バトルファック8 〜逆襲の復讐者 燃島えりな〜 1 プロローグ (モノローグ風に) 暗い中に、ぼわっと光が見える。 父と母に挟まれて、両手をつながれ…そんなお祭りの帰り道、振り返った神社から漏れてる光みたいだ。 だけど、今、この真っ暗な通路から向かうのは、そんな楽しい場所じゃない。 地獄の底っていうのは、案外、こういうものなのかな…。 そんな風に思わせる…静かで聞こえてくるはずもないのに、どうしても耳から離れない、何かを見下して小さく笑う声。 それに引っ張られるみたいに、私――燃島えりな――は、足を踏み出した。 この名前は、父がつけたらしい。 けど、私は…ここではその名前で呼ばれない。 名付けた父と、その父にいいなりの母のせいで、消えた。 幼い頃は、ただ酒癖が悪い程度の父だったし、苦労ながらもまだ母にも笑顔があった。 だけど、数年前に起こった父の事故のせいで、全部がおかしくなったんだ。 父に過失はなかったけど、車でひっかけられた相手が悪かった。 半分、社会からはみ出してるような人が相手で、何の保証もしてくれない上に重めの障害だけが残って、父はあっさりと職から首を切られた。 そこから、父は酒にひたって、補償されるお金全部でギャンブルに入れ込むようになった。 パチンコ、スロット…さらに高いレートのそれら…。 酒に溺れながら、母をなぐりながら、私を蹴りながら、父はごろごろと坂道を転がっていった。 最後には、反社会組織が経営する闇ギャンブルに手を出して、何の信用もない一般人が、絶対に返せない額の借金を背負っていた。 「そのカタが私…」 普通はソープとかに沈むもんなんだろう。 けど、残念ながら、私を売り飛ばしたと同時に、夫婦ともども蒸発した人たちが背負わせたそれは、そんな悠長な事をやってたら、私の商品価値が消えても追いつかないものなわけだ。 保険金詐欺なり何なり、やり方はあるんだろうけど、相手は私に何かを見いだしたみたいだ。 学校時代の体操部での記録でも調べたんだろうか…私は、運動神経だけはとても誇れるものを持っていた。 そこで、やれと飲まされたのが、金持ち相手の闘技場での見せ物…わかりやすく言えば、闇プロレスみたいなもの。 私のような女が、屈強な男相手に立ち回る姿を見て、笑う出し物。 殺す以外は何でもあり…転がり落ちた女と獣みたいな男とのそれって、絶対安全なとこから見下ろしてる人たちにとっては、どんなものなんだろう。 競走馬の繁殖…動物園の見学…自分たちが味わう必要はないけど、ヒトとしての本能…生きるって事を思い出す行為…まぁ、何でもいいや。 さぁ…呼んでる…行かなきゃ。 私を私の名前じゃないもので呼ぶ場所に。 2 攻勢(フェラ) (※リング上) 私は、ロープが張ってあるリングにあげられて、対戦相手と向き合う。 相手は…肉の壁っていうのがいいくらいの2メートル近い大男。 父親の影響で、プロレス中継をたくさん見てきたし、その知識も植え付けられてきたからわかる。 この男は恵まれた体の大きさをいかして、太い筋肉の基礎に薄い脂肪の鎧を着たタイプ。 理想のレスラ体型といっていい。 だけど、その見てくれに、びびってる場合じゃない。 そんな段階じゃないんだ。 私が体操部のピットやマットでこっそり練習してきたプロレス技の経験は、友達とのごっこ遊び程度…それがどれだけ効くかわかんなくても、これで試すしかない。 私に戦う方法があるとすれば、それだけなんだ。 気に入らないけど、あの父親がくれたものでやるしかない。 (ゴング音SE) 開始の合図はあったけど、レフェリの姿はない。 そのかわり、カメラのついたドローンが、私のまわりを何基か飛んでいる。 その先には、こちらからは鏡にしか見えない窓がついた観客席。 「見てればいい、クソ高いシャンペンでもやりながら、堕ちた女の意地ってやつ!」 目の前の男は、にやついたまま私を待っている。 何でもしてこい、そういう顔だ。 「じゃあ、そうさせてもらうからっ」 私は後ろへ一歩飛んで、背中を向けてロープへ走った。 (走りSE)(ロープ音) ロープの反動を使って、勢いをつける…ロープワークなんてやったことないけど、私は見ていた。 ビデオで見たものは、一発で再現できた…それが私の運動神経だ。 「んっ!」 ロープの反動をつかって、私は大男へ向かう。 目の前まで走って、腕をぶつける、ラリアット! 「やぁっ!」 (ぶつかるSE) 振った腕が男の胸に当たった感触が私に跳ね返る。 「このぉ」 私はここからネックブリーカーで引き倒してやろうと、体を投げ出して体重をかける。 「んんっ」 けど、倒れない…仕方ない。 諦めて私は瞬間、男の首に腕をかけてくるりと方向転換。 男の背中に回ると、お尻を踏み台にして、離れた。 振り返って私を見た男の顔は、少しだけ驚いてた。 ざまぁみろだ。 「んはぁっ!」 私はまたロープへ走る。 (ロープSE) 「しゃあ!」 腕だけでダメなら、これでどうっ! 男までの距離なら、踏み切りはここ、気合いをこめて、声を出す! 「せやぁっ!」 (ぶつかるSE) 全体重をかけたドロップキックは、男の胸板に刺さる。 さすがに効いたはず。 男がちょっとよろけるのが見えた。 私は受け身をとると立ち上がる。 「っしゃ、このっ!」 (蹴りSE) フロントキック、フロントキック、フロントキック! 連続でちょっと低くなった腹にぶち込んでいく。 少しずつ、男の体が揺れはじめた。 行ける、これならいける! 「おらぁ!」 もう一発と、押し込んだ足の感覚が変だった。 それに戻そうとした足が帰ってこない。 「うわあっ」 私の足は、男につかまれてた。 さらに男はそれを引いて、私を倒す。 (床SE) 「ひっ…」 足の向こうにある男の顔は、少し笑っていた。 「んああああっ!」 足に痛みがと思った瞬間に、両足をつかまれて、私は逆さにつるされていた。 腕力だけで、私を…なんて力なの。 初めて私は、じんわりとやばい汗が出てきてるのを感じた。 「わぶぅうっ!」 顔に何かがぶつかる。 夏の空き地の廃タイヤ…熱くて硬いのに柔らかさもある。 「すんすん(鼻を鳴らす)…んあっ…」 掃除してないトイレの匂いよりも、もっと強い臭さ。 「え…いつの間に…」 小さな時、風呂場で見た父親のそれとは明らかに違う、オスの性器が目の前にあった。 「いやっ! ふぐむおおおっ」 驚いた口に、何かが突っ込まれた…苦しい、喉の奥まで、一気に入ってきて、苦しい。 息ができない…鼻で、鼻で… (イラマ風に) 「ふぐぅおお、んんぇう、んんぐうう…んじゅう、んんぐ、んぐふぅうっ」 頭が回らない…必死で息をするんだ…鼻で… 「んぐうう、んふぅう、ふぅ、ふぅ、んふうう…」 やっと脳が働いてきて、私は自分の口に押し込まれているのが、さっき見た性器… 大男のちんぽ(※ 性器の名称については、お好みのものに変更してください) だと、やっと気づいた。 「ふぐうううん、んん、むううううんううんっ!」 噛みきってやれと、口を閉じようとするけど、喉の奥まで入り込んだちんぽに、顎がさがらず、歯を立てることもできない。 