへへ、やっぱりにゃん太さんは凄いですなぁ」 【花梨】 「よぉ〜し! 景気づけに、にゃん太さんを吸いますか! ほら、お腹を出せ〜! 出しやがれ〜〜っ!」 //にゃん太をベッドの上で仰向けにさせる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(斜め下 お腹の辺り) 【花梨】 「さぁ、久しぶりにキメるぞ〜〜〜っ! せ〜〜〜のっ──」 //お腹の匂いを嗅いでいる。15秒ほど吐息。 【花梨】 「すうううううう〜〜〜〜〜〜……はぁあぁあぁぁあ〜〜〜〜〜すぅううぅうぅぅ〜〜〜〜〜はぁあぁあぁあ〜〜〜〜〜」 【花梨】 「──ぷはっ! 最高にキマる! にゃん太さんは、お日様の匂いがしますなぁ」 【花梨】 「もっともぉ〜っと、吸っちゃおっかなぁ──えいっ!」 //お腹の匂いを嗅いでいる。15秒ほど吐息。 【花梨】 「すうううううう〜〜〜〜〜〜……はぁあぁあぁぁあ〜〜〜〜〜すぅううぅうぅぅ〜〜〜〜〜はぁあぁあぁあ〜〜〜〜〜」 ;ボイス位置:1(正面、近) 【花梨】 「にゃん太さん、ごちそうさまでした! えへへへっ」 【花梨】 「──でも、本当にありがとう。にゃん太は最高の家族だよっ!」 //にゃん太の口にキスをする。 ;SE:ちゅっと短めなキス ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー トラック6『にゃん太、これからも一緒だよ!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー //夏の環境音。セミの声と風鈴の音。 //15秒ほどセミの鳴き声。 ;SE:セミの鳴き声 //10秒ほど静かな風鈴の音。 ;SE:風鈴の音 ;ボイス位置:11(上、近) 【花梨】 「んん〜〜〜……いい風が入るなぁ。これだけ涼しいと、エアコン要らないよね」 【花梨】 「あっ、でもにゃん太は熱いよね? 夏毛になっても、もふもふだし」 【花梨】 「午後になったらエアコン点けようかなぁ。にゃん太も熱いだろうし、パソコンも熱暴走しちゃうしね」 【花梨】 「夏休みの課題ぜんぜん終わってないのに、パソコン壊れたらヤバいしなぁ」 【花梨】 「はぁ〜……うちの学校、課題が多いって聞いてたけど、こんなに多いなんて思わなかったよ〜」 【花梨】 「うううう〜……バイトもいっぱいしたいし、八代くんとも遊びたいのにぃ!」 【花梨】 「……文句言っても、課題は終わんないよね。ちょっとでも終わらせないと。がんばろっ」 //パソコンで課題のレポートを打っている。 //30秒ほどキーボードの打音を流す。 ;SE:キーボードの打音 //夏の環境音。セミの声と風鈴の音。 //15秒ほどセミの鳴き声。 ;SE:セミの鳴き声 //10秒ほど静かな風鈴の音。 ;SE:風鈴の音 【花梨】 「ふぅ……ちょっと一休みしよっかなぁ。冷たいものでも飲もっと」 //机からキッチンへと移動し、冷蔵庫を開ける。 //【11】(上、近)から左回りに【9】(上、遠)に移動。 ;SE:遠ざかる足音 ;SE:冷蔵庫を開ける //キッチンから声が聞こえてくる。 ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「あっ、麦茶が冷えてなぁ〜い! そっかぁ……さっき作ったばかりだしなぁ」 【花梨】 「氷、まだあったよね? ……うん、あるある!」 //グラスに氷を入れて、麦茶を注ぐ。 ;SE:グラスに氷を入れる ;SE:グラスに麦茶を注ぐ 【花梨】 「ふぅ……生き返るなぁ。夏の冷えた麦茶は、ギルティなくらい美味しいよね〜」 【花梨】 「あっ、そろそろにゃん太もお昼ご飯かぁ。待って、今、用意するね」 //キッチンからリビングに移動する。 //【9】(上、遠)から右回りに【11】(上、近)に移動。 ;SE:近付いてくる足音 ;ボイス位置:11(上、近) 【花梨】 「にゃん太〜、ご飯だよ〜。今日はにゃん太の好きな、マグロの猫缶だぞー」 //猫缶を開けて、スプーンで掻きだしながら皿に盛る。 ;SE:猫缶を開ける ;SE:スプーンで掻きだしながら皿に盛る 【花梨】 「おー、さすがにゃん太さんですなぁ。