XX23年 1月1日(日) 初詣に行って来た。 ゆいか先輩が海外に行くのを辞めますように、 とお願いをした。 1月12日(木) とにかく走って、いい結果を出すのよ。 そうすれば、もしかしたら……。 1月20日(金) 自己ベストを更新した。 いいタイムだ。 ゆいか先輩の耳に届いて欲しい。 1月21日(土) 何もなかった。 2月6日(月) たまに、飲み込まれそうになる。 いくら頑張ったところで、 ゆいか先輩はもう私とは関わらないという、 そういうネガティブな考えに。 まだだ。まだ足掻け。 2月14日(火) 「ありすっち、はい」 部活後、藤堂桐子が私にチョコをくれた。 帰宅して包装を開けると、チョコと一緒に手紙が入っていた。 “最近元気なさそうだけど大丈夫?  私でよかったら聞くから、何でも話してね” それを読んで、少しだけ救われる思いがした。 彼女は、とても優しい。 2月15日(水) 一日遅いが、私も藤堂桐子にチョコを渡した。 ホワイトデーにお返しをしようかと考えたが、 卒業式の後の私の心理状態を考えると、 お返しが出来ない可能性もあると思ったからだ。 ホワイトデーは卒業式の後。 そう、卒業式までもう一か月を切っている。 2月24日(金) また自己ベストを更新した。 顧問が、今年の望月だったら全国も夢じゃないと目を細めていたが、 私の目的はそこではない。 来週に卒業するあの人の関心を引くことだ。 2月27日(月) 廊下で、ゆいか先輩とすれ違った。 笠原先輩も一緒だった。 ゆいか先輩と話せることを期待したが、 彼女は私に気付かないふりをしているようだった。 気付いていないはずがなかった。 笠原先輩は私に手を振ってくれたからだ。 2月28日(火) 昨日の出来事を思い出すと、腹立たしくなってくる。 何故ゆいか先輩は私を無視したのだろう。 笠原先輩とは楽しそうに話しているのに……。 去年送ったメッセージを見返すと、未だに既読はついていなかった。 3月1日(水) 三月になってしまった。 3月3日(金) 明日は卒業式。 考えたくない。 3月4日(土) こんな気持ちでゆいか先輩の卒業式を迎えるとは思わなかった。 卒業式は体育館で行われ、ゆいか先輩は壇上で卒業証書を受け取っていて、 私はそれを在校生用の席から眺めていた。 式が終わった後、彼女は笠原先輩とともに陸上部の後輩に囲まれ、楽しそうに話していた。 私も彼女に話しかけたかったが、出来なかった。 また無視されるのが怖かったからだ。 「そう言えば、ありすっち来ませんね。遠藤先輩とあんなに仲良かったのに」 藤堂桐子がそう話しているのが聞こえた。 私は、卒業生の誰とも話さないまま、学校を後にした。 3月5日(日) 本当は伝えたかった。 でももう遅い。 3月6日(月) 三年生がいなくなった学校。 遠藤結花がいなくなった学校。 私がここにいる意味はあるのだろうか。 3月7日(火) 学年末テスト。 どうでもいい。 藤堂桐子が卒業式の話題を振って来た。 「ありすっちさ、卒業式の時すぐ帰っちゃったよね。  最後なんだし、先輩のとこ顔出せば良かったのに」 彼女に悪気がないのは分かる。 でも、不快だった。 あの日は少し調子悪くてと嘘をつき、私は早々に話を切り上げた。 3月15日(水) 私の選択は正しかったのだろうか。 正しいはずがない。 3月26日(日) 「望月さん、今日時間あるかな?」 お昼前、スマホがメッセージの受信を知らせて来た。 笠原先輩からだった。 何の用だろう。 返信をしないでいると、連続でメッセージが届いた。 「既読ついてるから送るね」 「今日ゆいかちゃん18:10発の飛行機でアメリカ行くんだ」 「ゆいかちゃんからは伝えないでって言われたけど、  望月さんには伝えた方がいいと思って」 「私、望月さんとゆいかちゃんの間に何があったかは知らない。  でも何かはあったんだよね」 「うーん、長いね。ごめんね。  結論を書くね。  今日、空港までゆいかちゃんの見送りに行かない?  今日を逃すと、もう当分は会えないから」 数時間後、私は笠原先輩と一緒に空港行きのモノレールに乗っていた。 急にごめんね、差し出がましかったかな、 と話す彼女だったが、私は感謝していた。 最後のチャンスを作ってくれたのだから。 ゆいか先輩に伝えたかったことを伝えられる、最後のチャンスを。 空港に着くと、笠原先輩がゆいか先輩に電話をかけた。 「ゆいかちゃん今どこ~? 三階?  うん、分かった~。今行くね~。」 彼女がスマホを片手に話している間、 私の心臓は強い鼓動を打ち出していた。 ゆいか先輩が、ここにいる。 私は彼女に、本心を伝えられるのだろうか。 そもそも、彼女が私と会話をしてくれるのだろうか。 