あらあら、窓ガラスってこんなに汚れていたのね。 家では使用人がやってくれているから…… 私、掃除好きなのよ。 でも、使用人の仕事を奪うのはよくないでしょう? 私にやらせて自分はサボっていた、だなんて…… ……ねえ、二人っきりね。 いつもはこんなに静かじゃなくて、 にぎやかな教室で…… ああ、ちがうわね。 あなたさえいなければわりと静かだったわ。 元気なのはいいことだと思うのよ。 ただ、限度があるんじゃない? 頷きなさいよ。 あ・る・わ・よ・ね?? 私、休み時間はできるだけ勉強していたいの。 でもあなたが近くで騒ぐものだから、 ぜーんぜん集中できなくてね。 前にも同じことを言ったのに、 どうしてやめてくれなかったのかしら。 頭が悪いから? そうよね。頷きなさいよ。 頷け。 頷け!! ……はあ? 「私のことが好きだったから、気を引きたかった?」 そんなくだらない理由で騒いでいたの。 バカバカしい。 それを早く、直接私に言えばよかったのに。 ……どんなに馬鹿でも、さすがに理解したでしょ? 邪魔だから出て行って。 気が散る。掃除の邪魔。 出て行かないと、このゴミと一緒に 焼却炉に突っ込むわよ。 一回死ねば、まともになるかもしれないし。 あら。出て行くの。残念ねえ……また明日。