;//////// ;Track1:レールサイクルで保線点検 ;/////// ;使用音源: くまチャリ走行音 ;1/前 (マイクに背中) 【むむむ】「暑っつ……(グッタリとした長い吐息)」 ;環境音 屋外、夏 ;1/前(マイク向き) 【むむむ】「暑い! 副丘(ふくおか)の夏はもちろん暑いものと相場が決まっておりますが。 いやはや、それにしても暑すぎるとは思いませんかね! マスターくん」 【むむむ】「レールもさぞかし……(観察する2呼吸)――ああ、マスターくん、そのペットボトル、少しお借りしてもよろしいですかな?」 ;1/前→;3/右 【むむむ】「(2呼吸)――ふむ。ありがとう。これを少し、レールに注いでみて試しましょう」 ;SE ペットボトル蓋開け→水注ぐ→じゅっ! ;3/右 【むむむ】「(上記作業の2呼吸)――っ!!?」 【むむむ】「瞬時に蒸発しましたな……これは――」 【むむむ】「ここまで熱を帯びている以上、レールは既に伸び切っていると判断するべきでしょう。 遊びは全て使い切られて、歪んだ部分が出てきている危険もかなり大きい」 【むむむ】「ゆえに……ゆえに、マスターくん……(大きなため息)」 【むむむ】「非常に面倒ではありますが。 暑さに強い蒸機レイルロオドのこのむむむさえ嫌気する――人間であるマスターくんにはさぞしんどかろう暑さの中でもありますが」 【むむむ】「他に人員も無い以上……(深いため息の後、切り替えて)……安全は、常に鉄道の第一の使命でありますからな」 【むむむ】「レールバイク……軌道自転車をえっちらおっちら漕ぎながらの線見(せんみ)に行く他ありますまい」 【むむむ】「自転車2台を並べてくっつけ、レールの上を安定走行できるようにしてあるだけの、いわば原初のレールバイクではありますが、今回の目的を十分果たせる物ではありますし――おお!」 【むむむ】「むむむが嘆息しているその間(かん)に、レールバイクをセッティングしてくれたのですか!」 ;3/右(密着・囁き) 【むむむ】「さすがはマスターくんですな。実に助かります。ありがとう」 ;1/前(マイクに背中) 【むむむ】「では……よいしょ」 ;1/前(マイク向き) 【むむむ】「マスターくん、さぁ、どうぞ隣へ。やらねばならぬことな上、レールバイクのための線路閉塞時間も限られている。 少しでも早く取りかかって、少しでも早く終わらせましょう」 ;1/前→;7/左 (マスターの移動にともなう相対位置の移動) 【むむむ】「(マスターが隣の自転車に乗るのを待つ2呼吸)」 【むむむ】「準備は? (1呼吸)――よろしい、ならば息をあわせてペダルを踏み込もうではありませんか! せーの!!!」 ;環境音 くまチャリ走行音 【むむむ】「っ! (一生懸命にペダルを踏み続ける16呼吸。加速につれて、負荷はどんどん軽くなっていきます)」 【むむむ】「……ああ! ――(2呼吸)――走ってしまえば――(2呼吸)――風が……(2呼吸)――これはなかなか爽快ですな――(2呼吸)――」 【むむむ】「レールの継ぎ目を踏む音も――(2呼吸)――普段の乗務と――(2呼吸)――さほど大差なく――(2呼吸)――耳に響いて――(2呼吸)――」 【むむむ】「ああ――(2呼吸)――まさに――(2呼吸)――案ずるより――(2呼吸)――産むが易し、でしたか――(2呼吸)――」 【むむむ】「(規則正しく軽快にペダルを踏みつつ、レールバイク走行の風を、純粋に楽しむ16呼吸)」 【むむむ】「マスターくんと――(2呼吸)――二人、並んで――(2呼吸)――ペダルを踏んで――(2呼吸)――産む、風は――(2呼吸)――」 【むむむ】「暑さも――(2呼吸)――汗も――(2呼吸)――全てを飛ばして――(2呼吸)――っ!!!?」 ;SE 自転車ブレーキ急停止 ;環境音stop 【むむむ】「(驚いて→だんだん落ち着くのを4呼吸で)――ふむ」 【むむむ】「いやいや、マスターくんもすぐに息をあわせてくれて助かりました。あのまま走り続けていたら、脱線転覆もありえましたな――ふむ」 ;SE レールバイクを降りる→バラスト(砂利)を踏んで歩く ;7/左→;8/左前→;16/左前遠 【むむむ】「(4呼吸)」 ;16/左前遠(マイクに背中)→マイク向き 【むむむ】「ああ……ここですな。――来てください! マスターくん!!」 ;16/左前遠→;8/左前→;7/左 【むむむ】「(マスターの移動を待つ3呼吸)」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「遊間(ゆうかん)が完全に消えています。暑さで膨張したレールが、想定してあった余裕の範囲を越えたために歪んでしまった」 ;7/左 【むむむ】「典型的な軌道座屈(きどうざくつ)……(観察する2呼吸)――レールがさらに膨張すれば、客貨車(きゃっかしゃ)を牽引した蒸機でも脱線させられかねないと判断できます」 【むむむ】「とはいえ……(安堵の1呼吸)……事故発生の前に発見できたのは幸いでした。 保線部に連絡し、あとは専門家による対応にまかせましょう」 【むむむ】「それにしても、マスタ-くんの細やかさには、いつもながら本当に助けられますな」 【むむむ】「乗務中のわずかな衝動。それが日々少しずつ大きくなっていることには、むむむも当然気がついておりました。 が、報告だけあげ保線部にまかせておけばよろしいと、安易に考えておりました」 【むむむ】「保線部も同じく安易に考えたなら、次の定期検査までこの障害は放置され、その間に大きな事故が発生していてもおかしくなかった」 【むむむ】「が、マスターくんは全く安易に考えなかった。 障害の拡大の危険性を、自ら線見(せんみ)して確認することを提案し、実際にそのように行動した」 【むむむ】「理想としては当然取るべき行動でしょうが、この暑さと多忙との中……いや、なかなか実際にできることではありません」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「ありがとう、マスターくん。マスターくんとコンビを組めたことは、このむむむの大きな喜びであり、誇りです」 ;7/左 【むむむ】「とはいえ……(高揚感が抜け、暑さの不快さが増幅していく4呼吸)――やはり暑い! 