====================== 作品名:被験者A 性感実験 3 ■作品説明 この音声ファイルは、ルナリア性科学研究所で実施された被験者Aの性感実験課題に使用されたものです。 音に対しての感じ方や反応について調査するため、心理音響学の研究に基づき作成された音声が9分間再生されます。 特定の周波数は脳波と同期し、リラクゼーションや集中力向上、さらには特定の感覚を引き起こすことが示唆されています。 この音声は、被験者の心的状態や感覚への影響を調査するためのものであり、リスナーもその効果を体感することができます。 研究目的での使用を前提としているため、再生時は安全な環境で、リラックスしてご体験ください。 ■注意事項 ・長時間の再生は鼓膜に負担をかける可能性があります。適切な音量で短時間聴取することをおすすめします。 ・めまいを起こしたことがある方、妊娠中の方は再生をお控えください。 ・再生中、耳や頭に痛みや不快感を感じた場合は、すぐに再生を中止してください。 ・イヤホンの種類や音の感じ方には個人差があるため、必ずしも全ての人に同じような効果があるわけではありません。 ・本音声を使用したことによるいかなるトラブルや損害に対しても、責任を負いかねます。個人の責任において行ってください。 ■おまけ:被験者Aの心情 ーー暖色の照明が照らす待合室。壁には色とりどりの抽象画が飾られ、ソファはそれ相応の価値を感じる座り心地だった。 テーブルには、「被験者たちの手記」と記された冊子が置かれていた。表紙には「待ち時間にお読みください」とラベルが貼られている。せっかくなので、さっそく読み始めることにした。 ***************************** 【ルナリア性科学研究所の存在意義】 ルナリア性科学研究所は、人間の感覚と感情の複雑な交錯を探求するために設立された研究所です。ここでは、性的な知的好奇心というテーマに特に焦点を当て、その探求はしばしばタブーとされる領域に踏み込んでいます。私たちは、性的感覚が単なる肉体的衝動ではなく、深い知的探求の一環であると考えています。 当研究所では、性科学における革新的なアプローチとして、研究員同士の交配や遺伝子実験を通じた研究も行っています。これらの実験は、性的特性や遺伝的要素が人間の性的行動や好奇心にどのように影響するかを解明することを目的とし、性に関する科学的知見の深化と未知の領域の探索を期待させます。 さらに、当研究所は性科学に興味を持つ次世代の科学者や研究者の育成にも力を入れています。この分野での革新的な研究には多様なバックグラウンドを持つ人材が必要であり、それを奨励しています。教育プログラムを通じて、性の生物学的、心理学的、社会学的側面を包括的に理解するための深い知識と実践的なスキルを提供しています。 当研究所の目標は、性科学分野において、大胆な実験的アプローチと厳密な科学的手法を組み合わせ、性に関する新たな理解を生み出し、社会に大きな影響を与えることを目指しています。最終的には、この研究所から輩出される人材が性科学の分野における新たな潮流を作り出し、より豊かで多様な性の理解に貢献することを望んでいます。 ***************************** 所長の言葉として記された文章を読み終えたところで、「こんにちは」と声をかけられた。 視線を手記から声の主の方に向けると、一人の研究員が私の前に立っていた。私は立ち上がり、はじめましてと、お互いに名乗った。 「本日は実験にご協力いただき、ありがとうございます」 「今日は…よろしくお願いします」 緊張で声が小さくなってしまった。 彼は若く、眼鏡をかけた知的な雰囲気を持っていた。壁に響くような少し高めの声が、彼の年齢を感じさせる。 「これから、実験の流れを説明しますね。お掛けいただいても大丈夫ですよ」 彼は向かいのソファに腰掛け、今回の実験について説明をはじめた。 (……研究員さんの名前、なんだっけ) いつもかかる自己嫌悪で、研究員さんの声がどんどん遠くなっていく。 