もりもり食べてるし」 【花梨】 「もふもふの毛皮でも、夏バテせずに食欲旺盛!」 【花梨】 「あのね、にゃん太を見てると元気になるんだ」 【花梨】 「いつも元気にもりもり食べて、眠くなったら寝て……」 【花梨】 「マイペースな姿に癒やされるっていうか……私もこういう風に生きたいなぁって」 【花梨】 「周りに流されずにマイペースで、ゆっくりゆっくり……ふふふっ」 【花梨】 「……はい、わかってます。課題のレポートから逃げてるだけです」 【花梨】 「マイペースでゆっくりゆっくりやっても、ぜーったいに終わらないし!」 【花梨】 「よし! もうちょっとだけ頑張ろう!」 //パソコンで課題のレポートを打っている。 //30秒ほどキーボードの打音を流す。 ;SE:キーボードの打音 //夏の環境音。セミの声と風鈴の音。 //15秒ほどセミの鳴き声。 ;SE:セミの鳴き声 //10秒ほど静かな風鈴の音。 ;SE:風鈴の音 【花梨】 「はぁ……もうダメ。うん、頑張った! 充分にやった!」 【花梨】 「今日はもう、これくらいでいいよね」 //部屋のチャイムが鳴る。 ;SE:部屋のチャイム 【花梨】 「ん? 誰か来たのかな? あっ、この前、ネットで買ったあれかな?」 ;SE:部屋のチャイム 【花梨】 「あっ、はーい! 今行きまぁ〜す!」 //小走りに玄関へと駆けていき、ドアを開く。 //【11】(上、近)から左回りに【9】(上、遠)に移動。 ;SE:遠ざかる足音 ;SE:ガチャッとドアを開ける //玄関から声が聞こえてくる ;ボイス位置:9(上、遠) 【花梨】 「あっ、はい。あ、じゃあ一旦ここに置いてもらって」 【花梨】 「サインでいいですか? ここに? はい、では……」 【花梨】 「……はいっと。確かに受け取りました。は〜い、どうも〜」 //ドアを閉め、荷物をリビングに持ってくる。 //【9】(上、遠)から右回りに【11】(上、近)に移動。 ;SE:ドアを閉める ;SE:近付いてくる足音 ;ボイス位置:11(上、近) 【花梨】 「お母さんから荷物が届いたよ〜。んっと……中くらいのダンボールかな?」 【花梨】 「あっ、にゃん太、ごめんね〜。そこに荷物置いちゃうから。──よいっしょっと!」 //ダンボールを絨毯の上に置く。 ;SE:ダンボールを置く音 【花梨】 「なんかすっごいガムテープぐるぐるだなぁ。お母さん、慎重すぎだって!」 【花梨】 「結構、開けるの大変だよぉ。ここ……かな?」 //ガムテープを剥がしてダンボールを開ける。 //5秒ほどガムテープを剥がす音 ;SE:ガムテープを剥がす音 ;SE:ダンボールを開ける 【花梨】 「わっ、お菓子いっぱい! あとはぁ……レトルト食品に缶詰かぁ」 【花梨】 「あっ、猫缶もあるー! お母さんわかってるなぁ。一番助かる」 【花梨】 「それからぁ……手紙だね。んっと……読んでみよっかな」 //手紙を封筒からだし、便せんを捲る。 //15秒ほど便せんをゆっくりと捲る。 ;SE:紙を捲る音 【花梨】 「んっとね、要約すると『元気でやってますか? ちゃんと食べてますか?』だって」 【花梨】 「私ってそこそこ料理もできるし、掃除だって洗濯だって大丈夫なのになぁ」 【花梨】 「お母さんってば、心配しすぎなんだもん。もう子どもじゃないのにね〜。ふふふっ」 【花梨】 「そっかぁ……でもこっちに来て、そろそろ半年だもんね」 【花梨】 「3月に越してきたからぁ……んっと今8月でぇ……もう5ヶ月かぁ」 【花梨】 「こっちにきてすぐに、にゃん太が来たんだもんね〜」 【花梨】 「にゃん太、こっちおいで♪ ぎゅーってダッコしちゃう!」 //にゃん太を顔の前に抱き上げる。 ;SE:衣擦れ ;ボイス位置:1(近) 【花梨】 「最初は寂しなぁって思ったけど、にゃん太が来てくれたから平気だったよ」 【花梨】 「ふふふっ、にゃん太はずぅ〜っと側にいてくれたもんね」 【花梨】 「ほら、八代くんとケンカしたときとか……」 【花梨】 「あのとき、にゃん太がいなかったら、私きっと寂しくてダメになってたかも」 【花梨】 「にゃん太、私のところに来てくれてありがとう!」 【花梨】 「これからも、ずっと、ずぅ〜〜〜と一緒だよっ! えへへへっ!」