『ASMR of Rail Works なこ ~なこのDE10代走~』 ;//////// ;Track1:DE10 1045牽引回送列車の客車乗車(被牽引客車オハ50 11からの列車内走行音をバックに、万岡鉄道講習に関するなことののんびりトーク) ;/////// ;*列車のクロスシート座席の片面に、ふたりならびで肩を寄せ合って座っています ;3/右 【なこ】「(大満足の吐息)」 ;環境音 DE10牽引回送列車(車内) F.I. 【なこ】「オハ50 11(ごじゅう じゅういち)。オハ50系客車の、最後の生き残りの一両」 【なこ】「その車内を、マスターとふたりきりで……ふたりじめして堪能できる。これほどの贅沢はなかなか無いと、なこは経験上断言できます」 【なこ】「なこは最新技術を好むものですが、レトロさの素敵さも理解はできます。 この車内に満ちる上品な趣と落ち着きとには、”古き佳き”――そんな言葉こそがふさわしいものと感じます」 【なこ】「とても穏やかで優しくて……(車内の穏やかさを楽しむ4呼吸)」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「……はるばる万岡鉄道まで講習を受けに来て、本当によかったですね、マスター」 ;3/右 【なこ】「おまけに牽引もディーゼル機関車。なこのDD51 75(でーでーごーいち ななじゅうごごうき)の後輩にあたる、大傑作の中型機関車、DE10 1545(でーいーとお いっせんごひゃくよんじゅうごごうき)」 【なこ】「万岡といえば、女優レイルロオドとして知られるすずしろさんのC12 67(しーじゅうに ろくじゅうなな)――蒸気機関車が、押しも押されぬ金看板ではあるのでしょうが……」 【なこ】「(じっと列車走行音に耳を傾ける8呼吸)」 【なこ】「客車そのものの立てる音を、レールの歌う声を楽しみたいなら、ディーゼル牽引の方がいい。蒸機(じょうき)牽引ではどうしても、蒸機そのもののブラスト音(おん)やドラフト音(おん)が、聞こえ続けてきてしまうから」 【なこ】「更にいうなら、回送列車への添乗という点も非常に高く評価できます。乗客たちのざわめきに邪魔されることも一切なしに、本当に、純粋に、客車の音だけを堪能できる……」 【なこ】「(もう一度じっくり耳をかたむける8呼吸)――(少しだけ苦笑をまじえた吐息)」 ;声を潜めて 【なこ】「……隣の車両に添乗している万岡鉄道職員の方々。その方々を気にしなくてはいけないことだけが、残念といえば残念――ああ、いえ。訂正します」 ;3/右(接近囁き)→”ふふっ”で;3/右に戻る 【なこ】「こうしてふたり、ひそひそ話を楽しむことも、とても素敵なことですね。 ふふっ、なこは、新しい知見を得ました」 ;3/右 【なこ】「……(幸せに満ちた一息)――マスターとふたり、一緒に客車に乗ること自体、考えてみればはじめてですね。いつでもなこ達が一緒にいるのは、運転台の中ばっかりで」 【なこ】「はじめて一緒に客車に乗るのが、旅行じゃなくて講習なのが――(微苦笑)――マスターとなこだなぁって感じで、嬉しいような、だけどちょっとだけ残念なような、不思議な気持ちを感じています」 【なこ】「旅行……(楽しい記憶にふける2呼吸)――蓄音レヱルの取材。確かにあれはお仕事でしたが、同時に旅行でもあった……と、なこは認識しています」 【なこ】「マスターとご一緒した都井岬。なこにとって、とても興味深く鮮烈で……なにより楽しい体験でした」 【なこ】「野生馬があれほど魅力的な生き物だと、なこは想像をしたこともありませんでした。まったく知らない世界との、豊かな自然の中での、出会い……(うっとりとした一息)」 【なこ】「なこのメモリの、誰の共感も許さない部分。一番深くにロックした区画に大事に保存してあるほどに……本当に特別な経験であり、時間でした」 【なこ】「だから、ああした経験を、いつか、客車列車でも――と、貪欲にもなこは望んでしまったのかもしれません。それがつまり、さきほど感じた”残念なような気持ち”の正体なのかもしれないと、なこは今、推定しました」 【なこ】「(マスターの話を聞く2呼吸)――はい、なこはレイルロオドです。レイルロオド・タブレット社がなこのタブレットに書き込んだとされるプログラムに基づいて情報を集め、思考し、判断し、行動を行うものです」 【なこ】「けれど……(悩んで、言葉を探す4呼吸)――なこには感情があります」 【なこ】「そうしてなこは……なこ自身の感情を論理で追いかけて、完全に分析しきることがとても困難なケースが、最近著しく増加していることを確認してもいます」 【なこ】「なこ自身の経験をもとに、より細かに分類するのなら。ネガティブな感情――怒りや困惑などについては、それが発生した理由を分析しやすいケースが多いです」 【なこ】「マスターがなこにくださった、都井岬のお土産品の、野生馬の尻尾の毛でつくられたストラップ――それを同僚のレイルロオドに見せてあげたところ、珍しがっていじられるうち、偶然、毛の一部が切れてしまった」 【なこ】「そのときに感じたネガティブな感情――悲しみ、怒り、困惑、諦め等の複合体は、複雑ではあれ、非常に追跡しやすいものです。感情の発生をさかのぼり、感情の起因が何であったかを、容易に特定できます」 【なこ】「けれど、ポジティブな感情……例えば”好き”というあたたかな気持ちを分析しきることは、なこにはとても難しい場合が多いです」 【なこ】「先程のお土産物を例にあげましょう。都井岬のビジターセンターには、とてもたくさんの魅力的な品々がずらりと並んでいました」 【なこ】「馬の形をしたクッキー。なこは食べることができないものであるにもかかわらず、見ているだけでもこころが柔らかになりました。UMA(ゆーえむえー)――ローマ字読みで、ウマと書かれたTシャツは、極めて単純なダジャレを上手にデザイン化してあり、大いに関心させられました」 【なこ】「食品、衣類、実用品、記念品――さまざまなジャンルの品物に、野生馬という地域の売りを活かした数多の商品たちが、あるいは綺麗さを、あるいはユニークさを誇り、競い合うように陳列されている空間」 【なこ】「……野生馬のしっぽの毛で作られたストラップは、そうした中でもひときわ地味なものでした。ストラップというアイテム自体の機能性も、いまのなこにとっては、必要不可欠ではありませんし――有用であるかという観点からみてしまうなら、むしろネガティブな評価となってしまうものでさえあります」 【なこ】「けれどもなこは、見た瞬間に、”これが好き”とはっきり感じました。