#1 (戦闘SE) 舐めたマネしやがって‼︎ オラッ、オラァ! まだくたばんねぇのかよ…っ! コイツは…! こいつで決めてやる…! 崇霊呪法…〝共鳴り〟ぃ! (爆発SE) …ふぅ。たかだか1級の呪霊のクセに手こずらせやがって…。  このクギザキノバラ様を怒らせるから、痛い思いをしながら祓われるのよ。ま、怒らせなくてもブン殴って祓うけど。  私の名前はクギザキノバラ。国立呪術高等専門学校の1年生。  好きなものは流行のもの! カワイイ服やコスメは何着あってもいいからね♪ 後は強くて美しい私、かな♪  あ? スリーサイズ? 殺すぞテメェ……。  そんな強くてカッコよくて美しいこの私が、どうしてこんな変態スクール水着みたいな恰好をして、夜の新宿を徘徊しなくちゃなんないのかは、ワケがあるのよ。  今まで呪術師として活動してきた私たちだったけど、ある時を境に呪術会の保守派が暗殺されちゃってね…。しかも全員。  ま、だいたい誰がやったのかわかるんだけど、死人に口なしってやつ? よくわかんないけど。  ま、黙ってる方が都合いい事多いじゃない? だからあえて誰もその件に口を挟まなかったってワケ。  おかげで今まで以上に仕事がしやすくなったし、余計なしがらみもなくなったんだけど、     はぁ…。活動範囲を増やしすぎた結果が…コレ、なのよねぇ…。  なーんで私がこんなの着ないといけないのよ!ってめちゃくちゃキレ散らかしたけど、どうやら私には普通の人とは違う呪力を兼ね備えているみたいで、このバカみたいなスーツはその特別な力を引き出すことができる仕様になってるんだってさ。ホントかよ…。  でも実際、今までは3級術師としての力しか持っていないと思っていた私だったけど、このスーツを着てからは、以前にも増して呪力が溢れてて、1級呪霊相手でも余裕でタイマンはれるようになった。  まぁでも、このスケベデザインだけは受け入れられないけど!  絶対都会の流行とかじゃないでしょ、マジで。  高専に出張でたまに来てるメガネかけたオッサン…ええと確か名前は…前田、とか言ったか。あいつがこの服のデザインを考えてるって教えてもらったから、今度会ったら必ずぶっ飛ばさねぇと気が済まねぇ。  なんでも、肌の露出が多い方が、呪力を直接取り込むのに効率的…って説明受けたけど、ホントかよ…。それ、スケベな格好してる女の子を見る口実にしてない?  とりあえず、これから先私のことジロジロ眺めてくるやつには、ドタマかち割るかカネ請求するかぁ…。  でも、スーツのおかげでもなんでも、私は強くあろうとする私が、好きだ!  だから強くなるためには、こんな破廉恥な格好、屁でもないわ!  だって、これからクギザキノバラ様の伝説が始まっていくんだから‼︎‼︎