(強敵だった忍者が仲間になったら弱体化しているボイス) いや〜……びっくりしましたね! 先程の敵もかなり手強かったです! なんか触手だしてきましたし! 忍者は触手に弱いという噂を耳にしたことがありますが……決してそんなことはありません!勇者さんはそんなこと信じないようにしてくださいね! あれ?イテテテ……あ、怪我してる! すみません、僧侶さん!ちょっと擦りむいちゃったみたいで……回復してもらえますか? そうりょさ〜ん! (SE:回復) いつもありがとうございます! (少し間) あ、ちょっと待ってもらえますか!? ちょっと待ってください! 冒険再開する前に……少しお話いいですか? 言いづらいというか…… あまり気にしないようにしていたのですが…… あの……私……なんかこのパーティで浮いてないですか!? 僧侶さんなんて、他の人はササッと回復してるのに、私だけこっちから言わないと回復してくれないっていうか…… やっぱりその……明らかにみなさんと距離があるのって……やっぱり私が敵だったからですか!? 確かに、みなさんを付け狙っていた時期はあります……みなさんを父の仇と勝手に勘違いし、命を狙っていた時期があります…… でも、こうやって、みなさんの目的に協力しているわけです……気まずいかもしれませんが、なんとか味方として認めてもらうわけには行かないでしょうか……? はい?(聞き返す感じで) え?なんですか!?違うんですか!? え!弱いぃ!? 私のことを弱いと言いましたか!? 追放するつもりですね!?先日寄った街、ナローの街のほうでは追放ブームとお聞きしました!こないだまでは転生ブームだったのに、最近は追放ブームですか! そこで感化されたみなさんは私を追放するつもりですね! 露頭に迷った私をあざ笑うつもりですね! そして私に”追放してももう遅い!女忍者が勇者パーティーに追放されてゼロから始めるワクワクスローライフ、早々にフリーランスになってダンジョンで飯を食べるのは間違っているのか!どっか〜ん!”を連載して一儲けしろって言うんですか! え!?違うんですか!? ブームでとりあえず追放してみるわけじゃないんですね!? (少し間) ふむふむ……なるほど。 つまり、私が味方になったとたん弱くなったと! そのことに納得いってないんですね!? はいはい、分かりました!分かりましたよ! いつか突っ込まれるんじゃないかと思っていましたたが……意外と早く気がつきましたね! みなさんと対時していた時、憎しみに囚われていた私は、それはもうすごい炎を出せました…… 憎しみの炎、というのは比喩表現じゃなかったわけです。 正直自分でもなんで私こんなめちゃくちゃ炎出せるんだろう……って自分でも引いてました。ドン引きしながら炎を出していましたとも! それが仲間に入ったら、なんていうんでしょうか…… 自分でもここまで弱体化するとは……いや〜…… なんか、こう、お父さんが生きてたって分かると……微妙にやる気が出なくなって……それはもう、しょっぼい火しかでなくなってしまいました! でもこの攻撃を受けたモンスターも「(ちょっと高く)あつつつ!びっくりした〜!」って言ってましたからね。 「(ちょっと高く)あつつつ!びっくりした〜!」ですよ!かなりダメージを与えた感じしませんか? しませんよね! 普通に反撃してきましたもんね! カップ麺作る時にちょっとお湯がかかったくらいのダメージでしたもんね! (少し落ち着いて) というわけで、仲間になったら弱い火しか出せなくなりました! ごめんなさい! はい!全然納得がいかないご様子!。 確かに、みなさんと対時していた時、私、めちゃくちゃ素早かったですもんね! みなさんが一回攻撃するたびに、私は二回くらい攻撃してましたもんね! でも、あの時、頑張って素早く攻撃してたから疲労がすごいんですよ! でもね!あの時、めっちゃ無理してすごい早く動いてたからこそ、疲労が取れてないんですよ! 今はちょっと普通より動きが早い人くらいになっちゃいましたけど……肩こりがすごいんですよ! 学校で選抜リレーにギリギリ出られないくらいの速さになっちゃいましたけど! でも週二でマッサージ通ってますからね!忍者がマッサージに行くんですよ!? 保険証持って、それはもう屈辱ですよ! くっ悔しい……!けど体は正直……!マッサージがめちゃくちゃ気持ちいいんですよ! あまりのマッサージの気持ちよさに、「これ本当にマッサージなんですか〜?」って聞いちゃいましたもんね! マッサージ師さんも「(低い声)皆さんされてることですから、大丈夫ですよ」って言ってましたからね! こんな多忙の毎日に耐えつつ頑張って、普通よりちょっと早く動けてる私をもっと評価してください! 「(ちょっと高く)よっ!普通の人より早い!」と言って、私を鼓舞してくれませんか!? くれるわけないですよね! 世界を救おうという時に、ちょっと普通の人より速いだけの人、あんまり役にたちませんよね!! でも!でもですよ! う〜ん……なんか他にあったかな……(言い訳を考えている感じで) そうそう意外とタフなんですよ! 忍者学校で休み時間にサッカーする時はそれはもうキーパーしてましたよ! 背が高いだけでキーパーさせられていたわけじゃありませんよ! SGGK(エスジージーケー)って呼ばれてましたからね!知らないんですか?SGGK(エスジージーケー)! スーパー頑張りゴールキーパーに決まってるでしょ! 二時間目と三時間目の間にあるちょっと長めの休み時間にもサッカーをしちゃう素早さ!そしてゴールキーパーをやるタフさ!そしてSGGK(エスジージーケー)と呼ばれる頑張り!そのすべてを兼ね備えていたのが私なのです! はい!みなまで言わないでください!そこで芽生えた当然の疑問!言いたいことは手を取るように分かりますよ! 仲間になったら全然タフじゃなくなったと言いたいのでしょう! その通り! 確かに私がみなさんの敵だった時は雷とか落とされても全然大丈夫でしたからね!雷落とされている時に骨とか透けて見えてましたから自分でもめちゃくちゃ心配だったんですが!なんとまあ大丈夫でした!あれめちゃくちゃ痛かったんですよ!ただただ我慢していただけだったんです! (少し間) 分かりました……分かりましたよ…… あんまり言いたくなかったですけど…… 最終決戦も近づいていくなか、私だけわがまま言ってられないとは思っていたところです…… なので……みなさんの気持ち次第ではパーティを抜けようと思います…… 追放されちゃうなんて……悲しいけど…… でも最後に確認しておきますね…… こんな、おっぱいが大きくて露出も高い忍者……本当に抜けさせていいんですか……? 正直かなりモチベーションアップになると思いますけど…… じゃあみなさん目をつぶってください…… 私が抜けたほうがいいって思う人、手を上げてください! なるほどなるほど…… では……私が居たほうがいいって思う人、手を上げてください! なるほどね……ふ〜ん、なるほどなるほど! ということでね、みなさん!私はこれからも一緒にがんばることになりました! いや〜みなさん!正直で助かりました!! あ! デザート食べたくなってきました! 勇者さん!次の街ではデザート食べましょう!