その感情がここちよく。……どのくらいの時間でしょうか? 見つめ、浸っているうちに、マスターがひょいとお買い上げになり、なこにプレゼントしてくださった――」 【なこ】「あの瞬間の爆発的な嬉しさと、それからずっと、いままでずうっと継続している幸福感も、やはりさかのぼっての解析が容易なものだと判断できます」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「だってマスター、あなたがくれたプレゼントですもの。嬉しくて幸せで当然すぎます」 ;3/右 【なこ】「けれど、そのきっかけとなった尻尾の毛のストラップ。それをなぜ、見惚れるほどに”好き”と感じたかは……(考え込む4呼吸)――時間が経過し冷静になった今考えてみてもなお、逆算して理由を特定することが不可能です」 【なこ】「と、いうか――(言葉を探す2呼吸)――“好き”という感情が、なこの内部から発生したものなのか、それともしっぽの毛のストラップに触れたことにより――いわば、そこから受け取ったものなのかさえも、なこには判断できません」 ;3/右 (接近囁き) 【なこ】「ね? マスターはどうですか?」 ;3/右 【なこ】「“好き”という感情が、果たしてどこから発生するのか。その理由はいったいなんなのか、突き詰めて解明することが可能ですか?」 【なこ】「(マスターの返答を興味津々で聞く2呼吸)――(深い感情のこもった吐息)――そうなのですね、マスターは。……不思議。感情はとても不思議です」 【なこ】「不思議で、不可解。理論で追いかけきることが難しいもの。けれど、それだけにとても蠱惑的にも感じます」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「特に、“好き”という感情は――っ!?」 ;ゆるゆるとしたブレーキ 42:30くらいから ;3/右 【なこ】「……列車が減速しています――(様子を伺う8呼吸)――停止しました。 完全な駅間……停止信号もこの客車の窓からは目視できませんが――っ!?」 【なこ】「すみません、マスター。共感通信を求められています。緊急のようです。受信します」 【なこ】「(緊張している4呼吸)――(困惑の吐息)――マスター、非常事態です」 【なこ】「この回想列車を牽引していたDE10 1045のレイルロオドが突然機能を停止したとのことです。幸いにして道路脇ですので、機関士つきそいで降車し、救急車両で最寄りの工機部へ搬送されるとの情報を受け取りました」 【なこ】「ともない、DE10 1045は一時的に機関士、レイルロオドを失うこととなります。しかも、万岡鉄道万岡線は単線です。この列車を少なくとも行き違い可能な駅等のポイントまで走らせないことには、全ての列車の走行が不可能となってしまいます」 【なこ】「そして――DE10 1045のもっとも近くにいる、ディーゼル機関車を走らせることが可能な免許を保有している機関士とレイルロオドは……マスターとなこに他なりません」 【なこ】「ですので、、緊急の代理乗務の依頼が、万岡鉄道運転司令から発信され、同依頼をなこは受信しました」 【なこ】「(感情をできるだけ抑えて冷静になろうとする2呼吸)」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「お受けになられますか? マスター」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track2:代理乗務。機関始動(万岡鉄道主催の講習を受講に来ているなこが、DE10 1545での代走を引き受けるまでの経緯と、DE10の始動前点検~機関始動まで) ;//////// ;SE 救急車の音→数秒かけてF.O(遠くに走り去っていくイメージ) ;1/前 【なこ】「(心配そうな4呼吸)」 【なこ】「……DE10 1545レイルロオドの搬送を確認しました。機能回復を祈る以外に、あちらに対してマスターとなこにできることはもう何もないと判断します」 【なこ】「切り替えて……(深く息を吸う)――うん。あらためて状況を整理しましょう」 【なこ】「ディーゼル機関車、DE10 1545のレイルロオドの突然の機能停止と、同機関士の搬送つきそいにともない、現在DE10 1545は回送途中であった本線上で完全に停止しています」 【なこ】「現時点までに、DE10 1545の機関士により、機関停止、手歯止めの装着等の安全確保のための措置は完全に行われました」 【なこ】「……今回なこたちが万岡鉄道で受講した講習の内容は、『レイルロオドのアイコン化による定期外客増加へのアプローチ』について。より平易な言葉で要約するのであれば、『レイルロオドを路線のアイドルに仕立てて、お目当てとして来てくださるお客様をどっかり増やそう』――という方策についてのものとなります」 【なこ】「万岡鉄道の金看板。女優レイルロオドとして全国に知られるすずしろさんを実例としての講習内容は、密度が高く、多くの有用な情報を得られる大変有意義なものでした」 【なこ】「しかし、同講習内、および休憩時間の雑談等の中において、DE10の運転に関する情報はなにひとつ伝授されていません。また、マスターもなこも過去に一切、DE10への乗務経験を有していません」 【なこ】「その上、万岡鉄道万岡線は、マスターにとってもなこにとっても、まだ線見(せんみ)さえ行えていない路線です。信号機やポイントやカーブ、標識・表示類がどのようなものであるかについて、実務上で使えるレベルの情報を一切有していません」 【なこ】「(軽いため息)……ついさきほどまでの回送列車添乗のとき、線路状況を見ておければ――という後悔もありますが、もちろん後悔は先に立ちません。現状のなこたちにできることがあるとすれば――!? (急に言葉を止めてしばし沈黙)……ああ」 【なこ】「万岡鉄道C12 67専用レイルロオド――すずしろさんから、路線情報が共感通信で送られてきました。受信の上、確認…………確認完了しました」 【なこ】「万岡線における蒸気機関車、C12 67と、ディーゼル機関車、DE10 1545との走行において、制限速度等の規制が変化する部分が無いことを確認できました。ですので、今回共有いただいたデータは、線見の代用を十二分に果たすものとなります」 【なこ】「しかも、すずしろさんから私的な追伸も付け加えられていました。 