;//////// ;Track1:太雪朝日岳源水(太雪山の湧水が滾々と流れ出る遊歩道の散策ののち、源水地での湧水ごくごく) ;//////// ;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「やっとついた――太雪山(だいせつざん)! っていってもまだまだ麓だけれど」 ;環境音 旭岳源水地(水の音うっすら) ;1/前(マイク向き) 【かにこ】「札歩路(さっぽろ)よっかずいぶん冷える感じがしない? 標高、ここもう結構高いのかな」 ;1/前→;3/右 【かにこ】「へへっ――マスター」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「かにこ、ちょっと冷えるからさ。ぺったりくっついても大丈夫?」 ;3/右(密着) 【かにこ】「(話を聞く2呼吸)――うん。じゃ、少しの間あったまっちゃお……ん?」 ;1/前(密着) 【かにこ】「マスター、なんか顔赤い? こんなに気温低いのに……あ、もしかして喉かわいてる?」 ;1/前 【かにこ】「そかそか。言われてみたら前の休憩から、結構時間たっちゃったべさ。 この辺、ないかな。自販機かなにか――あ!?」 ;3/右(密着) 【かにこ】「マスター見てみて! あそこの看板――『源泉歩道』って」 【かにこ】「(看板を読んでる2呼吸)……ふうん、この先に、太雪山朝日岳からおりてきた地下水が湧出してる、源水地があるんだ」 【かにこ】「太雪山朝日岳っていったらさ、マスター。これからかにこたちが向かう、世界自然遺産の中心地的な場所だよね。環境省が選定した、音百選の一つにも選ばれてる」 【かにこ】「そこからの湧水の水源地なんて……なんか、すっごくいい音しそうな気がしない? 気がするべさ! 音で地域の――北開道の魅力を紹介する、『蓄音レヱル』に、きっと活かせる場所な気が」 【かにこ】「したっけマスター……って、あ――」 ;環境音ボリュームアップ 【かにこ】「(じっと耳を澄ます4呼吸)――水の音、ここにまでうっすら響いてきてる……!」 ;SE 足音ブーツ+草地、一歩 ;9/前遠 【かにこ】「これ、絶対気持ちいい音。行こ! マスター、かにこと一緒に、渇きも耳も潤しちゃおう!」 ;SE 足音(ブーツ、草地。足音はつねにかにこのものだけ、マスターのものは不要です)、数歩 F.O ;環境音 SEあわせで F.O. ;3/右(二人横並びで) 【かにこ】「んーーーーーーーー(大きく伸びをしてるニュアンス)」 ;環境音(源水地遊歩道) F.I. 【かにこ】「気持ちいいべさ! 音もいいいべさ! 今回幸先、最高だべさ!」 【かにこ】「(にこにこと上機嫌で川の流れに耳を澄ませる8呼吸)」 【かにこ】「水源から流れ出してるんだろうねぇ、小川っていうか、水路っていうかに添って、森に包まれた遊歩道がずーっと続いてて」 ;SE 散歩の足音(木の歩道、ブーツ)継続 【かにこ】「(のんびりと景色を楽しみながら散歩する8呼吸)」 【かにこ】「あ! また立て看板。どれどれ?」 ;足音 stop 【かにこ】「『全家庭地下水の町、東河(ひがしかわ)』――って、え!? 町の水道水が全部、ぜぇんぶ太雪山朝日岳の地下水でまかなわれているの!? それって結構ものすごくない!? この町、東河!」 【かにこ】「ってかさ、『太雪山のおいしい水』みたいなの、ペットボトルで売ってるよね? 普通に、500mlで120円とかで! それ、東河に来たらさ、空きペットボトルに水道水詰めるだけで、どんどこ量産できちゃうってことでしょう!?」 ;SE 足音再開(継続) 【かにこ】「なまらすごいべさ、東河。ここまで線路伸ばせたらさ、かにこのC11 202にも、太雪山のおいしい水、水タンクいっぱいに飲ませ放題になるっしょ」 【かにこ】「……線路、やっぱり繋がってたほうがいいよね、絶対。そりゃあさ、北の鉄路は厳しいけどさ、保線費用、雪が降らないとこの何倍、何十倍もかかっちゃうけど」 【かにこ】「(考えながら歩く4呼吸)――線路が繋がれば人が繋がるでしょ、人が繋がれば思いが繋がるし、思いが繋がれば、きっとそこからなにかがはじまる」 【かにこ】「繋がることの意味をさぁ、かにこ、形にできたらすごくいいって思うんさ。東河と線路が繋がれば、太雪山のおいしい水が水道から飲み放題になる。 そういう魅力をさ、北開道の全部の町から発信できたら、いってみたくなる。移動したくなる。旅したくなる」 【かにこ】「けど……旅行客だけ、定期外収入だけじゃ鉄道なんて走らせられない。必要なのはやっぱり実需。定期収入。 そのためには沿線人口を増やして、産業を活発化させて――だっけ? こないだのセミナーで教わったのさ」 【かにこ】「そんなの……そこまでいっちゃうと、かにこに関われることじゃないしさ。 だけどなんにもやらないで、このまま北鉄(ほくてつ)が滅んじゃったら、どれだけ辛いかわかんないし――あ」 ;SE 足音stop ;2/前右(ハグされてる。密着) 【かにこ】「(ハグされて安心しながら話を聞く4呼吸)――うん。だね、マスター。焦っちゃだめ、だね」 ;1/前 【かにこ】「今ここでできることは一つしか無い。それは、音探しと録音。 だからかにことマスターには、それを一生懸命やるのが、今できるベスト」 【かにこ】「そのほかのことは、音探しが完了してからやればいい。 そのときにできるベストがなにかは、そのときになって考えればいい」 【かにこ】「(大きく深呼吸ひとつ)――ありがとマスター、落ち着いた」 ;SE 足音再開 【かにこ】「水源地。水が湧き出してるところ、紹介できるだけの音だといいんだけど。したらさ、きっと――って」 ;環境音 水源地と遊歩道をクロスフェード? いい感じに 【かにこ】「これ、音。