『ワンコな後輩の獣欲』 700DL突破記念アフターストーリー小説 静まり返ったフロアでは、わたしのいる部署と3列向こうの部署の所だけ天井ライトがデスクを照している。 それ以外は薄暗く、モニターやデスクの縁などが無機質に鈍く照り返しているだけ。 奥の部署で残業している社員2人の、小さな雑談とキーボードを弾く音が僅か届くぐらいで、ビル全体が静けさに包まれた静かな夜だ。 「まだかかりそう? オレ達もうちょっとで上がるけど、飲み行く?」 奥のひとりが席を立って顔を覗かせるように、こちらへ声を掛けてくれた。 残業時ならではの妙な一体感というか戦友感というか。別部署のほとんど会話を交わすことなく、なんとなく顔と名前を知っている関係でも、こんな時はワーッとお互い打ち解けて親睦を深めたりする。 今までも、営業の人が外回りから帰ってきて「誰か残ってると思ったから買ってきたぞー」と、お菓子を掲げれば、あちこちの席から「いえーい」と集まってコーヒーで祝杯をあげる、そんなこともあった。 今夜もそうなる夜だった、本来なら。わたしも「じゃあ、行きます!」と仕事を強制終了して2人についていったと思う、今までなら。 でも……。 「ま、まだ終われそうになくてっ、おかまいなく」 気を抜けば項垂れそうになる頭を意識して持ち上げて、食いしばりそうになる口元を無理に口角上げ笑顔で返した。きっと、あの距離ならギリギリわたしの汗に気付かない、はず。 「そっかー、なんか女の子ひとり残すの、気が引けるなぁ」 「だな。あれ、もうひとりいなかったっけ? 櫻澤も残ってなかったかな?」 ふたりの台詞に、ビクッと身体が跳ねてしまう。 「え、あ、休憩するって……。また、戻ってくるんだと思います……たぶん」 「そーなんだ。なんだよアイツ、同じ部署の女の子残してひとり休憩いったのかよー」 「だ、大丈夫ですから、まだキリがいいところまでいけて、ないんで」 「そっかー、無理しないでねー」 「っはい」 ふたりは再び席に座り、作業を開始する音がしてホッと胸を撫で下ろした。 だけど、そんな安息はほんの一瞬で。 ぐちゅっ。 わたしは再びデスクに腕を付いて、丸まりそうな身体を支える。 長い指が、さきほどから遠慮なくわたしの膣をかき混ぜている。 デスクの下で、はしたなく脚を開かされ、後輩の男の子に弄られいやらしく蜜を垂らしているのだ。 「っん……ふ、んんっ……」 俯き両手で口元を覆う。どうしようもなく漏れてしまう声が、向こうに届かないように。 だけどそれを嘲笑うかのように、デスク下にいる櫻澤君は中指と人差し指を曲げて、わたしの弱い所を責め続ける。 くちっくちゅっくちっ。 聞こえてたらどうしようと、焦れば焦るほど身体は小刻みに震え、キュウキュウと彼の指を締め付けてしまう。 堪らなくて目を閉じれば、涙がポロリと落ちた。 少し、椅子が押され動いた気がして恐々と瞼を上げれば、櫻澤君の顔がわたしの脚の間に出てきた。両腿を掴んで軽く持ち上げるようにして、つつつと舌で右内腿をなぞっていく。 「んんんっ!」 悲鳴を必死で圧し殺しても、膣はキュッと締まり新たな蜜を溢れさせてしまう。 櫻澤君は知ってか知らずか、今度は左の内腿を舐めていく。 くすぐったいはずなのに、膣が熱をこもらせる。先ほどまで存分に指でかき混ぜられた膣は、近付いては遠のく彼の舌に呼応するようにヒクヒクと切なく震える。 その先を望んでいるのか、拒んでいるのか自分でもわからない。不安定に動く椅子から落ちそうになり、後ろ手で強く椅子を握りしめる。それはつまり、ただただされるがまま大事な場所をさらしているということで。職場で、自分の席で、まだ社員が残っているというのに、大きく脚を開いて。 机の下に潜り、わたしの脚の間から覗かせている童顔のかわいらしい彼は、その大きな瞳を細めてうっそりと微笑んでいる。 いつも仕事で見せている人畜無害で人懐っこい顔はどこにもなく、まるで獣のように欲情し頬を火照らせていた。 「先輩、舐めて欲しい?」 ふたりの間だけに通る小さな声で櫻澤君はそう囁くと、見せつけるように赤い舌を覗かせる。 