『代走、急に頼んじゃってごめんなさい。もし引き受けてもらえるならお礼にすずしろ、なこさんにお時間あればですけど、特別講習、ご用意しちゃいますね!』だそうです」 【なこ】「すずしろさんの特別講習――『レイルロオドのアイコン化』という今回の講習を補強する、おそらくは、『より魅力的なレイルロオドとして自己を演出する方法』といった内容であることが想像されます」 【なこ】「もしもそうなら、なこはぜひ受講したいと思います。すずしろさんは、アイコン化されたレイルロオドの最前線にたつ存在です。その方固有の知識であれば、それは最先端技術となんらかわらない意味を持つ――なこにとっては、非常に重要なものとなります」 【なこ】「ですので……(マスターの反応を待つ2呼吸)――マスターもそうお考えでしたら、なこは非常に安心します。ありがとうございます」 【なこ】「あとはDE10とDD51の運転操作の差異の問題ですが……(悩みの吐息)」 【なこ】「(マスターの声を聞く2呼吸)――ですね、ご指摘いただければそのとおりです。どちらも同じ免許で運転可能な機関車同士、そこまで大きな差異はないのかもしれません。百聞は一見にしかずともいいますし、まずはともかく、DE10 1545の運転台へと移動しましょう」 ;環境音 F.O. ;SE DE10 ランボードを歩く→戸を開く ;環境音は、DE10_運転台環境音Cの35:00以降の、機関停止しているもの(ほとんど無音)で、踏切警報音等入らない部分をお使いください ;3/右 【なこ】「(絶句)……そうでした。噂には聞いていましたが、すっかり失念していました」 【なこ】「――横向き運転台ですね、DE10。なこたちのDD51とは見え方からして違います」 【なこ】「線見情報を共有してもらったとはいえ、目視による安全確認が極めて重要なことはいうまでもありません。マスターにとって、不慣れな姿勢と視界での運転となってしまいますが――」 【なこ】「(マスターの返事を聞く2呼吸)――はい。マスターのご判断をなこはもちろん最大限に信頼し、尊重します」 【なこ】「マスターがそのようにおっしゃてくださるのであれば、姿勢、視界、運転操作。全ての面において、なこも一切の不安を抱かずに、集中して乗務に望めます」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「頼りにしています。マスター。いままでも、今も。これからも――ずっと」 ;3/右 【なこ】「(集中して気合をいれる短い呼気)――では、代走を引き受ける旨を運転指令に返信します――返信しました」 【なこ】「運転指令からの通信です。感謝の意と、運転再開までのスケジュールとを受信しました」 【なこ】「それにしたがい、乗車前点検に入ります。マスター、一旦、運転台からおりましょう」 ;SE ドア開け→ランボード歩き→はしご下り→バラストの上に着地 ;1/前 (マスターと一緒に動くので、相対位置の変化はない) 【なこ】「(上記の動作をする間の8呼吸)」 ;3/右 【なこ】「では始めましょう。マスター。確認と指差喚呼(しさかんこ)はなこが行いますので、マスターにはダブルチェックを御願いします」 ;SE バラスト上の足音、一歩 ;1/前 【なこ】「(気合の入った短い呼気)」 ;環境音&SE DE10_走行前点検~起動  ;実際の機関士さんの喚呼をうまく声優さんのボイスと差し替える形でご整音いただけましたら理想的かと存じます 【なこ】「バッテリースイッチ確認 入り(いり)よし」 【なこ】「蓋閉めよし」 【なこ】「手歯止め装着よし」 【なこ】「台車異常なし」 【なこ】「ナックル開きよし」 【なこ】「ブレーキホース……よし」 【なこ】「運転キー挿入」 【なこ】「運転位置よし」 【なこ】「統括制御ノーヒューズ入れよし」 【なこ】「各表示灯点灯よし」 【なこ】「始動選択、自車選択よし。予潤滑(よじゅんかつ)!」 【なこ】「1次湯流(ゆりゅう)点灯よし、機関始動!」 【なこ】「(始動した機関の音を耳で確認する8呼吸)」 ;3/右(寄り添い) 【なこ】「ああ……とても安心します」 【なこ】「なこのDD51にはDML61Zが2機。このDE10にはDML61ZBが1機。――違いはあれど、、V形12気筒ディーゼルエンジンの音に変わりはありません。ですので、なこにはわかります」 【なこ】「このこは元気で、走りたがっている。線路を空けて次の列車を導いて、自らもまた、旅客を、貨物を運びたがっている」 【なこ】「でしたらなこは、なこの務めを、レイルロオドの使命を果たすのみです。そうするために――」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「マスター、どうかなこを導いてください」 ;1/前 【なこ】「(嬉しい1呼吸)――はい、それではともに。信号機に変わる、運転指令からの出発指示も受信しました」 【なこ】「(大きく息を吸う)――DE10 1545! 出発! 進行!!!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track3:なこのDE10代走 ;//////// ;環境音 DE10_運転台内環境音Bの0時間47分のところあたりから→Bが終わったらDE10_運転台内環境音Cにつないでください ;本物の機関士さんのボイスとなこのセリフとを差し替えで、合間合間になこの追加セリフでいければ理想的かと存じます :(環境音内のタイフォン) ;7/左 【なこ】「さすがです、マスター。はじめての横向き運転台、はじめてのDE10でも、はじめての万岡線だというのに、まるで熟練機関士の運転です」 【なこ】「衝動の少なさ、加減速のなめらかさ……警笛、タイフォンを鳴らすタイミングも教科書どおりの素晴らしさだと感じます」 【なこ】「なこも喚呼、気合をいれてしっかりつとめなければなりませんね」 【なこ】「『テラウチ、通過!』」 【なこ】「『テラウチ、通過!』」 【なこ】「『テラウチ、定時!』」 【なこ】「……マスター、通信を受け取りました。DE10 1545レイルロオド、大きな障害ではない模様とのことです」 【なこ】「念の為旺宮(おおみや)送りとなるそうですが、おそらくは数日程度で乗務に復帰できるだろう、と。……よかった。とても大きな朗報ですね」 【なこ】「マスターがいつでも気にかけてくださっているおかげで、なこはいままで故障知らずでやってこれていますが……(言葉を探す2呼吸)――ね、マスター。