;//////// ;Track0 タイトルコールと、この音源の楽しみ方 ;//////// ;ナレーション(タイトルコール) 【ぺろ】「あやかし郷愁譚。目玉しゃぶり。ぺろ。 あむっ――(飴舐め)」 ;/// ;環境音 F.I。4月。スーパーマーケット内 ;SE 買い物カートで軽い接触 ;1/前 ;舐めたまま 【ぺろ】「わ!? と、ごめんなさ――はうっ」 ;飴だして 【ぺろ】「ごめんなさい。 いま買い物カート、おにいさんにぶつけてしもたよね」 【ぺろ】「ぶつかってへん? かすっただけ? いや、でも、どんって感じが――――あ」 【ぺろ】「あー。えへへ、おにーさん、かっこつけらってんのかー。 そぉかぁ。おにーさん、ええ男なんやねー」 【ぺろ】「そんならぺろも、乗っからんねー。 にへへ、かすっただけならよかったー。 でも、不注意やっぱり、ごめんなさいね」 【ぺろ】「お詫びに――(飴なめ)――飴玉なめはりますか?」 【ぺろ】「ああ、違ーてな? このカートにいれてる研究材料の方やのーて、 ぺろが私物でもっとる、 あ、ぺろっていうのはうちのお名前なんやけど」 【ぺろ】「ぺろな? 飴ちゃんつくるのお仕事なんよ。 それで、いまはええと……」 ;SE バッグあける。がさごそ 【ぺろ】「棒付き飴と、組み飴と、カンロ飴と醤油飴と、あ、塩飴もあるなぁ」 【ぺろ】「おにーさん、どれがよろしい……って―― (ぽかーんと口を開ける感じで間←息かニュアンス) ――」 ;いいいながら顔をぐるり見回す ;1/前→;6/左前→;1/前→;2/右前→;1/前  【ぺろ】「んんん〜? んんんん〜? んんんんんん〜? (飴なめ――飴噛み砕き――ごくんっ)」 【ぺろ】「あれやん! ぺろ、おにーさんと会うの二回目やんなぁ! たぶん……ううん、絶対そーや!」 【ぺろ】「一度目は、ぺろの飴屋のビラ配っとったとき。 ぺろ、おにーさんに会ーとるやんなー。 な? おにーさんは覚えとらん?」 【ぺろ】「(呼吸音)……あはっ」 【ぺろ】「せやったんやなー。それはそれはって感じやなー。 ほへ? ((呼吸音)) あー、確か確かに。 ビラくばりしとるときには、ものべのみたいな田舎ゆーても百人二百人には会うし、田舎で話し好きの人もおーいし、全員のことはいちいち覚えとられへんなんぁ」 【ぺろ】「けどな? ふふっ」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「おにーさんのこと覚えとったんは、その目玉のせい。 おにーさん、きれーな目玉、してはるから」 ;3/右 【ぺろ】「えっ? うふふっ、どないな意味もそないな意味も、たいした意味なんてあれへんよ。ゆーたまんま。 それより、な? おにーさん。飴玉、どれがお好みですのん? かばんの中からどれでも好きなの、取って取って!」 ;SE 開いたバッグから飴を一つ摘み取る 【ぺろ】「(嬉しげに詰める呼吸)――あははっ! そっかー、おにーさん、なかなかええチョイスしらったなー。 ほんならぺろもお揃い飴ちゃんひとつ――ん…… (飴なめ→舐めたまま)」 【ぺろ】「うんうん、ええ趣味。ええお味。 おにーさん、ぺろと好みが近いやんなー」 【ぺろ】「あんな? ぺろな? んふふっ! おにーさんの目玉以外んとこも気に入ってきたさかいに、ええこと教えたげるなー」 ;独り言(つぶやき)。”あんな”は普通に 【ぺろ】「……ひょっとしたら、前に会ーたときにも話とるかもしれんけど。ま、大事なことやし。――あんな?」 ;3/右 接近囁き ひそひそ 【ぺろ】「ものべのでは、ヘッドホンかイヤホンをつけてすごしはったほーが、ええのんよ。そぉしたらな?」 【ぺろ】「(ふーーーーーーーっ)こぉんな風にとか」 ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「こないな感じに、――(耳元で飴コロコロ)――とか」 ;7/左→;1/前→;3/右 【ぺろ】「ぐるーーーーーって回り込んでみたりとか、で」 ;1/前 【ぺろ】「ものべのの空気のひろがり、 耳でもよーけに、楽しんでもらえるよーになるさかいに、な」 【ぺろ】「っと、そろそろぺろ行かなあかんねや。 おにーさん、ほなさいなら……やのーて、うふふっ。 おにーさんとは、ご縁ありそーな気がするさかいに」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「きっとまた、会いましょな?」 ;1/前 【ぺろ】「あははっ! ほな、ぺろ行くなー! 飴ちゃん、おいしゅう舐めたってなー」 ;SE 買い物カート;1/前→;15/左遠→F.O. ;環境音 F.O. ;//////// <Tr1: ぺろと雨降りと飴玉と:ドラマパート> ;//////// ;飴舐めてない状態でスタート ;SE 雨降り。春雨。 :SE リスナー自身の足音。水たまり踏んだり ;14/後左遠(遠く 【ぺろ】「んんん〜?」 ;SE 追いつかけてくる足音 ;14/後左遠→;6/後左→;7/左 ;7/左 "あ"は喜び 【ぺろ】「あんじょうすんまへん。 ちょこーっとだけ傘、失礼しますな――あ!」 ;SE 足音止まる(足をとめておしゃべり) 【ぺろ】「わぁい! やっぱりおにーさんやったー。 遠目の雨霞(あめがすみ)の後ろ姿でもな? きっとそやろなって、えへへ、ぺろ、なんとのー思ぉとったんよ」 【ぺろ】「おにーさんも、おでかけしてらったん? これからお宿にでも帰るとこ? ぺろはな? お買い物しとったんよ」 【ぺろ】「お買い物袋の中身、見る? んふふ〜 <SE ビニール袋がさごそ> じゃじゃーん! かき氷のシロップ」 【ぺろ】「あはは、さすがにぺろでもこの季節にかき氷はよー舐めんかな。 これは、かき氷に使うんとちごて、あ、そおそお!」 ;SE 袋がさごそ 【ぺろ】「新製品の棒飴もおためしで買ーたんよ。 大袋によーさん入っとるから――ん――<SE 菓子袋あけ> はい、傘にいれてくれたお礼に、おにーさんにも一本」 ;7/左 "こっちむいて"のあとで ;1/前  【ぺろ】「ね? こっちむいて? で、ちょこっとかがんで? 個包装もあけたげるさかいにな〜 <;SE 個包装開ける> はい、『あーーーん』」 【ぺろ】「((呼吸音)――えへへ〜。 おにーさん、棒飴の棒口からひょこっと出しとると、 なーんや かいらしいなぁ」 【ぺろ】「ほんなら、ぺろも――<;SE 個包装開け> (棒飴くわえる。以降指示あるかでくわえっぱ)――んふふ〜」 【ぺろ】「(飴なめ)――ん〜。バナナ味もおいしなぁ。 まだぺろ、つくったことあられへんから、今度つくってみよかなぁ」 【ぺろ】「ん? って――おにーさん。 ぺろが足止めさせといてアレやけど、 こないないとこで立ち話しとっても足元やら裾やら濡れてまうし、な?」 ;SE ふたりのゆっくり歩く足音(継続。移動と足を止めてるのの区分け表現のため) ;7/左 (相合い傘で歩いてる) 【ぺろ】「あー、で? (呼吸音)――ああ、うん。 あれれ? おにーさんにはまだゆーとらんかったっけ」 【ぺろ】「ぺろのお仕事はな? 飴屋さんなんよ。 昔ながらの天然素材の飴からな? 新しい素材をがんがんつこーた実験作まで、 いろーんな飴を作り売りしとるん」 【ぺろ】「(棒飴口から飴出して) せやさかい、ぺろはいっつも飴玉しゃぶっとるんよ? 研究のため。 ふふっ! ま、もちろん口さみしいとか美味しいとかゆーんもあるけどなー」 【ぺろ】「で。(飴咥え)さっき買ーたかき氷シロップも、飴づくりの材料なんよ。 飴に色付けするのに、いろーんな色の食紅の類(たぐい)つことるんやけど、かき氷シロップも、色付けに使えるさかいに」 ;”あ” いたずらっぽく 【ぺろ】「かき氷シロップには、最初から香料も入っとるし、砂糖と塩とブドウ糖も入っとるさかいに、ただ食紅だけをまぜこむんとは、色合いだけやのーて、味も風味も変わってくるんよ――あ」 【ぺろ】「うふふっ、おにーさんは知っとる? かき氷シロップの秘密。 ――知りたかったら、な? 耳かして」 ;SE 足音とまる ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「(飴を口から出す) あんな? かき氷シロップってな? イチゴもレモンもメロンもみぃんな、おんなじ味をしとるんよ?」 ;SE 傘が大きく動く ;7/左 【ぺろ】「あはは! そないにびっくりしよったん? あんまりビクって動くから、傘がおちょこになりかかったやんかー!  そかそか、知らなかったんやなー(飴咥え)」 ;SE ふたり歩く再開 【ぺろ】「今度かき氷食べるときな? お鼻つまんで、目ぇつむって食べてみるとよぉーおわかるよ? みぃんなおんなじ味しよるって」 【ぺろ】「……(呼吸音)――せやねぇ。ほんまや。 色やら匂いやら、味がしぃひんものから味を感じとるんやから不思議よねぇ。 その辺は、人間も、ぺろみたいなあやかしも変わらんのも不思議――ああ、でも」 【ぺろ】「な、おにーさんはなな様ゆ−土地神様知っとる? もともと蛭妖(ひるよう――肌にぺっとり張り付いて血ぃ吸ってくる、あの蛭のあやかしやった、あやかしあがりの土地神様なんやけど」 【ぺろ】「そのなな様な? うちにときどき買い物にきて、飴を選んで買ーてくんやけど、いや、あの神様すごいんよ」 【ぺろ】「うちの飴もな? ちゃあんとゆず果汁やらみかん果汁しょうが汁やら大根汁やら混ぜ込んでつくる昔ながらの飴の他にも、見た目重視で、香料と着色料だけでそれっぽくしあげたヤツと、大きくわけで二種類があるんやけれども――」 【ぺろ】「なな様。ぜーったいに本物の果汁やら野菜汁やらだけを混ぜ込んであるのんしか買わんのよ。食紅や香料、ちょこーっとでも混ぜこんであるのんには手も触れんの」 【ぺろ】「原材料表記とかまるで見もせんで。 出したばっかの新作でもなんでも、絶対にそないにして選ぶさかいに―― あれ、鼻なんかなぁ? 感覚、きっとめーっちゃ鋭敏なんやろなー」 【ぺろ】「でな? なのにな? くふふふふっ!」 【ぺろ】「同じ神様でもな、ものべのにものすごー古くからいよる、星辰ひめみや、ご開祖ちゃんやらいう土地神はんは、もう完全見た目重視なんよ」 【ぺろ】「『これかわいいッス! こっちもいいッス!』って感じで、色やら柄やらで気に入ったのをぽんぽん買ーてくれはって」 【ぺろ】「逆に、昔ながらの生姜飴だのユズ飴だのは色合いが地味〜やけんね。ご開祖ちゃんに買ーてもろたこと、あれへん気がする」 【ぺろ】「ゆーたら親子連れの、おかあはんとこどもみたいな違いうな感じなんよ、なな様とご開祖ちゃん。 ふたり、仲悪いいう噂も聞くけど……飴選びひとつとっても、まーあ正反対やゆ−気はするな。 逆に、えらい仲良しそーな気もするけどなぁ」 【ぺろ】「あ! 親子ゆーたらうちの店にもな? あかしゃぐまの全妖と半妖――人間とあやかしのハーフの――のおやこづれが月イチくらいで買い物に来てくれるんやけど」 【ぺろ】「すみはん――おかあはんの方は、昔ながらの飴買わせたがって。 けど、えみちゃん――娘ちゃんの方は、きらっきらしたかわいらしいの買いたがってな? なかなかなかなか――うふふっ、毎度大騒ぎになるよるねんなー」 【ぺろ】「あ……(呼吸音)――うん。きらっきらした飴いうんわな? (ばりばりと飴噛み砕き――ごくん)、えっとな?」 ;SE 足音止まる ;1/前 【ぺろ】「あ、おにーさん。ちょこっと買い物袋もっとってくれはる? うちのかばんの中にな? 確か――」 ;SE ビニール袋手渡す ;SE かばんあける ;1/前(うつむいて →"あったあった"で顔あげる) 【ぺろ】「んっと〜……えっとぉ―― あーあったあった! これこれ、こないなんが、えみちゃん好みの飴やねん」 【ぺろ】「きらっきらで綺麗で、宝石みたいやろ? 糸寒天とグラニュー糖と食紅で作る、琥珀糖(こはくとう)いう飴やんなぁ」 【ぺろ】「ぺろとしてはまぁ、水飴ベースの飴の方が好みやけどな。まぁ――はむっ(飴舐め。以下、舐めっぱなし)――ん――これはこれでちゃあんとした飴やし」 ;SE 歩き再開 ;7/左 【ぺろ】「着色料――食紅も香料も、安全無害な代物なんやし、 今日日(きょうび)入っとらんヤツ探す方がむつかしいくらいなもんや思うけど、すみはんはなるたけえみちゃんには無添加無着色のもんだけ食べさせはりたいみたいでなぁ。 えみちゃんといっつもわーわーやりおうとるんよ」 【ぺろ】「ちびっこは、ふふっ、やかましけどかいらしもんやなぁ。 あんなん見とったら――ん〜〜。ぺろもなんや、 おかあさんとかになってみるのも悪くなかったかもなー、なぁんて思わされたりもしてまぅなぁ」 【ぺろ】「……((呼吸音))――あははっ! 『過去形じゃなくて未来形では?』なぁんて、おにーさんもなかなか口がお上手やなぁ」 【ぺろ】「けどな? ぺろがこないな、わらしみたいなナリしとるんは、単に、ぺろいう名前にあわせとるだけのことやねんな」 【ぺろ】「ほんまはぺろ、1500年以上は生きとるからなぁ。 外観それにあわせるんなら、しわっくちゃのおばあちゃんやし」 【ぺろ】「うふふっ、話しとると全然そんな感じしぃひんのん? ほーんま、おにーさんお口お上手や」 【ぺろ】「けどまぁ、そやね。 ぺろは他のあやかしたちと違ごて、 ちょこちょこ新しいこと試すさかいに、 それで気ぃが若い感じでおられるのかもしれんねー」 【ぺろ】「飴作りもなぁ……ほんの三十年か四十年か、 そのくらいまえからはじめたばかりのことやしなぁ」 【ぺろ】「せやさかいに、まだまだ満足には作れへんけど…… 組み飴だけはな? 最初からずーっと作り続けてるさかいに。 へへっ、最近はちょこっとな? かわええのん作れるようになってきてるかなって、自分では思うてん」 【ぺろ】「え!? おにーさん、組み飴しらんの? (飴噛み。ばりぼり→ごくん) いや、いくらなんでも知らんことないよ。 見たら、きっとわかるし」 ;SE 足音止まる ;1/前 【ぺろ】「あれ?――ぺろの買い物袋、って! おにーさんにもたせっぱなしになっとった! 申し訳ない――ことないの? そのくらい軽いもの? えへへっ。ほーんまにーさん、かっこつけやなぁ! でもま、実際んとこかっこええわ」 【ぺろ】「やのーて、組み飴。組み飴やんなぁ。 んとな? ぺろのかばんに、さっき確か―― <かばんあけ。がさごそ> これこれ、こんなん。な? おにーさん手ぇ出して?」 ;SE 手のひらに飴、ぽとっ 【ぺろ】「ピンクと白でかわいいやろぉ。 中もよーみて、ウサギさん。 切っても切っても切っても切っても、 このかいらしウサギさんが出てきよるのが、組み飴や」 【ぺろ】「あ! うんうん。キンタロ飴とも言うなぁ、たしかに。 ぺろたち飴屋の界隈では、組み飴いうけど、そかそか、 おにーさんたち、飴屋でない人間にはキンタロ飴いう方がわかりやすいんやなぁ……って」 【ぺろ】「どないしたん、おにーさん。 そないにしげしげ飴見回して…… え? そやよ? ゆーたやん。 ぺろは、組み飴作るのだけはまぁまぁ最近できてきたって」 【ぺろ】「(嬉しい呼吸音)――へっ……えへへっ。 なんや、そないいわれたら照れてまうやん。 ま、ぺろも自信作やさかいにおにーさんに見せたんやけど、そないな……芸術品やら言われるほどの出来栄えやないて。 こそばゆいやん! そないに褒められたら〜」 【ぺろ】「なんならにーさんにだって、組めんことないもんやし、 組み飴――おっ!?」 【ぺろ】「おにーさんの目玉、急にきらきらしてきよったなぁ。 美味しそ――いやいや、ええと―― 興味あるのん? 組み飴組むの」 【ぺろ】「そかそか。ほんなら――な? このあとおにーさん時間あるなら、雨宿りがてら、 ぺろの飴屋に、寄ってみぃひん?」 【ぺろ】「この雨やさかいに、飴屋によらはる酔狂な人もあやかしも、そんなよーけにはおらんやろうし――ふふっ」 ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「ぺろ、なんやおにーさんのこと気に入ったさかいに、 普段はやらん体験教室、特別にひらいたげてもええかなぁ、って」 ;1/前 【ぺろ】「あはは! そんなら決まりやぁ〜! それっ!」 ;SE 足音ふたり、少し早足 【ぺろ】「決まった以上は、善は急げや!」 ;//////// <Tr2: ぺろと一緒に組み飴づくり:ASMRパート> ;//////// ;参)組み飴作りとその音(この動画の流れで作劇してます ;https://www.youtube.com/watch?v=vWeCz6DGON8 ;飴なめなしでスタート ;環境音 エアコン ;SE 鍋に火。鍋の中の飴ぐつぐつ ;1/前 マイクに背中向き 【ぺろ】「んふふ〜 えーえ感じ。 お鍋の中で、飴ちゃんぐつぐつ言うてきたなぁ。 そおしたら火、ちょこっと弱めて〜」 ;1/前 振り返り 【ぺろ】「おにーさん。手袋はめた? はめたんなら、な? 初仕事。 こん中に砂糖ぶっこんでみいひん?」 【ぺろ】「(呼吸音)……んふふ! ほんならお隣きてな〜」 ;SE 足音一歩 ;3/右 【ぺろ】「ぺろがお鍋の中ぐるぐるかき回しとくさかいに、 そのお皿の上に別ワケしてあるグラニュー糖な? さらさらゆるゆるちょこっとずつ、 溶けやすいよーにーって、注いでいって欲しいんよ」 【ぺろ】「ん。ほんなら、いつでもええタイミングでお願いなー」 ;SE 木べらで鍋かきまわます(継続 ;SE 皿からグラニュー糖ゆっくり滑らす(20秒ほどで皿がからになる感じ 【ぺろ】「お! おにーさん上手やん。 これならちょーどええ塩梅や」 【ぺろ】「(集中してかき混ぜる呼吸音)」 【ぺろ】「ん? ああ。せやでー。 水飴と水にグラニュー糖混ぜて、甘さと加工しやすさの調整しとんの」 【ぺろ】「この水飴がぜぇんぶのベースになるわけやさかいに、 慎重に、丁寧に、ぐーるぐるぐーるぐるぐーるぐる…… (呼吸音)――――うん! ええ感じ!!」 ;かき混ぜストップ ;SE コンロの火とめる 【ぺろ】「おにーさん! 危ないからちょっと離れとって! そこの鉄板のテーブル、冷却板の上に、 この水飴ぜぇんぶあけるさかいに」 ;SE 大きく一歩さがる ;9/前遠 【ぺろ】「よっっ! っと!!」 ;SE 鍋抱えて慎重に歩く ;9/前遠→;10/右前遠 ;10/右前遠 (マイクに背中向け) 【ぺろ】「だばーーーーーーっ」 ;SE 冷却板上に飴を広げる ;SE 木べらで鍋の底さらって全部出す 【ぺろ】「飴ちゃんほーっておいたらな、鍋にくっついて固まるさかいに、木べらつこーて、全部を残さずこそげとって――」 ;SE 木べらで飴をかき回しひろげる(継続 【ぺろ】「そしたらぐるぐる、かきまぜながら冷却板にひろげてのばし、て!」 ;10/右前遠 (マイク向き) 【ぺろ】「そしたらおにーさん! 来てきて! ぺろのお隣! そこに立って!」 ;SE 足音 ;3/右 【ぺろ】「ぺろの前が銀色のテーブル。冷却板。 ここは、飴を冷やして固めるところ。 で、おにーさんの前の黒のテーブルがヒートテーブル。 ぽかぽかーってしとるやろ? そこは、飴をあっためてゆるめるとこ」 【ぺろ】「冷却板とヒートテーブルの使い分けがな? おいしくてなめらかな飴づくりには重要なんよー」 【ぺろ】「そしたらな? ぺろがいま木べらで混ぜ混ぜしとるとこに、それ、そこのカップに入っとる、紫の食紅、たらーって垂らして、混ぜこんだって?」 ;SE 食紅注ぐ ;SE 飴沸き立つ じゅわー 【ぺろ】「ん。上手やなぁ。そしたらおにーさんもそこにある木べらとって? ぺろの紫の右側な? ぺろの紫とまじらんよーに、混ぜ混ぜしてくれる?」 ;SE 木べらまぜ 【ぺろ】「ん、もーちょい力ぬいてええよ? (呼吸音)――そそ、そないな感じ。そしたら〜 白の食紅を〜――あ、手、とめたらいけんよ? だばぁ!」 ;SE 食紅注ぎ→飴沸き立つ 【ぺろ】「そしたら、紫とまぜんよーにして、白をガンガン混ぜ込んで広げてもらえるやろか? 白はダマとかムラになりにくいさかいに、気楽に力抜いてやってな?」 ;SE(継続)木べらでかき混ぜ・2本同時 【ぺろ】「たてたて横横ぐーるぐるいうような感じでな? わりとてきとーでも、ここは形になるさかいに。 でもって――っと!」 ;SE 食紅注ぎ→じゅわー 【ぺろ】「あまっとるとこで緑もつくって―― ふふふっ、紫と白と緑で、どないな組飴できるやろかねー」 【ぺろ】「(呼吸音)――ふふっ。食紅いれて、じゅわーってなっとったのが消えてきたやんか。 そしたらもう飴、ええ感じに冷えてきよったよう合図やさかいに、かき混ぜる手ぇとめてええよ」 ;SE 木べらストップ 【ぺろ】「そしたら今度は、はい、これ。コテ。 お好み焼きとかひっくりかえす、あれやんな。 持って?」 ;SE 木べら置く(コテ受け取る) 【ぺろ】「そしたら〜 飴の流れ止めの枠をはずして――」 ;SE 枠はずし 【ぺろ】「な? もう流れ出していかれへんやろ? このっくらいが一番細工しやすい塩梅なんよ ――で!」 ;SE 金属ヘラで飴を持ち上げ、鋏で飴切り 【ぺろ】「紫の飴をこうして――ヘラでもちあげて鋏で切って! 切ったらワキによけてって――」 ;SE ヘラで飴を冷却板の端によせていく 【ぺろ】「白い部分もおんなじことするさかいに。 おにーさん、ヘラでちょこっともちあげたって?」 ;SE 持ちあげ→鋏でカット 【ぺろ】「ちょきちょきちょっきん! よーし、切れたぁ! そしたらにーさん、反対の端に、白いとこまとめてよけといてなぁ」 ;SE ヘラで飴をよせていく 【ぺろ】「で、残った緑もちょちょいまとめて――」 ;SE ヘラ寄せ 【ぺろ】「紫、緑、白。全部それぞれの塊になったさかいに、 今度はそれに空気を混ぜていかなあかんの。 空気を混ぜれば混ぜるほど、舌触りなめらかになるさかいにな。こないな風に――」 ;SE 飴を持ち上げて、冷却板に叩きつける 【ぺろ】「飴もちあげて、折り曲げて、冷却板にたたきつけてって、 緑と紫、緑と紫って、交代交代に何度か繰り返してもろてもええかなぁ?」 ;SE 飴叩きつけ(数回繰り返し) 【ぺろ】「うんうん、ええ手付き! やっぱりおにーさんは力あるなら。 ぺろだとそんなええ音だせへんもん」 ;3/右→;4/後右→;12/後右遠 【ぺろ】「したら、ぺろはその間に白の飴ちゃんを〜〜」 ;12/後右遠 【ぺろ】「あ、ちょっとの間(ま)手ぇ止めてみててくれてもかまわんよ? ちょっとした職人芸やさかいにな〜」 ;SE 飴を持ち上げてフックにかける 【ぺろ】「こないにして――ん……(呼吸音)―― 飴をまるごとフックにかけて〜――(呼吸音」 ;SE フックに掛けた飴を伸ばして巻いて(継続。一分ほど ) 【ぺろ】「フックにかけたら伸ばして丸めてまた伸ばしてで―― ん……((呼吸音)――空気たーんと、織り込むねんな」 ;SE 冷却板に飴なげる ;4/後右 【ぺろ】「ほい、にーさん。そしたら今度は、 今伸ばしたん折って叩きつけてって? ぺろは紫、次にはフックで伸ばすさかいに」 ;SE 飴叩きつけ(繰り返し、一分ほど) ;1/前 ;SE 飴フック (繰り返し、一分ほど) ;12/後右遠 ;12/後右遠(マイクに背中) 【ぺろ】「(集中した呼吸音)」 ;SE とめてから 【ぺろ】「ほい、伸びた!」 ;SE 冷却板に飴投げ ;4/後右 【ぺろ】「ほいほい。そしたら、ラストは緑色〜」 ;SE 飴叩きつけ(繰り返し、一分ほど) ;1/前 ;SE 飴フック (繰り返し、一分ほど) ;12/後右遠 ;12/後右遠(マイクに背中) 【ぺろ】「♪〜 (鼻歌ないし楽しげな呼吸音)」 ;SE 止めて 【ぺろ】「ほーいおしまい!」 ;12/後右遠→;4/後右→;3/右 【ぺろ】「そないしたら次、 ここから先はヒートテーブルの上もつこーて飴を棒状にしてくさかいに―― ぺろがやるの、よーみとってな?」 ;SE HTに飴投げ ;3/右 【ぺろ】「紫の塊から飴をひとつかみ―― <;SE 鋏で飴切り> ――鋏つこーて、このっくらいとりわけて〜」 ;SE 飴取り分けて→たたきつける 【ぺろ】「ひっぱってのばして、折りたたむ」 ;SE 飴伸ばし→たたみ (繰り返し、一分ほど) 【ぺろ】「(呼吸音)」 【ぺろ】「おにーさんもひとつかみとりわけて、 おんなじことやってみて?」 ;SE 鋏で飴切り ;SE 飴伸ばし→たたみ 【ぺろ】「そうそう! なんやー! えらい上手やんなー! そしたらそのまま続けてってー。 ぺろは、緑の飴の支度するから」 ;SE 飴伸ばしたたみ (一分ほど)/;1/前 ;SE 鋏で飴切り /;3/右 【ぺろ】「緑にはアクセントにするさかいに、 これ以上は空気入れんで――」 ;SE HTに軽く叩きつけ 【ぺろ】「叩いて、四角くまとめておいて、と」 ;SE HTに飴ひっくりかえして叩きつけ 【ぺろ】「白もときどきかえしとかんと――っと、 おにーさんの紫はええ感じやなぁ。 そしたら――うふふっ、組み飴組みにはいろーなー!」 ;SE 飴ひとかたまり叩きつけ 【ぺろ】「おにーさんが伸ばしてくれた飴をごろごろ―― ヒートテーブルの上でまるめて、円柱にして……」 ;SE 飴をごろごろ転がす 【ぺろ】「ごろごろー、ごろごろー、転がして転がして、 だんだん細ぉ細ぉにしてくの。 ほい、おにーさん、しばらくごろごろやってみて?」 ;SE 飴ゴロゴロ (一分ほど) 【ぺろ】「緑の方は〜冷却板の端っこつかて」 ;SE 飴を鉄板の端にぶつけるx2 【ぺろ】「ぶつけてぶつけて〜四角くまとめて〜平たくつぶして〜」 【ぺろ】「あ、おにーさんの方もええ感じやね。 そしたら、ふふふっ! いまからふたりの共同作業な? おにーさんがごろごろしとるの、 ぺろがもーっと細ぅにごろごろつぶしてまるめて〜」 ;SE 飴ころがし (一分ほど) 【ぺろ】「細ぅして細ぅして――直径そやな、2cmくらいの細さになったら〜 またまた鋏を取り出しまして〜」 ;SE 鋏 【ぺろ】「パチン!! んふふっ、な? 見てみて、おにーさん。 いまきった紫のほそっこいのだけでも、一応ちゃあんと飴ちゃんにしあがっとるでしょお」 【ぺろ】「けどな? 組み飴組むためにはな? いまと同じことをして、くりかえしでこれをあと15本! 作っていかなあかんねん」 【ぺろ】「ささ! やるで〜! 共同作業、たのしいなぁ!!」 ;SE 飴ゴロゴロ (継続 150秒ほど) ;SE 鋏、10秒に一度のペースで15回 【ぺろ】「(集中した呼吸音)」 【ぺろ】「ん! 切れた〜!! そしたらこれを冷却板で〜」 ;SE 冷却板の端+鉄定規みたいなのを滑らせて成型 【ぺろ】「端っこ使こて形を四角く整えて〜 はみ出てるとこ鋏で切って〜」 ;SE 鋏 パチ(適当な間)パチ、って感じに四回ほど 【ぺろ】「あ、おにーさん <;SE 鋏 四回> この白の飴、緑とおんなじ大きさに、 四角くまとめてみてもろてええ? 白の四角を、ふたつつくって?」 ;SE 飴叩きつけ(継続) 【ぺろ】「そそ、そないな感じに〜 その間に、ぺろは紫の丸棒飴を重ねて――重ねて――」 ;SE 飴重ね 【ぺろ】「(集中した呼吸)」 【ぺろ】「できた! っと、おにーさんのもええ感じやね。 そしたら緑の四角を白の四角ふたつで挟んで―― その上に、もっかい緑の四角を乗せて――」 ;SE 飴重ね 【ぺろ】「重ね終わったらひとまとめにして、紫棒と同じ長さまで伸ばして―― <;SE 飴伸ばし>――伸ばして〜」 【ぺろ】「んふふっ、おにーさん、なんやぽかーんとしとるねぇ。 しょーことなしやな。秘密、ちょっとだけ教えたげるな? 耳かして?」 ;3/右 接近囁き ”ふふっ”で顔離す 【ぺろ】「今しとるのはな? 組み飴の中身づくり。 この紫と緑と白が、かわいいかわいい模様になるんよ? ふふっ!」 ;3/右 【ぺろ】「そないなわけでー! よいしょっ!」 ;SE 大きな飴の塊をヒートテーブルに叩きつけるx2 【ぺろ】「白の残りと紫の残り、 おっきな塊をそれぞれでっかい長方形に伸ばして、なー」 ;SE 飴のせ 【ぺろ】「白のでっかい四角の上に、 まずは緑と白の組んで丸棒にしたのをぽーんと乗せて。 それから紫十六本の丸棒も、ピラミッド型に……んしょ。六本四本三本二本一本――積んでいって〜――」 【ぺろ】「そしたら全部を丸めてまるめて―― ぶっとい一本の飴にして――」 ;SE 飴丸め(一分ほど) 【ぺろ】「(集中した呼吸音)」 【ぺろ】「まるまったらまた――んしょ! <;SE飴移動> 今度は紫の上に乗っけて、 またまたまるごとまとめてまるめて―― ド太い一本の飴にして――」 ;SE 飴丸め。一分ほど 【ぺろ】「うふふっ! ――ん――(呼吸音)―― なにしとるのかだんだんわかってきはったたやろー?」 【ぺろ】「そしたらおにーさん、これぐるぐるってやりつづけてな? 端っこの方ぺろが細ぃにまるめて伸ばして、 パチパチ切り取っていくさかい!!」 ;SE 飴丸め (継続 180秒ほど) ;1/前 ;SE 飴細伸ばし→鋏 10秒に1度を18回 ;3/前  【ぺろ】「♪〜(楽しげな呼吸)」 【ぺろ】「ほーいできた! な? な? おにーさん、 断面みてみて、断面!」 【ぺろ】「(呼吸音)――んふふ〜! せやなー! びっくりやんなー! ぶどうの組飴! キンタロ飴、見事にできあがったなー!」 【ぺろ】「うんうん。せやねー。 16本の紫がぶどうのつぶつぶ。 緑と白がぶどうのヘタ」 【ぺろ】「で、ぐるーんて白でかこんで、一番の外枠がむらさきで! どっからどうみても美味しそう〜なブドウ飴やなぁ。 な? おにーさんも舐めてみたいやろ? おにーさんのその手ぇで、まるめてまとめて上手にこさえた飴やさかいになー」 【ぺろ】「んふふ〜ん。そしたらこっからはな、組飴づくりで一番スカっとするとこやるから――んふふっ」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「もーちょっとだけ、待っとってなぁ?」 ;3/右 【ぺろ】「あははっ! そんなら仕上げやね〜! いまながーい丸棒に切ってある組み飴たちを、 まずはこーして」 ;冷却板の上で飴何本もまとめて転がす(継続) 【ぺろ】「冷却板の上でまとめてころがして―― ざらー、ざらーって、冷やして形整えて丸めて」 【ぺろ】「固まったらな? 出番になるのがこちら! じゃじゃーん! 飴きり包丁(ぼうちょう)!」 【ぺろ】「棒飴四本をまとめて左手でもって、 飴切り台の上にちょこっと滑らせて〜」 ;SE 飴切り包丁で飴カット 【ぺろ】「んふふ〜! これでブドウ飴できあがりや! 1カットごとに飴ちゃん4つずつ! どんどんさっくりパッキリいくな〜」 ;SE 飴カット 連続 (一分ほど) 【ぺろ】「おにーさんも、そこの包丁と台と使ぉてやってみてええよ? 多少おっきな粒になっても、それはお客さん大当たりいうことでかまわれへんから」 ;SE 飴カット;3/右 2分ほど ;SE 飴カット;1/前 (ゆっくり→だんだん早く)2分ほど 【ぺろ】「うんうん! おにーさんセンスええなぁ! 普段から、お料理とか工作とかしてらったん? 手付き、どんどんよーなって鮮やかやわぁ――っと!」 【ぺろ】「切れたなー! そしたらあとは、飴ちゃんころがして端っこによせて〜」 ;SE 飴寄せ。ざーーーっ 【ぺろ】「袋詰したら完成! やけどそのまえに〜」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「うふふっ、おにーさんにアルバイト料あげないけんね〜」 ;1/前 【ぺろ】「はぁい、『あーーーーーん』」 【ぺろ】「(呼吸音)――んふふっ! せやろー! おいしいやろー! そしたらぺろも、あ! せっかくやし」 【ぺろ】「な? おにーさんもしてくれひん? ぺろに、『あーん』て」 【ぺろ】「(呼吸音)んふふっ! おおきに。 