暑すぎる!!」 ;1/前 【むむむ】「マスターくんの顔も真っ赤になっている。汗もまるで滝のようだ」 【むむむ】「ともかくいったん、涼しいところで休みましょう。これは……あまりに負荷が大きい!!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track2:火照った身体とお顔とを、ガーゼ包んだ氷でアイスマッサージ ;/////// ;7/左→;1/前→;3/右 【むむむ】「むむ……むむむ……むむむむむっ!」 ;環境音、室内空調 ;1/前 【むむむ】「これは……いけませんな。マスターくんのお肌が熱を持ってしまっています」 【むむむ】「日焼け止めを塗っておくべきでしたか……。いやはや、レイルロオドのこの身は使わぬものであるゆえ、そこまでは気が回りませんでしたな」 【むむむ】「重度の日焼けは火傷と変わらないと聞き及びます。具体的には、皮膚が腫れ、水疱が出来、剥がれ。発熱・悪寒、ときは脱力やショック症状なども引き起こす」 【むむむ】「それを防ぐため、今からできる対処は……ふむ。この保線基地内ですぐに行えそうなものとなると……」 ;SE 畳+裸足の足音。;1/前→;9/前遠→;16/左前遠 ;1/前→;9/前遠→;16/左前遠 【むむむ】「(移動の3呼吸)――ふむふむ……薬箱……ああ、火傷の薬はありません……が――(呼吸音)――むむむっ、こちらには冷蔵庫もありましたか」 ;SE 冷蔵庫のドア開け→物色→締め 【むむむ】「(上記作業の3呼吸)」 ;16/左前遠→;8/左前→;7/左 【むむむ】「ふふふふふ! この鈍色(にびいろ)の思考回路がなかなかの対応策を思いつきました」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「マスターくん。安心して、全てをこのむむむに任せてください」 ;7/左 【むむむ】「とはいえ、人間の医療に関する専門知識があるわけでもないので、ご心配なら、一度矢幡(やはた)まで戻って――ふむ」 ;7/左 【むむむ】「(話を聞く2呼吸→微笑)――むむむをそこまで信頼してもらえるなら嬉しいですな。ならば、必ずやお応えしてみせましょうとも」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「さ、マスターくん。それでは、そちらの布団に、横に――」 ;1/前 【むむむ】「(マスターの移動待ちの3呼吸)――さて」 ;以降  SE セリフ合わせでお願いします ;1/前 【むむむ】「ここにあるのは清潔なガーゼ。そして冷凍庫で作られていた氷です。この氷を数粒――清潔なガーゼで、こうして、くるんで――」 【むむむ】「(作業の2呼吸)――ふむ。いい感じの冷たさですな」 【むむむ】「これで……まずはマスターくんの首筋。頸動脈付近の筋肉をやんわりマッサージしていきましょう。まずは右から」 ;3/右 【むむむ】「ゆっくり――(2呼吸)――やさしく――(2呼吸)――耳の下から――(2呼吸)――肩口まで――(2呼吸)」 【むむむ】「痛いようなら……(2呼吸)――すぐ、お知らせを――(2呼吸)――ふふっ――(2呼吸)――心地よいなら、なによりです――(2呼吸)」 ;3/右→;5/後 【むむむ】「それでは、徐々に――(2呼吸)――ずらして、いきます――(2呼吸)――上から、下にを、繰り返しつつ――(2呼吸)――じわじわ、後ろに――(2呼吸)――」 ;5/後 【むむむ】「ん……(集中して作業する8呼吸)――ふむ」 ;SE stop 【むむむ】「どうでしょう? マスターくん。冷えたようなら……(2呼吸)――ふむふむ。でしたらこれを継続でよろしいですな」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「今度は左にいきましょう。力をぬいて、むむむに、どうぞおまかせを」 ;7/左 【むむむ】「それでは、こちらも――(2呼吸)――耳の、下から――(2呼吸)――肩口、までを――((2呼吸))」 【むむむ】「氷、タオルで――(2呼吸)――ゆるゆる、ゆると――(2呼吸)――肌の、ほてりを――(2呼吸)――拭う、きもちで――(2呼吸)」 ;7/左→;5/後 【むむむ】「ぬぐって、ぬぐって――(2呼吸)――じわじわ、ずれて――(2呼吸)――後頭部へと――(2呼吸)――こちら、からも……(2呼吸)」 ;5/後 【むむむ】「(集中作業の8呼吸)――よし」 ;SE stop ;5/後→;3/右→;1/前 【むむむ】「それではぐるりと前にまわって――」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「顔全体を冷やしていきます。まぶたをとじて、全てをむむむに。どうぞご安心の上ゆだねてください」 ;1/前 【むむむ】「では、いきますぞ? まずはおでこからそっと、そうっと……」 ;SE 【むむむ】「おでこは――(2呼吸)――生え際――(2呼吸)――そこから、広く――(2呼吸)――横に、ぬぐって、丁寧に――(2呼吸)」 【むむむ】「そのまま、まぶたも――(2呼吸)――やわやわ、通って――(2呼吸)――拭って、通って――(2呼吸)――鼻の、ラインに――(2呼吸)」 【むむむ】「ここは、段差が――(2呼吸)――強い、ですから――(2呼吸)――氷の、角が――(2呼吸)――当たらない、よう――(2呼吸)」 【むむむ】「ゆっくり、ゆっくり、丁寧に――(慎重作業の8呼吸)――で」 【むむむ】「鼻の、下――(2呼吸)――それから、唇――(2呼吸)――顎の、ラインに――(2呼吸)――顎の――下――(2呼吸)――」 【むむむ】「ふむ」 ;SE stop 【むむむ】「それでは今度はガーゼタオルで……(持ち変える2呼吸)――かるぅくふわっと、湿気をぬぐってまいりましょうとも」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「まぶたはそのまま。まだ閉じたままでいいですぞ?」 ;1/前 【むむむ】「(顔全体を、上記と同じ流れで軽く、上機嫌に拭っていく16呼吸)――ふふん♪」 【むむむ】「あとは仕上げに、アフターサンジェル――日焼けあとの肌ケアのためのジェルも塗っていきましょう」 【むむむ】「(2呼吸)――いやいや! もちろんむむむの私物ではありません。