水源地近くなってきてない? なんか、だんだん音がさ――」 【かにこ】「(早足で近づいていく4呼吸)――あ!」 【かにこ】「マスター、ついた! これ、ここ! 水、すっごい量! ちょっとした滝みたいになってるべさ」 【かにこ】「滝……羽衣の滝のこの近くなんだよね、マスター」 【かにこ】「西瓜(すいか)先生に教わった……みんなで磨いた録音技術――果たして通用するのかどうか、かにこ、絶対試してみたい――って」 【かにこ】「ごめん、マスター。さっきから喉乾いてるんだっけ。水……これ……えーと……」 【かにこ】「湧水の勢いがすごすぎてこれ、汲んで飲むのも一苦労……じゃない。横っちょにちっちゃい取水口ついてるね。 竹からちょろちょろ……うふふっ、とっても愛らしいべさ」 ;3/右→;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「マスター、これ、手で掬って飲むのがきっと、一番おいしい飲み方だよねぇ――(話を聞く2呼吸)―― え? かにこが先に飲んでいいの? じゃ、遠慮なく――ふふっ」 ;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「冷たっ――(しゃがみ込んで、手に水を受けてためる2呼吸)――ん。じゃ、いただきまーす」 【かにこ】「(手にためた水を飲むごくごく)――ぷはぁ!」 【かにこ】「冷たい! すっきり!! これぞ雪解けっていう味がするべさ!!」 ;1/前(振り返って密着) 【かにこ】「マスターも飲んで! ほら、早く!」 ;環境音、ボリュームちょっと持ち上げてから F.O. ;//////// ;Track2:太雪山系朝日岳――世界遺産に響くのは火山性ガスの噴出音 ;//////// ;環境音 旭岳ロープウェイ車内 ;3/右(ふたりならびで着席) 【かにこ】「ロープウェイに乗ったらさ、じわじさ実感、わいてきたべさ――(首を右に捻って視線を移す1呼吸と、感動の吐息)」 ;3/右(ふたりならび、視線戻す) 【かにこ】「朝日岳……ううん、『太雪山』。……すごい観光資源だよね、なんてったって、世界遺産なんだもの」 【かにこ】「このロープウェイに乗れば一気に5合目――標高1600メートルの世界まで連れてってもらえる。(わくわくする吐息)――標高、1600メートルかぁ」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「マスターはさ、標高1600メートルとか、それよりもっと高いとことかって登ったこと、ある?」 ;3/右 【かにこ】「(話を聞く2呼吸)……そうなんだ。かにこは、初めて。多分、標高1000メートルにも登ったことないさ」 【かにこ】「一番高くまでいったのは、急行『サロマ』の代走に入った時だと思う。(普通→嬉しくなる、の2呼吸)――そそ、さすがマスター、ご明察」 【かにこ】「標高634メートル。北鉄の最高標高点だべさ」 【かにこ】「そこよりさらに1000メートルも高いとこ。日ノ本のどの普通鉄道の駅よりも、更に高くにあるところ」 【かにこ】「(憧れのため息)――どんな鳥が飛んでて、どんな虫がいて、どんな木が生えてて、どんな風が吹いて。 どんな音が聞こえてくるのか、かにこ全然想像も――っ!」 ;環境音 モノレール、到着へ 【かにこ】「減速した、これ――あ、もう着く、駅。おしゃべりしてるとほんと早い」 ;環境音 モノレール到着→ドア開き 【かにこ】「(到着を待つ4呼吸)……ついた! ロープウェイを下りたこの先、このドアの向こうが――」 ;3/右→;1/前 【かにこ】「ここが――標高1600メートルの世界!!」 ;SE ブーツ+土の靴音、一歩 ;環境音オフ ;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「って――(大きな4呼吸)――(生唾を飲む音)」 ;環境音=無音継続 【かにこ】「……まさか――こんな。まさか、標高1600メートルの世界が――」 【かにこ】「鳥も虫も鳴いてなくって、風のひとつも吹いてなくって――なんにも、なんにも聞こえてこないとか!」 【かにこ】「かにこ、想像もしてなかったべさーーーっ!」 【かにこ】「(大声出したので落ち着くための2呼吸) ……って、あれ? いま……え??」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「これ、マスター、もしかして――」 ;1/前(マイク向き) 【かにこ】「かにこ、今手を叩いてみるから。マスターも、注意して聞いててほしいべさ。いくよ? さん、にい、いち」 ;SE 手のひらを打ち合わせ鳴らす音(無反響) 【かにこ】「(息を詰めて手をたたく1呼吸)」 【かにこ】「(じっと息を詰めて耳を澄ませる2呼吸)――やっぱり!」 【かにこ】「反響がかえってこない──無響(むきょう)。ここ、発生した音だけが純粋に聞こえてくる空間になってるべさ」 【かにこ】「(話を聞く2呼吸)──ああ、音っていうのは、普段だったら、発生した音だけじゃなく、反響──壁とか天井とかに跳ね返った音も同時に聞こえてるの」 【かにこ】「階段の途中とかで手を打ち鳴らしてさ、その音がうわんうわんてめちゃくちゃ響くの、経験したことない? あれはさ、反響した音がさらに反響して──ってループして起きる現象なのさ」 【かにこ】「だから耳は、普段はそのものの音と反響の音を一緒に聞いてる。逆にこういう空間みたいに、無響のとこって、本当に本当に珍しい」 ;1/前→;3/右 【かにこ】「したっけ──(微笑)」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「これが、かにこの声だけの声。反響してない、一番純粋なかにこの声だよ?」 ;1/前 【かにこ】「どう? マスター。気に入った? ……(話を聞く2呼吸)──ふふっ」 【かにこ】「したっけマスター、遊歩道、順路にそって散策してみよ? あ、そだ。せっかく買ってもらったんだし」 ;SE 熊鈴チリン(単発) 【かにこ】「(熊鈴を楽しげに鳴らす1呼吸)――んふふっ、いい音」 【かにこ】「熊よけの鈴。熊鈴。これさ、ぶら下げて歩いてこ。音があんまりなんにもないのもちょっと怖いし。 熊、もしかしたらそこらにいてさ、聞き耳立ててるかもしれないし」 ;SE 足音+熊鈴(継続) 【かにこ】「したっけ、順路を左回りで……」 【かにこ】「(あたりの景色を楽しみながら歩いていく8呼吸)」 【かにこ】「……ほんとにいいね、熊鈴の音。ちりちりかろころ、歌うみたいで」 【かにこ】「かにこがもしも熊さん……子熊とかだったらさ、『この綺麗な音、なんだべさ』って、逆に興味をもっちゃいそうかも」 【かにこ】「え? (話を聞く2呼吸)――実際、熊が熊鈴を目印に人間によってくるなんてケース、あるの? ……(話を聞く2呼吸)――!」 ;SE 熊鈴&足音stop 【かにこ】「『人を襲った経験がある熊は』って! マスター、それ、このシチュエーションでいうような話じゃないべさ! 怖すぎだべさ! かにこ、熊鈴鳴らしていいんだか鳴らしちゃだめなんだかわからなくなっちゃうっしょ」 【かにこ】「あ……(話を聞き安心する2呼吸)――そっか。朝日岳ではもう何年も人を襲った熊は出てない。 なら、かにこ、安心してまた熊鈴を……って、ん?」 【かにこ】「待って、マスター。なにか、これ……これなんか、聞こえてきてない?」 ;環境音 旭岳蒸気噴煙(うっすらと) 【かにこ】「(2呼吸)──やっぱり聞こえる。シュー、シューって吹き出すみたいな── って! マスター、見て、あれ! 白煙! 噴煙!!?」 【かにこ】「これ、あの音かな? 行ってみるべさ!!!」 ;環境音 F.O。 ;足音 数歩 ;7/左 【かにこ】「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」 ;足音stop ;環境音 蒸気噴煙(ボリューム大)F.I. 【かにこ】「これ──凄っ」 【かにこ】「(絶句して、ただただ噴煙に見入る8呼吸)」 【かにこ】「ジェットエンジンみたいな音……これ、こんなに近くにいて大丈夫……あ、立て看板あるべさ」 ;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「噴気孔──火山ガスが吹き出す孔。 その噴気孔が、ここではたくさん見られる……ふんふん──あ」 ;1/前(マイク向き) 【かにこ】「よかった、マスター。火山ガスはほとんど水蒸気なんだって。 蒸気なら、かにこたちにも馴染みだもんね。ふふっ、マスターの身体に悪いものじゃなくって、よかったぁ」 ;1/前→;3/右 【かにこ】「それにしても……さ、マスター」 【かにこ】「(寄り添いながら見惚れる2呼吸)……自然って、凄いね。 こんな蒸気、C11の罐(かま)で起こそうとおもったら、何十両、何百両がかりになるよ、きっと」 【かにこ】「それがまるで無限みたいに、ずっと、ずーっと吹き出し続ける。この光景を見れただけでも、 この音を聞けただけでも……(2呼吸)」 【かにこ】「かにこ、来てよかったってすっごく思う。世界自然遺産は伊達じゃないって、ほんとに思う」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「ありがと、マスター。かにこを連れてきてくれて。知らない景色を、知らない音を、かにこに感じさせてくれて」 ;3/右 【かにこ】「この調子でさ、他にも音を。自然の音を、いっぱい、一緒に見つけたいべさ!」 ;環境音 F.O, ;//////// ;Track3:線路もないのに蒸気機関車!? 東河町森林公園の水車の音。 ;//////// ;1/前(マイクに背中) 【かにこ】「(聞こえよがしでながーい嘆きのため息)」 ;1/前(振り返り) 【かにこ】「……羽衣(はごろも)の滝……録音しようって張り切ってたのに――かにこ、全然。ぜんっぜん記憶違いしちゃってた」 ;環境音(適当な屋外うっすら)  ;SE とぼとぼ歩くブーツ+アスファルトの足音 +とぼとぼした熊鈴 ;3/右(二人並び) 【かにこ】「いや、だって行ったの昔だったしさ。その頃は録音のことなんてなーんも知らなかったし。 ただただ『おっきくてきれいな滝だなぁ』って」 【かにこ】「したっけ、録音の話が出た時ぱっと真っ先に思いついて。 滝の録音の仕方も、西瓜先生に教えてもらってみんなで工夫してがんばって―― ちゃんと勉強できたのに」 【かにこ】「(深い溜息)――まさか羽衣の滝、上にも下にも全然近寄れない滝だったとか…… 滝見台から眺めるだけの、録音にぜんっぜんまったくこれっぱかしも向いてない滝だったとか……(ため息)」 【かにこ】「かにこ、申し訳なくって情けなくって、泣いちゃいたいような気分さ。 ……太雪山にまつわる音と、羽衣の滝。それで素敵な音紹介が完成するって目論んでたのに」 ;環境音、うっすらと”東川町親水公園_水車の音”を混ぜ 【かにこ】「もう日もほとんど暮れかけてるし、夜になったら、熊が怖くて山とか森とかはいってけないし。 かにこ、いったいどうしたら……(落ち込んで考え込む4呼吸)――ん?」 ;SE 足音熊鈴stop ;3/右(密着囁き) 【かにこ】「しーーーーっ、マスター。これ、なにか聞こえてきてない? すごく、かにこたちに耳馴染みのある……」 ;3/右 【かにこ】「あ、熊鈴しまっとこ。ちりちりなったら邪魔になるしさ――んしょ」 ;環境音 ボリュームアップ ;3/右 【かにこ】「(息を詰めて耳を澄ませる4呼吸)――これ、え? 