「ふぐうう、んんっ、んっ、んじゅちゅるるる、んんじゅ、んぐんぐんぐっ」 「ふぐぐぅうう、んふううううふ、んじゅじゅううう、んぐんぐんんんっ!」 私が必死で息をすると気持ち良くなるのか、男は笑いはじめた。 「んぐうう、んんっ、んふぅ、んんっ!」 息が苦しい、吸わないと。 「んんふぅう、んじゅ、んじゅちゅるる、ちゅ、んふぅう、んんっ、ふぅう、んぐんぐぅっ!」 「んんっ、んふぅ、んん、んぐんぐ、んっ、じゅちゅうう、ふぐぅうう、んぐんぐっ」 息が…空気が欲しい。 「んふぅ、んふぅ、ふぅふぅ、んんっ!」 抵抗したい、気持ち良くなんかしてやりたくない…けど、息をしないと私の意識が消えてしまう。 「んんっ、んぐうう、ん? …んんふうううううっぬうううんっ!」 (布破りSE) 男に足を開かれて、男の激しい息を私の股間で感じた。 (布破りSE) 「んんんんんっふぅううっ!」 瞬間、履いていたコスチュームの股間部分が破かれた。 両手は私の足でふさがってるんだ、まさか噛みきられた? むきだしになった私のおまんこ…そこに、息を感じる…何度も何度も、冷たく感じるくらいの激しい息だ。 「んんんっんん、んぐううううんんっ!」 抵抗できないまま、男の舌が私のおまんこを舐め回してきた。 初めて舐められるのに、こんな乱暴にされるだけなのか…。 「んぐううう、んふうう、んんっんんっ!」 抵抗してやる…かみ切れなくても、こうして暴れてやる! 「んんぐうううう、んんおおおお、んんっ!」 男の腰が、ちんぽが、私の喉を深く突いた。 「んんぅうううううっ!」 「んんっ! んぐぅっ! んぐっ! んんぐぅう、んんっ!」 もっと奥、もっと奥、そんな感じに男は突き立ててくる。 頭がおかしくなりそうだ…息を、息をしないと…。 「んんっ、んんふぅう、んんぐぅ、んんっ、んはんぐうううっ、んんっ!」 口をちんぽで突かれ、おまんこを舐め回され、舌をその中に押し込まれて…それでも必死に息をする。 「んんっ、んっ、んふぅ、んぐぅう、んぐ、んじゅちゅるるる、んちゅ、じゅちゅう、んじゅ!」 されるがままでも、しっかり考えるんだ。 「んふぅう、んんぐんぐう、んぐんぐ、んぐふぅ、んじゅちゅるる、じゅちゅじゅちゅるる、ぢゅぼぉ、んふぐぅうう、んんっ!」 空気を吸え、考えろ、えりな! 「んんっ、んんっ、んじゅ、じゅちゅ、ちゅじゅるるる、んぐぅふぅ、ふぅう、んふぅっ」 そうだ、手だ…手は自由じゃないか。 「んふううう、んんんっ、んん…」 打撃が効かなくても、爪を立ててひっかいてやればいい、何でもやってやる! 「んっ、んんっ、んじゅちゅるるるっ、んん、んふぐぅうっ!」 自由な手で、どこを攻撃するのが一番いいんだ…そうか、攻撃して反則になるところなんてない! ここは何でもありなんだ。 ちんぽのすぐ下に、男の急所があるじゃないか。 叩きつぶす気持ちでやってやる! 「んぐうううう、ふううううっ!」 手を振りかぶって狙いをさだめる。 「んんっ? ぶはぁっ、はぁはぁ!」 狙いに気づいたのか、男が口からちんぽを引き抜いた。 「よし、今っ!」 足をつかむ腕のゆるみも感じる。 「っしゃあっ!」 体を左右に振って足から手を外すと、手をリングに突いて、体を捻りながら男の肩に両足をかける。 「んあああああっ!」 (リングを叩くSE) 「しゃあ、ぬけた!」 私は土壇場のフランケンシュタイナで男から逃れて、距離をとった。 3 苦戦(セックス) 「はぁはぁはぁ…」 ピンチから抜け出せたけど、息が整わない。 