ほんならな、せーの、『あーーーーーんっ』 (ぱくっ)」 【ぺろ】「(飴コロコロ、一分ほど)」 ;飴いれたまま 【ぺろ】「♪ んふふー! おいしい!! なんだか、今日の飴ちゃんは、いっつもよりちょこっと甘いなぁ」 ;環境音 F.O, ;//////// <Tr3: ぺろの歯磨き。それから耳かき(右耳):ASMRパート> ;//////// ;1/前 【ぺろ】「(飴噛み砕き)――(ごくんっ)」 ;環境音 (空調)F.I. 【ぺろ】「はー、おいしかったぁ! ええ飴舐めると、 もっとええ飴つくりたなってしまうなぁ――って?」 【ぺろ】「どないしたのおにーさん? なんや奥歯にものでもつまったような……って! ああ」 ;SE 足音一歩 ;1/前 密着 【ぺろ】「飴ちゃん、歯の間にはさまってしもたんやろ? な? おにーさん。ぺろに見えるように屈んで、 ほんでもっておくち? おっきくあけて?」 【ぺろ】「はい、『あーーーーーーん』」 【ぺろ】「ん……(呼吸音)――ん〜 よー見えひん。 あ、せやせや。スマホのライト――ん…… うん――」 【ぺろ】「(呼吸音)――あー、かなりガッツリはさまっとるなぁ。 これはブラシしてとっちゃうのが一番の早道やろなぁ。 あ、おにーさん。もうお口とじてええよ?」 ;1/前 【ぺろ】「あんな? おにーさん。 このあとの予定とか時間ってどう? もしもいそいでへんのやったら、歯磨き、してったらどーかな思うて」 【ぺろ】「あ、予定ないん? んふふ〜 ええなぁ。 そないな旅が一番楽しい旅よね〜。 ぺろ、ごっつうらやましいわぁ」 ;1/前→『こっち』で移動で;6/左前 【ぺろ】「ゆーか! そしたら歯磨きしよな? こっち――この戸の向こうがぺろのおうちになっとるさかいに」 ;SE ガラリ戸開け ;6/左前 【ぺろ】「遠慮せんとあがってあがって。 さ、さ、さ! 早ぉ! 早ぉに!!」 ;SE 足音 ;SE 靴脱いで板敷きの廊下にあがる ;SE ガラリ戸閉める ;1/前 【ぺろ】「へへへー。ぺろのおうちによーこそやんなぁ。 あ!」 【ぺろ】「いや、大したことやあれへんけどな? あー、やっぱちょっとは大したことかな? へへっ」 ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「あんな? おにーさんな? 人間でぺろのおうちにあがった、はじめてのお客さんやなぁ、思ーて」 ;1/前 【ぺろ】「えへへへへっ! なんや、なんだかこそばゆいなぁ。って」 【ぺろ】「おにーさんは飴挟まって、こそばゆーてたまらんかったんやったっけ。 いけんいけん、ほんなら、この部屋、畳の部屋に入って入って」 ;SE ふすまあけ 【ぺろ】「ほんでぺろは〜――」 ;SE 廊下足音 ;1/前→;16/左前遠 ;16/左前遠  【ぺろ】「歯ブラシと〜 コップのお水と〜 からのバケツと〜、バスタオル〜」 ;SE 足音 ;16/左前遠→;1/前 ;SE 机の上にコップ置く ;SE バスタオル畳にしいて、その上にバケツ置く 【ぺろ】「はぁい。じゃ、おにいさん、ぺろのおひざに頭乗ってけ、おくちあーんして?」 【ぺろ】「ああ、いけんよ。おにーさん多分、まだかたまりきっとらん飴舐めてしもーて、それを歯にくっつけてしもーとるさかいに、普通に磨いてもなかなかとれひんもん」 【ぺろ】「その点、ぺろは飴ちゃんの専門家やさかいな。 歯にもどこにも負担かけず、ぱりっと綺麗にとったるさかい」 【ぺろ】「それに――な? おにーさん。ふふふっ」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「こーみえて、ぺろは結構、人間の体のつくりにも詳しいさかいに。 歯磨ききっと、おにーさんが自分でするより、ずーっとここちよーしれあげられるけん。な?」 ;1/前 【ぺろ】「(呼吸音)」 【ぺろ】「んふふー。せやせや。元はといえばぺろがうっかり、 かたまりきっとらん飴をおにーさんに舐めさせてしもたんがいけんねやさかいに。 ぺろに責任とらせな、ね? おにーさん大損ゆーもんよ」 【ぺろ】「ほんなら、こーこ<膝ぽんぽん> な? おにーさんの頭、ぺろのお膝に預けてな〜」 ;頭が膝に乗る ;1/前 密着 【ぺろ】「あ……なんやこれ―― ぺろもなんだか、こそばゆいゆーか……(呼吸音)―― あはは、なんやちょこーっと照れてまうなぁ」 【ぺろ】「んん……(呼吸音)―― さくっと! さくっと歯磨きしてしまおなー! ほんならおにいさん。お口、あーんて大きくあけてな?」 【ぺろ】「ん……(呼吸音)――ほんならいくなー 歯ブラシ、まずはコップの水で湿らせて――」 ;SE コップに歯ブラシつけて濡らす 【ぺろ】「はじめはゆっくりするさかいにな?」 ;SE ゆっくりと歯ブラシ (右下の奥歯。1分ほど) 【ぺろ】「あー(呼吸音)―― ん……(呼吸音)―― なるほどなぁ」 【ぺろ】「やっぱり、歯にくっついてしもとるのがあるな。 これ、ちょっとヨウジでつっついてはがしてしまうなぁ?」 ;SE ヨウジで歯についてる飴を剥がす(一分ほど) 【ぺろ】「ん……(呼吸音)―― ここが一番、うすいさかいに――(呼吸音) ――めくって、はがして――(呼吸音)―― そんで――――よしっ!」 【ぺろ】「んふふ〜 さすがはぺろさんやんなぁ! 剥がれた飴、これ、おにーさん舐めなおしはる?」 【ぺろ】「よしとくん? もったいないなぁ。 ほんならぺろが〜 (ぱくっ、ぱりっ、ごくっ)」 【ぺろ】「あ……ぺろちょこっとはしたなかった? 人間のしきたり、わことるつもりやったんやけど細かいとこまでは……へ?」 【ぺろ】「気にしないならかめへんって……なにを? カンセツキス?? カンセツキスて―― 間接……キっ!!? いややー! もー!!!」 ;SE おにーさんの体をばちばちたたく 【ぺろ】「なんでそないなこといいはるのん! ぺろ、なんか急に恥ずかしくなってもーたやんかー! いけずー! おにいさんのいけず!!!」 【ぺろ】「むぅぅぅ〜 もう。いけずなおにいさんにはな! ――どないしよ……ん〜 (考え込む)」 【ぺろ】「あ! これ以上いけずなこといえんよーにな! ぺろがお口のぜぇんぶをな? 綺麗綺麗にみがいてしまうさかいに! 覚悟したってな〜」 【ぺろ】「まずは〜 左上の奥歯から!!」 ;SE 歯ブラシ (左上奥歯 一分ほど) 【ぺろ】「ん……(呼吸音)」 【ぺろ】「でぇ。上の前歯〜」 ;SE 歯ブラシ (上前歯 一分ほど) 【ぺろ】「……前歯の裏も……(呼吸音)―― 丁寧に……(呼吸音)―― ん……(呼吸音)――」 【ぺろ】「そしたら今度は、右上の奥歯」 ;SE 歯ブラシ (右上奥歯 一分ほど) 【ぺろ】「あ――……ん? (呼吸音) ここ、虫歯になりかかっとるかもなぁ――(呼吸音) ん〜(呼吸音)――」 【ぺろ】「な。おにーさん。歯医者、近い内いっかいいっといたほうがええかもな。 右上の奥歯、ちょっと虫歯になりかかっとるかもしれんさかいに」 【ぺろ】「ほかはぜんぜん、気になるところあれへんかったけど、そこだけな? ゆーことで、今度は下の歯。 もーちょっとだけ、ええ子にしてて、こらえてな?」 【ぺろ】「ほんなら、左下の奥歯〜〜」 ;SE 歯ブラシ 左下奥歯 一分ほど 【ぺろ】「ん〜……(呼吸音)―― ん……(呼吸音)―― あやしい歯ぁは――ないな、うんうん」 【ぺろ】「そしたら、下の前歯やな〜」 ;SE 歯ブラシ 下前歯 一分ほど 【ぺろ】「ごしごし、くしゅくしゅ――(呼吸音)―― 前歯の裏も……(呼吸音)―― 丁寧、に――(呼吸音)――」 【ぺろ】「そしたら仕上げ! 右下の奥歯! さっき飴ちゃん張り付いてしもとったとこやさかいに。 もっかい、ゆっくり丁寧に――ん……」 ;SE 歯ブラシ 右下奥歯 90秒ほど 【ぺろ】「ん……(呼吸音)―― っと……(呼吸音)―― もう飴ちゃんは……(呼吸音)―― のこっとらんな――(呼吸音)――うん!」 【ぺろ】「おつかれさんやなー。 みがきおわったでー。 お口、ぶくぶくゆすぎたいやろ?」 【ぺろ】「はい。こっぷのお水。それから、このバケツ――え? 