蒸気機関車走ってるの? なんで? 線路も繋がってないのに――(じっと聞く4呼吸)――ありえない、けど――!」 ;1/前 【かにこ】「マスター! 行こう! 音のするとこ!! 行って、聞いて、確かめてみよー!」 ;環境音 F.O. ;1/前(マイクに背中、うつむき) 【かにこ】「(走ったあとの荒い呼吸→4呼吸かけて落ち着いていく)――っ」 ;環境音 東川町親水公園_水車の音 F.I. ;1/前(マイクに背中、顔上げ) 【かにこ】「これ、この音――こんな音――」 【かにこ】「(じっと耳を傾ける8呼吸)」 ;3/右 【かにこ】「近くで聞いても、蒸気機関車の音に聞こえる。シュッシュッシュッシュッって、蒸気が排出されていく、ブラスト音に」 【かにこ】「(観察する4呼吸)――あー、この水車、回転速度が早いんだべな。でもって、水を受けるマスのひとつひとつもちっさいから……」 【かにこ】「(さらに聞く4呼吸)――ちょっとずつの水が水面に当たる音と、回転そのものの音があわさって、蒸機(じょうき)みたいな音になってる。 多分、そういうことだよね、これ」 【かにこ】「けど、さ。かにこ――(微笑ましげに水車の音を聞く4呼吸)――やっぱり大好きなんだなって思った。鉄道も、蒸気機関車も」 【かにこ】「めちゃくちゃ凹んで落ち込んでてさ、この音が遠くから聞こえてきて。なんかさ、呼ばれてるみたいな気持ちになったもんさ。 あっちにいけば安心できるって、そんな感じで」 【かにこ】「いまも……(微笑まじりの2呼吸)――すっかり立ち直れてるもん。 勘違いして、大失敗して、顔をあげるのも嫌だったのにさ、水車の音が蒸気機関車ぽかったって、ただそれだけのことですっかり」 【かにこ】「あー、いや、違う? 違うべな、うん。ただそれだけのことじゃなかった」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「マスターがさ、かにこを励ましてくれたから。音探し、一緒についてきてくれたから。失敗しても、少しも責めずにかにこを包んでくれたから」 ;1/前 【かにこ】「だからかにこ、うつむいてても素敵な音をまた見つけることできたんだ。マスターの声聞きたくて、耳はちゃあんと澄ませてたから」 ;3/右(密着ささやき) 【かにこ】「いつもありがと。マスター。かにこ、マスターのレイルロオドでほんとによかった」 ;1/前 【かにこ】「(じっと見つめ合う4呼吸)――!? わっ」 【かにこ】「くしゃみ、って、そっか、日が暮れて急に冷えてきたもんね。ここ、東河、やっぱり標高高いんだ」 【かにこ】「したっけマスター、お宿に向かお? 温泉はいって、身体あっためて――そしたら……うふふっ」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「かにこ、いいこと思いついてるんだ。だからちょこっと、期待しててくれてもいーよ」 ;1/前 【かにこ】「そうと決まれば善は急げ! いこ、マスター」 ;9/前遠 【かにこ】「ぼやぼやしてたら、かにこだけ先にいっちゃうよー!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4:熊鈴ちりちり響かせながらの耳たぶ揉みから、竹耳かき+綿梵天の正統耳かきでの右耳掃除 ;//////// ;1/前 【かにこ】「いいお湯だったー。かにこ、すっかり茹でかにこになっちゃったっしょ」 ;環境音 旅館(室内空調) F.I. ;3/右(ベッドの上に並んで座る) 【かにこ】「マスターもぽかぽかになってるねー。お顔も赤くて……(微笑)――これなら湯冷めの心配なしに、耳かきタイム楽しめるべさ」 【かにこ】「耳かきはさ、今回普通の竹耳かきに綿梵天のやつなんだけど、かにこ、いいこと思いついてて~――って、その顔! マスターにはもうバレちゃってる? (微笑)」 【かにこ】「ま、バレてても気にしないけど~」 ;SE 熊鈴、右耳元でちりん 【かにこ】「(楽しげな1呼吸)」 【かにこ】「熊鈴。結構いい音だから、耳かきのお供にもなるかなーって」 【かにこ】「かにこ、浴衣の帯に……(2呼吸)――んしょっ、くっつけながら耳かきする…… っていうかマスター、実は結構疲れてるべな?」 【かにこ】「目、なんか重そう。っていうか眠そう。 疲労回復……んー、あ、そだ。かにこ、耳たぶ揉んだげる」 【かにこ】「耳たぶもんで、そのまま耳かきにいくからさ。 マスターは目を閉じてリラックスして、疲れを癒やしてくれればいいさ」 ;3/右(密着ささやき) 【かにこ】「したっけ、いくよー。かにこの指で、最初は耳たぶと耳の全部をほぐしていくねー」 ;SE 耳マッサージ+熊鈴 ;3/右(近い) 【かにこ】「んっ――あ、耳たぶ――(2呼吸)――マスター、ほんと疲れてるんだね――(2呼吸)――結構ひんやり――(2呼吸)――指に、つめたい――(2呼吸)」 【かにこ】「したっけ血行――(2呼吸)――よくするために――(2呼吸)――指で耳たぶ――(2呼吸)――つぶす感じで――(2呼吸)」 【かにこ】「ぎゅっぎゅっ――(2呼吸)――もみもみ――(2呼吸)――ぎゅっぎゅ――(2呼吸)――もみもみ――(2呼吸)」 【かにこ】「(揉みほぐしていく8呼吸)」 【かにこ】「したっけ今度は――(2呼吸)――上に、あがって――(2呼吸)――耳の形に――(2呼吸)――沿うように――(2呼吸)」 【かにこ】「もんで、ほぐして――(2呼吸)――ほぐして、もんで――(2呼吸)――耳全体を――(2呼吸)――ぐるうりと――(2呼吸)」 【かにこ】「(もみほぐしていく8呼吸)――で」 ;SE stop ;3/右 (密着ささやき) 【かにこ】「お耳の穴に指いれて、塞いで指圧するからさ。