「三階の出発ロビー前にいるみたい。行こう~」 笠原先輩がそう言って、私たちは三階へ向かった。 そこには大きな時計塔があり、ゆいか先輩はその前に立っていた。 一人だった。 私たちとは別の方向を向いている。 「ゆいかちゃん」 笠原先輩が声をかけ、彼女が私たちの方を向いた。 目線が私をとらえた瞬間、何でもなかった表情が驚きへと変わる。 「望月?」 彼女の視線が、笠原先輩と私を行ったり来たりしている。 「ゆいかちゃん、ごめんね。  私、やっぱり今日のこと、望月さんに伝えなきゃって思って。  だって、今日が本当に最後だから」 「真紀、分かった。ありがとう」 そう言って、ゆいか先輩は笠原先輩に向かって微笑んだ。 その後、彼女は笑顔のまま私に顔を向ける。 「望月、来てくれたんだ」 両手を広げ、おいで、と口にするゆいか先輩。 ゆいか先輩。 ゆいか先輩! ゆいか先輩!! 私はゆいか先輩に抱き着いた。 彼女は片手で私の背中を抱き、もう片方の手で私の頭を撫でてくれた。 涙がどんどん溢れてくる。 「ゆいか先輩、ごめんなさい。  私、ゆいか先輩の気持ちに応えられなくて、  なのに自分の気持ちだけは主張して、  本当に最悪なことしたって思ってます。  ごめんなさい」 私は、ずっと謝りたかった。 彼女が陸上部を去る時の私への態度は、 きっといろんな思いがあってのことだったのだろう。 なのに私はそれを想像出来ず、自分の感情だけを優先し、彼女を責め立てた。 それを謝りたかった。 「望月、私こそごめんね。  私、望月にたくさん嫌な思いさせちゃったよね。  どうしていいか分からないで、ひどい態度とってごめんね。  辛かったよね」 ゆいか先輩も泣いていた。 それが分かると、共鳴するようにさらに涙が溢れて、こぼれ落ちてくる。 しばらくの間、私たち二人は抱き合って泣いていた。 ゆいか先輩の身体は暖かくて、優しかった。 泣き止んだ後、私がゆいか先輩の体から顔を離すと 彼女の視線は私の眼に注がれていて、私もそれに応えた。 「望月、私、望月のこと大好きだよ」 「私も、ゆいか先輩のことが大好きです」 そう言って、私たちはもう一度抱き合った。 私の好きと、彼女の好きの意味は違う。 それは、お互いに分かっていることだろう。 でも、それでも良かった。 最後の最後にわだかまりがとけて、本当に良かった。 笠原先輩は、少し離れた場所で私たちを見ていた。 私たちの話が終わった後に、笠原先輩もたくさんゆいか先輩と話していた。 きっと彼女にとっても、ゆいか先輩は大切な人だったのだろう。 出発の時間が近づき、彼女は搭乗口へと向かった。 18:10発の飛行機が離陸し、朱色に染まった空へ吸い込まれていく様子を、 私と笠原先輩は展望デッキから眺めた。 眺めながら、私はまた泣いた。 私と遠藤結花という女性の物語は、今日、終わった。 5月8日(月) 夢から覚めた後の過ごし方を、私は知らない。 高校三年生になって一か月以上が過ぎた今も、 私はどう生きていけばいいのか、分からないでいる。 「望月、私、夢を見ていたの」 去年、ゆいか先輩が私に放った言葉は、言い得て妙だと思う。 私もそうだった。 私も遠藤結花という女性に、夢を見ていた。 二人とも、愛に関わる夢を見ていたのだと思う。 ゆいか先輩が私に見た夢は、きっと恋愛という夢。 私は……………… もういい、書いてしまおう。 私は彼女に、姉とか母とか、そういう、家族愛の夢を見ていた。 家族から与えられるであろう愛情を彼女から受け取ろうとしていたし、 彼女はそれに応えてくれていた。ように感じていた。 幸せな夢だった。 去年の途中から、お互いの見ている夢が違うことには気がついていた。 それでも幸せだった。 今年の三月、夢から覚めた。 目の前にあるのは、残酷な現実だった。 私を全く愛してくれない家族。 夢を見ている間は直視しないで済んだものが、嫌でも目に入って来る。 地獄だ。 夢から覚めた私にとって、生きるということは地獄に身を置くことと同義だ。 日々を、この地獄のような日々をどう過ごせばいいのだろうか。 5月9日(火) 何で私が、と思うような係に任命されたけど、どうでもいいか。 5月11日(木) 「ありすっちさ~、たまには部活に顔出してよ。  みんな寂しがってるし、私も寂しいよ」 お昼休みに購買にパンを買いに行くと、隣のクラスの藤堂桐子に声をかけられた。 私は、四月に行われた陸上の大きな大会の支部予選で散々な結果を出し、 そのまま引退することを選んだ。 ゆいか先輩が日本を去ってから、私は陸上への熱意がなくなり、 タイムはどんどん遅くなっていった。 去年、ブロック予選まで進んだ私は、もういなかった。 