人の名前を覚えるのは、いつも苦手だ。 ★ 実験内容の説明が終わると、すぐさま実験室へと案内された。思ったよりも小さな部屋だ。部屋の中央にはオフィスチェアが一つ、周囲にはさまざまな機器が配置されていた。パソコンのファンの音がいくつか重なって聞こえる。 今回の実験は音に対しての感じ方や反応について調べるらしいが、なんとも言えない不安とほんの少しの興味が混じり合った複雑な感情に、胸はどんどん苦しくなる。 「……ふぅ」 胸の底に溜まった息を吐いたところで、椅子に腰掛けるよう研究員さんに案内された。 ギシッ…… 体重がかかる音が、オフィスチェアから鳴った。 「ヘッドホンをしたら、始めましょうか」 はい、と返事をして、手渡されたヘッドホンを装着した。実験は照明を消して行われるそうで、少し身構えてしまう。 「……よし、実験を開始します。電気を消しますね」 ヘッドホン越しに研究員さんの指示を聞きながら、わかるように頷く。 まぶたをギュッと閉じるように、電気が消えた。 ★ 真っ暗闇の中、最初に流れたのはヒーリング音楽だった。その穏やかなメロディに身を委ねようとしたところ、突然音楽が止まってしまった。 そうこうしないうちに、ビリビリと耳に突き刺さるような電気音が響き渡る。反射的に体が硬直し、心臓が跳ね上がった。不意を突かれた心は、次の出来事に対する予測不能な恐怖を生成させる。 いつまで続くのだろうと思いかけたとき、電気音が止んだ。再びヒーリング音楽が流れるが、もはやそれは心を落ち着かせるどころか、不安を煽るものに変わっていた。 次に何が起こるのかという恐怖が募り、脈打つ感情が体を支配する。真っ暗な部屋での不安が増幅して、ヘッドホンを取り外したい衝動に駆られた。 この音楽はいつまで続くのだろう。10分?1時間?それとも……ぶくぶくと泡立つあの水音のように、思考に溺れそうだ。 そうして…………プツッ、と音楽が消えた。 無音のあと、再び電気の音が弾ける。何が起こるのか、どうなるのか。本当に音だけなのか。 ふくらはぎの血が滞った気がして身体をよじると、オフィスチェアは軋む音を立てたのか、お尻あたりが細かく振動した。 「…………………」 電気音はさっきと同じ間隔だろうか、すぐに止まった。少しの無音のあと、男性が英語を話す声が流れてきた。左耳で流れる英語からは「パ」「ヘ」「ホ」のような種類の息遣いがくすぐったいような感覚になり、背筋がゾクゾク波打ってしまう。 だんだん音がおかしくなってきて、同じ音が高速で連続したり左耳を耳かきされるような音まで流れてきた。 (なんか…呼吸が変な感じ……) 「…ッ、ハァ……ッ…」 本当は実験を中断することもできる。でも、研究とはそういうものだから。私だって、確かめたいことがあるんだ。だから、そのためには……。 「……んッ」 こらえきれず、声が少し漏れてしまった。 しばらくその音に責められてしまう私の耳に、今度はささやく女の子の声が聞こえてきた。私と同じような声質で恥ずかしい言葉をささやいているのだが、話している言葉はなんとも機械的だ。こんな形の言葉で気持ちよくなるのが本当に信じられないが、自分をぞんざいに扱われる感じがたまらなくなって、秘部全体に羞恥と興奮がいきわたってしまう。クリトリスの根本がジンジンと張り詰めて、触りたくてしかたがない。 自分の感情が、こんなぐちゃぐちゃな言葉たちに乱されるなんて……恥ずかしさから唇を噛みしめて、顔がのぼせそうになる。 目と膣口をギュッと閉じて、ひそかな快感に腹筋がブルブルと震えてしまっていた。 ★ 「……実験終了です。電気をつけますね」 ヘッドホンを外した瞬間、明かりの強さに目が眩んだ。 椅子から立ち上がって一歩進んだ瞬間、目が回ったような感覚になって、床に手をついてしまう。 「大丈夫ですか!?」 研究員さんが駆け寄る。その声は心配と驚きを孕んでいた。 「っ……痛っ……」 身体に力が入らずうまく立ち上がれない。研究員さんは私の目線の高さと同じくらいの中腰になったとき、研究員さんのワイシャツからお日様の匂いの風が起こった。