ちょっとだけ聞こえづらくなるけど、我慢しててね?」 【かにこ】「したっけ、いくよ」 ;エフェクト 右耳穴塞ぎ → ”はい”で開放 ;3/右 【かにこ】「ぎゅーーーーーーー。で、いち、にい、さん、し、ごお、ろく、なな、はち、きゅう――はいっ」 【かにこ】「(微笑)――いい感じ。マスターのお耳、だいぶんぽかぽかしてきたね」 ;3/右(密着ささやき) 【かにこ】「したっけ、このまま耳かきいくよー。最初は浅いところから。(ふーーーーーーーー)」 ;SE 熊鈴耳かき(浅)・継続 ;3/右(近い) 【かにこ】「(集中して耳かきをする8呼吸)」 【かにこ】「熊鈴かろころ――(2呼吸)――ちいさく鳴って――(2呼吸)――かにこ的には――(2呼吸)――心地、いいけど――(2呼吸)」 【かにこ】「マスターは、どう?――(2呼吸)――邪魔な、ようなら――(2呼吸)――(微笑)――(2呼吸)――なら、だね。このまま――(2呼吸)」 【かにこ】「鈴の、振動――(2呼吸)――空気、だけじゃなく――(2呼吸)――かにこの身体、伝ってさ――(2呼吸)――手から、耳かきにも、伝って――(2呼吸)」 【かにこ】「耳かきからも、ちょっとはさ――(2呼吸)――マスターの鼓膜――(2呼吸)――揺らしてる、かも――(2呼吸)――知れん、べさ――(2呼吸)」 【かにこ】「そしたら、それって――(2呼吸)――変則の、んと……(2呼吸)――ステレオ? ユニゾン? みたいになって――(2呼吸)――普段より、もっと、響いてるかも――(2呼吸)」 【かにこ】「響きが、うるささに――(2呼吸)――なっちゃってたら――(2呼吸)――いけんべさって、思ってたけど――(2呼吸)――いい塩梅なら、かにこも、嬉しい――(2呼吸)」 【かにこ】「(上機嫌に浅いところをしあげていく8呼吸)――っと」 ;SE stop ;3/右(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふっ、ふっ、ふーーーーーーーー)」 ;3/右(いろんな角度から覗き込む) 【かにこ】「んーーーーーっと~~(2呼吸)――うん。浅いところはこれでいいっしょ。こまっちいのは最後に梵天でまとめちゃうから、今はこのまま、深いところをやっちゃうさ」 ;3/右(接近囁き) 【かにこ】「ってかさ、マスター。たくさん歩いて疲れてるでしょ。眠たくなったらかにこを枕に、このまま寝ちゃっていいからね?」 ;3/右(近い) 【かにこ】「したっけ、深いとこやってくよー」 ;SE 熊鈴耳かき(深・継続) 【かにこ】「今日の、マスターの――(2呼吸)――お耳は、さ――(2呼吸)――太雪山の、空気と、水に――(2呼吸)――たくさん、触れた、おかげなのかな?(2呼吸)」 【かにこ】「お耳の、汚れ――(2呼吸)――普段より、なんか――(2呼吸)――乾燥、してて――(2呼吸)――取りやすく、なってる感じ、する――(2呼吸)」 【かにこ】「したっけ……ん――(集中して耳かきする8呼吸)――」 【かにこ】「したっけ、さ――(2呼吸)――いまの、みたいな――(2呼吸)――普段、だったら――(2呼吸)――剥がす、のに――(2呼吸)」 【かにこ】「えいえい、うんうん――(2呼吸)――苦労、して――(2呼吸)――ひょっとしたなら、マスターに――(2呼吸)――『痛い』って言わせちゃう、くらいのさ――(2呼吸)」 【かにこ】「こびりついてる、おっきな汚れも――(2呼吸)――フチから、かりこり――(2呼吸)――やるだけ、で――(2呼吸)――こんな、感じに――(2呼吸)」 【かにこ】「ん……(集中作業の4呼吸)――あ、ほら、とれたべさ――(2呼吸)――んふふっ――(2呼吸)」 【かにこ】「あとは、っと――(2呼吸)――どうだろ……(2呼吸)――これも、いけ、る?――(2呼吸)――ん――(2呼吸)」 【かにこ】「いけそう……(2呼吸)――もちょっと――(2呼吸)――あ……あっ――(2呼吸)――んんんん~~んっ――(安堵の一息)」 ;SE stop 【かにこ】「(ふーーーーーーーーっっ)(ふーーーーーーー)」 【かにこ】「深いところも取れたべさ。って思うけど~――」 ;3/右(色んな角度から覗き込む) 【かにこ】「おもうんだけ、ど……(2呼吸)――うん、オッケー。かなり綺麗に取れてる取れてる」 ;3/右(密着ささやき) 【かにこ】「そしたらあとは仕上げだね~。ふかふかふわふわ綿梵天と、ちりちりかろころ、熊鈴と」 ;3/右 【かにこ】「やさしくしあげてあげるからさ。マスターは、なーんも考えないで、お耳だけに集中しててね?」 【かにこ】「したっけ、いくよー」 ;SE 梵天耳掃除+熊鈴 【かにこ】「ん……(リラックスして作業する8呼吸)」 【かにこ】「くすぐったい? 結構平気?――(2呼吸)――平気、だったら――(2呼吸)――こまっちいとこ――(2呼吸)――じっくりこしょこしょ、掃除してくね――(2呼吸)」 【かにこ】「基本、全体――(2呼吸)――目立ってるのは――(2呼吸)――根こそぎお掃除――(2呼吸)――できてるから、さ――(2呼吸)」 【かにこ】「チリみたいのを――(2呼吸)――ぬぐう……じゃないか――(2呼吸)――かるぅく掃いて――(2呼吸)――掃きだし、ながら――(2呼吸)」 【かにこ】「たまってるとこは――(2呼吸)――くる、くる、くるって――(2呼吸)――まあるく軽く――(2呼吸)――こしゅこしゅ、やって――(2呼吸)」 【かにこ】「(集中して仕上げきる8呼吸)――んしょっ。こんなもんかな?」 ;SE stop ;3/右(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふーーーーーーーっ)(ふっ、ふっ)」 ;3/右(いろんな角度から) 【かにこ】「仕上がり具合は~~~~? うん、上出来」 ;3/右(密着囁き) 【かにこ】「マスターの耳、ぽーって赤くてぴかぴか綺麗で。