トラック7 落ち着く前にオチを付けちゃってるよっ⁉ あ、あの…お久しぶりです… だ、大丈夫でしょうか…? 看病に来ました… あっ、そ、その… 編集部の方に住所を聞いたんです… あっ⁉ 決して、いつもストーキングしてたわけじゃないですっ! わ、私… 愛は重い方ですが、ヤンデレまでは絶対にいきませんっ! って…な、何の話をしてるんでしょうっ⁉ ご、ごめんなさいっ! い、今の話は忘れてくださいっ! って、んぇえええええええええっ⁉ お、お邪魔してもい、いいんですかっ⁉ わ、分かりました…し、失礼しますっ! / そわそわ…そわそわ… ね、熱で弱っているとはいえ 家にあげてくれたっ⁉ い、いや…しっかりして私っ⁉ ただの看病だよっ! こ、こんな下心丸出しじゃだめっ! 目の前で寝てるから このままワンチャン、セックスまでいけるんじゃないかって 思っちゃだめっ⁉ そうだっ⁉ え、えっと… こういう時は落ち着くためにアレを数えるんだよねっ! 立位、座位、交差位、後背位、正常位、騎乗位… って、違ぁああああああああああああああうっ⁉ あっ、ご、ごめんなさいっ⁉ いきなり大声出してっ⁉ た、ただの独り言ですっ⁉ 気にしないでくださいっ⁉ 何やってるの私っ⁉ 落ち着く前にオチを付けちゃってるよっ⁉ 下心丸出しっていうオチを付けちゃってるよっ⁉ や、やばい…エロいことしか考えられないっ⁉ い、いや、そんなこと考えてる状況じゃないよね… 大好きな人が熱で苦しんでるんだよっ⁉ うん…そう…こういう時は… な、何かして欲しいことはありますかっ⁉ えっ…? あ、あぁっ…なるほど… ふふっ…確かに… その気持ちはすっごく分かりますっ! 熱の時って… 誰でもいいから、黙って傍にいて欲しいですよねっ! ふふっ…ふふふふっ…♡ あっ…ご、ごめんなさいっ! 笑ってしまったのは… いっつも頼りになる大人の人でも こういう時は…私と同じなんだって思ったら 少し微笑ましい気持ちになってしまって… え…? ち、違いますよっ! いっつも本当に、すっごく頼りになってますよっ! そんなこと言わないでくださいっ! 私は…こんなダメダメ作家は…助けられてるんですからっ! その…スランプなのは完全に私のせいで… 没の理由もしっかり言ってくれて…筋が通っているので… 本当に気にしないでくださいっ! あとこんな状況にも関わらず 見捨てないで…優しく寄り添ってくれる所が… そ、その… うぅ…やっぱり恥ずかしいです… この先の言葉…ちゃんと言った方がいい…ですか…? あぁ…そ、そんな目で見つめないでくださいよ~! ぅっうぅ…え、えっと…この間のあれで気付いてると思いますけど… あなたの思考 この間のあれって何のことだろうか? 小枝の思考 うぅ…わざわざ自分の口ではっきりと言わせるなんて… でも…そうするってことは…私の告白を聴きたがってるってことっ⁉ ※違います あ、改めて…ちゃんとお話させてください… 言わせてくださいっ⁉ 好き…です… わ、私…好きなんですっ! って、誰っ⁉ この期に及んで、そんなこと言わないでくださいっ⁉ 誰って、そんなの一人しかいないじゃないですかっ⁉ うぅ…察してくださいよ… え…? ちょっと待ってくださいっ⁉ どうして困惑してるんですかっ⁉ んぇ…? ん…? あの…もしかすると私達… 今、何かすれ違ってるかもしれません… / あわ、あわわわわっ⁉ つ、つつ、つまり… 私は恋心がバレたって思ってたけど 実は違くて ただただちょっとした共感性羞恥で顔が赤くなってただけで… 気付いたって言っていたのは 私が恋に恋する乙女…みたいな 恋愛に憧れる子なんだ~ってことですかっ⁉ あ、あの… 流石に鈍感すぎませんっ⁉ も、もしかしてあれですかっ! 自分が女の子にモテるわけない…みたいな 鈍感系ラブコメ主人公みたいな発想してるんですかっ⁉ もう事故って告白しちゃったから言いますけど… そんなことないですよっ! 