むむむ……というかレイルロオドは、日焼けをしないものですからな」 【むむむ】「そうではなく、この詰め所の救急箱に、つまりは会社備品としてはいっていた」 【むむむ】「会社備品である以上、業務上発生した日焼けのケアに使用するのは当然の権利でしょう。なんの遠慮もいるものではない」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「ゆえに――さ、マスターくん? もう少しだけ、いい子で我慢を」 ;1/前 【むむむ】「……ふふふっ、素直で素晴らしい。それでは、塗っていきますぞ」 ;SE 顔全体に、アフターサンジェルを塗布(継続) 【むむむ】「しかし……ふむ――(2呼吸)――保線の方々は――(2呼吸)――みな、真っ黒に日焼けしている――(2呼吸)――それは、容易に確認できる事実です――(2呼吸)」 【むむむ】「で、ある一方――(2呼吸)――この保線基地には――(2呼吸)――日焼け止めも――(2呼吸)――アフターサンジェルも――(2呼吸)――常備されています――(2呼吸)」 【むむむ】「常備されているものの――(2呼吸)――ご覧のとおり――(2呼吸)――両方ともに、使用されていた形跡がない――(2呼吸)――両方、ともに――(2呼吸)」 【むむむ】「常態となっている日焼けと――(2呼吸)――使用されていない日焼けケア用品と――(2呼吸)――けれどもそれが常備されているという事実――(2呼吸)――これらを組み合わせて考える、と――(2呼吸)」 【むむむ】「(沈思黙考し、手だけ動かし続ける8呼吸)」 ;SE stop 【むむむ】「ああ。マスターくん。これは未然に防ぎ得る危機が、ここにあるのかもしれませんな」 ;SE 再開 【むむむ】「日焼けが人体に有害であり――(2呼吸)――なんらメリットを与えない、と――(2呼吸)――それは、すでに――(2呼吸)――医学的に証明されている事実、で――(2呼吸)」 【むむむ】「それを知る誰か――(2呼吸)――左様……ですな――(考え込む4呼吸)――ふむ。例えば、会社の産業医が――(2呼吸)」 【むむむ】「労災防止のための――(2呼吸))――日焼け対策の必要性を――(2呼吸)――会社上層部に説き――(2呼吸)――ケア用品が現場に配備され――(2呼吸)」 【むむむ】「しかし、説かれた――(2呼吸)――『日焼け対策の必要性』は――(2呼吸)――現場にまで周知徹底されず――(2呼吸)――ゆえに、誰にも実用されない――(2呼吸)――ふむ」 ;SE stop 【むむむ】「仮に、むむむの推理が真であるなら、現状は無論、改善されるべきものだと結論づけられますな」 【むむむ】「まず為すべきは事実関係の把握。日焼けケア用品を使用したことの報告をし、その流れで、同用品が何故配備されていたかの理由確認をする……というのが、もっともスマートな手段となりましょう」 【むむむ】「把握できた事実が推論通りであるのなら、上層部、産業医に『設置の意図が現場まで浸透されず、ゆえに用品が使用されていない』可能性を報告する……までが、マスターくんの立場で無理なくできる行動の限度となりそうですが――(話を聞く2呼吸)――(微笑)」 【むむむ】「すばらしい。さすがはマスターくんですな。では、ぜひともそのように――ああ」 【むむむ】「一つだけ思い出しました。報告の段にいたるようなことがあれば、ぜひひとつ。ひとつだけ混ぜ込んで欲しい情報があるのです」 ;1/前→;3/右 【むむむ】「それは――ですな、マスターくん。お耳を少し拝借します」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「『レールバイクも、極めて日焼けを招きやすい』と――ぜひ報告を」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3:むむむの爆走! レールスター!! (レールスターでの保線点検と、蒸しタオル&クリームでのアイケアマッサージ) ;/////// ;このトラック、環境音がバイク走行音に近いものとなりますので、それを越えて通るよう、声張り気味系のお芝居でお願いできると幸いです ;環境音 レールスター走行音(走行中) F.I. ;7/左 【むむむ】「ははっ! あはは! あははははははははっ!!!」 【むむむ】「なんという爽快さ! なんという速度! 軽快さ!!!」 【むむむ】「(レールスターでの風切りを思う存分楽しむ16呼吸)――ああ!」 【むむむ】「マスターくん! われらがくろがね鉄道は安泰ですな! 提言をすぐに採用し、日焼け対策講習を開催してくれ! しかも! この! レールスターを!!」 【むむむ】「即ち! 発動機付きのレールバイクを、中古とはいえかくも早期に導入してくれた!! この柔軟さと対応の速さ! むむむの古巣、旧帝鉄では想像もできなかったことですよ!」 【むむむ】「これも全て、むむむの推理をマスターくんが信じ、動いてくれたおかげです。 礼をいいます、マスターくん」 ;7/左(強く密着。風切り音に負けない囁き) 【むむむ】「いつも、本当にありがとう」 ;7/左 【むむむ】「しかしレールスター、本当に速い!! なんの苦労もなく進む! その上レールへの体感も――」 【むむむ】「(息を詰め、レールの異変確認に集中する8呼吸)」 【むむむ】「――ほぼほぼレールバイクと変わりない! 大きな違和が生じていれば、速度の分振動も大きくなるゆえ、まず間違いなく感づけますな」 【むむむ】「とはいえ、この爆音がある。耳での異音確認がむつかしくなることは否めません」 【むむむ】「その分目視に力を注がねばならなくなるのも事実でしょう。ふむ――むっ!?」 ;環境音 アイドリング→エンスト (レールスター走行.wav 07:00~07:50あたりの流れ) 【むむむ】「おっと、エンストしてしまいましたな。リコイルスターター……そのプーリーに巻き付けてある紐を強く引き、もう一度エンジンをかけ直しましょう」 ;環境音 紐を引いてエンジン再始動(2~3回紐を引く。☆でエンジン再始動。