藤堂桐子は私とは逆でタイムをどんどん短縮し、大会でも良い結果を出した。 今の私には、彼女が眩しい。 だから、一緒にいられない。 5月19日(金) 中間テストが終わった。 家に帰ると誰もいなかった。 夜中に玄関のドアが開く音が聞こえた。 どうでもいい。 5月21日(日) 誰とも喋らなかった。 いや、シャーファとは喋った。 5月30日(火) 三年生になって、私は数学のノートを集める係に任命された。 月に数回、授業が終わった後、 休み時間にクラスメイト全員のノートを集めて、 教師に提出するというものだ。 教師の中で何か決まりでもあるのか、ノート提出の日はいつも火曜日だ。 火曜の数学は4時間目なので、お昼休みの間に集めて提出するということになる。 お昼休みに入ってすぐ私のもとに持ってくる生徒もいれば、 いつまで経っても提出しないやつもいる。 そういう人間、いつまで経ってもノートを提出しないような人間が 私は好きだ。 やるべきことをやっていないという理由で、 そいつに嫌味を言うことが出来るから。 早くして。アンタのせいでみんなの印象悪くなったらどうするの。 そういう言葉の暴力を放つ際、私は興奮している。 他人を攻撃して興奮するなんて、奇妙なことだ。 でも、事実だ。 これはどういうことだろうか。 5月31日(水) 父も母も家にいた。 何も喋らなかった。 イライラする。 6月1日(水) 夢から覚めた私は、少しだけ歪んでいる。 家族のこと、生きることへのストレスをあいつにぶつけてやりたい。 ノートの提出が遅いあいつだ。 あいつ、また遅れて欲しいわ。 それを免罪符に、いっぱいいじめてあげられるから。 ストレス解消できるから。 6月2日(金) 藤堂桐子に、今日部活来ない? と誘われた。 気分がのらないという理由で断った。 6月5日(月) SNSのアカウントを作ってみた。 理由はただ何となく。思いつきだ。 ずっと前に藤堂桐子からSNSを勧められたことがあって、 その時に彼女のアカウントを見たので、 記憶を頼りにそれを探してみると、すぐに見つけることが出来た。 「祝! 県予選突破! ファミレスで打ち上げ」 顔を写さないように配慮された写真とともに、書かれた文字列が事実を知らせて来る。 私が知らなかったことだ。 それにいいねが10個以上ついているのを見て、私は嫌になった。 いいねがついているのも嫌だったし、その投稿自体が嫌だった。 藤堂桐子は何も悪いことはしていない。それは分かっている。 県予選突破したんだ、すごいね。頑張ったね。 あの人だったらそんなことを言うのだろうか。 私はあの人にはなれない。 6月6日(火) 数学のノート提出の日。 昨日のSNSの一件のせいか、私はイライラしていたので、 あいつにかなりきつくあたってしまった。 その間、気分が良かった。 もし何か言われても、アンタが遅いのが悪いんでしょ、と言ってやればいい。 ああ、もっともっときついことを言いたいわ。 早く出せとか、愚図とか。 考えただけで興奮してしまう。 あまり認知したくないが、私はこういったことに喜びを覚える人間なのかもしれない。 6月7日(水) 誰もいない家。 いつも通りの家。 6月9日(金) SNSに写真を投稿した。 全裸で全身鏡の前に立ち、顔だけを隠したものだ。 学校で、胸元やスカートのあたりに視線を感じることがあるから、 私の体にどれぐらいの価値があるのかを知りたかった。 投稿してからすぐに、ものすごい数のいいねが付き、たくさんのコメントが寄せられた。 DMも来た。 この前見た藤堂桐子の投稿についたいいねの数は15ぐらい。 私の裸は、それの数十倍のいいねがついた。 気分が良かったし、興奮した。 昔の私は、男たちの性欲を嫌悪の対象として見ていた。 しかし今、そんな性欲を一心に向けられることに興奮を覚えている。 男たちは私を見て喜んでいる。 変態どもめ。 こんな日記を書いていると、私の大事な部分がうずいてくる。 少しだけ触ったら、濡れていた。 6月11日(日) リビングやお風呂で裸の自撮りを投稿しようと思ったが、家族がいたので出来なかった。 いつもはいないのにどうしてこんな時にいるのかしら。 6月17日(金) 帰宅したら家族がいなかったし、 帰って来る感じもしなかったので、この前SNSに投稿しようと思っていたことをした。 リビングでも、お風呂でも裸の自撮りを撮影し、それを投稿した。 いいねがものすごい数ついたし、フォロワーも増えた。 藤堂桐子のアカウントを覗いたら、私よりもフォロワーが少なくて、何だか勝った気分になった。 「明日はブロック予選。頑張る」 そう書かれた投稿は見なかったことにしよう。 