洗面所でゆすぐ方がええのん? 恥ずかしい? はー、人間はなんぎなもんやなー。 そんなら――こっち、洗面所」 ;SE 廊下移動、ふたり ;3/右 【ぺろ】「ここ。どーぞ、お水流して好きなだけぶくぶくしてな。 恥ずかしいなら、ぺろ、さっきの部屋に先にもどっとるさかいに。ごゆっくり」 ;SE 足音 ;5/後→;14/後左遠 ;SE 水道の水流す(30秒ほど) ;SE 足音 ;1/前 【ぺろ】「あ、おかえりー、おにーさん。 な? ぺろの歯磨き、どないやった??」 【ぺろ】「んふふ〜 (呼吸音)――そーやろそーやろそーやんなぁ! ぺろはこうみえて、人間の体のつくりのことそこそこくわしいあやかしやさかいな。 おにーさんをここちよーしてあげるくらいのことは、朝飯前や!」 【ぺろ】「あ! そんならな? 耳かきも試してみぃひん? ぺろ、実際にはまだ人間に耳かきってしたことないさかいに、一度ためしてみたかったんよ」 【ぺろ】「耳かきも、な? <SE 懐から取り出す> えへへ――これ、ええ品って一目でわかるやろー! 縄のうれんのゆえゆーあやかしがつくってくれた、 煤竹の耳かき」 【ぺろ】「薄くてしなって上等やさかいに。 これつこーておにーさんの目玉――やのーて、 あはは、お耳、ほじってあげたら、 きっとここちよーしてあげられるとぺろ、思うんやけども」 【ぺろ】「えへへ! せやなー。ほんなら、しよな?」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「こっちのお耳を上にして、ぺろのお膝に、ごろーんて頭預けてな?」 ;これ以降安眠誘導の方向性。メリハリ強弱、リスナーさんを驚かせることがないようにという範囲内でお願いします。 ;3/右 【ぺろ】「んふふっ。おにーさんのお耳さん。こんにちわー。 そしたら、ご機嫌うかがいましょか〜」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「(ふーーーーーーーーーっ)」 ;3/右 【ぺろ】「ん……んーーー。 んんふっ、奥が深そーでほじりがいありそなお耳やねー」 【ぺろ】「楽しみすぎて生唾わいてしまいそうやさかいに。 飴玉、ちょこっと失礼するな〜?」 【ぺろ】「(飴玉口に。ころころ。以降、耳かき中舐めたまま)」 【ぺろ】「ほんなら、まずは浅いとこから〜」 ;SE 耳かき 浅 一分ほど 【ぺろ】「ん〜〜(呼吸音)―― よごれはそないに目立たへんなぁ――(呼吸音)」 ;SE 耳かき 浅 一分ほど 【ぺろ】「それでも、やっぱり――(呼吸音)―― 裏側に張り付いてるよーなんは――(呼吸音)――」 ;SE 耳かき 浅 90秒ほど 【ぺろ】「ん……(呼吸音)―― こんなんも――剥がしやすいとこから――(呼吸音)―― んん……(呼吸音)――うん!」 【ぺろ】「っと、うっかりするとこやった。 耳かき使う度ティッシュで綺麗に拭かんと、ええ耳掃除はできひんって、結はんにおそわっとったんやった」 ;SE ティッシュ引き抜き→耳かきふきふき 【ぺろ】「えへへ、これで――(呼吸音)――うん! 浅いところはこれでええなー。 そしたら今度は――深そな穴の、深いとこ――」 ;3/右 (接近囁き) 【ぺろ】「(ふーーーーーーーっ)――ふふっ。たぁのしみ」 ;3/右 【ぺろ】「ん〜……(呼吸音)」 ;SE耳かき 深 90秒ほど 【ぺろ】「……(無言で集中する息遣い)」 【ぺろ】「ん……やっぱり結構、深いなぁ」 ;SE耳かき 深い 90秒ほど 【ぺろ】「……ふふっ――みぃつけた――(呼吸音)―― おっきいお宝……逃されへんで〜(呼吸音)―― ん――(呼吸音)―― っと――(呼吸音)――」 ;SE 耳かき 深 一分ほど 【ぺろ】「もーちょっと――(呼吸音)―― ん……っと――(呼吸音)――よしっ―― 零さんよーにせん(呼吸音)――うん」 ;SE ティッシュ抜き→ふきふき 【ぺろ】「あとは仕上げで……」 ;SE 耳かき深 一分ほど 【ぺろ】「ん……(呼吸音)―― と――(呼吸音)―― うん……(呼吸音)――えへへ〜」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「(ふーーーーーーーっ)」 ;3/右 【ぺろ】「どやろか? ん〜〜(呼吸音)――うん! えへへ、右耳のお掃除、おしまいやー」 【ぺろ】「どないやった、おにーさん? うんうん、せやろなー。 ごくらくやろなー。 ぺろ、なんやおにーさんがうらやましいわ」 【ぺろ】「ふふっ! そしたら、左のお耳やね〜 こっちももーっと、ここちよーしたげるさかいに。 期待してなー?」 【ぺろ】「ほんなら体、いれかえよーな? ぺろがごろーんて言うさかいに、 それにあわせて、左のお耳が上になるよう、ころげてなー」 【ぺろ】「せやったら、いくなー? せーので」 ;;3/右→;1/前→;7/左 【ぺろ】「ごろーーーーーーーーーん」 ;//////// ;Track4 ぺろの耳かき(左耳・ASMRパート) ;//////// ;7/左 【ぺろ】「(飴コロコロ)――ふふっ」 ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「(ふーーーーーーっ)」 ;7/左 【ぺろ】「ん……こっちのお耳は〜―― んふふっ、こっちのそこそこ深そうやねぇ。 ほじくりがいがありそーで、なによりやわぁ」 【ぺろ】「けぇど、まずは焦らんと、浅いとこからやなぁ」 ;耳かき 浅 一分ほど 【ぺろ】「ん……(呼吸音)―― っと……お耳、ちょこっとめくるなぁ?――<耳触り> ――うん……(呼吸音)」 ;耳かき 浅 一分ほど 【ぺろ】「……おにーさんの体はええ体やなぁ――(呼吸音) ――お耳も――さっきのお口の中も――(呼吸音) どこもかしこもええお味がしそお――あ! いや、ヘンな意味やのーてな? その……(呼吸音)」 ;耳かき 浅 一分ほど 【ぺろ】「ヘンな意味やのーて……(呼吸音)―― ぺろ、誤解されがちなんやけど――(呼吸音)―― 人間食べたりするような、怖いあやかしと違うさかいに……(呼吸音)――ん」 ;SE ティッシュ→ふきふき ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「(ふーーーーーーーっ)」 【ぺろ】「ただ、な?……(飴コロコロ)―― ほんまに、皮一枚だけ、表面だけな? 舐めたらおいしそ――そういうだけの意味なんよ?」 ;7/左 【ぺろ】「ふふっ! 安心してな? とって喰うたりしいひんから。 ぺろは、人間を怖がらせたり嫌がらせたりするよりずっと――」 ;耳かき深 一分ほど 【ぺろ】「ん……(呼吸音)―― こないな、風に――(呼吸音)―― 人間、が――(呼吸音)――」 ;耳かき深 一分ほど 【ぺろ】「ここちよさそーに とろんとしたり……(呼吸音) 病んどったところを、よーしたり……(呼吸音) 元気になって、走りまわったり……(呼吸音)――」 ;耳かき深 一分ほど 【ぺろ】「そないな姿を見ておるほーが……(呼吸音)―― 怯えて、病んで、寝込んでしもとる姿より――(呼吸音)―― ずっと、ずうっと……(呼吸音)」 ;耳かき深 90秒ほど 【ぺろ】「みてて、楽しい――(呼吸音)―― そういう風に――思う――さかいに――(呼吸音)―― あ――これ……ん――(呼吸音)―― …………(集中した呼吸音)――ん!」 ;SE ティッシュ→ふきふき 【ぺろ】「んふふっ、これでどないかな〜」 ;7/左 接近囁き 【ぺろ】「(ふーーーーーーーーっ)」 ;7/左 【ぺろ】「ん。……ん〜〜〜……(呼吸音)―― うん。よし。でけたぁ。 お耳のお掃除、とっても上手にできましたぁ。えへへっ」 【ぺろ】「どないやった? おにーさん、 ここちよーて、とろけそなった?」 【ぺろ】「(呼吸音)――あははー。それならうれしいなぁ。 気に入ってくれておおきに。 ゆーか、それほど気に入ってくらったんならな? ぺろのいちばぁん得意なところ、特別にほぐしたげるなぁ?」 