音源の流れまま) ;7/左→;1/前 【むむむ】「2呼吸)――よっ! ―― んっ! ――もう一度っ! ☆――うん」 ;1/前→;7/左 【むむむ】「(2呼吸) よしっ、ではマスターくん!」 【むむむ】「このまま一気に! レールスターでの線見を終わらせましょうぞ!!」 ;環境音 レールスター走行  【むむむ】「(実に楽しげな8呼吸)」 ;環境音  F.O ;1/前 【むむむ】「……(2呼吸)――ふむ。お疲れ様でした、マスターくん」 ;環境音 室内空調 F.I 【むむむ】「レールスター、実に役立ちそうなものでしたな。それだけでなく、乗っていて単純に楽しい。とはいえ――ん……(ノビをする息とニュアンス)――ふむ」 【むむむ】「あの速度ゆえの振動は、なかなかキますな。むむむ的には間接各部が――おや」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「マスターくんは、どうやら目に来たようですな」 ;1/前 【むむむ】「それだけ長く、集中して、目視を頑張ってくれた証左でもありましょうな。おつかれさま。よく頑張られました。――ふむ」 【むむむ】「勝手知ったるマスターくんの私室です。できるケアの選択肢も増える。であればここは――うん」 ;SE フローリングの部屋の中を裸足でぺたぺたあるきまわる足音 ;11/右遠→;9/前遠→;15/左遠 【むむむ】「タオルを濡らして……ふむ――(2呼吸)、これ、と――(2呼吸)――ああ、レンジで温めたほうが良いですか――(2呼吸)」 ;16/左前遠 ;☆=SE レンジチン音 【むむむ】「(レンジ待つ3呼吸)――☆――ふふん」 【むむむ】「500Wで30秒。ちょうどいいほこほこさですな。さ、マスターくん。そこにそのまま横に――ああ、いや」 ;SE 足音 ;16/左前遠→;8/左前→;7/左 ;16/左前遠→;8/左前→;7/左 【むむむ】「(楽しげに移動する3呼吸)――さ、マスターくん」 ;7/(左接近囁き) 【むむむ】「今回は大活躍をしてくれましたからな。特別に、このむむむの膝を枕にしてくれてかまいませんぞ?」 ;7/左→;1/前 【むむむ】「(体勢移動待ちの2呼吸)……そうそう、そのまま顔を天井に向けて……目を閉じて……――うん」 ;1/前 【むむむ】「では、まずは蒸したホットタオルを目に。20秒ほど温めて、目をリラックスさせましょう」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「タオルの上から人差し指で、まぶたをそっとこすります。強すぎるなどがもしもあったら、遠慮なく」 ;1/前 【むむむ】「では――」 ;SE 左右の人差し指の指先でホットタオルを同時に、内から外に開く感じでそっとこするのを繰り返す 【むむむ】「いち、にい、さん、よん(以下、20までカウント。7は”なな”。17は"じゅうなな"でお願いします)」 【むむむ】「ではタオルを外しましょう……(作業の1呼吸)」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「いかがですかな? 少しは目が軽くなった感じがすればよいのですが……」 【むむむ】「(2呼吸)――ふむ。血行が良くなったところで、マッサージへと移りましょう。 まずはフェイスクリームを手にとって……」 ;SE クリーム蓋開け、指に広げ 【むむむ】「(2呼吸)」 ;SE クリーム塗り拡げ(継続) 【むむむ】「これも、まぶたの上から……(2呼吸)――左右同時に(2呼吸)――うちから、外に――(2呼吸)――こめかみ、まで――(2呼吸)」 【むむむ】「ゆるゆると――(2呼吸)――丁寧に――(2呼吸)――広げて――(2呼吸)――いきます――(2呼吸)」 【むむむ】「眉毛の下まで――(2呼吸)――上がっていって――(2呼吸)――内から外に――(2呼吸)――で――(2呼吸)」 【むむむ】「今度は目の下――(2呼吸)――クボミのところを――(2呼吸)――内から外にで――(2呼吸)――じんわりと――(2呼吸)」 ;SE stop 【むむむ】「塗れたらすかさず指圧へ移行しましょう。まずは鼻の両脇、一番高いところ。鼻と眉毛と目元の交点にある、クボミ」 【むむむ】「ここもまた、左右同時に押し込みます。ゆっくりと5、カウントしましょう」 ;SE ☆=指圧開始、カウントに合わせて。ぐりぐり指動かす感じで音たてることができればその音を 【むむむ】「押しますぞ――☆――いち、にい、さん、よん、ご」 【むむむ】「そうしたら指を外に広げて、まぶたの真ん中の上あたり。眉毛との隙間にある骨を感じつつ、皮膚を下から上に持ち上げるイメージで、ゆっくりと5、リフトアップマッサージ」 ;SE じわーっとリフトアップしながら指ぐるぐる(音たてば) 【むむむ】「いち、にい、さん、よん、ご」 【むむむ】「ふむ。そうしたらまた左右に開いて、眉毛の終端。眉尻をゆっくりと5、押し込みます」 ;SE 指圧 【むむむ】「いち、にい、さん、よん、ご」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「どうです? だいぶんほぐれてきましたか? 肌がうっすら、紅潮していきているようですが」 ;1/前 【むむむ】「(2呼吸)――(微笑)。それでは仕上げにいきましょう。さらに大きく左右に開いて、眉尻と耳との中間、頬骨の上。こめかみにあるひらたい部分を、左右それぞれ指3本で、押し込みながらぐるぐるマッサージしていきます」 ;7/左(接近囁き) 【むむむ】「これはたっぷり、30秒といきましょう。では――」 ;SE 上記のぐるぐるマッサージ ;1/前 【むむむ】「いち、にい、(カウント中略)――にじゅうなな、にじゅうはち、にじゅうく、さんじゅう」 ;8/左前(密着) 【むむむ】「(こめかみに息ふきかけ。はーーーーーーーーっ)」 ;2/右前(密着) 【むむむ】「(こめかみに息ふきかけ。はーーーーーーーーっ)」 ;2/右前→;1/前→;8/左前 【むむむ】「(右こめかみ~眉毛~左こめかみと、移動しながら長い息をふきかける)」 ;1/前→(血行にはあたりから)――;2/右前→;3/右 【むむむ】「ふむ――(観察する2呼吸)――ふむ。