間合いをとって男は動かない…ちんぽは向きだしで、勃起したまま上を向いてる。 照明のせいで光ってるけど、あれは私の唾液…。 それに、私も破かれたコスから、おまんこ丸出し…。 恥ずかしい…隠したい。 けど、そうする事は、一番負けたって気がする…だから、しない。 うつしたければ、そうしろっ。 「うぐぐ…」 男は、また動かない…自分から仕掛けてくる気はないんだな。 私からやらせろ、全部受けろ、それから、ああいう事をショウとして見せろ…見えない部屋のやつらに、そう言われてるんだ。 …さっきはフランケンシュタイナが決まった。 私と男に体格差があっても、不意でも何でも、バランスを崩してやって、チャンスを生かせば、ああいう大技だって決まるんだ。 「できる、私はできる!」 声を出して、奮い立たせる! (ステップ足音SE) 動きながら、私は考える…何が崩しにつかえるか、そこから繋ぐ技はどうするか。 「動きながら考えればいい!」 ロープに走って、戻る…私の中で大きな筋肉は、足とお尻。 特に女はお尻にしっかり脂肪もついてるから、攻撃力は高いはず! 「やぁっ!」 (ぶつかるSE) 捨て身にも見えるヒップアタックは、男に決まる。 感じた。 私の攻撃で、肉男はまた一歩下がったんだ。 「もういっちょ!」 また私はロープの反動をつかい、男に向かっていく。 「あああっ!」 男は手を広げて、ちんぽを揺らしながら、かかって来いってあおってる。 「くっ」 男に何かを食らわせる間合いに入ったところで、私は何もせず、男の脇を走り抜けた。 そのまま、ロープで反転ダッシュ、男の背中へ勢いをつける。 「ゃあっ!」 頭を狙って、延髄斬り! 「っしゃあ」 男の反応は見ない。 そのまま受け身をとって、私は男の足首に絡みつく。 「やあああっ」 足を固定して、後ろから膝の裏をテコの原理で思いっきり押す…押す、押す! 「倒れてっ!」 男がぐらついて膝をついた瞬間を逃さず、私は、足首をきめた。 「ぐううう、これならどうよっ、く、くうう!」 力の限り、男の足首を締め上げる。 歴戦のプロレスラだって、サブミッションがきっちり決まれば、一瞬でギブアップだってあるんだ、狙える、いける! 「どうだ、おらっ、おらあああっ、く、ううううっ!」 私の力一杯の絞めに、男は、少しだけ苦しそうな声を出してる。 効いてるんだ…よし! こんなに大きな体を支えてるんだ、きっと膝には何かしらの負担がいつもかかってるはず。 もしかしたら過去には怪我をしてるかもしれない。 賭けだとしても、狙うならそこしかない。 タイミングは、今、私に向いてる、行くんだ! 「っしゃあ!」 私はヒールホールドをといて、素早くプロレス映像を再現する。 狙うのは膝…膝十字固めだ! 「くらえっ!」 脳の中の再現通り、私の腕、足、体は男の膝をがっちり固めた。 そして、締め上げる! 「ぐうううう、くうううう、ううううっ!」 私の気合いの声に混じって、だんだんと男の苦しい声が混じってくる。 効いてるんだ…このまま追い込んで行けば、ギブアップさせられる! 「いけええええっ!」 腕がちぎれてもはなすもんかの勢い。 絞めてしめあげる! 男の声がだんだん大きくなってる気がする。 もう握力も腕力も、体全部がくるしいし、だるい。 今すぐ全身から力を抜いて、リングの上に寝転がりたい。 それでも、男がギブって言うまでは、絞め続けてやる! 「え…」 苦しそうな声が一瞬、笑い声みたいに聞こえた。 そうしたら、私は宙に浮いてた。 ふわっと自分の体重がなくなった。 