◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 04-03.帰りながらの雑談 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ //帰り道(車の通りはたまにあるくらい) //左側1m弱(並んで歩く)くらいの距離 【舞結】 「あのね、お兄ちゃん」 【舞結】 「友達にさっそく話しちゃった。  彼氏っぽいのができたって」 【舞結】 「ああ、ぽいっていうのはほら、  まだ恋人未満だからの話ね」 【舞結】 「そしたらね、みんな『見せて会わせて』ってすごいの」 【舞結】 「ん? 今度ねっては言ったけど、  それはお兄ちゃん次第かな」 【舞結】 「だって、勝手に会わせるとか言えないし」 【舞結】 「そういう場に呼ばれたらどうする?」 【舞結】 「……やっぱそうだよね。  緊張しちゃうよね」 【舞結】 「私一人だけならまだいいけど、  わいわい騒ぐ年下がいっぱいいるわけで」 【舞結】 「え、興味あるの?  じゃあ今度みんなとカラオケ行ったときに呼ぶ?」 【舞結】 「あはは、うそうそ。  お兄ちゃん忙しそうだし」 【舞結】 「あはっ……私との時間は特別なんだ。  ……嬉しい」 【舞結】 「ちなみに、お父さんにも実は話した」 【舞結】 「なんで驚くの?」 【舞結】 「ふふっ、大丈夫だよ。  お父さん、とっても理解あるから」 【舞結】 「えっとね……ちゃんと話すくらいだから、  よく考えたことだろうし何も言わないって」 【舞結】 「あ、でもいっこ伝えて欲しいって言われた」 【舞結】 「自由恋愛とはいえ、諸所の判断は、  良識を持ってお願いしたいって」 【舞結】 「一字一句違わないよ、これ」 【舞結】 「……あはっ、今の『わかった』って言い方、  なんかかっこよかった」 【舞結】 「でもこれで安心した?  公認だよ?」 【舞結】 「なんで緊張するの?」 【舞結】 「あはっ、ほんと真面目だよね。  しっかりしなきゃって言ったとき、真顔だった」 【舞結】 「そして……それも、お兄ちゃんのいいところ」 【舞結】 「いっぱいみつけてく。  ……だって私、一応彼女だし」 【舞結】 「私のも見つけてくの? いいとこ?  うーん……あるかなぁ……」 【舞結】 「可愛いとこって、嬉しくなっちゃう」 【舞結】 「……うん、素直に喜ぶ」 【舞結】 「あはっ……なんかあらためて実感してる。  恋人……恋人、ふふっ」 【舞結】 「私だけだったんだよ?  彼氏いなかったの」 【舞結】 「ほんと、みんなどこで見つけてくるんだか」 【舞結】 「うーん、お兄ちゃんと同じかなぁ。  出会いがない」 【舞結】 「紹介とか嫌なんだよね。  そうしてまで欲しくないっていうか」 【舞結】 「……ふと思ったけど、  私は年上が好きなのかも」 【舞結】 「お父さんの影響?  あー、あるかもしれない」 【舞結】 「お父さん、仕事熱心だし、  それでいて、私のことも気にかけてくれてるし」 【舞結】 「そういうの見て育ったからかな」 【舞結】 「だからほら、お兄ちゃんって呼ぶの、  私は抵抗がなかったっていうか」 【舞結】 「欲しかったのはあるね。  もちろん恋人も欲しかったし」 【舞結】 「そして今、ある意味どっちもゲットできた!  私ラッキーだよね」 【舞結】 「うぅ、お財布落としたのはアンラッキーだけど」 【舞結】 「でもでも、だからこうして会えたわけだしっ」 【舞結】 「結果オーライなのです!  うんっ」 【舞結】 「……お兄ちゃんは違うの?」  【舞結】 「超ラッキーなんだ。  超なんだ」 【舞結】 「……うん、実感してる。  ほんと超ラッキーだったと思うよ……私も」