……口を開けて。  れぇろっ……。  ちゅっ❤  んっ……。  ……ふう。  もう少し……大きく。  ……そう。  んっ……。  ちゅっ❤  ちゅっく……ちゅ❤  れぇんろ……。  ちゅっ❤ ちゅっ❤  ちゅぱぁっ……❤  ふー……。  ふぅ。  はぁ……はぁ……。  はぁ……っ。  ……すーっ……ふぅ。  ちゅっ❤  ……ちゅっ。  ちゅっ。  ……ちゅっ❤  ふー……。  れぇろぉ……ちゅぷっ❤  ちゅ❤ ちゅっ❤ ちゅっ❤  ちゅぷっ❤  ひょお……ひょのひょうひ。  んっ……。  ちゅ❤  ふーっ……はぁ。  ふー……っ。はぁ。  ふーっ……はぁ……。  れれれれ……ちゅぷっ❤  れぇろぉ……ぷちゅっ❤  ……ふー……。  はぁ……はぁ。  はー……っ。  ちゅ❤  ちゅるるる……。  ちゅっ❤  ちゅっ。……ちゅっ❤  はぁぁっ……。  ふー。ふー。  ……ふー。  ……ふー……っ。  ……声を、出してみて。きっと、もう話せるはずよ。  …………!    ……っ。  ふー……っ。    ……よかった。  これで、ひとまず安心だわ。  主だった危機は去りました。貴方は治ります。  よかったわね。  うん?  ……あら。  もしかして、まだ話しづらいの。  まだ、どこか辛い所があるのかしら。  うん……?  私の身体が気になるの?    ……まぁ……。  すごいわ。  貴方には、魔法薬師の資格があると聞いていたけれど。  流石。理解が早いのね。    そうよ。貴方の言う通り。  今の私の身体は、全身が、この病に対抗する薬液になっている。  髪の毛から爪先に至るまで、特効薬に等しいものが染み渡っている状態なの。  皮膚もそうだし……唾液だけでなく、全ての体液もそう。  けれど、この身体は少々無理やり作ったものだから。  長くはもたない。  じき、元の身体に戻ってしまう。  それ故に、少々急がなくてはならなかった。  だから、こういった方法で施術させて頂いたの。  ええ……だから。声も出せるようになった事だし。  できる事なら『薬液の注入は完了しました。治療はもう終わりです』と、言いたい所だけれど。  ……まだ、瞳の色が変みたい。  もう少し、貴方の身体を調べさせて頂けるかしら。  ちゅっ。  ……あ。  はぁ、はぁ。……ふう。  はあ、はぁ、ふうっ……。  少し、待ってね。  ……『合ってきた』みたい。  今は『合わせた』ばかりだから……少々遅れて貴方の感覚を理解しているけど。  そろそろ……完全に『合ってくる』はずよ。  ふう、ふう、ふぅ。  ふう、ふう。  ふー……っ。  んっ……く。  ふーっ…………❤  はぁぁ……ふぅ。  あぁ……。  早速『合ってきた』みたい。  ……よかった。  はー。はー。はー。  ……ぁ……。  はぁ……。  はぁ、はぁ、はぁっ。  はぁ……はぁ……はぁ……っ。  んっ……❤  はー……。  ふぅ。  ……っ、あら。  そんな……❤  ふー……❤  ちょっと……御免なさいね。  ちゅ❤  はーっ……❤ はーっ……❤ はーっ……❤  ……ぁ。  あっ……? そんな……❤  はーっ……❤ はーっ……❤ はーっ。  はーっ、はーっ。はぁぁっ……❤  そ……れでは。  貴方の身体の、どこに異常が起きているのか、入念にっ、確かめていきましょう。  ……大丈夫よ。  ちゃんと……丁寧にして。大切にするから。  え?  あぁ……。  『合う』というのはね。  言葉の……ままよ。  貴方の身体と私の身体の感覚を合わせて……私の身体に反映させる、という事。  これは、患部を探る時に用いる、私の、術。  つまり……今、貴方が感じている感覚は……ん。  私のものでもある、という事ね。  ふう……ふぅ……はーっ……。  ……あぁ。よかった。先の行為で……。  とても、気持ちよくなってくれたのね。  ふう……ふぅ……はーっ……。  でも……まさか、これ程なんて。  私も、少し驚いてる。  もしかして。  それ程までに、貴方の身体は弱っていたのかしら……。  でも……大丈夫よ。  この病にかかった時『どう』なるのか。  私は既に知っているわ。  この身をもって体験したから。  けれど……その時は貴方程重くはならなかった。  それは、恐らく、精神的な苦しさの度合いの違い。  つまり……私とこんなに差が出る位、貴方は辛かったのね。  ……私には、貴方の気持ちを完全に理解する事はできない。  けれど……貴方がここまで病を進行させる程に悩んでいた事は、わかったつもりよ。  でも……。  っ、治療……っ、なのに。  はぁ、はぁ、はぁ。  ……ふぅ。  はぁ、はぁ。ふぅっ……。  んっ……。  こん……っ、なに。気持ちよくなっているなんて……。  いけない人ね……?    ふふ。  少し、驚いたわ……。  私まで……引っ張られて、……っ、しまいそう。  ん……❤  ……御免なさい。少しだけ。  ちゅ。ちゅ。ちゅっ。  可愛いのね。本当は怖くて、訳がわからないでしょうに……。  私を信じて、受け入れてくれている。  だから……こんなに私も。簡単に繋がってしまったのかしら。  痛みを探る用途以外で試したのは初めてだけど。  こんなにうまくいくとは思わなかったわ。  ……ぁ。  はぁ、はぁ、ふぅっ……❤  安心してね。  貴方の事は、必ず私が元気にするから。  ちゅ。ちゅ。ちゅ。  れろぉっ……❤  ふぅ……。  そうだ……あのね。  ……ストレスの原因がわかったの。  貴方……禁欲していたのでしょう。  あぁ……もし、違うのであればそう言って。  そうではないかと、思っただけだから。  ……御免なさい、失礼だったわね。  『治療に関わる事なら聞いてよい』と、配慮が欠けていたみたい。  言いたくないのであれば、構わないか……。  ……え?  ……ええ。  ええ。  あら……そういったご事情が。  ご実家は、北部なのね。  それで……国研をおやめになった後は、本来住むはずだった寮を出る事になってしまったから。  お友達のご自宅の、一室をお借りしていたと。  ええ。  ……なるほど。貴方は、そのお部屋を大切にしたかったのね。  ご厚意で住まわせてもらった場所だから、決して汚したくなかった。  だから……お友達に言えないような事はできなかったと。  とても真面目なのね。  なるほど……ご事情はわかったわ。  けれど……本当は。お友達の家にいた時も。  こんな風に。  身体のとても弱い所。気持ちいい所を指で擦って。  楽になりたかったのでしょう……?  ……わかるわ。隠さなくていい。  私達は今『合ってる』から。    そうよね。たとえ、それが難しい状況でも。  辛い事や、思い通りにならない事があった日は。  せめて……自分で、自分を慰めて。  少し楽になってから、眠りたかったわよね。  ……いいのよ。今しても。  そうだわ……今しましょう。  ちゅ。  今は貴方に、少しでも元気になってほしいもの。  ……ね。