6月18日(土) SNSでのコメントやDMを見ていると 「この体見て今日もシコった」とか 「おっぱいにむしゃぶつきたい」とか、 そういうことばかり書かれている。 私は今日それを見て、体の奥が熱くなって、一人でした。 ここまで書いているのだから、もうこのことを書いてもいいだろう。 男たちが私の体を見て、興奮してチンポをシコって、 私の体にむしゃぶりつくのを想像して、おまんこをいじくった。 すごく興奮した。 何度も何度も何度もイッた。 オナニーは中学生のときからしていた。 でも、今日が一番興奮した。 ベッドの上で、一人で快楽を貪り、身を震わせる私。 この光景を投稿したらどうなるんだろう。 欲望が、私の中でどんどん膨らんでいく。 目の前の地獄が、何ともなくなっていく。 6月20日(火) 数学のノート提出の日。 いつも遅く提出するあいつに、今日もたくさん意地悪なことを言った。 加えて、今日はあいつの近くの机に腰掛けて、わざとらしく足を組んでみた。 足を組む瞬間、視線はスカートの中に集中する。 ウケるわ。 気になるのね。スカートの中が気になって仕方がないのね。 ホントウケる。 6月21日(水) 藤堂桐子に誘われて、ファミレスに行って来た。 本当は断りたかったが、彼女がどうしてもというので付き合うことにしたのだ。 食事をしながら彼女は、陸上のブロック予選の話をした。 上位入賞は出来なかったが、自分らしく走ることが出来て悔いがないということ。 私にも、ゆいか先輩のベストタイムにも結局追いつけなかったということ。 「でも、まだ11月の大会まで時間があるし、きっと私たちの記録を破ることは出来るわ」 私がそう言うと、藤堂桐子は首を横に振る。 「ううん、ありすっち、私もう引退するんだよ。引退して、受験に集中するの。  だからもう抜けない。部長って肩書はあるけど、私の陸上部生活はもう終わりなんだ」 意外だった。彼女はブロック予選終了後も走り続けると思っていた。 「いざ引退ってなって、やっぱありすっちも遠藤先輩もすごかったな~って思って。  そんなこと考えてたら、無性にありすっちと話がしたくなって、今一緒にいてもらってるってわけ。  ありがとね、私のわがままに付き合ってくれて」 そう言って、彼女は人懐っこい笑顔を見せた。 「あ、あとね、陸上部を引退してもありすっちは私の友だちだから。  何かあったらいつでも言ってね」 そうか。引退するということは、今までみたいに部活に誘うことがなくなるということか。 それでも彼女は私を友だちだと、そう言いたかったのだろうか。 三年になってから、私は明らかに人当りがきつくなったし、歪んだ趣味も覚えてしまった。 なのに彼女がそんな言葉をかけてくれて、嬉しかった。 6月22日(木) 藤堂桐子が引退したことによって、私と陸上を繋ぐものは何もなくなったように思える。 少しだけ寂しかった。 家には誰もいなかった。 6月25日(日) 一人でした後、ぐちょぐちょになったおまんこの写真をSNSに投稿した。 すぐにたくさんのいいねがついて、フォロワーが増えた。DMも来た。 その日した内容や、卑猥な妄想も投稿するようになった。 恥ずかしくて気持ちのいいことをこっそりと共有している感じが、興奮してしまう。 6月26日(月) いない。 ゆいか先輩も、家族も。 陸上も、もう私はやっていない。 何もない。 6月29日(木) 快楽に溺れることは、愚昧なことなのだろうか。 そうだとしても、止められない。 7月3日(月) 期末テスト。 早めに終わった教科があって、余った時間でいけないことを考えた。 今までSNSに投稿していたのは写真だが、 動画を投稿すればどうなるんだろう。 私のオナニーを投稿すれば、どれだけのいいねがついて、どれだけフォロワーが増えるんだろう。 7月8日(土) この前考えていたことを実行した。 私はオナニー動画を撮影し、それをSNSに投稿した。 すごい反応だった。 いいねの数も、コメントの数も、フォロワー数の増加もすさまじいものがあった。 改めて自分の動画を見ている。 ベッドの上で脚を開き、人差し指で何度もクリトリスをなぞり、中指を膣に挿入する。 出し入れする度、いやらしい声が部屋に響く。 私は何をしているんだろうか。 背徳的な感覚が、興奮を誘った。 だめ。 日記を書いていると、あの感覚がよみがえってくる。 7月9日(日) 「もっとオナニーして欲しい」 「もっとたくさん投稿して欲しい」 昨日の投稿にこういうコメントがたくさんついている。 投稿へのコメント自体は前からあったけど、昨日のものは数が異常だ。 悪くないわ。 そんなに私がするところを見たいのね。 7月11日(火) 今日の数学はテストの返却だったので、ノートの提出はなし。 