「違う…ホントに、浮いてる…え…」 男は私を足にくっつけたまんま、もう片方の足だけで、立ち上がっていた。 バランスもとれないはず、そもそも立てる体勢じゃないはず…でも立ってる。 見上げてみた男の顔は、もう苦しそうなんかじゃない。 笑ってた。 (リングを叩くSE) 「ぐえっ!」 何、頭が痛い! たたきつけられたの…う、逃げなきゃ… 「ぎゃあっ!」 立ち上がろうとした胸に、男の足が飛んできた…フロントキック…私が、したことを… 「ひゅううう、げほげほぉっ!」 息が吸えない… 「ひゃあ!」 その苦しい胸を乱暴にわしづかみされて、頭の隣に男の息を感じた。 瞬間、視界が一回転して、上に向く。 「ああああ…」 男の肩の上で、私は逆立ちしてるみたいだ…だめ、これは、ブレンバス…タ… 「んぐうううううっ!」 考えを遮る急降下、そしてすぐに背中を激痛が走った。 「背中、うごおお、ごほごほっ!」 受け身をとれなかった衝撃が全部、私の体を突き抜けた。 痛い、痛い、痛い…男に、私の技は、なんにも効いてなかったんだ…遊ばれてただけ…。 後悔も、男は待ってくれない。 「いだい、痛い…」 髪をつかまれて立たされて…男が近づいてくる…何とかしなきゃ…。 一歩下がろうとした足をとられた…膝を抱えられて、首を抱かれて…これは、ダメ…キャプチュード…。 「ぐえぇっ!」 わかっていても、抵抗もそれのための受け身もとれない。 おまんこ丸出しで、見せつけるみたいにリングに倒れてるしかない。 「ううう…」 男は私の腰を抱いて、そのまま肩に持ち上げた…。 (服破りSE) 「ぅうう…」 コスチュームの上も破られた…私の胸が… 「あああ…うごぉっ!」 恥ずかしがる間もなく、男が私に決めたのは、たぶん、パワーボム…見せつけてるんだ…私との力の違い…私にわからせてるんだ。 それに、私の意識を切らさない程度に、威力を調整までしてきてる…。 「うぐううう、ぐうう…」 男はまだ私をオモチャにする気だ。 私の腰を後ろからホールドしてくる。 バックドロップか…っていう意識が、すっと勝手に、後ろに飛んでいった。 「ぎゃっ!」 後頭部に痛みが走る。 そのまま開放されるかと思ったら、男はブリッジの体勢をくずさない。 私が食らったのはジャーマンスープレックスフォールドだった…逆さのまま、私はおまんこを丸出しで見せつけて、胸も剥きだしで隠すものはない。 恥ずかしさと痛みがごちゃごちゃになって押し寄せてくる。 早くカウントが終われ…なんて思ったけど、この見せ物に、そんなルールはないんだった。 カウントの代わりに、私のまわりを飛ぶドローンの音が消えると、男はフォールをといた。 「はぁはぁ…い、いやぁ…痛いっ!」 突然、男の指が、私のおまんこに入って来た…中をいじるってるわけでもないのに、男のふっとい指の感覚がわかった。 そういうことをするんだな…そう思った。 けど、男はおまんこに指を入れたまま、私を抱えあげる。 そして、それを見せつけてから… 「ぐぇあっ!」 リングにたたきつけた…。 男の卑猥なボディスラムを受けて、私はまた、リングに転がった。 私は手を伸ばしても、助けにならない事がわかっているのに、何重にも霞んでみえるロープを目指して、這いはじめる…。 「あ…」 その手を、男がとった…そして腕を握りあげてくる。 「うあああああ、痛い、いたいっ!」 腕と髪をつかまれて、私はロープに寄せられた。 「なに、何するつもりっ!」 自分のどなる声が響くだけで、体が痛んだ。 痛むだけあって、うまく動かない。 