顔全体の赤らみを見るに、血行には顕著な良化が見られたよう……です……な?」 ;3/右 【むむむ】「む? むむむ? むむむむむむ~!」 【むむむ】「いけません。うっかりと見落としてしまうところでした」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「マスターくんのお耳。汚れはじめて来ておりますぞ?」 ;3/右 【むむむ】「せっかくのいい機会です。このままするりと、耳かきに移行してしまいましょう」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「力を抜いて、リラックスして。――むむむに、全ておまかせを」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4:名探偵のシンボルマーク・パイプと同じ、ブライアウッドで作られた高級耳かきでのむむむの耳かき(右耳) ;//////// ;3/右(密着) 【むむむ】「(ふーーーーーーっ、ふーーーーーーっ、ふっ!)」 【むむむ】「さて、お耳掃除にも新アイテムを……っと、その前に」 ;SE 耳元で指+クリーム、にちゃにちゃ 【むむむ】「(3呼吸)――ふふっ」 【むむむ】「せっかくです。さきほどのフェイスクリームを耳にも塗布しておきましょう。細かなチリを、おそらくは集めやすくなりそうかと」 【むむむ】「いいですかな? いきますぞ。では――」 ;SE セリフ合わせでクリーム塗布 【むむむ】「まずは右耳の裏側に……(2呼吸)――フチから、じわじわ――(2呼吸)――内に向かって――(2呼吸)――付け根の方まで――(2呼吸)」 【むむむ】「まんべんなく――(2呼吸)――ムラなく――(2呼吸)――塗り拡げ――(2呼吸)――て――(2呼吸)」 【むむむ】「今度は表……(2呼吸)――耳のフチ――(2呼吸)――くぼんだところも――(2呼吸)――裏側まで――(2呼吸)」 【むむむ】「塗り込みながら――(2呼吸)――内へ、内へと――(2呼吸)――穴のフチまで――(2呼吸)――丁寧に――(2呼吸)」 ;SE stop 【むむむ】「ふむ……(2呼吸)――いい感じですな。耳穴は――(2呼吸)――ええ、せっかくです。このままやってしまいましょう」 【むむむ】「小指にクリームを塗布して……(2呼吸)――ふむ」 ;SE クリーム小指で耳穴ぐりぐり 【むむむ】「(作業に集中する8呼吸)――っと」 【むむむ】「ああ……効果は絶大ですな。むむむの指にも、ほら、小さなチリが張り付きました。これはティッシュで拭いましょう」 ;SE ティッシュ抜いて、指→手全体を拭き拭き 【むむむ】「(上記作業の4呼吸)――よし、っと」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「ではではいよいよ耳かきですな。使うのは――ふふっ」 ;3/右 【むむむ】「これ。ブライア。日ノ本名(ひのもとめい)は、栄える樹木とかいて、栄樹(エイジュ)。ブライアウッドの耳かきです」 ;SE 耳かき(浅い) 【むむむ】「このブライアの特徴は……(2呼吸)――ふふ、耳にいれた瞬間わかりましたかな?――(2呼吸)――左様。硬さ――(2呼吸)――非常に硬質な木材であることがあげられます――(2呼吸)」 【むむむ】「そしてそれ以上に際立った特徴が――(2呼吸)――これは耳障りでは伝わりませんでしょうが――(2呼吸)――難燃性――(2呼吸)――燃えづらい、という特徴です――(2呼吸)」 【むむむ】「この特徴により――(2呼吸)――ブライアは特に――(2呼吸)――ああ(微笑)――(2呼吸)――ひょっとして、聞いたことでもありましたかな?――(2呼吸)」 【むむむ】「左様。パイプ――(2呼吸)――恐縮ながらこのむむむも、その末席に名を連ねてもらえることもある――(2呼吸)――名探偵の象徴――(2呼吸)――ビリヤードパイプの原料として珍重されるものなのです――(2呼吸)――ああ」 【むむむ】「ビリヤード、といっても――(2呼吸)――玉突き、撞球(どうきゅう)のことではありません――(2呼吸)――ビリヤードパイプというのは――(2呼吸)――パイプの種類の名前です――(2呼吸)――っと」 ;SE stop ;3/右(密着) 【むむむ】「(ふーーーーっ)(ふっ)」 ;3/右 【むむむ】「(掃除具合をチェックする2呼吸)――ふむ。浅いところはきっちり綺麗にしあがりましたな。クリームの効果も大きいようです」 【むむむ】「ゆえにこのまま、深いところを進めましょう」 ;SE 耳かき(深・継続) 【むむむ】「さて……(2呼吸)――ビリヤードパイプというのは――(2呼吸)――探偵ものの映画によく出てくる――(2呼吸)――特徴的な形状――(2呼吸)」 【むむむ】「お餅つきに使う、臼――(2呼吸)――あれに、細いパイプをくっけたような――(2呼吸)――左様、左様ですな――(2呼吸)――映画やマンガで、実によく見る、形状です――(2呼吸)」 【むむむ】「その、ビリヤードパイプの――(2呼吸)――臼状の、部分――(2呼吸)――あれはもともと――(2呼吸)――ブライアウッド、ならでは、でしてね――(2呼吸)」 【むむむ】「ブライアの木は――(2呼吸)――その、根本に――(2呼吸)――いくつもいくつも――(2呼吸)――大きなコブを、作るのです――(2呼吸)」 【むむむ】「(微笑)――(2呼吸)――左様。左様です――(2呼吸)――その瘤と周囲を切り出して――(2呼吸)――ビリヤードパイプは、作られる――(2呼吸)」 【むむむ】「つまり、臼状の部分が瘤で――(2呼吸)――っと」 ;SE stop 【むむむ】「噂をすれば……は、この場合誤用となりましょうかな? ともかく、瘤です。瘤のように根深い塊が、マスターくんの耳奥にこびりついている」 【むむむ】「これは、少し慎重に取らればいけないでしょう。少しの間、パイプ談義は休止しましょう。ん……」 ;SE 耳かき(深) 【むむむ】「(集中して作業する8呼吸)――ん……(2呼吸)――端が、少しずつ――(2呼吸)――うい、て――(2呼吸)」 【むむむ】「よしっ――(4呼吸)――あと、少し――(2呼吸)――ん! よし――あとは――(2呼吸)――落とさないよう――(2呼吸)――慎重、に――(2呼吸)」 ;SE stop 【むむむ】「(安堵の息)――ふむ、これで深いところもよろしいでしょうな」 【むむむ】「仕上げは……クリームが残ってはいけませんからな。