つまらない。 あいつに意地悪なこと言いたかったのに。 ノートの提出があれば楽しめたのに。 もう認めるわ。 私、あいつにきつくあたったり、ひどいことを言うのが好き。 足を組んだりして、あいつの視線を操るのが好き。 あいつが困ってるのを見るのが好き。 ああ、ひどいことをたくさん言いたい。 いっぱい困らせてあげたい。 7月14日(金) 帰宅して、オナニー動画を撮って、それを投稿した。 この前は下半身だけ見えるようにしていたが、 今日は顔以外全部が見えるように撮った。 乳首をいじるところも動画にしたかったからだ。 私の姿を見て、男たちが興奮している。 私をオカズにしている。 そう考えるとものすごく興奮し、何度も何度もイッた。 シーツに大きな染みが出来ていた。 7月15日(土) 昨日投稿した動画に、 「学校ではどんな感じなんですか?」 とコメントが来ていた。 普通よ。成績という観点だと、優等生に分類されるわ。 7月18日(火) 数学のノートの提出日。 あいつはやっぱり遅かったから、 「アンタってノロマよね。そう思わない?」 と言ってあげた。 興奮した。 もっと言いたいから、ノートの提出はもっと遅くなって欲しいわ。 7月20日(木) 明日は終業式だから、今日が一学期最後の授業。 オナニー動画を投稿することを授業中ずっと考えていて、イマイチ集中できなかった。 したくてしたくて仕方がなかった。 だから、帰宅後にしたときの快感はすさまじかった。 最初はパンツの上からクリをいじって、その後直接触る。 一回イッたけど全然足りないから、今度は指を入れる。 指を出し入れしながら、おっぱいを揉んで、乳首をいじくる。 指の動きが激しくなり、そのままイク。 スマホの中に収められた私の姿は、淫猥だった。 7月21日(金) 終業式。 進路について考えていない者は夏の間に考えておくように、と担任が言っていた。 私は、大学進学を希望している。 数年前に父に、大学卒業までの間は家族という形を取る、 と言われたことを思い出す。 つまり、大学に行かない場合は、その時点で家族がバラバラになる可能性があるということだ。 私は家族が嫌いだ。 なのに、その家族がバラバラになることを、少しでも先延ばしにしようとしている。 私の気持ちと行動は矛盾している。 私はそんな自分のことも嫌いだ。 ああもう、飲み込まれてしまう。 目を背けていたい現実が襲い掛かって来て、私を飲み込む。 嫌だ。全てが嫌だ。 7月22日(土) シャワーをクリにあててオナニーした。 お風呂ですると声が反響して、いつもと違った興奮がある。 動画を撮りたかったが、スマホが濡れるのが怖いのでやめておいた。 7月25日(火) 火曜日なのに、あたる相手がいない。 現実を忘れたいのに。 7月26日(水) たくさんした。 8月6日(日) 久しぶりに、広田さんと如月くおんとお茶をした。 如月くおんは、親友に彼氏が出来て最近遊んでくれない、とぼやいていた。 「親友? 如月くおんの文化祭の時一緒に歩いていた子?」 そう聞くと、 「そうですそうです! あの子めっちゃかわいくないっすか!? さゆって言うんですよ。  ってか何で文化祭のこと知ってるんですか?」 と聞かれた。 ゆいか先輩と一緒に如月くおんの高校の文化祭に行った。 廊下で見かけて声をかけようとしたけど、ゆいか先輩に止められた。 伝えても何の問題もない情報だ。 でも、何故か伝えることに抵抗があった。 私は嘘をついた。 「あの日私、一人で文化祭に行ったのよ。そうしたら見かけたってだけ」 「さすが望月先輩! 一人でも文化祭を楽しんでのける!  そこに痺れる憧れる!」 如月くおんのノリは、相変わらず独特だ。 「でもさ、こうやってたまに集まるのっていいよね。  私たちの仲がまだ続いてるんだなって感じがして」 にこやかに微笑む広田さんは、今年の陸上の大会でブロック予選まで進んでいた。 陸上のことが話題になって、私が引退したことを話すと、 彼女はその話題から離れた。 優しさなのだろう。 「望月さんも、くおんちゃんも元気そうで良かったよ。  またお茶しようね。あ、ご飯とかも行きたいかも」 別れ際、彼女は中学時代から変わらない、優しい表情で言った。 今の私は、あさましい快楽に身をゆだねているどうしようもない人間だ。 それでも、こうやって接してくれる友人がいることを幸せに思う。 8月13日(日) 父も母も家にいた。 何も話さなかった。 こんなやつらが家族? こんなやつらとの関係を持続させたいから私は大学に行くの? 私は本当にそうしたいの? 分からない。 分からない。 8月14日(月) 二学期が始まったら、ノートの提出が遅いあいつに いっぱい意地悪してやるわ。 