トラック10(幕間)小枝ちゃんの初恋 は、初めまして…新人賞をいただきました…こ、小枝です… この度は…あ、ありがとうございます… そ、その…ただただ絵本が…好きで… 趣味で…小さい頃から描いていて… お母さんとお父さんに進められて…お、応募しただけなんですけど ま、まさか新人賞をいただけるとは思ってませんでした… すごく…嬉しい気持ちでいっぱいです… 本当にありがとうございますっ! んぇ…? は、はい…よく…分かりましたね…? その通りです… 今よりもっと…もっ~と面白い絵本が描きたいですっ! で、でも… わ、私なんて…才能がないゴミくずなので… そんなこと…無理ですよ… 趣味程度で終わらせておけば…ひゃっ⁉ えっ!えっ⁉ そ、そそ…そんな…私に才能なんて… 新人賞だってまぐれに決まって… んぇ…?二人で…一緒に…? その日、一人で作り上げる私の世界に 全く知らない…赤の他人が土足で入り込んできた けど…その人は… 私と同じように…私の世界を愛してくれていた 私はそれが…どうしょうもなく嬉しかったのだ