もしもなこが――っ!」 ;7/左 【なこ】「『クゲタ、停車。場内1,制限45』」 【なこ】「『場内1、クゲタ、停車』」 【なこ】「『出発要求。出発進行、発車』」 【なこ】「『出発進行、後部よし。定時』」 【なこ】「――ああ、いえ。さきほどのなこは、その……意味もない仮定の話をしてしまいそうになっただけです」 【なこ】「それより、マスター。沿線、だんだん交通量が増えてきそうな気配です。この先、しばらく運転に集中することに――(マスターの同意を受ける1呼吸)――はい、ではそうしましょう」 【なこ】「『ヒグチ、通過』」 【なこ】「『ヒグチ、通過』」 【なこ】「『ヒグチ、定時』」 【なこ】「『前方、点灯。オリモト、停車』」 ;環境音 ここから DE10_運転台内環境音C ;7/左 【なこ】「『場内1,制限45』」 【なこ】「『場内1,オリモト、停車』」 【なこ】「『――停車。オリモト、定時』」 【なこ】「『発車49分』」 【なこ】「……DE10、大変に良い機関車ですね。運転補助をしているだけでも、さすがの動輪5軸、粘着力の素晴らしさが体感できます」 【なこ】「『発車2(ふた)分前』」 【なこ】「……定時なのに、信号機停止現示ですね。なにかあったのでしょうか……」 【なこ】「『! 出発要求』」 【なこ】「『出発は進行!』」 【なこ】「『出発進行、後部よし! 1分遅れ』」 【なこ】「……いまの遅れ。いったい何が――あ、いえ、通信です」 【なこ】「(……受信している4呼吸)――朗報です、マスター」 【なこ】「交代の機関士とレイルロオドの手配がついたそうです、マスターとなこの仕事は、このDE10をシモダテ駅――通過1駅を挟んだ次駅へと運ぶだけでよくなりました」 【なこ】「……運転指令からは回復運転の必要なしと来ています。残り区間の短さを考えれば、仮に回復の指令があっても、なかなか厳しいところでしょうが」 【なこ】「『徐行予告、30』」 【なこ】「『徐行、30』」 【なこ】「『ニコウ前、一分遅れ』」 【なこ】「『徐行解除』」 【なこ】「あと一駅です、マスター。最後まで緩むことなくいきましょう」 【なこ】「『――制限50。シモダテ、停車』」 【なこ】「『中継、制限』」 【なこ】「『車警赤(しゃけいあか)』」 【なこ】「『場内1,制限40』」 【なこ】「『場内1,シモダテ、停車』」 【なこ】「『シモダテ停車、一分遅れ』」 【なこ】「『チャイム停止。ATS切り』」 【なこ】「『逆転機よし』」 ;これ以降、環境音はアイドリング音だけを流す形でお願いします ;運転台内環境音Aからもまとまったの引っ張ってこれるかとも思います 【なこ】「……マスター、運転お疲れ様でした。交代要員の方、見えていますね――!」 【なこ】「お顔、とてもお疲れです。なこは理解できているように思います。ようやく安心できて、緊張や疲れがどっと来てしまう――その現象が、おそらくマスターを襲っていると」 ;7/左(接近囁き) 【なこ】「ご安心ください、マスター。あとのことはなこに任せて、どうぞ緩みに緩んでください」 ;7/左 【なこ】「ここから先のマスターは、なこがアテンドしますので」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4:V型12気筒ディーゼルエンジン音に疲れた右耳を、なこが耳掻き&ヒーリング(最先端のシリコンブラシ耳掻きと粘着綿棒で、お掃除もヒーリングも愛情込めて徹底的に) ;//////// ;3/右(接近囁き) 【なこ】「おつかれさまでした、マスター。お宿のお部屋につきました」 ;環境音 室内空調(宿の一室) F.I. ;3/右 【なこ】「お顔、ぐったりしてみえます。緊張が解けると、急に疲れが来ちゃいますよね。わかります」 【なこ】「ですのでなこはマッサージをしてマスターを癒したく思うのですが――(マスターの返事を待つ1呼吸)あ、はい。もう一度ですか……こほん」 【なこ】「『なこは マッサージをして マスターを』――ああ」 ;3/右(やさしく吹きかけ) 【なこ】「(ふーーーーーーーーーー)」 ;7/左(少し強めに吹きかけ) 【なこ】「(ふーーーーーーーーーーっ)」 ;1/前 【なこ】「なこ、気が利かないレイルロオドになっていましたね。すみません。 お耳ですよね、マスターが一番お疲れになったの」 ;SE さわさわ程度の両耳マッサージを断続的に、指示あるまで続けてください 【なこ】「なこのDD51 75は、排気量61,070ccのDML61Zを2機搭載。今日乗務したDE10 1545は同じ排気量のDML61ZB型ディーゼルエンジンを1機だけ搭載」 【なこ】「単純計算なら、普段のってるDD51 75の方が2倍うるさいはずなのに――どうしてでしょうね、なこも今日は、耳にかかる負荷がいつもよりも大きいと感じました」 【なこ】「もしかしたら、なれない横向き運転台の影響……(マスターの話を聞く2呼吸)――ああ」 【なこ】「確かにです。情報を受け取ったとはいえ、実際の線見さえ行えていない路線での、はじめての機関車での代走――おそらくは、どんな指示も、わずかな異音も聞き逃すまいと、耳が普段よりはるかに集中していたのでしょう」 ;SE stop ;3/右 【なこ】「(ふーーーーーーーーーーーーー)」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「でしたらなこがなすべきことの優先順位は容易につきます。マスター、右耳を上にして、頭をなこの太ももにお載せください。なこは、耳掻きでマスターのお耳の疲れを癒やし、同時に清潔を維持します」 ;1/前→;3/右 【なこ】「さ、マスター。……(マスターの体勢移動を待つ1呼吸)――(満足そうな吐息)」 ;3/右 【なこ】「では耳掻きを始めましょう。なこが今回の研修のお供に持ってきたのは、これ――」 https://www.yodobashi.com/product/100000001003599820/ 【なこ】「今年発売されたばかりの最先端のシリコンブラシ耳掻きです」 ;SE 耳掻きのセッティング(ヘッドを本体に装着) 【なこ】「160本にも及ぶ、細かなシリコン製のブラシは、その毛の1本1本が鍵状の形をしており、細かな汚れも逃しません」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「し・か・も」 ;SE ブラシで軽く耳の浅いところを撫でてあげる ;3/右 【なこ】「(上記の動作の、少し楽しげな4呼吸)」 【なこ】「お感じになられているこの柔らかさ、滑らかさ。