(突然ヒキコモリのニートの部屋の扉が破られ、目の前に女性が現れる) (ふてぶてしい口調で) おうおう、お前が今度の対象者か? 絵に描(か)いたようなきったねーヒキニートだな…。 風呂入ってる? (あなた誰? と訊かれて) 私(あたし)? 私は裏の…まあぶっちゃけ、依頼されてお前を処分しに来た専門業者だ。 お前の親に頼まれたんだよ。 もう養う余裕がないからあの穀潰しを殺して下さいって。 でも可哀想だから、死ぬ前に一度だけ女性と会話させてあげて下さいってな。 今会話したよな。 (冷たく) よし、薬(くすり)と道具、持ってきたから、死のっか。 あ、死ぬ前にシコりたかったら人生最後のオナニーしていいよ。 (呆れながら) はあ? まだ本気出してないだけぇ? その台詞、この仕事しててもう百万回聞いた。 え? じゃあ障害者はどうなんだって? (ため息混じりに) あのな、福祉を利用してる連中は経済回してんだよ。 まずアイツらは雇用を生み出してる。 全身管(くだ)だらけで延命治療を受けてる奴らも、病院と製薬会社を儲けさせてる。 お前みたいに五体満足なくせに働く意思のない奴が一番メーワクでお荷物なんだよ。 私に仕事を回したのがお前の最初で最後の経済活動だな。 さて、もう三百字(さんびゃくじ)以上女と喋れたし、死のっか。 それともここで手か足の一本でも失って障害者になるか? 選んでいいぞ。 今すぐ死ぬか、カタワになって生きながらえるか。