05.復讐 お兄さん…? 何してるんですか…? あ…それ、私の…! 何でお兄さんが持ってるんです…? まさか、勝手に持ち出して…。 作業台の上に…? ん…そういえば確か昨日そこで…。 …はぁ。 私としたことが置き忘れるなんて…。 ……。 その…読みましたか…? 私の日記…。 そうですか…。 それじゃあ、いい加減思い出したんじゃないですか…? …兄さん。 やっと思い出したって…遅いですよ、ばか…。 ここまで私がどれだけ苦労したか…分かってるんですか? 兄さんが勝手に私を置いて死んじゃったりするから、 私は死霊術なんてものを学んでまで… 兄さんを蘇らせるために、頑張ったんですよ…? ずっと一人で…。 ん…今更、気安く話しかけないでください。 忘れましたか? 私はご主人様…兄さんは私の僕なんですよ? 記憶を多少取り戻したからといって…調子に乗らないでください。 それに…散々私に無様な姿を見せてきましたよね? 記憶を失っていたとはいえ、実の妹に搾精管理されてきたこと… 精々、思い出しながら罪悪感で爆発するといいです。 …あと一応、言っておきますけど。 別に寂しくて兄さんを蘇らせた訳じゃ、ありませんから。 これは…復讐です。 私を置いて、勝手に死んだ罪… その身で償ってもらわないと、私の気が済みませんので。 ふふ…もしかして、驚きました? 自分の妹が、こんなにも執念深い女で。 は…?「昔は可愛かったのに」とか、ふざけてんですか? そりゃ…兄さんが最後に見た私は、背もこんなに小さかったでしょうが…。 まぁ、それもあって… 私のことを思い出してくれるかは、少し不安でしたけど…。 でも、その辺りはやっぱり兄妹ということなのでしょうね…。 忌々しいですが…。 ん…とにかく…。 何であれ、兄さんは私に絶対服従です。 ですから…引き続き、私がしっかり管理していきます。 もう勝手に死んだりしないよう…徹底的に。 私の復讐は、まだまだ続くんですから…。 改めて、覚悟…してくださいね。 兄さん…。