意識はつながってるのに、体は思い通りに動いてくれない。 男は何も言わずに、私の両手両足をロープに挟んでいく。 腕は広げられて、足は大きくM字にされて… 「うぐぇっ!」 最後に、ロープを首にもかけてきた。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」 息苦しい…脳へ行く酸素が確実に減ってる。 うまく、ものが考えられない。 「ひぃっ…」 けど、恐怖だけは、はっきりしてる。 男がにやついたまましゃがみ込んで、荒い息を吹きかけてくる。 「んぐうう、んじゅ、んぶうう、んじゅうううっ! なにっ!」 いきなりキスされた…男の舌を舌で押し出して、息を吸う。 「やめ…何…何?」 男が私の腰を掴んで、自分に引きよせ… 「なに、まさか、いや、やめてっ、やめろっ!」 私の声は… 「いやあああ、いたあああああい、いたい、痛い、痛いっ!」 自分の悲鳴で消えちゃった。 男はちんぽを、私のおまんこに、一気に奥まで突き刺した。 「痛い、痛い、痛いっ! ひぐうんんっ、んんんっ!」 濡れてるはずもないおまんこに、容赦ない出し入れが繰り返されてる。 「痛い、割けてる、痛い、痛いのっ! ひぐっ、ひぐううっ!」 涙が出そうになるのだけは必死で我慢する。 男のでかすぎるちんぽで、私のおまんこは処女の血と、割けた血で、きっとどろどろになってる。 「ひぐっ、んんっ、んはぁっ、んんっ、うううう、んんっ!」 男は片手で私の腰をつかんで、もう片方で、胸をぐにぐにと力を入れて揉んでいる。 血のぬめりで、自分勝手に気持ち良くなってるのか。 「痛い、胸も、おまんこも、痛い! 気持ち良くなんかない、痛い、痛いだけ、ひぐっ、ううっ、ううう…」 血のせいで、私のおまんこは、気持ちいい時と同じ音を出してるだけだ。 気持ち良くなんかない…こんなに悲惨な処女喪失して、気持ちいいわけがない。 「ひっ、ぐう、ううっ、んううっ、んはっ、あっ、んんっ、はぁっ!」 首のロープが意識をもうろうとさせてきた。 痛いのか、気持ちいいのか、痛いのが気持ちいいのか…何もわからなくなっていく。 男の余裕たっぷりの顔が、だんだんと白くなりかけていく。 「ひっ、うぐっ、んんっ、んはっ、んんっ、んあっ、んんっ!」 「ひぅ、ううっ、んはあ、んんっ、んあんあんあっ、んんうんっ!」 (あえぎでフェードアウト) 4 敗北 「ひっ、ううっ、んんぐっ、んんっ!」 ちんぽの出し入れが、どれだけ続いてるんだ。 「んっ、んあっ、んっ、はぁ、んんっ」 何だろう…痛いだけだったのに…男が突いてくるたびに、ロープがぎゅっと絞めてきて、頭がぼうっとしてくる。 まぶしいなぁ…天井の照明。 「んっ、んんっ、んはあっ…んんっ…」 言われるとおり、ぐちゅぐちゅおまんこがいってるの、血だけじゃなくて、私… 「気持ち、いい…のかな…んんっ!」 男の腰が早く動いてくる。 ずんずん、ずんずん、おまんこ、ぐわって開かれて、一番奥を、ごんごんって…。 「ひっ、んんっ、んはっあ、んんっ、んんううぅ、んっ!」 ダメだ…首がどんどんしまって…それなのに、体中、びりびりしてきて、気持ちいい。 「…気持ちいい…気持ち、いいよぉ…」 痛いだけだったのに…痛めつけられて、強引に突かれて、首もしまっちゃって…でも、もう、いいや。 「気持ちいいがいいよぉ、いい、んんっ、はぁあん、気持ちいい、首絞めずこずこいいよぉ、痛いのがいいよぉ!」 私の声に、男が笑った。 もっと激しく、ちんぽが出入りしはじめた。 