これを使えば、お耳の深いところまで、安全な清掃が可能となります。これこそ最先端技術の正しい結晶であるといえましょう」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「さ、マスター。どうぞそのお耳でご堪能ください」 ;3/右 【なこ】「それでは耳掻きを実行します。最初は浅いところから、この新しい耳掻きへのなこの習熟、およびマスターの慣れを上げるところから初めていきます」 ;SE 浅い耳かき(継続) 【なこ】「最初は――(2呼吸)軽く――(2呼吸)ごく――(2呼吸)軽くから――(2呼吸)」 【なこ】「どうです――(2呼吸)マスター――(2呼吸)くすぐったい、とか――(2呼吸)むずがゆい、とか――(2呼吸)」 【なこ】「ん……(マスターの返事を確認しつつ、作業を続ける8呼吸)」 【なこ】「かしこまりました、マスター――(2呼吸)では、少しずつ――(2呼吸)じわじわと――(2呼吸)強度、あげていきます――(2呼吸)」 【なこ】「フチから――(2呼吸)少し、押すようにして――(2呼吸)しっかり汚れを――(2呼吸)かきとり、ながら――(2呼吸)」 【なこ】「じわ、じわ……(2呼吸)内(うち)、へ──(2呼吸)穴の、方へと……(2呼吸)螺旋階段を、下りてく、ように──(2呼吸)」 【なこ】「穴へ――(2呼吸)穴へ、と――(2呼吸)――(集中作業の4呼吸)――うん」 ;SE stop 【なこ】「(ふっ、ふーーーーーーー。ふーーーーーっっ)」 ;3/右(いろんな角度から耳穴を覗き込む) 【なこ】「……チェックします――チェック中です――チェック完了いたしました」 【なこ】「浅いところの清掃度は、従来型の耳掻きを使用したときに比し、目視においてはより高いものを示していると確認できます」 ;3/右(接近囁き)→微笑で離れて;3/右 【なこ】「この耳掻きと、なこの手と、マスターのお耳の愛称は、どうやら良好な模様です――(しあわせそうな微笑)」 【なこ】「これでしたら、深いところにも一層の効果が期待できます。マスター、どうぞご安心の上なこに全てをおまかせください。はじめます――」 ;SE 深い耳かき(継続) 【なこ】「(慎重に耳穴の入口付近を掘っていく8呼吸)」 【なこ】「――いい、ですね(2呼吸)――実に、いい(2呼吸)――(集中作業の4呼吸)」 【なこ】「鍵状で――(2呼吸)しかも、やわらかで――(2呼吸)適度な、硬さも有した――(2呼吸)ピン、が――(2呼吸)」 【なこ】「耳穴――(2呼吸)深くへ――(2呼吸)押し込んで、なお――(2呼吸)抵抗感、なく――(2呼吸)」 【なこ】「それで、いて――(2呼吸)引き上げる、たび――(2呼吸)耳の、汚れを――(2呼吸)確実に――(2呼吸)」 【なこ】「(あまりのとれぐあいに夢中になって耳を掘る8呼吸)」 【なこ】「これは、なこは――(2呼吸)極めて、良い、選択を――(2呼吸)したと、断言――(2呼吸)して、いいでしょう――(2呼吸)」 【なこ】「この、取れ具合――(2呼吸)マスターの――(2呼吸)耳掻き、史上――(2呼吸)最高です――(2呼吸)」 【なこ】「このまま――(2呼吸)いつまでも――(2呼吸)耳掻き、したい、くらい――(2呼吸)満足感が、あります、が――(2呼吸)」 ;se stop 【なこ】「(ふーーーーーーー)(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;角度をさまざまにかえつつ耳の奥のチェック 【なこ】「チェック開始……チェック中――チェック完了。実に良いです。この耳掻きは、マスターのお耳となこの手という組み合わせにおいては、最高といってもいいかもしれません」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「この耳掻きを選んだなこを、褒めてくれてもいいですよ? マスター」 ;3/右 【なこ】「うふふっ、少しなこは気が急きましたね。まだお耳掃除を完了してもいないのに」 【なこ】「最後の仕上げも、最先端技術の結晶を利用します。この綿棒、一見するとただの綿棒なのですが――」 ;SE 粘着綿棒を耳穴近くにくっつけたりはなしたり 【なこ】「(上記作業の3呼吸)――ぺた、ぺた、ぺた。粘着力、お耳でも感じられますよね」 【なこ】「そう、この粘着力を利用してお耳のこまかなチリを綺麗に取り除く――これこそ、粘着綿棒とよばれる新製品なのです」 【なこ】「ご安心ください。粘着綿棒も、きっとマスターのお耳になじみます」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「さぁ、体の力を抜いて、なこに全てをおまかせください」 ;3/右 【なこ】「それでは、仕上げの清掃を実施します」 ;SE粘着綿棒で仕上げの掃除(継続) 【なこ】「――ぺた、ぺた(2呼吸)――ぺと、ぺと(2呼吸)――粘着力は(2呼吸)――軽いもの、ですので(2呼吸)」 【なこ】「――こうして、くる、くる(2呼吸)――普通の、綿棒と(2呼吸)――おなじ、ようにして(2呼吸)――浅くから、奥へ、で(2呼吸)」 【なこ】「(作業に集中の8呼吸)」 【なこ】「ああ、本当に――(2呼吸)こまかな、チリが――(2呼吸)良く、とれますね――(2呼吸)快感、です――(2呼吸)」 【なこ】「マスターに、とっても――(2呼吸)あ――(2呼吸)うふふっ――(2呼吸)なら、よかった、です――(2呼吸)」 ;SE stop 【なこ】「(達成感に満ちた一息)」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「(ふーーーーーーーーーーー)(ふっ)(ふっ)」 ;3/右 【なこ】「はい、完了です。右耳はいま、マスターのお耳史上もっとも清掃度の高い……これは想像にすぎませんが、おそらくはご出生直後よりもさらに綺麗な状態にあるのではないかとなこは感じています」 【なこ】「左耳もぜひ、同じ状態にもっていきましょう。マスター、体を入れ替えるご準備はできていますか?」 ;3/右(接近囁き) 【なこ】「なこが『ごろん』と声を出します。それにあわせて、左耳を上に――です」 ;3/右 【なこ】「いいですか? 準備がよければいきますよ。