そしてまた、ひくりと疼きを感じてしまった。 首を振って“ノー”と意思表示をすればいいだけなのに、椅子の背凭れにくっつくように身体は固まって、いうことをきかない。 涙でゆるむ視界の先の、後輩の男の子は意地悪く笑う。 ペロリと内腿をなぞり、上目遣いで見つめてくる。そしてまた反対の内腿を丁寧に舐め上げて、こちらを窺ってくる。 こぼれそうになる声を抑えようにも、両手は椅子にしがみつくので精一杯で、舐められる度にガクガクと全身が戦慄く。発散できぬ悲鳴が内に籠って、余計に肌や局部が敏感になっていく。 「やーっと終わったー」 向こうの部署の気配にハッと意識がクリアになる。 伸びをしたりデスクを片付けたりしはじめたようだ。 その少しざわついた空気の中、突如秘部に熱い息がかかる。ギョッとして視線を戻せば、今まさに櫻澤君の赤い舌が近付いて、そのままつぷりと蜜穴に押し込まれた。 「んぁっ」 脚が揺れギシッと椅子も鳴る。それでも彼は止まらない。上目遣いでこちらを見つめたまま、尖らせた舌をくちくちと穴の入り口で軽く出し入れして、まるでわたしの悶絶を楽しんでいるかのようだ。 顎は先ほどから震え、油断すれば悲鳴がこぼれてしまう。椅子にもギュウギュウと爪を立てるほどに握りしめていなければ、崩れ落ちてしまいそうになる。 彼を止めたいのに、彼の手はしっかりとわたしの腿を掴み、閉じることなど許さない。 舌をさらに強く押し込んでは、溢れた蜜を舐めとるように肉溝へ丁寧に沿わせて、それからチュッとクリトリスにキスをした。 「んんっふぁ」 わざとなのか、向こうの社員の帰宅準備のざわめきに乗じて、どんどん大胆になっていく。 じゅるっと蜜を吸って、レロレロと割れ目をなぞり、固く尖らせた舌先でクリトリスをつつきはじめる。 「っふん……ぁん」 声を抑えたくて頭を下げてしまいたいのに、視界からデスク奥の彼らの動きが見えなくなれば、それもまた怖い。 帰り際こちらに近付いて来られたら、さすがにこの剥き出しの脚が見えてしまう。 なのに櫻澤君は、じゅっじゅっとクリトリスを丁寧にそしてリズミカルに吸い上げてきて、わたしのエクスタシーを引き出そうとしている。 「ん、ん、んんっ……やぁ」 「よし、じゃあ帰るか」 心臓が痛むほど驚き、瞬間肝が冷える。スタスタと足音が近づき、落ちかけていた頭をパッと上げれば、ふたりがこちらに向かって歩いてきていたところだ。 目が合って、「オレたち帰るね、ほんとにひとりで大丈夫?」と声をかけられる。 「んあっ、はいっ……あ、大丈夫で、す」 「櫻澤待たずに、帰っちゃってもいいんだぜ」 「う、はい……もう少ししたら……帰り、ます」 チリッとした痛みがクリトリスに生まれ、ビクッと肩が震えてしまった。櫻澤君が、甘噛みしたのだろう。そしてペロペロと集中的に舐めはじめた。 もはや涙目や、火照った顔がバレやしないかと怖くて、でもドキドキと興奮が入り交じって身体が疼いて、おかしくなりそうだ。 「じゃ、お疲れ様ー」 「お先ー」 ふたりは途中で方向転換するように、フロアー出口の通路へ向かっていく。 「お、お疲れ様、でしたっ」 ふたりの背中にそう声をかけた途端、膣に指が挿入され同時にクリトリスを吸い上げられた。 「ああああああ」 痙攣が爆発したかのように、止まらない。 顎をのけぞり、椅子の背凭れがしなるほどに天井に向かって鳴いた。 ビクンビクンと、大きな痙攣で脈打つ中、櫻澤君の妙に爽やかな声が下から聞こえる。 「間一髪でイッたね、先輩。やーらしいなー」 椅子が動き、太腿が下ろされても、わたしは放心状態のまま身体を動かすことができない。 櫻澤君は微笑みながら目の前で立ち上がって、覗き込むようにして頭を撫でてきた。 「よく我慢できましたー。もし、アイツらいる時にイッたら、どーなってたんでしょうねー」 「っう……ひどいよぉ」 「だって、先輩がどんどんエッチな蜜溢れ出すから、もっとして欲しいのかと思うじゃん」 「ば、はかぁ」 「へへへ」 櫻澤君は、くたりとしたわたしの身体を持ち上げ立たせるように腕を引っ張り、腰に手を添えてやさしく前に押す。 