懐かしいような、暖かい香りが鼻をくすぐる。 「……ごめんなさい、よろけちゃいました」 本当は気持ちよくなっていたことを隠すしかなくて、私は恥ずかしさの力だけで立ち上がった。 私はあらゆる事実をかき消すようにして「音声、ちょっと変な感じで面白かったです!」と、大袈裟に取り繕った。 「あはは、実はあの音声、僕が作ったんですよ」 息が詰まりそうだった。まさか研究員さんが作った音声に、私は気持ちよくされてしまったなんて……。 「そ、そうなんですね! なんか眠っちゃいそうでした!少しビリビリしたけど……」 (これも分析されてるのかな……恥ずかしい……早く部屋から出なきゃ) そんな気持ちをひた隠しにしてヘッドホンを研究員さんに手渡すと、指先が研究員さんの手のひらに触れてしまった。 (ーーーー!?) その瞬間、ビリビリビリッと電気が走ったように、クリトリス周辺がカァッと熱くなった。 指先からそこに伝わったのは、私が“いやらしいこと”をしたときに起こる快感だった。 (なにか言わなきゃ、なにか言わなきゃ!) 「……実験、楽しかったです!ありがとうございました!」 とにかく言葉を繋いで平気なフリをするしかないのに、さっきの音に影響されてか「どうしたらいい」の連鎖が脳内にあふれて止まらない。 「先日行った実験の“記憶の操作”とはまた違った、新鮮な体験だったかもしれないですね」 研究員さんは微笑む。 「体が慣れるまで、ここにいても大丈夫ですから……」 ……どうしてか返事ができない。 ヘッドホンを机に置いた研究員さんの指先に目が留まる。聡明な研究員さんの、研究しか知らないような綺麗な指に見とれてしまう。 どうしよう、どうしたらいい、なにをしたら、なにをするべきか。 それは鎖のようになって、私の脳内をグルグルと締め付けていく。まるで、さっきの音の連鎖のように……。 ーーカァァッ……!! 不意に、目の前が真っ白になるほどの閃光が走った。それに驚く暇もなく、瞬きをするたび、無数の単語が視界の隅から隅までビッシリとランダムに抽選されるように蠢いていた。 「いやっ……な、なにこれ……」 恐怖のなか、声を振り絞る。 「た、助けて……文字が、文字がいっぱい見える……どうしよう……なんで……」 しかしこれは“自分自身の問題”なのかもしれないと、俯瞰した私が冷静に見ていた。例えようのない色で蠢く文字は次に紡ぎ出すべき言葉の抽選なのか、いや、言葉だけじゃなくて行動も含まれているのも見える。自分の身体の動作を示す紫色のシルエットが、さまざまな可能性を示していた。 「もしかして……フラッシュバック、してるのか……?」 研究員さんの声は掠れていた。頭を抱えてもがく私の様子に、ひどく驚いているのかもしれない。 「…研究員さん……私……どうなっちゃうのかな…怖い、怖いよ……!!」 無数のウジ虫のように文字は蠢き続けている。そして、文字を手でかき分けるようにしてシルエットが勝手に動いていた。文字の隙間からは、研究員さんのワイシャツが見える。 「…今度は、三角が、たくさん!! 止まらないよ、なんで!!」 目が回ったように自分の身体はあちらこちらにグラグラしている気がした。さらに変化する視界に疲弊して、もう追いつけない。蠢く文字は次第に、色とりどりの三角形の集合体を形成していった。そうして、強迫的行動の選択肢がはっきりと見えて、瞬間的な記憶がごっそりと奪われた。 ★ 「……………………」 視界が元に戻っていくのを感じたが、私はいままで感じたことのない状況にハッと気づく。 あの記憶がない瞬間にそうなったのか、私は研究員さんの背中に両手を回して、キスをしてしまっていたのだ。 重ねた唇は引き算の式のように引き締まっている。 「………………」 突き刺すような衝動で、時が止まったかと錯覚した。しかしパソコンのファンの音はそれを否定するように動き続けている。 研究員さんはあわてて唇を離して、恥ずかしそうに目を反らせた。 「……えと…どうしよ……」 困惑した研究員さんの消え入りそうな声が実験室に落ちていく。 