さん、にい、いち」 ;3/右→;1/前→;7/左 【なこ】「『ごろーーーーーーーーーーーーーん』」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track5:V型12気筒ディーゼルエンジン音に疲れた左耳を、なこが耳掻き&ヒーリング ;//////// ;7/左 【なこ】「さて、左耳ですね」 ;環境音 室内空調(宿の一室) F.I. 【なこ】「(ふーーーーーーーっ、ふっ、ふっ)」 ;7/左(角度をさまざまに変えながら耳穴覗き込み) 【なこ】「こちらのお耳は――(確認の4呼吸)――ああ」 【なこ】「汚れは軽微であるものの、やはりお掃除が必要な状態ではあります。 特に耳穴内部の汚れが顕著ですので、この――」 ;SE 耳掻きを一度穴深くにいれて、ゆっくり抜いていく 【なこ】「ん……(2呼吸)」 【なこ】「最先端のシリコンブラシ耳掻きが、その特質をフルに活かしてくれることが容易に想像できます。従来型耳掻きでは不可能だった奥深くまでのお掃除――なこも、非常に楽しみです」 ;7/左(接近囁き) 【なこ】「とはいえ、マスターがなさることは今までと同じです。力を抜いてリラックスして、全てをなこに任せてください」 ;7/左 【なこ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーっ)」 【なこ】「それでは、耳掻きを開始します。セオリー通り、まずは浅い、外側から……」 ;SE 浅い耳掻き(継続) 【なこ】「ん……(ゆるゆると耳掻きをする8呼吸)」 【なこ】「この、耳掻きは――(2呼吸)従来型より――(2呼吸)弾性……――(2呼吸)曲がる範囲に、優れる、ため――(2呼吸)」 【なこ】「それを、活かして――(2呼吸)軽い、力でもー――(2呼吸)より、ぺったりと――(2呼吸)寝かせる、ように――(2呼吸)」 【なこ】「接触面を――(2呼吸)広く、して――(2呼吸)さわさわ――(2呼吸)ずりずり――(2呼吸)」 【なこ】「こする、感じでの――(2呼吸)耳掻きが――(2呼吸)可能となって――(2呼吸)くるわけ、ですが――(2呼吸)」 【なこ】「どうです? マスターの感触的には……(マスターの返事を確認しつつ、作業を続ける8呼吸)――ふふっ」 【なこ】「でしたら――(2呼吸)とても――(2呼吸)よかった――(2呼吸)です――(2呼吸)」 【なこ】「浅い、ところ――(2呼吸)もう少し、で――(2呼吸)全部、お掃除――(2呼吸)終わり、ます、から――(2呼吸)」 【なこ】「あと、少しだけ……(2呼吸)強度を、あげて──(2呼吸)気持ち、ごしごし……(2呼吸)こする、感じで──(2呼吸)」 【なこ】「穴の、フチまで――(2呼吸)しっかり、しっかり――(2呼吸)――(集中作業の4呼吸)――よし」 ;SE stop 【なこ】「(ふーーーーーーー。ふーーーーー)」 ;SE 指先で耳をこすったりめくったり ;7/左 【なこ】「……ああ……さすが――最新鋭の耳掻きですね――(2呼吸)――なこの練度が、多少あがったこともあり――(大満足の長い一息)」 【なこ】「こちらの耳も、現時点ですでに、マスターのお耳史上、最高レベルと思われる清掃度に達しています」 ;7/左(接近囁き) 【なこ】「ですので、このまま、深いところも――行きますよ?」 ;SE 深い耳かき(継続) 【なこ】「深い、ところは――(2呼吸)まず、入り口の――(2呼吸)まわりの、汚れを――(2呼吸)徹底、的に――(2呼吸)」 【なこ】「ここに、汚れを――(2呼吸)残して、しまえば――(2呼吸)奥を、掘るたび――(2呼吸)ぽろ、ぽろ、と――(2呼吸)」 【なこ】「奥に、汚れを――(2呼吸)落として、しまい――(2呼吸)むしろ、逆効果に――(2呼吸)なりかねない、から――(2呼吸)」 【なこ】「(集中作業の8呼吸)」 【なこ】「ここから、奥も――(2呼吸)焦らず、じわじわ――(2呼吸)順序を、おって――(2呼吸)――少し、ずつ(2呼吸)」 【なこ】「掘って、掬って――(2呼吸)はがして、掬って――(2呼吸)ほじほじ、かりかり――(2呼吸)かりかり、ほじほじ――(2呼吸)」 【なこ】「徹底的に――(2呼吸)綺麗に、綺麗に――(2呼吸)けれども決して――(2呼吸)無理、しないよう――(2呼吸)」 【なこ】「(最深部を慎重に掃除していく8呼吸)――。」 ;SE stop 【なこ】「(ほっと安堵の一息)」 【なこ】「大満足です。よいお仕事を、なこは果たせたと感じています」 ;se stop 【なこ】「(ふーーーーーーー)(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;角度をさまざまにかえつつ耳の奥のチェック 【なこ】「細かにチェックしてみても……(2呼吸)――うん、やはりその評価は変わりません。この耳掻きを、なこはより良く使いこなせるようになっています」 【なこ】「とはいえ今回の耳掃除では、この耳掻きの出番はここまでとなりますね。 あとは。これ。粘着綿棒を活用し――」 ;SE 粘着綿棒で左耳をぺたぺたぺた 【なこ】「(嬉しげな2呼吸)――仕上げ、完了してしまいましょう」 ;7/左(接近囁き) 【なこ】「もう少しです。リラックスして――眠たくなったら、どうぞそのまま眠りに落ちてしまってください」 ;7/左 【なこ】「もう全部、なこにおまかせくださって、全く問題ありませんので」 【なこ】「では、仕上げましょう――」 ;SE粘着綿棒で仕上げの掃除(継続) 【なこ】「ん……(集中して作業の8呼吸)」 【なこ】「――粘着綿棒(2呼吸)――非常に、面白くありますが(2呼吸)――同時に少し(2呼吸)――なこに、不安を感じさせても来ます(2呼吸)」 【なこ】「――目視、だと(2呼吸)――なにもないように、見える、ところも(2呼吸)――こうしてぺたぺた(2呼吸)――貼って、はがすと――(2呼吸)」 【なこ】「――見えてなかった(2呼吸)――細かいチリが(2呼吸)――くっついてきて(2呼吸)――しまう、から(2呼吸)」 【なこ】「――ムキに(2呼吸)――なって(2呼吸)――ついつい、やりすぎて(2呼吸)――しまいそう、ですが――(2呼吸)」 【なこ】「(意識して抑え気味の息での8呼吸)」 【なこ】「このくらい、までが――(2呼吸)適正、でしょう――(2呼吸)やりすぎて、しまえば、逆に――(2呼吸)耳のお肌を、痛めて、しまいます――(2呼吸)から」 ;SE stop 【なこ】「(やりきった感に、少し者がりなさもまじる息)」 【なこ】「(ふーーーーーーーーーーー)(ふーーーーーーー)(ふ)」 ;7/左 【なこ】「綺麗です。