ティッシュで軽く、拭いとるのがいいでしょう」 ;SE セリフ合わせ 【むむむ】「ティッシュを一枚――(2呼吸)――小指にくるくる――(2呼吸)――巻き付け、て――(2呼吸)」 ;3/右(接近囁き) 【むむむ】「右耳はこれで完了です。もう少しだけ、いい子でじっとしていてください」 ;SE ティッシュで耳掃除 ;3/右 【むむむ】「では、最初に奥まで――(2呼吸)――そっと、差し込み――(2呼吸)――回すようにして――(2呼吸)――くるくる、と――(2呼吸)」 【むむむ】「そうしたら……(2呼吸)――耳の内側を――(2呼吸)――内から外で――(2呼吸)――まんべん、なく――(2呼吸)」 【むむむ】「(丁寧に作業する8呼吸)――ふむ」 ;SE stop ;3/右(密着) 【むむむ】「(ふーーーーーーーっ)(ふっ!)(ふっ!)」 ;3/右 【むむむ】「(満足そうに仕上がりチェックする4呼吸)――いいでしょう。上質、実に上質な仕上がりですな」 【むむむ】「それでは、今度は左耳へと移行しましょう。むむむが『ごろーーーーーん』と言いますから、声にあわせて、今度は左耳をむむむに向けていただきたい」 【むむむ】「いいですかな? いきますぞ? それでは、せーので」 ;3/右→;1/前→;7/左 【むむむ】「ごろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track5:名探偵のシンボルマーク・パイプと同じ、ブライアウッドで作られた高級耳かきでのむむむの耳かき(左耳) ;//////// ;7/左(密着) 【むむむ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 ;7/左 【むむむ】「さてと、左耳も同じ手順で進めましょうか。まずはマッサージクリームを」 ;SE クリーム手に取り、耳元でにちゃにちゃしてから、指先に伸ばす 【むむむ】「(3呼吸)――ふむ 【むむむ】「では、塗り拡げていきましょう」 ;SE クリーム塗り。耳の裏側→表側の外から内に穴のフチまでの順 【むむむ】「まずは裏から……(2呼吸)――ふむ?――(2呼吸)――ああ――(2呼吸)――先程の話の続きですか」 【むむむ】「確か……(2呼吸)――そうでした。ブライアウッドの瘤が即ち――(2呼吸)――ビリヤードパイプの臼の部分になる――(2呼吸)――そこまでお話しましたな――(2呼吸)」 【むむむ】「瘤を切り出し――(2呼吸)――掘って磨いて――(2呼吸)――パイプに仕上げる――(2呼吸)――当然、全てが天然のものとなります――(2呼吸)」 【むむむ】「ですので、パイプの仕上がりには――(2呼吸)――木目が影響してきます――(2呼吸)――鮮やかなバーズアイ――(2呼吸)――あるいは柾目(まさめ)、ストレートグレイン。――っと」 ;SE stop 【むむむ】「耳穴にクリームを塗り込みます。つまりは片耳を塞ぎますので、話の続きは、耳かきまでお預けとさせてください。では……」 ;SE 耳穴にクリーム塗り 【むむむ】「(話の続きをしたいので、少し早くなっちゃい気味の8呼吸)――うん」 ;SE 耳かき(浅) 【むむむ】「で、ですな――(2呼吸)――当然、パイプの価格には――(2呼吸)――木目の美麗さが――(2呼吸)――ダイレクトに影響します――(2呼吸)」 【むむむ】「天然物であるゆえに――(2呼吸)――美しい木目に、しかし――(2呼吸)虫食い穴が……などの事態も――(2呼吸)――当然に発生するわけです――(2呼吸)」 【むむむ】「それを職人は……(2呼吸)――巧みな埋木などで――(2呼吸)――鮮やかに処理し……(2呼吸)――商品化するわけです――(2呼吸)」 【むむむ】「こうした事実は、即ち――(2呼吸)――喫煙が今より遥かに――(2呼吸)――メジャーな嗜好であった時代には――(2呼吸)――パイプも一つの――(2呼吸)――ステータスシンボルであったことを意味するかもしれません――(2呼吸)」 ;Se stop  ;7/左(密着) 【むむむ】「(ふーーーーーーー)(ふーーーーー)(ふーーーーーーーーっっ)」 ;7/左 【むむむ】「(耳穴チェックの3呼吸)――っと、失礼。話に気が行き過ぎたのか、わずかに取り残しがありますな」 ;SE 耳掃除(浅) 【むむむ】「っと……(作業の3呼吸)――よし。これで綺麗になりました」 ;7/左(密着) 【むむむ】「では、引き続き深いところを……」 ;SE 耳かき(深・継続) ;7/左 【むむむ】「さて、と――(集中して耳かきする8呼吸)」 【むむむ】「ふむ? ああ――(2呼吸)――パイプは当時……(2呼吸)――ひとつのステータスシンボルで……(2呼吸)――故に、名探偵も――(2呼吸)」 【むむむ】「さりげなくパイプを示すことで――(2呼吸)――自らの実績――(2呼吸)――あるいは能力を――(2呼吸)――暗示したのかもしれません――(2呼吸)」 【むむむ】「実績は――(2呼吸)――即ち財力と直結しますし――能力、即ち観察力も――(2呼吸)――埋木を見逃さないことで示し得る――(2呼吸)」 【むむむ】「あるいは逆に――(2呼吸)――『この名探偵はいかなるパイプを』と――(2呼吸)――依頼人の注意を引き付け――(2呼吸)――観察させる――(2呼吸)」 【むむむ】「そうすることで――(2呼吸)――依頼人を観察する――(2呼吸)――その隙を――(2呼吸)――作ったのかもしれません、な――(2呼吸)――っと」 ;7/左(密着) 【むむむ】「(ふーーーーーーーっ)(ふっ)(ふっ!)」 ;7/左 【むむむ】「ふむ――(仕上がりチェックの3呼吸)――ああ、深いところはこれで結構でしょう。いい仕上がりです」 【むむむ】「それでは最後は、ティッシュを指に巻き付けて――」 ;SE ティッシュ抜いて指にまきまき 【むむむ】「(上記作業の2呼吸)」 ;7/左(密着) 【むむむ】「残ったクリームを拭き取ります。