まるで赤ちゃんのお耳みたい」 ;3/右 【かにこ】「ふふっ、したっけ。今度は反対側ね? かにこ、『ぐるーん』っていうからさ、今度は左のお耳をかにこに、ぐるんて向けて?」 【かにこ】「いーかい? いくよー? さん、にい、いち」 ;3/右→;1/前→;7/左 【かにこ】「『ぐるうううううううううううううううううううううううううん』」 ;環境音 F.O, ;//////// ;Track5:熊鈴ちりちり響かせながらの耳たぶ揉みから、竹耳かき+綿梵天の正統耳かきでの左耳掃除 ;//////// ;7/左(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 ;環境音 旅館(室内空調) F.I. ;SE 左耳さわさわ ;7/左(近い) 【かにこ】「あー、こっちは最初からぽかぽかしてる。血行、良くなってきてる感じ」 【かにこ】「けどさ、かたっぽだけマッサージするのも不公平だし。こっちもかるぅく揉んでから、流れで耳かきはいっていくね」 ;7/左(密着ささやき) 【かにこ】「眠たくなったら寝ていいからさ。力をぬいて、リラックスして……」 ;SE 耳マッサージ+熊鈴 ;7/左(近い) 【かにこ】「(無言で優しくマッサージする8呼吸)」 【かにこ】「かにこ、さ、マスターの――(2呼吸)――耳たぶの、指ざわりって――(2呼吸)――なんか、結構――(2呼吸)――かなり、好きな感じかも――(2呼吸)」 【かにこ】「耳たぶ、っていうか――(2呼吸)――軟骨? のとこ?――(2呼吸)――そこをこうして――(2呼吸)――もみこんでると――(2呼吸)」 【かにこ】「なんかていうか、さ――(2呼吸)――こんなに、ふにふにで――(2呼吸)――弱そうな、とこ――(2呼吸)――信じて、任せてもらえてるの、さ――(2呼吸)」 【かにこ】「これ、多分――(2呼吸)――かにこ、嬉しいんだね――(2呼吸)――嬉しくって、誇らしくって――(2呼吸)――したっけ、指も――(2呼吸)」 【かにこ】「(はにかんでもみほぐしていく8呼吸)」 【かにこ】「指もさ、嬉しい気持ちになって――(2呼吸)――もみもみ、さわさわ――(2呼吸)――気持ちいいな、幸せだなって――(2呼吸)――感じ、するんだ。きっとね。多分」 ;SE stop ;7/左 (密着ささやき) 【かにこ】「こっちのお耳も、ちょっと塞ぐ。じっとしていて、動かないでね」 【かにこ】「ん――」 ;エフェクト 左穴塞ぎ → ”はい”で開放 ;3/右 【かにこ】「こっちもぎゅっと――。いち、にい、さん、し、ごお、ろく、なな、はち、きゅう――はいっ」 【かにこ】「(安堵の息)――したっけ、耳かきこのままいくね」 ;7/左(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)」 ;SE 熊鈴耳かき(浅)・継続 ;7/左(近い) 【かにこ】「(集中して耳かきをする8呼吸)」 【かにこ】「今日、さ――(2呼吸)――歩いてみて、音探しして――(2呼吸)――かにこ、なんだか思ったんだ――(2呼吸)――北開道、いまさらだけどさ――(2呼吸)」 【かにこ】「広い。ほんとに広いって――(2呼吸)――なんか、あらためてすごく感じて――(2呼吸)――したっけ、かにこ――(2呼吸)――マスターが、さ――(2呼吸)」 【かにこ】「マスターが、もし――(2呼吸)――かにこの隣に、いなかったらさ――(2呼吸)――どんなに寂して、こころぼそくて――(2呼吸)――頼りないかって、おもったの――(2呼吸)」 【かにこ】「マスタがもし、いなくてさ――(2呼吸)――かにこ、ひとりぼっちだったら――(2呼吸)――音探し、どころじゃなくて――(2呼吸)――乗務もきっと、できないなって――(2呼吸)」 【かにこ】「ん……(言葉を探しつつ丁寧に耳かきをする8呼吸)」 【かにこ】「かにこさ、北鉄――(2呼吸)――北の、鉄路さ、大好きなのは――(2呼吸)――名前のことで、からかわれたり――(2呼吸)――結構、あって、それでも好きなの――(2呼吸)」 【かにこ】「それは、結局――(2呼吸)――いやな時間より――(2呼吸)――楽しい時間が――(2呼吸)――多いから――(2呼吸)」 ;SE stop ;7/左 (密着囁き) 【かにこ】「マスターがかにこに、たくさんたくさん楽しい時間くれたから。そのおかげだって思うんだ」 ;7/左(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふーーーーーっ、ふっ)」 ;7/左 【かにこ】「(はにかむ一息)――浅いところはこれでいいべさ。したっけ、深いとこやってくよ」 ;SE 熊鈴耳かき(深・継続) 【かにこ】「ん……(てれの交じる作業の8呼吸)」 【かにこ】「だから、ええと――(2呼吸)――かにこが、なにを言いたいかって――(2呼吸)――いったら、さ――(2呼吸)――楽しさなんだよ――(2呼吸)」 【かにこ】「音探しして。、いい音、いい場所――(2呼吸)――紹介してさ――(2呼吸)――それで、現地に行こうって――(2呼吸)――そうなる人も、いるかもだけど――(2呼吸)」 【かにこ】「いい音だから――(2呼吸)――行こうって――(2呼吸)――かにこはそれは――(2呼吸)――きっと思わない感覚なんだ――(2呼吸)」 【かにこ】「だから、かにこが――(2呼吸)――例えば、九洲、行きたいってさ――(2呼吸)――思う動機に、なるのはさ――(2呼吸)――音そのものの、魅力だけじゃなく――(2呼吸)」 【かにこ】「いったらすごく楽しそうって――(2呼吸)――そういう、わくわくが伝わってきて――(2呼吸)――楽しい時間を、きっと過ごせる――(2呼吸)――そう思うことが、必要で――(2呼吸)」 【かにこ】「だから、かにこ――(2呼吸)――そう考えたら……(じっと考え込んで作業する6呼吸)」 ;SE stop ;7/左(密着ささやき) 【かにこ】「いままで全部音探し。