【ぺろ】「おにーさん。な? ごろんして上むいて? せーの」 ;7/左→;1/前 【ぺろ】「ごろーーーん。 うん、上手上手」 ;1/前 顔寄せ囁き 【ぺろ】「ほんなら、な? 少しの間、目ぇ閉じて?」 ;1/前 【ぺろ】「ん――」 ;SE 肌に触れる音(そっと) 【ぺろ】「……目ぇ、これからほぐしたるさかいに。 アイマッサージ。 こないして、まぶたのうえに手のひらおいとくだけでも、な? ぽかぽかってして、ちょっとはほぐれてくるやろぉ?」 【ぺろ】「やっぱりなぁ。 おにーさん、上等の目玉してはるさかいに、 その分、ちょこーっと疲れやすそー思とったんよ」 【ぺろ】「せやさかい――ん――」 ;SE もみほぐし音。ゆるゆる(1分ほど) 【ぺろ】「こないして……ゆるーく、ゆるぅく――(呼吸音) 親指と小指以外の三本つこて――(呼吸音)――」 ;SE マッサージ(ゆる) 【ぺろ】「瞼の上から、右のお目々も左のおめめも――(呼吸音)―― ……ほぐして、ほぐして、あっためて――(呼吸音)―― 血ぃのめぐりを、よーしてあげて――(呼吸音)」 ;SE マッサージとめ 【ぺろ】「ほんで、な?」 ;SE こめかみマッサージ(強め) 一分ほど 【ぺろ】「目ぇはくたびれやすいさかいに――(呼吸音)―― 長い時間はもみほぐさんと――(呼吸音)―― おめめのふちのこめかみを――(呼吸音)――」 ;SE こめかみマッサージ(強め) 一分ほど 【ぺろ】「――すこぉし強めに――(呼吸音)―― もんで、ほぐして――(呼吸音)―― 血がめぐるのを、助けてあげて――(呼吸音)」 ;SE 触れたまま指を滑らせる こめかみ→耳の後ろのくぼみ ;SE 耳の後ろ(強め) 一分ほど 【ぺろ】「そおして――耳の後ろのくぼみも――(呼吸音) おんなじように、もんで、ほぐして――(呼吸音) ――ん……(呼吸音) ほんで、しあげに、もーいっかい――ん……」 ;SE 肌に触れる音(そっと) 【ぺろ】「……手のひらをそっと、まぶたの上に乗せるだけ……(呼吸音) 押さんと、揉まんと、やわこーやわこー触れるだけ……(呼吸音)」 【ぺろ】「こないにしながら、しばらく休めて……(呼吸音) おにーさんのお目々……びっくりさせんと……落ち着けて……」 【ぺろ】「(静かな呼吸音。四回ほどくりかえし)」 【ぺろ】「もーおめめ、あけてもろてもよろしいよ? ふふっ? どない? おにーさん――ありゃっ」 【ぺろ】「(笑みを含んだ呼吸)」 【ぺろ】「うふふ〜。おおきなおおきなあくびさん。 おにーさん、よーっぽどここちよーなって、 おねむたさんになってしまはったんやねぇ――ぁ――ふ――ぁ」 【ぺろ】「(おおあくび)」 【ぺろ】「うぁ……ぺろにもおにーさんのあくびが宿替い(やどがい)してきよったなぁ。 ん……おにーさん、どないしはる?」 【ぺろ】「なんや、ぺろ、おにーさんと話したりないみたいな気持ちしよるさかいに―― おにーさんに用事ないなら、このまま、な? (飴噛み砕いて――ごくり)」 ;3/右 接近囁き 【ぺろ】「ぺろのおうちにお泊りだとか、してみぃひん?」 ;SE 環境音 F.O. ;//////// ;Track5 ぺろとおねんね(添い寝・ウィスパーパート) ;//////// ;飴なし ;環境音 寝室 (柱時計) ;安眠導入。ぺろ、ずーっとウィスパー ;7/左 【ぺろ】「あ」 【ぺろ】「……いや、おにーさん、おなかすいてたりしぃひん? ぺろはほら、あやかしやし、ずーっと飴玉舐め取ったから、 うっかりしてしもたんやけど」 【ぺろ】「おにーさんも、今日あってから飴玉だけしか…… (呼吸音)――うふふっ、さよかぁ」 【ぺろ】「おなかすいたんより眠たい方が強いんなら、 今夜はこまま寝てしもて、明日の朝においしいごはん、食べはるほうがよろしなぁ」 【ぺろ】「ちょうどな? 尾頭付きの鯛、塩して冷蔵庫にいれてあるさかいに。 明日は……ふふふっ、朝ごはんから、おにーさんは鯛の塩焼き。ごちそうやなぁ」 【ぺろ】「ぺろは、ほれ、あやかしやさかい。 そないにおなかすかんのよ。 せやさかい、身の方はぜぇんぶおにーさんに食べてほしい思うけど……その――」 【ぺろ】「頭(かしら)はな? 最初にごとーんて切り落として、煮付けにさせてもらおうかなぁ思ーとるんよ」 【ぺろ】「あー、せやなぁ。頬肉(ほおにく)とかも美味しそーやなぁ。 せやけどな、ぺろのお目当ては――眼肉(がんにく)――鯛の目玉と、そのまわりのお肉」 【ぺろ】「ぺろ、ほら、いま目玉しゃぶりいうあやかしやんかぁ――あ」 【ぺろ】「……(不安そうな呼吸音)――(怪訝そうな呼吸音)――(様子を伺う呼吸音)――」 【ぺろ】「……あの、おにいさん? 怖がったり、嫌がったりとか……あれへんの?」 【ぺろ】「なんでって――だっていま、ぺろ、自分が目玉しゃぶりやて――いややなぁ、ずーっと隠そう思とったんに……ぽろって、ゆーてしまったでしょお」 【ぺろ】「ほんで、目玉しゃぶりやゆーたら……あ――(呼吸音)――ああ――(呼吸音)――せやなぁ、いまはそういう時代やなぁ」 ;あははは寂しい笑い 【ぺろ】「『目玉しゃぶりがどないなあやかしか』なんて―― あはは、知っとる方が、珍しやろなぁ」 【ぺろ】「ん……(呼吸音)――興味があるなら話すけど…… 少し、長い話になってまうよな気がするなぁ」 【ぺろ】「……(呼吸音)――ん。さよか。 そんならつまらん身の上話になってまうけど―― まぁ、おにーさんの寝物語に」 【ぺろ】「あんな? ぺろはな? もともとは人間だったんよ。 琵琶湖のほとりの小さな小さな村に住む、 ただの人間だったんよ」 【ぺろ】「人間だったころの名前は…… どうしても思い出されへんなぁ。 暮らしておった村の名前も、とおに忘れてしもたなぁ」 【ぺろ】「けどな――ひとつだけ。 ずっとずうっと忘れられへん―― ずうっと思とることがあって」 【ぺろ】「ぺろは人間だったころから、ずうっとな? 人間に……人間の体のつくりにえらい興味があってなぁ。 薬師(くすし)――お医者様になりたいなぁって、こないなおなごの身ながらな? ずーっとずーっと思とったんよ」 【ぺろ】「もちろん、昔々のことやさかいに。 どんなに立派なことしても女ゆーだけで名前の一つも歴史に残してもらえんよーな時代のことやったさかいにな? 女が薬師になりたいなんて、まっとーにうけとってくれる人もおらんでなぁ」 【ぺろ】「それでも、少し――ほんの少しは、ちゃあんとぺろの相手をしてくれる人もいて。 人の体と病いのことを、教えてくれる人もでてきて…… 暮らしとった村にみんなからはな? 少しずつ頼られるよーにもなってきたんよ」 【ぺろ】「みんなはな? ぺろのこと、少し変わった祈祷師かなんかと思うとったみたいやけどな。 長ネギ焼いて喉の痛いのおさめてやったり、 どくだみ煎じて体のしびれをなおしたったり。 そないなことを重ねるうちに、少しずつ、少しずつ―― ふふふっ、頼ってもらえるよーになってきてなぁ」 【ぺろ】「……あのころは幸せやったなぁ。 このままきっと年を重ねて、 誰かんとこにお嫁にいって、 こどもこさえておばあさんになって―― なぁんてぼんやり、思とったなぁ」 【ぺろ】「けどな? それは叶われへんかったんよ。 疫病(えやみ)――疫病に、 ぺろの暮らしておった村が、襲われてしもたさかいに」 【ぺろ】「みんなばたばた倒れてなぁ――。 ぺろがどんなに頑張ってもな?ころりころりと死んでしもうて……」 【ぺろ】「これはいけんておもうてな? ぺろ、先生に―― ぺろに人の体のことを教えてくれて、 病のいやし方を教えてくれた、尼さんに―― 助けを乞おうと思うてな」 【ぺろ】「その尼さんは、方県郡(かたかたぐん)―― 今でいう岐阜の尼寺に暮らしてるゆー尼さんでな? ……今にしておもうと、その尼さんも、 カミさまやら、あやかしやらの類だったのかもしれんけど」 【ぺろ】「旅の途中やいうて、ふらりとぺろの村に立ち寄って。 