くすぐったくとも、じっと動かずいてください」 ;SE ティッシュでクリーム拭い取り ;7/左 【むむむ】「まずは穴から……(集中作業の8呼吸)――で、内側を……(8呼吸)――っと。最後は耳の裏側を――(8呼吸)――よし」 ;7/左(密着) 【むむむ】「(ふっ!)(ふーーーーーーっ)」 ;7/左 【むむむ】「さて……(観察の4呼吸)――うん。よろしいでしょう。お耳掃除はこれで満了。大変お疲れ様でした」 【むむむ】「しかし、レールスター……楽はもちろん楽でしたが、振動もなかなかのものでしたな。 今落ち着くと……ふぅむ。むむむもそこそこ、休息の欲求を感じます」 【むむむ】「ですので――いかがですかな? マスターくん。このあとは、特段の予定もないことですし――(返事待ちの2呼吸)――(明るい笑い)」 【むむむ】「よろしい。でしたら、このまま一緒に――」 ;7/左(密着囁き) 【むむむ】「ふたりでだらりと、午睡(ごすい)などむさぼってみましょうか」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track6:むむむの添い寝 ;/////// ;このパートずっと安眠導入です。ゆっくり、静かに、ささやき声でを基本にお願いいたします ;3/右(二人、枕を並べて眠っている距離感) 【むむむ】「ああ……(だれきった8呼吸)」 【むむむ】「安らぐ……とても――(2呼吸)――ふむ、こうしてマスターくんと並んで横になると……(2呼吸) むむむもまた、かなりの消耗をしていたのだと気がつきますな」 【むむむ】「思っていたより、思考回路を加熱させてしまっていたようです。 横になっているそれだけで、身体各部の末端へ、熱を逃がせている気がします」 【むむむ】「レールスターの走行時、びゅうびゅうと流れていく風に、ずいぶんと冷やしてもらえたものと感じてしましたが―― おや? マスターくん、なにか気がかりでもあるのですかな?」 【むむむ】「(2呼吸)――いや、ごまかしても無駄ですぞ? なにせマスターくんには気がかりがあるとき、 無意識に唇を触ってしまうクセが――(1呼吸)――無いのですけれどね? これが」 【むむむ】「しかし今、マスターくんは、むむむのカマに引っかかり、明らかな動揺を見せてくれたと感じました。 これはつまり、なにか気がかりがあるという証左に……(話を聞く4呼吸)――ははぁ、なるほど」 【むむむ】「『レールスター』という名前。確かに由来が気になるところではありますな……ふむ」 【むむむ】「――日ノ本語で『スター』と発音し、その由来が詠語(えいご)である場合。 候補となる元の単語はふたつに絞られるかと感じます。 STAR(エスティエーアール)のスターと、STERのスターです」 【むむむ】「前者の意味であれば『星』、そこから派生したのであろう、『人気者』『花形』あたりが代表格となるでしょう」 【むむむ】「対して後者の主たる意味は、『何々をする者』『何々に関わるもの』。 ギャングスターなら犯罪組織に関わる者、すなわちギャングとなりますし、 ライムスターならライム、韻文に関わる者となり、すなわち詩人となります」 【むむむ】「この2つのいずれかを語源とするなら、レールスターは『レールの星』もしくは『レールに係るもの』となります。 直感的には後者が正しそうに思えますが――(2呼吸)――ふむ。むむむがスマホに入れている詠和辞典アプリには、 a,eいずれの『レールスター』も、残念、収録されていないようです」 【むむむ】「であらば、詠語語源説は消せる。髑語(どくご)仏語などに由来がある可能性も考えられますが―― どちらの言語でも、レールは『レール』とはかけ離れた発音の語となります」 【むむむ】「では……むぅ――むむ――むむむ――むむむむむむむ」 【むむむ】「あるいは、初期に大きなシェアを握っていた原動機付き自動自転車のメーカー名や、初期の商品名がそのまま一般名詞になったか――ああ、いや、原動機付自転車か――ふむ」 【むむむ】「あるいはあるいは。『レールスクーター』が略され、レールスターとなっていったという可能性もありましょう」 【むむむ】「何人か古株の保線屋さんに尋ねれば、その辺も関する話を知っている人もいるかもしれません。興味深い。機会を見つけて、聞いてみましょう――っと」 【むむむ】「(苦笑からはじまる3呼吸)――確かに、確かに。完全に習い性となってしまっていますな。どんなに些細なことであれ、推理をする、という行為自体が」 【むむむ】「せっかくマスターくんの傍らで、回路を休めようとしているというのに……いやはや、愚かにも程があるというものでしょう」 【むむむ】「……習い性、というより遊びでしょうか。パズルを解こうとするような――今回のような、コトやモノに関する推理は、比較的容易ですからな。ついついふっと、思考を向けてしまいがちになる――ふむ?」 【むむむ】「(話を聞く2呼吸)――ええ、実に容易なのですよ。コトやモノに関する推理は。人に関するそれのような、揺らぎを考慮する必要が無いゆえに」 【むむむ】「それはおそらく、マスターくんにもおわかりいただけることかと。人の……あるいはおそらく、それに近似することを目指し作られた、レイルロオドの感情も」 ;3/右(密着囁き) 【むむむ】「例えばこうして、距離感をグっと詰めただけでも……(ふーーーーーーーーっ)、マスターくんの感情には、いくらかは変化が生じませんか?」 【むむむ】「むむむの感情は、揺らぎます。こうしてほとんどゼロ距離で、マスターくんをじっと見つめていると……いる、と――むむむっ」 ;3/右(元の距離感) 【むむむ】「んんっ――どうにも動揺してしまう。ただ単に、ほんの数十センチにも満たない距離が縮まったというそれだけで。他には何も生じていないにもかかわらず」 【むむむ】「感情とは、それほど繊細なものなのです。ゆえに、人の推理は難しい」 【むむむ】「例えば一つ、なにか事件が発生したとして――どのような道具が用いられ、どのような仕組みでアリバイが組み立てられたか……そうした事項の推理であれば、コト、モノの要素が濃くなる故に、比較的容易なものとなります」 【むむむ】「しかし、動機は……これはまず、正確に推理できません。というかむしろ、犯人自身が正確には把握しきれていないことがほとんどでしょう」 【むむむ】「昨夜買った服に小さな穴が開いていた。