「ずちゅ、ずちゅ、いいのぉ…もっと、してぇ…どうでもいいからぁ、痛いのいいのぉ!」 どうでもいい、どうでもいい、気持ちいいが一番…痛いのもいい…痛いのが気持ちいい。 両親も借金も、なにもかも…気持ちいいだけでいい! 「オモチャでいいですぅ、ずっと、壊れるまで、オモチャがいいのぉ、おまんこズコズコしてほしいのぉ、もっと、もっとぉおおおんっ!」 あ、イク、イっちゃう… 「イクのぉ、もっとぉ、もっとぉお、おおおんっんんっふうんんっ!」 私と男がイった瞬間、世界が真っ白になっていった。 気持ちいいだけが、私の全部になった瞬間、全部が真っ白になって、溶けていった。 5 勝利 「う、ぐうう、んんっ!」 男が容赦なく、抜き差しを楽しんでる。 くそ…私はこのまま…オモチャになるの…? 「ううぐ、んんっ、ぐうう…」 苦しい…首のロープがどんどん食い込んでくる。 世界が、だんだん白くなって、見える範囲が小さくなって…。 おまんこが気持ちいい音を出しちゃう… 「そんなの…そんなの…」 男の笑い顔の向こうに、小さな私と、父と母…3人並んでる姿が見えた。 「うごおおおおおおおおおおっ!」 私は急に沸いてきた力を声に出した。 「くそっ!」 私は、男がちんぽを突きだしてくるのに合わせて、お尻を思い切り、キンタマにぶつけてやった。 (ぶつかるSE) 「やった!」 さすがの大男もキンタマを鍛えることなんて出来ない。 「ざまぁみろよ!」 私はロープに絡まる体を無理矢理抜いて、立ち上がる。 「お返しよっ!」 私は小さくジャンプして、一回転の力をつけた蹴りを放つ。 ローリングソバットは狙った通り、片膝をついたままだった男のあご先に、かするようにヒットした。 顎から伝わった振動が脳に届いて、男の動きが一瞬止まる。 キンタマ同様、脳みそだって、宇宙飛行士でも簡単には鍛えられないんだ。 「しゃああ、このぉっ!」 私は、男の首を腕に抱きこむ。 「くらえっ!」 そのまま、コーナーポストを蹴りあがって、回った。 壁、天井、床、視界がぐるぐる巡る。 (叩くようなSE) 父が見せてくれたプロレスビデオの中でも、すごく綺麗だった技。 私みたいな小さな体の人が使って、相手を吹っ飛ばした、スイングDDT。 その映像の通り、男は顔面をリングの床にぶつけて、転がった。 「終わりじゃないからっ!」 ここで、やめたらダメなんだ…この見せ物にフォールやカウントはない。 ないなら、相手が動かなくなるまでやるしかない! 私は男に飛びついて、後ろから、チョークスリーパの体勢。 けど、これは違う技。 私の細い腕を、男の頸動脈にめり込ませて、柔道の送襟締め(おくりえりじめ)の要領で、落とす。 「うあああああおおおおっ!!」 私は、私が聞いた事がない、覚悟をこめた声を響かせる。 「ううあああっ!」 それが、かすれて消えた時に、男の体から、力が消えた。 (ゴングSE) 「よし…」 私は立ち上がって、見えない窓のほうへアピールした。 そうして見せたのは…これから私を救ってくれた、あの映像を取り戻すためじゃない。 もう、壊れちゃったものは、どうにもならない。 男を落としてまで勝ちを奪った私は、もう戻れない。 だから、ここで、何としても勝ち残って…。 私をここに突き落とした両親に、まだ生きてるって見せつけてやる。 そうしてたら、あの人たちは、きっと助けてくれって、悪びれもせずやってくる。 「その時は、あんたたちの境遇を、笑ってやるから」 そうして冷たく、捨ててやる…そういう復讐をしてやるんだ。 そのために、生きてやる!