私がどれだけ苦しい思いをしてるか分かってますかっ⁉ 好きで好きで堪らないんですっ⁉ 頭がどうにかなっちゃいそうなくらい魅力的なんですっ⁉ 自慢じゃありませんが、私…ずっと… 暇さえあれば頭の中で考えてるんですっ⁉ んぇっ⁉ だからこの期に及んで誰って聞いてこないでくださいっ⁉ 一人しかいないと思うんですけどっ⁉ 人のせいにはしたくないですけど… 私のスランプの原因はきっとそうなんですっ⁉ 絵本を描くことじゃなくて どうすれば恋人になれるのかな~ みたいなことばっかり考えちゃうんですっ! それで…その…気を引きたくて… 下ネタだったり、えっちい内容だったり…グロテスクな内容だったり… そういう絵本を描いてました… まぁ…私が刺激を求めていたというのも理由にはありますけど… あ、あの…つまり…要するに… 私のこと…抱いてくれませんか…? 一回だけでいいんです… セックス…してみたいんです… その刺激が得られれば…きっとスランプを抜け出して 面白い絵本が描ける気がするんです… お願いします… 何かを考えようとしても エッチな事だったり、イチャラブする妄想ばっかりしてしまって 集中できないんです… もう一度言います… 私のこと…抱いてくれませんか…? 誰でもいいわけじゃないんです… 大好きな…恋焦がれてる人と…シたいんです… うぅ…そう…ですか… ダメ…なんですね… それって年齢差的に…ってことですか? それとも…仕事相手だからってことですか? でも…ごめんなさい… こんな至近距離で見つめ合ってるのに… 我慢なんてできませんっ⁉ んっ…♡ ぷはっ…♡ はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…♡ 抱いてくれないなら…自分から抱かれにいきますっ⁉ ごめんなさい…勝手にこんなことして… でも…もうダメなんですっ⁉ ここまで状況が揃ってて…エッチしないなんて… 生殺しですっ⁉ 看病なんて噓ですっ! 本当は最初から下心丸出しで… エッチ出来るかもって思ってお家に来ましたっ⁉ はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…♡ だから…お、大人しく…してくださいっ! はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…♡ 今から…私とエッチ…してくださいっ! って、あっ⁉ ご、ごめんなさいっ⁉ 興奮して鼻血が出てきちゃいましたっ⁉ 洗面所をお借りしますぅううううううううううっ⁉ 駆け足で洗面所へ向かう小枝 そんな彼女を目で追っている時 ふとあなたの視界に入ったのは 小枝の鞄から飛び出ていた一冊のノート 見てはいけないものだと思いつつも あなたはついつい…それに手が伸びてしまった 理由は簡単 表紙に、 俺と小枝のイチャラブ日記…と書いてあったからである 〇月×日 今日も私は打ち合わせという名目で あの人のお家に呼び出される 呼び出したら、ちゃんと俺の家に来るとか… そういうこと…期待してるだろ? あなたは思った こいつ…誰だよ…と 小枝の担当として俺は…お前のことを編集しないといけない… 誰だよと思ったら やたら改変された自分でした ほら…これが欲しかったら… ちゃ~んと…言ってみ? ご主人様のオチンポで…小枝の初めて…奪ってくださいって… は、はいぃいいいっ♡ ご主人様のオチンポで…雌豚小枝の初めて…奪ってくださいっ⁉ 台詞が追加されてるじゃねぇかっ⁉ ドスケベな女っ! はいぃいいいっ♡ 小枝はドスケベな女ですぅううううううううううっ♡ あなたは思った 何故、妄想上の自分はこんなにオラオラ系になっているのだろう…と 正直絶句した 自分は何を見ているのだろう…と はぁ…すいません…やっと止まりま… うぇええええええええええええええっ⁉ ちょ、ちょっとっ⁉ 何を見てるんですかぁあああああああああああああああっ⁉