方向性が間違ってたんじゃないかなって――急に思って、それで怖くて――」 【かにこ】「(不安そうな4呼吸)――あ」 【かにこ】「(話を聞いて安心していく4呼吸)――あ、だね。うん。かにこ自身は楽しかったさ。だって、ずっとマスターと一緒だったから――!」 【かにこ】「楽しい気持ちは、だからきっと、音の中にもこもってる――。えへへっ、ありがと、マスター。そういわれたら、かにこ、一気に安心できたさ」 ;7/左(密着ささやき) 【かにこ】「ありがと、マスター。不安なかにこを、いっつもぎゅーって支えてくれて」 ;7/左 【かにこ】「(微笑)――したっけ、ええと。仕上げちゃおう! お耳、このまま綿梵天で」 ;7/左(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)」 ;SE 梵天耳掃除+熊鈴 【かにこ】「ふふっ……(安心しきって作業する8呼吸)」 【かにこ】「ってか、ん――(2呼吸)――かにこも結構――(2呼吸)――今日、つかれたかも――(2呼吸)――だってさ、移動――(2呼吸)」 【かにこ】「たくさん歩いて――(2呼吸)――ロープウェイとかも乗ったしさ――(2呼吸)――東河って広い町――(2呼吸)――結構、あちこちぐるぐるしてさ――(2呼吸)」 【かにこ】「はじめてのこと、経験したし――(2呼吸)――こころも、身体も、たくさん動いて――(2呼吸)――そりゃ、疲れるよね――(2呼吸)――マスターも、かにこも、体力的に――(2呼吸)」 【かにこ】「きもちはすごく、しあわせで――(2呼吸)――このままずうっと、話してたい、けど――(2呼吸)――かにこ、結構――(2呼吸)――今の、時点で――(2呼吸)」 【かにこ】「ん~~(眠気を堪えつつ仕上げきる8呼吸)――っと、はい、できた。多分完成」 ;SE stop ;7/左(密着吹きかけ) 【かにこ】「(ふっ)(ふーーーーーーーーーーーー)」 ;7/左(いろんな角度から) 【かにこ】「できてる……よね……よ……ね? ――うん、はい、綺麗!」 ;7/左(密着囁き) 【かにこ】「これでお耳掃除はおしま……い……あ……ふ……ぁ――(大あくび)――あうっ」 ;7/左 【かにこ】「ごめん、耳元で大あくびとか――って……あ……ぁ――(微笑)」 ;7/左(密着ささやき) 【かにこ】「だよね、マスターも眠いよねぇ」 ;7/左 【かにこ】「したっけさ。このままふたり、横になっちゃお。あったか布団に、もぐっちゃお?」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track6:かにことのんびりあったか布団でゆったり添い寝 ;//////// ;以降、安眠誘導。ベッドの中の、静かな会話といったトーンでお願いします ;7/左(添い寝) 【かにこ】「あったかー……やすらぐー」 【かにこ】「かにこさ、マスターの匂いって好き。なんか、包まれてる感じがしてさ――(すんすんと匂いを嗅ぐ)――それだけで安心できるんだー」 【かにこ】「かにこはレイルロオドだから、匂いとか無いって思うけど……(話を聞く2呼吸)――あ、うん。それは染み付いてるねー、絶対に」 【かにこ】「煙の匂い。蒸気機関車レイルロオドだもんね、かにこ。ずーっとずーっと、いままで続けて走ってきた。走ってこれたんだからさー」 【かにこ】「(幸せそうな4呼吸)――長かったような気もするし、あっという間だった気もするなー」 【かにこ】「SLコロポックル号、SL冬の氷原号。いろんな観光列車もひかせてもらったけどさ、かにこは――うん」 【かにこ】「かにこはやっぱり、生活列車がにぎわってたころが一番走れてた気がするな。 札歩路(さっぽろ)に行商にいくおばあちゃんたちとかわんさか乗せてさ、雪の中、前照灯をふたつとも煌々と輝かせて」 【かにこ】「雪はさ、怖いよね。車両も線路もガンガンに傷ませちゃうし、空転も誘発するし、ポイントを固めちゃうし。ほんと、なーーーーんもいいことない」 【かにこ】「けど……綺麗なんだよねぇ、雪。地平線が見えそうなひろーーーい一面、全部が真っ白に埋もれてさ」 【かにこ】「夏には牧草ロールがあって、牛がのんびり草を食んでて。そういうのがぜぇんぶ夢だったみたいに、真っ白な雪に塗りつぶされて」 【かにこ】「(幸せなため息)……あったかそうに見えるんだよねぇ、雪のおふとん。 蒸気機関車の運転台なんてさ、ストーブがんがんに炊いているのとかわらないもの。 その中からさ、横目で見てると、白い悪魔なんて思えなくなる」 【かにこ】「吹雪けばもちろん、悪魔だって思い知らされるけど。 旋回窓、ほとんど役にたたなくなるしね。視界ゼロでの運転は、ほんとに怖くてひやひやさ」 【かにこ】「でも……(長く暖かな一息)」 【かにこ】「それでもさ、好きなんだよね。北開道。マスターと、ずっと走ってる土地だもの。 これからも、できるだけ長く走りたいって――かにこ、やっぱり思うべさ」 【かにこ】「かにこみたいなどうってことないレイルロオドにできること。ほんとにちょっとで…… もしかしたなら、なーんの役にもたてないのかもしれないけどさ」 【かにこ】「それでもやらずにいられないんだ。今のままだと北鉄さ、滅びちゃうかもしれんもの。 滅びさせたくなんて、ないもの」 【かにこ】「おっきな雪崩のきっかけだって、ほんの小さな雪玉だったりするんでしょ? だったらかにこは、雪玉いくつも作ってさ、どんどん転がし続けたいんだ」 【かにこ】「レヱルロオドサミットに参加するのも、蓄音レヱルで音探しするのも、おなじこと。 