ぺろにいろんなこと教えてくれて―― 字の綴り方まで教えてくれて、墨と筆までぺろにくれてな。 『なにかあったらここに手紙を書きなさい』って、 おしえておいてくれたんよ」 【ぺろ】「せやさかいに、ぺろ、竹に手紙を書いてなぁ。 木箱にいれて、あとは、その箱の中に……その――」 【ぺろ】「疫病(えやみ)で倒れてしもうた人は、みぃんな目玉が濁とったんよ。あとな、男の人はその――お股についとる大事なもんが、黒ぉしなびてしもとったんよ」 【ぺろ】「それを見てもらうのが、一番はやいことやおもうて…… せやさかい、ぺろ、なくなってしもうた人から目玉えぐって、とお股の大事なもの切って――手紙と一緒に、木箱にいれて、竹の皮で何重にも何重にも、ぐるぐるまきに縛ったんよ」 【ぺろ】「でな? そのころは郵便屋さんなんておれひんかったさかいに。赤くておっきな橋の上に立ってな。 『方県郡にいかれるひとは、おらしまへんかー』って、探して探して」 【ぺろ】「やっと見つけたお侍さんにな? 『この箱を方県郡の尼寺にきっと届けてくださいな。 とても危ないものですさかい、ぜったい途中であけひんよーに』ってお願いしてな」 【ぺろ】「……その箱が届いたか届かんかったか―― 自分が疫病にかかって死ぬまで……ぺろには、わかれひんかってん」 【ぺろ】「疫病にかかって、これはもうあかんなってなって―― 倒れてな。死んだはずなのに、死ねひんの。 心臓はもう動いとらんのに、ぺろ、死ぬることができへんかったの」 【ぺろ】「おかしいなぁ、おかしいなぁ思うて―― 村のみんなにもそれがしられて…… おっかながられて、追い払われてな」 【ぺろ】「さまようてさまようてさまよううちに―― ぺろもな、段々わかってきたんよ」 【ぺろ】「ぺろが箱を預けたお侍さんはな? 約束破って、おうちでその箱、開けてしもうたみたいやねんな。 箱には目玉や大事なもんやらがつまってて―― そこから疫病が広がって、お侍さんも倒れて死んでしもうたらしくて……」 【ぺろ】「箱をわたしたぺろがなぁ。 『きっと怪異(あやし)、あやかしや』 いうことにされて、えらい畏れられてしもうたみたいで……あやかしにされてしもたんよ」 【ぺろ】「おまけになぁ、そのでたらめな話が『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』いう本にのせられてしもうて…… 長い長い時間がたって、よーやっと忘れ去らてたかなぁ思うころにまた、妖怪辞典とか図鑑とか、そないな本にのっけられてしもーて」 【ぺろ】「そうこうするうち、ぺろにな? 『目玉しゃぶり』やらいう勝手な名前まで、ぽこんてつけられてしもたんよ――そうしたらもう、いや、名前ゆーもんははまっこと、恐ろしい力もっとるさかいに」 【ぺろ】「いままでしゃぶりたくもなんともなかった目玉が、もう、ヨダレが出るほどしゃぶりとーてしゃぶりとーてたまらんよーになってもーたんよ」 【ぺろ】「けどな? 人を助けたい、病を癒やしたいおもとったぺろが、墓を暴いたり、ましてや人を殺めたり――そんなんできるわけないやんか」 【ぺろ】「苦しんで苦しんで苦しんで。 苦し紛れにしゃぶれるもんをしゃぶってしゃぶって―― そしたらぺろな? 気づいてん。 飴玉しゃぶれば、目玉しゃぶらんでもかめへんように、おさまりよるって」 【ぺろ】「……せやな。アメダマの中には、メダマがまるごとはいっとるさかいに。 ええかげんにつけられた『メダマしゃぶり』やらいう名前に後付けされてしもーた呪い(まじない)は、アメダマしゃぶりすることで、綺麗綺麗に抑えつけることができたんやなぁ」 【ぺろ】「で、アメダマずーっしゃぶっとったら…… いつごろの、どこでのことやったろかなぁ。 隠れ暮らしとったアパートの、おんなじ階のちっちゃな子ぉがな? 『あのおねーちゃん、いっつもキャンディーしゃぶってて、ぺろちゃんみたい』って――あのケーキ屋の人形、しらん?」 【ぺろ】「あのお人形みたいやゆーて、ぺろに名前をくれてなぁ」 【ぺろ】「『目玉しゃぶり』より『ぺろ』の方が、5000兆倍かわええやんか。 それからぺろ、ぺろを名乗るようになってな? そしたら、あめだまのことどんどんどんどん知りたいよーになって、詳しくなって――組飴づくりで、生計たてられるよーにまでなって」 【ぺろ】「住処(すみか)をごろごろ変えながら、なんとかかんとか彷徨い暮らすそのうちに……ものべの村――ここの土地神さんからの使いがきてな? ここでだったら、宿替いせんと、ずーっと暮らしてけるゆーて」 【ぺろ】「その誘いにのって、ここで飴屋をやらしてもろて…… おにーさんと出会うて、いまにいたるゆーわけやんな」 【ぺろ】「長くてつまらん話やったろーとは思うけど、 眠気を誘うお手伝いくらいは……ん? どないしたん、おにーさん」 【ぺろ】「え? あ……(呼吸音)――(驚いて息を吸い、止め、ゆっくりと吐く)――あ……」 【ぺろ】「そんなん……そないなこと……考えたこともなかったわ」 【ぺろ】「けど……せやな。 ここでなら、このものべの村でなら…… ぺろ、ちゃんと勉強しなおして―― 一から全部勉強して―― 薬師に――お医者さまになることだって…… 目指せる――目指しなおせるんやなぁ」 【ぺろ】「……(呼吸音)――うん。うん。 せやなぁ、ほんまや。 目ぇのお医者になったなら、ふふっ、 『目玉しゃぶり』いう名前の意味も、 ぺろが自分で、変えていけるかもしれんなぁ」 【ぺろ】「『目玉のことをしゃぶりつくすように勉強した、 人間の目の病も、あやかしの目の病も、必ず直してくれるあやかし――<目玉しゃぶり>』――あはは、ええなぁ! そないになったら、ぺろも死ねんでおった意味が…………ん……」 【ぺろ】「あんな? おにーさん。ちょこっと、ごめんな? ぺろ――なんや…… おにーさんのこと、ぎゅーってしたくて――」 ;SE 布団もぞもぞ→抱きしめる ;7/左 密着 【ぺろ】「ぺろが死なんでおったのは、 ずーっと彷徨い続けた意味は、 きっとおにーさんに会うことに…… おにーさんに、『目玉しゃぶり』の意味を教えてもらうために、あったんやなーって、そないな気がする」 【ぺろ】「……おおきに。ほんな、ありがとーな? おにーさん―― ん……」 ;1/前 【ぺろ】「(ちゅっ)」 ;SE ふとんごそごそ(離れる) ;7/左 【ぺろ】「あはは、あは――はぅ……あ、あんな? その―― 寝よ! もう寝よーな、おにーさん――ふぁ――」 【ぺろ】「(小あくび)」 【ぺろ】「なんや……へへ――妙に安心したからかなぁ。 ぺろ、急に眠たくなってきてしもーた……ん――」 【ぺろ】「でも……ふふ……ほんまに素敵な考えやなぁ…… 目玉のお医者の……目医者の目玉しゃぶりになるの……」 【ぺろ】「ものべのには、尚武(なおたけ)せんせいう人もあやかしもみてくれる、まっこと素晴らしいお医者様がいてはるけど……目の専門医は……おらん――ふぁ……おらんもんなぁ……」 【ぺろ】「勉強、して……目のお医者になって…… ぺろの、お店……アメダマと目玉のお医者のお店に……なって……」 【ぺろ】「それで……ん……おにーさんも……そんときも…… ぺろの……となりに……いてくらったら……ん……」 【ぺろ】「(浅い寝息)――ふぁ――もうあかん……もぉ、ねむい」 【ぺろ】「おやすみみなさい、おにーさん――ふぁ…… 明日の、朝も……」 【ぺろ】「明日の、朝も……ぺろとたくさん……おしゃべり……して、な? ん……(浅い寝息)」 【ぺろ】「(浅い寝息x4回)」 【ぺろ】「(浅い寝息x4回)」 【ぺろ】「(浅い寝息x4回)」 【ぺろ】「(安定してきた寝息x4回)」 【ぺろ】「(安定してきた寝息x4回)」 【ぺろ】「(安定してきた寝息x4回)」 ;//////// ;Track6 ぺろの寝息(おまけパート・ループトラック) ;//////// ;一セット一分程度でお願いできると幸いです ;7/左 【ぺろ】「(熟睡寝息)」 【ぺろ】「(熟睡寝息)」 【ぺろ】「(熟睡寝息)」 ;///了