通りすがる道でいつもしっぽを振ってくれる犬が、今朝に限って吠えかかってきた。通勤の列車の中で足をふまれた。にわか雨に振られた。けれど雨上がりには、とても鮮やかな虹がかかった――」 【むむむ】「そんな些細な出来事たちが複合的に絡み合ったとき、果たして心理はどのような変化を遂げるのか―― それを推理することなど……(嘆息)――仮にできるのであれば、それは神業としか評し得ません」 【むむむ】「名探偵が、動機をズバリ言い当てる――映画やドラマでは、たしかによくあるシーンです。 現実においても、実に明快な動機が書かれた供述調書に、被疑者が『そのとおりです』とサインをし、同意しもします」 【むむむ】「けれどもそれは、探偵が、刑事が、『真実を言い当てた』のだとは、とてもむむむには思えませんな」 【むむむ】「そうでなく、被疑者が。『示された理由に、そうだったのかと納得をした』あるいは『自分でも整理をつけきれないので、それらしい理由に飛びついた』というケースがほとんどであるように……少なくともむむむには思えます」 【むむむ】「犯行動機を、1から10まで、仮に理路整然と整理しきれるものならば……。その犯行は実施されないものではないかと、むむむは想像したりもします」 【むむむ】「犯罪の、実行までの高いハードルが見えている行為を、それでも実行してしまう」 【むむむ】「そうした心理の解説は――ほとんどすべてがそのような、『行為に対する、後からの理由付け』として作用するものなのかもしれません」 【むむむ】「心理……感情。それらは極めて、推理と遠いところにある。むむむ自身を観察しても、そう感じます。具体的には……左様、例えば」 ;3/右(密着) 【むむむ】「むむむは、マスターくん。君のことを、大変好ましく思っています。好き、という言葉を使って、何の違和感も覚えないほど」 ;3/右(元よりちょっと近い距離) 【むむむ】「しかし……その『好き』を解析しようとすると、これがまったくできないのですよ。 明快な理由があって、マスターくんのことが好き――そうした具体的、個別な理由は……」 【むむむ】「(考え込む4呼吸)―― まぁ、無理にあげればいくらでもあげられましょうが、しかし、決定打にはならない」 【むむむ】「例えばマスターくんの外見的な部分。これはもちろん、むむむにとって好ましいものではあります。 しかし、『ルックスが好ましい』という要素だけを見れば、マスターくんを上回る者は、決して少なくありません」 【むむむ】「他の全ての要素についても、同様であると断言できます。 ゆえ、マスターくんを、『なんかの要素をもつがゆえ、好きになった』わけではないとも、断言できてしまうのです」 【むむむ】「けれど、むむむはマスターくんのことが好きだということも、また間違いなく断言できます。 これはなぜかと……突き詰めて考えていくのなら…………」 【むむむ】「(沈思黙考の8呼吸)」 【むむむ】「……一緒にいて心地よい。楽しく感じる出来事の発生率が有意に向上する。むむむの見落としに気付いてフォローしてくれる。むむむが苦手な、いわゆる運動神経を使う類の諸問題を代わりに処理してもらえることが多い――」 【むむむ】「そうした事実群が示す一つの結論。『マスターくんが傍らにいてくれる環境は、マスターくんがいない環境よりも、むむむにとってはずっとずうっと都合がいい』という事実」 【むむむ】「その事実が先にあり。ゆえに、マスターくんが傍らんにいる環境を求め。その求める気持ちを適切にあらわしきる言葉をむむむは持たないがゆえ、『好き』という言葉で代替され……言葉には感情がともなっていく」 【むむむ】「いや、『感情』というものはそもそも、本来言葉で整理しきれるものではないのかもしれませんな」 【むむむ】「せいぜい近似した言葉に要約するくらいしか、コミニュケーションに乗せる手段が……乗せる、手段が……」 【むむむ】「(冷静になり、だんだんと自分がかなり熱烈な愛情の告白をしていたということを理解していく8呼吸)――////////っ!」 【むむむ】「いや、なに。なんでもない。なんでもありませんぞ、マスターくん。 我にかえって自分の言葉に照れているなど、そのようなことはありませんとも」 【むむむ】「ありませんのですが――(力の抜けた微笑)――ふむ」 ;3/右(密着) 【むむむ】「心地よい考え疲れとでもいいましょうかな――普段はあまり働かせぬ方向に回路をフル回転させて、なんだかむむむは、さらに疲労した――ここちよく疲労しきった気がしています」 【むむむ】「より端的な言葉に直せば――『安心して、眠たくなった』のだといえましょう。むむむの言葉を、マスターくんが、しあわせそうに……とてしあわせそうに、耳を傾け続けてくれた、それゆえに」 【むむむ】「ですのでむむむは、安心して、嬉しく感じ……(小さなあくび)――ふぁ、失礼。眠りたくなっているのです」 【むむむ】「マスターくんの傍らで……マスターくんの……匂いと……ぬくもりに……包まれながら――」 【むむむ】「……このまま一緒に眠りましょう……おやすみなさい。マスターくん。(頬にごく軽いリップ音)」 【むむむ】「次の目覚めも、一緒に迎える……そのしあわせを……堪能しましょう」 【むむむ】「そして……願わくば……明日も……ずうっと…………(寝落ちていく8呼吸)」 【むむむ】「(浅い眠りの、ニュアンス多めの16呼吸)」 【むむむ】「(だんだん眠りが深くなり、ニュアンスが減少していく16呼吸)」 【むむむ】「(安眠に入っていく、穏やかな16呼吸)」 【むむむ】「(安眠している、穏やかな16呼吸)」 ;環境音 なりっぱなし ;//////// ;Track7:むむむの寝息ループ ;/////// ;ループトラック、環境音なりっぱなし 【むむむ】「(安心しきった、熟睡の寝息16呼吸)」 【むむむ】「(安心しきった、熟睡の寝息16呼吸)」 【むむむ】「(安心しきった、熟睡の寝息16呼吸)」 【むむむ】「(安心しきった、熟睡の寝息16呼吸)」 【むむむ】「(安心しきった、熟睡の寝息16呼吸)」 【むむむ】「(安心しきった、熟睡の寝息16呼吸)」 ;//////// ;Track8:おまけコーナー・テーマトーク ;///////