かにこがつくったきっかけが、誰かの、どこかの、なにかに響いて―― それで少しは北鉄のこと、知ってくれたら、助けてくれたら、嬉しいなって思うから」 【かにこ】「ほんとに小さな雪玉でもさ。いくつもつくって転がしてたら。 手がしばれてさ、きぃんて痛くなってくるよね。 いくつも作って転がして、ずっとなぁんにも起きなかったら、虚しい気持ちになってくるよね」 【かにこ】「それでもかにこが――雪玉どんどんころがせるのは」 ;7/左(密着ささやき) 【かにこ】「マスターがいてくれるから。しばれた手の平ぎゅって包んで、あっためなおしてくれるから。 雪玉ころがしてなーんもなくても、次の工夫を、一緒に考えてくれるから」 ;7/左(添い寝) 【かにこ】「だからかにこは今度はさ。マスターの役に立ちたいなぁって思ってる。 お仕事一緒にするののほかに、なんかさ、マスターのプライベートのお手伝いとか」 【かにこ】「そのくらいしか、かにこにできる恩返しってないしさぁ。 ってか、恩返しになるのかな、これ。逆にかえって迷惑だとか……」 【かにこ】「(話を聞いて→安堵していく3呼吸)――そか、ならよかったぁ」 【かにこ】「じゃあさ。今度、おやすみあうとき、手伝うさ。 荷物運びでも大掃除でも、なんかかにこにできそうなこと」 【かにこ】「(微笑)――いますぐ決めなくったっていいべさ。 そのときにさぁ、なにか手伝えそうなことがあるなら手伝うし。 とくになーんもなければさ、先延ばしでも全然いいし」 【かにこ】「かにこ、これからも頑張るからさ。 頑張る分だけ、マスターにきっと頼るから…… 恩返し、いくらしたって、返しきれない気もするし」 【かにこ】「……(幸せな4呼吸)――だね、ふふ。 機能停止のそのときまで。一生かかって、返し続けるのも素敵だねぇ」 【かにこ】「したっけかにこ、そうしちゃおうかな。 マスターとずっと、ずっとずうっと、お互い助け合ってくの」 ;このへんから眠たさが全面にでてきちゃう感じでお願いします。 【かにこ】「しあわせだよね。それって絶対。 しあわせすぎて、あったか、すぎ……て――」 【かにこ】「(大あくび)」 【かにこ】「ふぁ……かにこ、ちょっと満足しちゃったのかも。 なんだかどーって、安心しちゃって、ねむたくなって……ああ、もう眠たくって仕方ないべさ」 【かにこ】「(ねむねむの4呼吸)――だね。明日も話せるし。 今日はこのままお口にチャックで、ぐっすりしずかにねむっちゃおう」 ;7/左(密着ささやき) 【かにこ】「おやすみなさい、かにこのマスター。かにこの一番大好きな、かにこだけの、大事なマスター」 ;7/左(添い寝) 【かにこ】「明日もかにこ、がんばるからさ。 きっと隣に……かにこの……とな、り、に――ん……」 【かにこ】「(ニュアンス多めの、入眠の8呼吸)」 【かにこ】「(ニュアンスじわじわへってくる、入眠の8呼吸)」 【かにこ】「(浅い眠りの8呼吸)」 【かにこ】「(浅い眠りの8呼吸)」 【かにこ】「(熟睡し始める8呼吸)」 【かにこ】「(熟睡してる、規則正しい8呼吸) ;次がループトラックのため、環境音なりっぱなし。 ;//////// ;Tr7 寝息ループ(おまけパート。寝息ループ) ;//////// ;環境音、なりっぱなし(ループトラック) ;3/右(密着) 【かにこ】「(安心しきって熟睡している深い寝息 16呼吸)」 【かにこ】「(安心しきって熟睡している深い寝息 16呼吸)」 【かにこ】「(安心しきって熟睡している深い寝息 16呼吸)」 【かにこ】「(安心しきって熟睡している深い寝息 16呼吸)」 ;//////// ;Tr8 田中理恵様テーマトーク ;//////// ;以下のセリフは単なるガイドです。ご随意にご変更いただき、田中理恵さんのトークをいただけましたらと願います ;マイク位置も自由で大丈夫です。好きに動くなり近づくなり遠ざかるなりなさっていただけましたら幸いです 【田中】「はじめましての方も、また会いましての方もこんばんわ。『蓄音レヱル』、かにこちゃん役の声優、田中理恵です」 【田中】「このコーナー、コンテンツ最後のおまけトラックは、かにこちゃんに代わって、わたし、田中理恵が担当させてもらいます」 【田中】「内容的には、テーマトークのコーナーですね。皆様からお預かりしたテーマにそって、自由にしゃべって自由に終わっていいというやつです」 【田中】「じゃ、早速お預かりしてるトークテーマを読んでみましょう……どれがいいかな――それじゃあ、これで」 【田中】「テーマをお寄せくださったのは『アッツ』さん。北海道にお住まい――って、アッツさんも北海道なんですか! 嬉しい。どのへんなのかな? 広いですからね、北海道は」 【田中】「じゃなくて、トークテーマですね。読みます。 『最高級の食材を一食分だけ味わえます。どんな最高級食材を味わってみたいですか?肉?魚?野菜?果物?穀物?』 【田中】「食材。なるほど~、どんな食材を味わいたいか……ってことなら、その食材をどんな料理にしあげたいか、しあげてほしいか、みたいなとこまで考えてみなくちゃですね」 【田中】「(以下、テーマトークお願いします)」 【田中】「……って感じですかね。 アッツさん、おたより、ありがとうございました」 【田中】「話してたらお腹空いてきちゃいましたから、この辺でコーナー締めますね。ラストトラックの最後まで聞いてくださり、本当にありがとうございます」 【田中】「それじゃあ、あらためておやすみなさい。夢の途中で聞いてた方も、起きて聞いてくれてた方も、どうぞ素敵で、優しい夢を」 【田中】「そうしてきっと、次の夜にも、次の駅でもお会いしましょう」 【田中】「明日の朝へ――『出発! 進行』」 ;おしまい