■トラック1 ----------------------------------------------------------------------   ●台本中の表記について  「」:台詞本体。  ():ディレクション指示。台詞前の記述は台詞ブロック全体に、台詞内の場合は次の改行までの局所指示になります。  <>:バイノーラルの位置・距離の指定。方向は聞き手側(マイク)から見た場合です。  《》はシーンのロケーション。  括弧が付いていない、2段階字下げされた文章はト書きです。括弧が付いていない、2段階字下げされた文章はト書きです。ト書き中のストロークの時間記述はピストンなどの速度(リズム)想定です。 ●バイノーラルの距離指定について(水平方向。垂直方向は必要に応じて都度記述し、表記なしは前の台詞の距離を継続)  密着:最接近  近距離:息がかかる程度の距離(15cm前後)  通常:通常の会話距離(30〜40cm程度)  遠め:一歩離れた距離(60〜70cm程度)  遠距離:それ以上の距離(1m以上)  上記の数値はおおよその目安です。シーンに合わせて適宜調整をお願いします。  主人公が座っているシーンでは着座姿勢を基準として位置指定しています。 (以下、本文) ====================================================================== ≪ゴミ捨て場≫ 朝、ゴミ捨てへとやって来た聞き手。先に着てきた紫乃と鉢合わせする。 <正面・通常> 「…あれ、おはよう。  君は…ご近所さんだよね?  顔は見かけた記憶があるけど、きちんと挨拶した事はなかったなと思って。  …ご丁寧にどうも。こちらこそよろしくね」 <正面・通常> 「…いつも朝は早いんだ?  …そっか。たまには早起きしてみるもんだね。  だって…こうして珍しい顔に出会えたんだから。  …うん? …言葉通りの意味だよ。気にしないで。  ほら、いつまでもゴミ袋ぶら下げてないで捨てたら?  …はい、どうぞ」 ゴミを捨てる聞き手の顔をじっと眺める紫乃。 <正面・通常> 「…ふーん」 視線に気付いて訝しむ聞き手。 <正面・通常> 「…ああ、ごめん。  近くでちゃんと見るのは初めてだったから、つい気になって。  恥ずかしかった? そうなんだ。…そういう反応も悪くないね。  …うん? そうだね…顔、と言えば顔だけど…。  …あ、背けないでよく見せて」 顔を背けようとする聞き手を覗き込む紫乃。 <正面・近距離> 「んー…ふふっ、なるほど。これは思いがけない収穫だ」 <正面・通常> 「…今日は本当に幸運だよ。  こんな素敵な出会いがあるなんて、もっと前から早起きしておけば良かった。  君もそう思わない? …恥ずかしがっちゃって。可愛い所あるんだね。  私としては、そういうのも加点要素だけど。  …ううん、なんでもない」 <正面・近距離> (思わせぶりに) 「あのさ、今日の夜…時間ある?  …そうだね。お姉さんからのお誘い。  …どう? もう予定が入ってたりするの?  …そう、空いてるんだ。  なら…今夜は家で待ってて?  …君の所へキスしに行くから」 <正面・通常> 「…さて。君も朝は忙しいだろうから、私はもう行くね。  今夜、楽しみにしてるから。  じゃあね」 (終)