ひどいこともいっぱい言ってあげる。 そういうことばかり考えていた。 8月18日(金) 18歳の誕生日だった。 何もなかった。 8月21日(月) 私は、男との行為で嫌悪感を抱いているものがある。 それは、フェラチオだ。 女が男に奉仕している感じがして、気分が悪い。 やったことはないけど嫌いだ。絶対に嫌いだ。 逆に、私が好きなのはクンニだ。 あれは男が女に奉仕をしている感じがして最高だわ。 されたことないけど好きよ。絶対に好き。 今日はクンニされるのを想像して一人でした。 もちろん、撮影してSNSに投稿した。 いいねもコメントも、たくさんついた。 8月22日(火) 愛玩具が欲しい。 私の性器を一晩中喜んで舐めるようなやつが理想ね。 私のクリトリスをフェラしろ。 そんな言い方をして、無理矢理クンニさせたい。 8月26日(土) 中学生の頃、クラスメイトの男子が卑猥な話を教室でしていて 本当に嫌だったのだが、今の私には嫌がる資格がないように思える。 8月27日(日) 父も母も家にいた。 家にいたくなかったので、図書館へ行った。 8月28日(月) 昨日はシャーファを抱いて寝た。 寝る前にベッドの中で声を殺して何度もした後、 何故かすごく寂しくなったからだ。 「ねえシャーファ、私ね」 ベッドで裸のままシャーファに語り掛ける私。 ピロートークってこんな感じなのかな、と思った。 いつの間にか寂しさは消え、眠りについていた。 8月29日(火) 愛玩具を飼うならピロートークが出来るやつがいいわ。 終わった後に寂しくなっても大丈夫だから。 9月1日(金) 新学期が始まった。 学校が始まると気分がいい。 家にいないでいい時間が増えるし、 私が意地悪したいあいつの顔を見ることも出来る。 来週の火曜日に、数学の課題を私が集めて教師に提出することになるだろう。 その時に遅れたら、いっぱいひどいこと言ってあげるわ。 夏休みに我慢したぶん、いっぱいね。 遅れろ。遅れろ。 9月5日(火) あいつにひどいことを言ってあげた。 興奮したけど、少しだけ欲求不満よ。 あいつ以外にも提出が遅いやつがいたのが原因だわ。 「アンタだけやってない」 「アンタ一人のせいで」 そういうことを言ってあげたかったのに。 今度はあいつだけ遅れて欲しいわ。 9月10日(日) SNSのフォロワー数が増えている。 さすがにこれだけの人数になると、身バレが不安だ。 私、顔出しはしていないけど、過去の動画で 髪の毛が映り込んでいるものがいくつかあるし、そこからとか……。 いや、これぐらいの情報で分かるはずがないわ。 9月14日(木) 授業中、あいつからチラチラ見られていた気がする。 何? 気持ち悪いわね。 今度の火曜日、ノートを提出することになったら どうせあいつは遅れるだろうから、 その時に今日のことも含めていっぱい意地悪なこと言ってあげるわ。 9月19日(火) SNSのアカウントを削除した。 嫌なことがあったからだ。 今日、数学のノートの提出があいつだけ遅れていて、 昼休みが終わっても出しに来ないから、 5時間目が終わってすぐにあいつのところに行って、 ひどいことを言って、そこまでは良かった。 だけど、その後が良くなかった。 あいつが、放課後に二人で話をしたいとか言い出して、 私はそれに応じてあげることにした。 今になって思うけど、応じるべきではなかった。 放課後になって、私とあいつは教室で二人きりになり、 私はあるものを見せられた。 私がSNSに投稿した動画だ。 気が動転した。 反射的に、ここにいるのはまずいと思って、 教室を出ようとした。 でも、あいつが出口を塞いでくる。 逃げられなくされたうえで、こう言われた。 「このアカウント、望月さんだよね?」 どうしてバレた? 声? 髪? 偶然? 何が目的? 違うって言い張る? 動画を拡散されたら大変なことになる。 拡散されても別人だって言い張る? いろんな考えが、頭の中に一気に浮かんでくる。 とにかく、ここに居たくない。 ここはまずい。 私は出口をふさいでいる男に、どきなさい、と指示した。 すると、男は再び私の動画を再生した。 私が認めるまで、何度も再生するつもりなのだろうか。 最悪だ。 私は、認めざるを得なかった。 その後、ここで動画と同じことをすればバラさないと言われ、 私は、あいつの前でオナニーをすることになった。 本当に嫌だった。 意志だけは。 体は、悦んでいた。 嫌で嫌で仕方がないのに、体は悦びに震え、 女の部分から透明な液体を溢れさせた。 去年、ゆいか先輩とキスをしそうになった時とは逆だった。 あの時、私は彼女を受け入れる気でいたのに、体が拒否をした。 