とても。ギリギリまではまだ少し余裕を残していますが――耳掻きで一番大切なことは、マスターの心地よさとリラクゼーションとなこは理解していますので、ここまでが適正判断します」 ;7/左(接近囁き) 【なこ】「よろしいでしょうか? マスター……あら」 ;7/左 【なこ】「大きなあくび――やはり、深くお疲れなのだと理解します。 と、いうか……なこも、同じく――」 【なこ】「(押し殺したあくび)」 【なこ】「ん……失礼いたしました。緩むつもりはなかったのですが、つい――(マスターの声を聞く3呼吸)――あ」 【なこ】「もしそうしてもよいのでしたら――(はにかみが溢れる)――なこも、はい。ここで、この部屋でもう少し」 ;7/左(接近囁き) 【なこ】「マスターのお隣で、休んでいけたら嬉しいです」 ;環境音 F.O ;//////// ;Track6:なこの囁き添い寝(なこの穏やかな囁きにより安眠導入からの入眠) ;//////// ;3/右 【なこ】「ん……(穏やかな4呼吸)」 ;環境音 室内空調 F.I. 【なこ】「なこも疲労していたみたいです。こうした横に……マスターと添い寝をしていると、なこがゆるゆる緩んでいくのを感じます」 【なこ】「あったかい……とても――(穏やかな4呼吸)」 【なこ】「……今日の代走。大変でしたね。マスターもなこも、気持ちの面でも疲労して……けれど決して不快ではない、むしろ心地よい疲労ですけど」 【なこ】「はじめての線路を走るのは確かに怖く、大変高い緊張を強いられもします。その反面、やっぱり喜び――見知らぬ景色に触れるわくわくも確かにあって」 【なこ】「その混じり合いが、興奮が、いまこうやって、深い疲労として現れているのだろうと、なこは判断しています。深くて、優しくて、柔らかな疲労……」 【なこ】「(穏やかな4呼吸)……マスターのあたたかさがお隣にあるおかげでしょうか。疲労そのものを、上等のお布団のように感じます。羽毛でもなく絹でもなくて、綿布団。少し重くて、べったりしていて、その重みさえ、安心感となるような……」 【なこ】「(あたたかさと重みを楽しむ、眠気混じりの8呼吸)」 【なこ】「研修、本当に来てよかったです。マスターとふたり、研修にこられてよかったです」 【なこ】「講習内容も大変勉強になりましたし、すずしろさんからの特別講習は、短いけれど、たくさんの示唆に満ちみちたものでしたし……」 【なこ】「(幸せ→慎重に言葉を探す4呼吸)――それに……」 【なこ】「それに、アクシデントからも学びを得ることができました。DE10 1545レイルロオド――より精密な検査の結果でも致命的な問題はなかったと判明して、本当になによりのことでしたが――」 【なこ】「一時的にとはいえ機能停止にまで追いやられてしまったレイルロオドを身近に感じて。その責務を、代走という形で一時的に肩代わりして……なこにもいろいろ、思うところはありました」 【なこ】「機能停止……その先にある、廃棄、解体」 【なこ】「……なこだって、大廃線を越えてきているレイルロオドです。そうした『終わり』は身近なもので、どこにでもあるものだと、理解できているような気になっていました」 【なこ】「けれど、違った。なこにとっての機能停止は、廃棄・解体は――『旧式機にだけ訪れる、最新鋭のなこにとっては他人事』……そう思い込めてしまうような、結局は他人事だとしか捉えられていない事象だったと――今日はじめて、なこは痛感させられました」 【なこ】「だって、DE10 1545は――なこのDD51 75よりもずうっと若い……いわば、小型化改良機とでも位置づけることも可能となるような、そんな車両だから……」 【なこ】「なこより若い機体でも、不意に、なんの予兆もなしに、機能停止に陥ってしまうことがある――」 【なこ】「(深く考える4呼吸)――その事実は、なこにとってはまったく新しい実感で……そこから導きだされざるを得ないもうひとつの事実は――なこだって、いつ機能停止するかわからない、というものになります」 【なこ】「そうして、もし。なこが機能停止をしたなら……」 【なこ】「(寂しいけれど、穏やかに言葉を探す4呼吸)」 【なこ】「……それがマスターのお仕事です。マスターは新しいレイルロオドと、車両と次のコンビをくんで……ご勇退されるその日まで、きっと、たくさんの乗客を、貨物を、安全に確実に運びつづける」 【なこ】「それは、幸せな未来です。あるべき未来の、ひとつの正しい形です」 【なこ】「論理の上ではいささかの瑕疵もないその想像に――けれどもなこは、寂しい気持ちを、理不尽極まる疎外感を、どうしようもなく感じてしまいます」 【なこ】「マスターの未来図になこが描かれていない……。マスターのお隣に、なこ以外のレイルロオドがいる――想像するだけで、いまも実際、苦しく、寂しく、もどかしい気持ちになってしまうことを止められません」 【なこ】「だから、なこは理解しました。いつかマスターがご勇退されるその瞬間まで、なこはマスターのお隣で乗務を続けたい――そののぞみが、どれほど強いものであるのかを、今日、はっきりと」 【なこ】「……そののぞみは、自覚をできていないだけで、きっとずうっと、なこの回路の奥深くには存在しつづけていたのでしょう」 【なこ】「だから、なこは『最先端』にこだわりつづけた。最先端であれるのならば、古びないものであるのなら、きっとマスターの終着駅まで、乗務を一緒に……旅を一緒に、続けることが叶うから」 【なこ】「けれど実際の『最先端』は一瞬のきらめきにすぎない。それは常に更新されつづけ、昨日の最先端であったものは、今日には古い技術になってしまっている」 【なこ】「そうした技術革新を、なこは素晴らしいものだと理解して。理解しながら不合理なことに、『なこ自身だけは、つねに最先端でありつづけられる』と、感情部分で思い込み続けてしまっていた」 【なこ】「……なこは、愚かなレイルロオドでした。マスターとご一緒にこの研修に来たことで、自身の愚かさに気づくことが出来て、とても幸いだと感じています」 【なこ】「最先端でありつづけることが不可能でも、最先端を学びつづけることはできる。 なこに適用可能な最先端技術がもしもあるならそれを取り込み、なこ自身をアップデートしつづけることは、できる」 【なこ】「……なこのなこたる核心部分。