「ご、ごめんなさい……私……」 恐怖の名残で目が震えている。そこにはこの状況の混乱と、恋心に似たような甘さを湛えていたのかもしれない。私にとって、初めてのキスだったのだ。そして、研究員さんも私と同じであれば……こんな形で迎えたくなかったかもしれないと、申し訳なさとやるせなさでただただ、謝るしかなかった。 精神がどうにかなってしまって、なにも行動に出せない。研究員さんも、私も……。 彼を抱いたまま、無言はしばらく続いた。季節のすべてが詰まったようなこの部屋で、抱き合うなかに生まれたお互いの熱が上気していく。研究員さんの手のひらが、私の後頭部を支えた。よしよしと口には出さないが、繊細な指先が髪を滑っていく。 次第に視界が甘くぼやけていき、唇は、研究員さんの温かい舌先を受け入れていた。 パソコンのファンの音が強まる。外に出ているような情景がよぎり、なぜか左目から涙が一筋こぼれた。 研究員さんの腕に少しもたれると、ワイシャツに一粒の雨が当たったように滲んでいく。 お互いに目を閉じたまま唇を求め、舌を絡ませる。 「…んっ……っ…っふ……っ……」 恥ずかしい音が部屋中に反響するのに呼応して、さらに舌を絡めた。ミントの味がするぬめぬめとした舌が、もっと欲しくなる。研究員さんのお日様の匂いが暖かくて、大好きでいっぱいになった。 「………ごめん、なさい……………んんっ…………」 こうして感情を口に出せば、怖いことは全部飛んでいく気がした。私の下唇を、研究員さんの唇がはむっと包んだ。研究員さんの上唇がはむはむと私の唇裏を刺激して、どうにかなってしまいそうだった。 「ぁ…はぁ…ぅ……っ………」 名残惜しそうに唇が離れると、研究員さんは私に問いかけた。 「……ねえ…あの音……本当はどうだった……?」 研究員さんの唇は、キスで少し赤くなっていた。 「……えと……気持ち、よかった……です」 正直に感想を述べたあと、あの音声について思い出してしまい、膣口から愛液が伝っていくのを感じた。 「そっか……さっきのこともあるし、素直に喜んでいいのかわからないけど……そうだったんだね」 私が不安にならないように、研究員さんは髪を撫でてくれている。 「………………………」 恥ずかしさのあまり、俯いてしまった。研究員さんは、私を抱きしめたままだった。 研究員さんは私の名前を呼んだ。目尻を柔らかくして、かわいい名前だね、と言ってくれた。 でも私は、研究員さんの名前を呼べなかった。やっぱり、思い出せなかったのだ。 「あの……実は私、名前を覚えるのが苦手で……研究員さんの…お名前は……」 こうして触れあえば名前を覚えられるかもしれない、と考えられる余裕が妙に憎らしくなったけれど、私の突然の行為さえも受け入れてもらった安堵は底知れなかった。 「僕?……僕の名前はね……」 耳たぶの縁に研究員さんの唇が触れて、抱きしめられる力が強くなる。 ワイシャツが肌に擦れる音のあと、耳元でささやかれた彼の名前を、私は静かに聞いていた。 ====================== ■レーベル作品紹介 【喘ぎ声特化】絶頂も憂鬱も、ぜんぶ受け入れるから。 ~あなただけに喘ぐJK彼女「藍澤ゆかり」~ https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01047148.html 普段は奥手な彼女だが、心の中は……。 彼女の深層心理での快感や憂鬱な気持ち、全てをあなたにさらけ出します。 甘えん坊な喘ぎ声で喘ぐ、藍澤ゆかりの10分間の秘密の時間をあなたに。 【世界初!?鼓膜用バイブ】”聴くバイブ”で体感する快楽の極み!脳が疼く、淫靡な低周波ASMR https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01047436.html 「鼓膜用バイブ」の元祖! 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