今日の私は、意志では嫌悪しているのに、体は悦んでいる。 心と体の乖離に嫌気がさした。 結局、私はあいつの前でイッてしまい、あいつも私の前でイッていた。 途中から、あいつも一人で始めていたのだ。 全てが終わって下校する途中、私はアカウントを削除した。 まさかこんなことになるなんて、ひどい一日だったわ。 もう二度とSNSはやらない。 あいつには、今後二度と話しかけるなと伝えた。 いいストレス解消相手だったけど、もういい。 9月20日(水) まずいわ。 アカウントを削除しても意味がなかった。 あいつが、私の動画を画面録画で保存していたのだ。 昨日に引き続き、私はあいつの言うことを聞くハメになった。 きっとこれからもそうなんだろう。 今日は、手でした。 途中、体を抱き寄せられ、制服の中に手を入れられ、胸を揉まれた。 また、意志に反して体は悦んでいた。 9月21日(木) あいつに復讐をすることを決めた。 そう決意するほどの屈辱を、今日味わった。 最初、あいつは私とキスをしたいとか言い出した。 それだけは絶対に嫌だった。 ゆいか先輩とのキスを拒否したのに、こんな男とキスするなんて、 そんなこと、あってはならないからだ。 その代替案として、あいつは耳を舐めて欲しいと言い出し、 その後は、フェラチオを要求してきた。 私が嫌悪感を抱いているやつだ。 しかも、こんな男のものをだなんて……。 でも、キスするよりはマシだと無理矢理自分を納得させて、 太くて硬いものを私は舐めた。 途中から、あいつが私の頭を掴んで腰を動かし始めた。 苦しかったし、まるでモノ扱いされているような気がして、屈辱だった。 でも、もっと屈辱的なことがその後に待っていた。 口の中に射精されたのだが、あいつは私の口から粗末なものを抜く気配がない。 頭も押さえつけたままだ。 飲め、ということなのだろう。 私は、口の中に放たれた、熱くてドロドロの液体を飲み込んだ。 今までに味わったことのない最悪の気分で、 その瞬間、私は復讐することを決めた。 帰宅後、私は復讐の具体的なプランを考えた。 今考えているのは、私たちの行為を撮影することだ。 あいつが悪人っぽく見えるように。 多分この感じだとあいつは、明日か、あるいは来週には、私とセックスをしたいと要求してくるはず。 初めてをあんなゲスに捧げるのは本当に癪だけど、どんな感じかを知っておく必要があるから、 その要求を一度飲んで、どうすればあいつが悪人に見えるかを考えたうえで、撮影しようと思う。 これが上手くいけば、あいつの人生を壊すことが出来るわ。 私を怒らせたこと、後悔させてあげる。 9月22日(金) 予想通り、あいつはセックスを要求してきた。 学校の近くのホテルで、私たちはした。 初めてのセックスは、すごく痛かったが、 少しだけ気持ち良かった。 いや、途中からかなり気持ちよくなっていた。 私の中で徐々に快楽が膨らんでいき、 それが嫌悪感に勝るのが怖くて、早く終わって欲しかった。 あいつの粗末なものでイクというのが嫌だった。 でも、イッてしまった。 初めての経験をして疲れたのか、今、少しボーっとしている。 でもまあ、だいたいの流れは分かったから、 これをもとに復讐の準備を始めることにする。 9月24日(日) 準備完了。 スマホを置く場所もバッチリだ。 まず、明日のお昼休み、あいつを屋上に呼び出す。 そして、無理矢理されるのが好きだから、放課後、私の家でそうして欲しいと伝える。 家まで連れてきて、まず私だけ家に入る。そのタイミングで部屋にスマホを設置。 そこから録画開始。 家にあいつを上げて、ドアを開けた瞬間に始めるよう指示する。 嫌がる私を強引に犯して、「おわり」と言われるまでは乱暴に。 ゴムもつけないでいい。 あいつと生でするのは嫌だけど、そっちの方が悲劇のヒロインになれるから。 壊してやる。 私に屈辱を味わわせたあいつの人生を、壊してやる。 9月25日(月) やったわ! 最高の気分よ! 今日私は、計画通りあいつを家に連れてきて、 無理矢理するよう依頼した。 全てが私の思惑通りに進んだ。 動画を撮っていたことをばらしたときのあいつの顔、最高だったわ。 驚き、困惑、恐怖、そういった感情の詰め合わせみたいなやつ。 その後、怖がらせるようなことをたくさん言って、 あいつはその度に怯えたような表情をして、最高だった。 ああ、思いだすだけで笑えて来ちゃう。 こんなにも楽しいエンターテイメントがあるなんてね。 この先、あいつの人生を壊すのは確定として、 少し遊んであげようかしら。 あいつ、私を性欲処理用のモノみたいに扱っているとこがあったから、 私も同じことしてあげるわ。 男の体使ってやってみたいこともあるしね。 