タブレットだけは解析不能、更新不能なものであるとも理解できています。ですので、なこがアップデートできる範囲にも自ずと限界はあり、タブレットにもし寿命がくれば……そのときがなこの、完全機能停止のときです」 【なこ】「けれど――100年を越えて稼働しつづけているレイルロオドも珍しくはない。 人間であるマスターの寿命を越えて、なこが稼働しつづけることは、決して不可能なことではない」 【なこ】「ですので、なこは、望みます。マスターのご乗務の、お仕事の終着駅を越えたその先……マスターご自身の生の終わりのそのときまでを、叶うことなら、お供し続けたいと」 【なこ】「当然、そののぞみは、マスターに拒否されてしまうなら……(マスターの眠気混じりの返事をゆるゆると聞く4呼吸。緊張→喜び)」 【なこ】「……光栄です。幸福です。レイルロオド冥利に……いえ、レイルロオドという枠を越えたなにか……なんでしょう? うまく思考を整理できません」 【なこ】「……レイルロオドは、被造物。いわゆる生命、動物とは異なるものですが――それでも、おそらく」 【なこ】「女性性。女性形としてなこが作られた、その根幹にある、なにか論理では整理しきれない要素――そうした部分が満たされたように、なこはしあわせに感じています」 【なこ】「ですので、なこは乗務します。マスターの生の終着駅まで、きっと、必ず、ご一緒に」 【なこ】「その旅は幸せに満ちたものです。できるだけ長く楽しみ続けるべきものです」 【なこ】「ですので、マスター、ご一緒に、アップデートを重ね続けていきましょう」 【なこ】「最先端の技術を学び、それを取り入れ、新しい知見に、世界に、触れつづけていきましょう」 【なこ】「学びは、それ自体がとても大きな喜びです。マスターとともにあるなら、学びの喜びも、何倍にも何十倍にも膨らんでいきます」 【なこ】「喜びに満ちた学びが実際のアップデートにつながっていき、アップデートは稼働可能な期間を延ばし、増えた時間でまた新たな学びを得る……」 【なこ】「(幸せと眠気に満ちた一息)――なんと素晴らしいサイクルでしょう。その循環は、きっと螺旋階段です」 【なこ】「おなじところをぐるぐる回っていくようで、代わり映えしない毎日を眺め続けているようで、けれどもいつか、マスターとなこを高みへと、見たことのない景色へと……ふ……ぁ……(大あくび)」 【なこ】「ああ……なこは興奮しすぎたようです。なこの各部は、負荷を増し続けた稼働の反動で、急速を強く求めています」 【なこ】「つまり……ものすごくねむいです。マスター、もしも、もしもこのまま眠ってしまって大丈夫なら……」 【なこ】「(マスターの返事をきき、幸せに安堵する1呼吸)」 【なこ】「それでは、マスター、おやすみなさい」 【なこ】「……レイルロオドも、夢を見ます。夢に関する各種言及から想像するに、人間が見るという夢ときっと、かなり似通った夢を見ます」 【なこ】「ですので、マスター……叶うなら。夢の中でも、なこと一緒にすごしてください」 【なこ】「夢の中でも……一緒に……きっと……誰も、しらない……なにかに……触れ、て……(穏やかな寝息にかわっていく8呼吸)」 【なこ】「(穏やかで規則正しい寝息の8呼吸)」 【なこ】「(穏やかで規則正しい寝息の8呼吸)」 【なこ】「(穏やかで規則正しい寝息の8呼吸)」 【なこ】「(穏やかで規則正しい寝息の8呼吸)」 ;環境音 なりっぱなし ;//////// ;Track7:なこの寝息ループ(ループトラック) ;//////// ;環境音なりっぱなし 【なこ】「(幸せと安堵に満ちた眠りの8呼吸)」 【なこ】「(幸せと安堵に満ちた眠りの8呼吸)」 【なこ】「(幸せと安堵に満ちた眠りの8呼吸)」 【なこ】「(幸せと安堵に満ちた眠りの8呼吸)」 【なこ】「(深い熟睡の8呼吸)」 【なこ】「(深い熟睡の8呼吸)」 【なこ】「(深い熟睡の8呼吸)」 【なこ】「(深い熟睡の8呼吸)」 ;//////// ;Track8 おまけコーナー、テーマトーク ;//////// ;以下は一応のガイド程度です。タイトルコールと、トークテーマとお便りをくださった方のお名前と、あとは〆とをいただけましたら、そのほかの部分は全般ご自由に、やりやすいようにやっていただけましたらそれが一番幸いです。 【演者】「ASMR of RailWorksなこ。おまけコーナー。テーマトーク!」 【演者】「こんばんわ、お久しぶりです……になるのかな? TVアニメ『レヱル・ロマネスク』と『蓄音レヱル なこ』につづいて、またもなこちゃんを演じさせていただきました、声優のXXです」 【演者】 「はじめましての方もいらっしゃいますよね? きっと。はじめまして~! はじめて過ごすなこちゃんとのひととき、いかがでしたか? 楽しんでいただけましたか? 初デートがディーゼル機関車の運転だなんて、なかなかないですよね~ レア!」 【演者】「レアな体験のそのあとは、このおまけコーナーもどうぞお楽しみいただけましたら嬉しいです。このコーナーでは、みなさんからお寄せいただいたトークテーマにしたがって、わたし、XXがテーマトークを繰り広げちゃいます」 【演者】「今回いただいてるトークテーマは~……これですね! じゃじゃん!」 【演者】「わさん? なごみさん? 平和の和、一文字のペンネームの方からいただきましたお便りです。お便りありがとうございます!」 【演者】「読みますね~ 『XXさん、こんばんわ。XXさんがもしも鉄道会社に勤めるとしたら、駅での勤務と列車乗務と、どっちをやってみたいですか? もっと具体的に、このお仕事がしてみたい! とかもあったら、教えてもらえると嬉しいです』――ですって。そっかー、鉄道会社に務めるとしたら、ですか~」 【演者】「(自由にトークをお願いいたします)」 【演者】「――です! 和さん、おたより本当にありがとうございました! ここまでで、私、XXがお送りするおまけコーナーはおしまいです」 【演者】「鉄道にまつわるさまざまな環境音と、癒やしのASMRと、そしてなこちゃんとのひとときとでお送りしました、『ASMR of RailWorksなこ』おまけコーナーまで全部、聞いてくださり本当にありがとうございます!」 【演者】「なこちゃんとの鉄道のお仕事は、ひとまずここでおしまいです。 けれどもきっと、またいつか、新しいレールの上でお会いしましょう!」 【演者】「約束ですよ? そのときに向け――『出発! 進行』」 ;おしまい