ステラちゃんに入眠まで罵倒されて安眠する音声 (ノック) ……ご主人様? 入りますよ? ……ご主人様、なんですかこんな夜更かしして。 もうとっくにお休みかと思いましたのに、明かりが漏れていたので驚きました。 いい子にねんねなさらないとダメですよぉ? ……なんですか、じろじろ見て。 別に、パジャマぐらい普通に着ますよステラだって。 まさか、メイド服で寝るとでもお思いですかぁ? ふぁぁ……ん。 ステラももう寝たいのです。 あるじを敬愛する忠義メイドのステラとしては、ご主人様より先に寝るなど言語道断。心の底より尊敬する殿方がお休みになるまで、床に就くわけにはまいりません。 だからさっさとお休みやがりくださいませ。 ……眠れない? はあ……まったく。 わけもなく眠れない夜、だなんて。 そんなロマンチックなのは、ご主人様の顔に似つかわしくございません。 ご主人様は能天気に、ばぶばぶおやすみでちゅ~すやすやぐうぐうと、バカ丸出しで快眠なさればよろしいのです。 …………もう、仕方ないですねぇ。 ほら、電気消しますよ。 ……はいはい、ベッドに行った行った。 ひとりじゃお休みになれない寂しがり屋のボクちゃん様に、ステラが添い寝をしてさしあげますから。 ……あ、へんなことは期待なさらないでくださいね? ステラだって眠いのですから。添い寝だけです。 ほら、いいからさっさとなさいませ。 (ごそごそ) (右耳) ……んっ。 はい、お休み下さいな。 ステラが見守っていて差し上げますから。どうぞご安眠を。 ……ほら、もっとこっちこないと、ベッドから落ちますよ。 なに今更遠慮しているのですか。純情少年ではあるまいに、おキモくていらっしゃいますねえ。ステラとは散々、密着して色々しているでしょう? ……まあ、ベッドでこういうのは、はじめてですけれど。 ……脳みそドピンクのご主人様に、変な妄想をするな、などと無茶は申しませんが。 寝るだけなんですから、ステラのあまぁい女の子の香りを、必要以上に嗅いだりしないでくださいませねぇ。 ほら、とんとん、ってして差し上げますから。 赤ちゃんみたいに安心して、無防備なお顔ステラに晒して、間抜け面でおねんね下さい? お~よちよち、ステラママがついてないと、ねんねもできないんでちゅねぇ~。 ……おやあ? なんですご主人様? 普段はステラにあれだけの醜態を誇示するかの如く見せつけてきますのに、ステラママにばぶばぶ甘えるのは恥ずかしいのでちゅかぁ~? 心配なさらずともご主人様はもともと恥ずかしい人間でいらっしゃいますので、今更取り繕う必要はないのでございますよぉ? ……はあ。まったく、しょうもないご主人様。 ほら……。 (胸に抱きしめる。鼓動) ……こうしてステラのお胸に、顔をうずめていれば……恥ずかしくないでしょう? 情けないお顔、ステラママのお胸に隠しましょうねぇ~。ほーら、ないないでちゅよ~? ……ふふ、ほら。もっと甘えていいのですよ? ぎゅーってなさったらいかがです? お坊ちゃま……♡ ……んふふふふ、うーわぁ、本当に甘えちゃうのですねぇ。 なんと情けない。お胸に顔を埋めていれば恥ずかしくないだなんて、バカな理屈を鵜呑み(うのみ)にしたのですかぁ? あー恥ずかし恥ずかし。恥ずかしいちゃんですねぇ、お坊ちゃまは。 ……ほーら、どうせ恥ずかしいちゃんなら、とことん恥ずかしく甘えてしまえばいいのです。 ステラにぎゅーって抱き着いて、お背中とんとん、とんとんってされて。 赤ちゃんみたいに体丸めながら、甘えん坊ねんねしましょうねぇ? ステラが、甘ったれのお坊ちゃまに、羊さん数えてあげまちゅからねぇ~? ほら……。 羊が一匹……。 羊が百匹……。 ……ふふ、本当に羊さんでお休みになっちゃうなんて、赤ちゃんですかご主人様は。 明日はたーっぷりからかって差し上げないと。 ……ふぅ、本当、安心しきったしまりのないお顔しちゃって。 ……いいのですよ。ご主人様はそれで。 能天気にすやすやと、油断しきったお顔、ステラに晒していればいいのです。 なーんにも、取り繕う必要はございません。 ステラがずーっと、ずーっと。甘やかして、守って差し上げますから。 ……ステラの前でだけは、赤ちゃんでいいのですよ。 …………おやすみなさい。 今日も、大好きですよ。ご主人様。