ああ、楽しみ。楽しみだわ。 9月26日(火) すごく素敵な日だった。 「午後4:30、学年集会の解散後に教室集合。遅刻したら動画をばら撒くわ」 4時間目が終わって、あいつが数学のノートを提出しに来たとき、 私たちにしか聞こえない音量で、そう話した。 あいつ、ノートを提出するの、いつもみたいに遅くなかったのって、 私を怒らせたら大変なことになるって思ってるからかしら。ウケる。 放課後、集合時間3分前ぐらいに到着したあいつをののしって、 そこから裸にさせて、撮影して……本当に楽しかった。 私は、自分の中に秘めていた欲望をあいつにぶつけた。 私が男の体で好きなパーツは、胸だ。 男のおっぱいが好きなのだ。 だから、あいつのおっぱいを揉んで、舐めた。 舐めながら、あいつには手で奉仕させた。 素晴らしい時間だった。 一度イッて、この男を使っての遊びは相当楽しめるかもしれないと感じた私は、 あいつの性感帯である耳も舐めてあげることにした。 期待以上の時間をくれたことへのご褒美だ。 あいつは声を上げ喜び、自分のものをしごき、射精した。 私は、しごいてはいいとは言ったが、射精していいとは言っていなかった。 教室の床に出された白い液体を見て、 私は最初腹を立てていたが、すぐに利用価値があることに気が付いた。 今日一日で、昨日の動画以上にいいものが撮れたわ。 これ利用して、あいつでもっと遊んじゃおうっと。 私は今、浮足立っている。 9月28日(木) 可能性に気付けた日。 「夕方5時に私の家に来なさい。途中でオナホも買って来て。  もし来なかったらこの前の写真をばら撒く」 5時間目、美術の授業で教室を移動する際、あいつの隣を歩いてそう伝えた。 昨日と同じように、私たちにしか聞こえないぐらいの音量で。 あいつは、私の指示通りに行動した。 この男はきっと、私のいうことは何でも聞くのだろう。 彼を裸にさせ、ベッドに仰向けにさせ、オナホを使ってオナニーさせた。 私も裸になって、彼を見下ろすように立ち、オナホを上下に動かす様子を眺めていた。 それから、この様子を動画にしようか、と脅したうえで、 私はあいつの顔の上におまんこを乗せた。 顔面騎乗、というやつだ。 動画にして欲しくなかったら、私のを舐めなさい。 そう言って、私はあいつに無理矢理クンニさせた。 最高だった。 たくさん意地悪なことを言って、欲望をぶつけても、 それでも彼のものは大きいままで、オナホを使って快楽を貪っている。 この男は、使いようによっては本当にいいおもちゃになるかもしれない。 愛玩具になるかもしれない。 私と彼が同時にイッた後、しばらくの間、彼の口元におまんこを押し付けたままにした。 彼が私に精子を飲ませたように、私も彼に愛液を飲ませようとしたのだ。 無理矢理全てを飲ませた後、私は感想を求めた。 彼は、美味しかったと答えた。 それを聞いた瞬間に、感じるものがあった。 この男なら……。 この男とだったら……。 私は、あれだけ拒んでいた彼とのキスを、自分からしていた。 この男は、ゆいか先輩との共通項がある。 私に夢を見せてくれるという共通項が。 9月30日(土) 一人の男の寝息を聞きながら、この日記を書いている。 寝息を立てているのは、私の愛玩具となった男だ。 昨日、そうなってもらうことを彼に伝えた。 彼に拒否権はないが、だからと言って、 いやいや従っているという感じにも見えなかった。 関係が決まった後に、私が上になってセックスをした。 このおもちゃは、素晴らしいものだ。 快楽に身をよじる私だけのおもちゃは、 とても愛らしかった。 もう、人生を壊してやろうという気持ちはなかった。 三月に夢から覚めた私は、今、別の夢の中にいる。 今見ているのはゆいか先輩の時のような、美しい愛の夢ではない。 これは、快楽の夢だ。 醜くあさましいが、現実を忘れるのには十分な魅力がある。 ベッドで寝ている私の愛玩具には、最低でも卒業までは付き合ってもらうつもりだ。 本当のことを書くと、永久に傍に置いておきたい。 そうすれば、いつまでも快楽の夢を見られるから。 寂しくないから。 今日も家族は家にいない。 でもそれでいい。 たくさんこのおもちゃで遊べるから。 思う存分、この夢に溺れることが出来るから。 私は、夢を見て生きていく。 きっとこの先もずっと、いろんな夢を見ていくのだろう。 この生き方が、他人から見てどうなのかは分からない。 私は、いい生き方だと思う。 現実から逃げ続けることは悪ではないと、そう思う。 今、7時になった。 朝食を作ろう。 ベッドで寝ている男の分も用意してあげようかしら。 うん、そうね。 二人で同じ朝食を食べて、そこからまた始めよう。 ああ、楽しみだわ。