その行為自体は労りさえ感じる丁寧さなのに、彼の意図しているものに気付き、背中をゾクッとしたものが駆けていった。 「はい、先輩ここに両手しっかりついててくださいね。あれ、脚がガクガクしてますねまだ。そんなに気持ちよかったんですか? 人が残ってる職場で弄られるの」 「なっ」 自分のデスクに両手をつけさせられ、振り向いたところで頭がホールドされ、彼の熱い舌がねじ込まれた。 逃げてもすぐに舌はからめとられ、擦り付けるようになぶられて吸われて、お互いの口の端からは苦し気な吐息と興奮した声の欠片が漏れていく。 「んっ……っはぁ……く、んん……」 抵抗が許されないほど、猛烈な欲情をぶつけられ、舐められるたびに脳が溶けていく錯覚さえする。 気づけば頭を押さえいた彼の手のひらは、ゆるやかに背中を撫で腰を這い、スカートを捲し上げていた。 もうひとつの手はすでに上着の中に潜り込んでいて、ブラをずらしあげたところだった。 まさか、と思った。条件反射で櫻澤君の腕を掴んで拒絶を訴える。こんなところで、これ以上のことは怖すぎる。誰が急に戻ってくるのかわからない。警備の人だって回ってくるかもわからない。他の部署は真っ暗闇で、ここだけスポットライトのように照明に灯され何もかも晒し浮かび上がってしまう場所で。 だけど彼の腕をつかんでいた手首を逆に握られ、再びデスクへと誘導される。櫻澤君の柔らかく熱い舌や唇は、わたしの唇を離れて耳朶へ。背後から抱き締めるようにして、固くなった下半身を臀部に押し付けてきた。 「っだめ、だよっ」 「ダメじゃないでしょ。先輩のここ、さっきからずーっとヒクヒクさせてんのに」 カチャカチャッとベルトが外れる音がして、ビクリと肩が震える。 ほんとに? ここで? 櫻澤君がまさか本当に、以前言っていたことを実行しようだなんて、少し前まで思いもしてなかったのに。 『ねえ、今度はデスクの上でしてみません?僕、しょっちゅう妄想してたんですよねー。仕事中に、先輩を犯す妄想ばっか。まあ、だから仕事ミスっちゃったんですけど……。 だから、責任取ってくださいね。これからもいっぱい僕を……慰めて』 櫻澤君は、社内でもみんなに可愛がられるような愛嬌のある子で、まさに晴れやかな春をイメージするような“陽”キャラだ。 そんな彼が、あの日を境に恐ろしいほどの“陰”の部分をわたしにぶつけてきている。 大きな瞳に欲情の炎が宿り、這い回る手のひらで劣情を塗り付け、腕という檻に閉じ込め今まさに貫こうとしている。 「お、櫻澤君っ」 身をよじって抵抗をみせるも、彼の力には敵わない。固い彼のモノがスルスルと腿と秘部の僅かな隙間を滑って、わたしの蜜に濡れ、水音を鳴らす。 「エッチな先輩の蜜で、こんな音がするんですけどー」 ぬちっぬちっと、わざと音を聞かせる。このだだっ広いフロアーで、無機質な空間に相応しくない粘着質な水音は、わたしの鼓膜をいやらしく震わせる。 「っやぁ」 「やじゃないでしょ?」 角度が変わり、下から突き上げるように櫻澤君の肉棒の先端が蜜穴に刺さり、僅かに押し入られた。 「っあ!」 「先っぽ入れただけなのに、蜜がまたいっぱい溢れてきたね……これじゃ滑りがよくなっちゃう」 強く腰を掴まれたと思った途端に、急激な抽挿が始まってしまった。 「あっあっうっああっ!」 ぐちゅぐちゅぐちゅ。 膣の中を隅々まで蹂躙していく櫻澤君の肉棒と腰の動きに、わたしは自分のデスクに突っ伏すことしかできない。だけとそれはより腰を突き出す形になってしまって、強すぎる快楽に嬌声を上げずにはいられなかった。 「あんっあんっああんっ」 「ははっ、先輩、やっぱ気持ちいいんでしょ。僕も、すごい気持ちいいですよっ」 ぱちゅばちゅばちゅ。 手加減なく繰り出される腰使いに、身体をくねらせ背中を反らせて、快楽の波に呑み込まれないように逃げているつもりなのに。 「あっ、先輩っ。そんなに締め付けてっ。その角度がいいのっ? 僕の搾り取る気っ? いいですよ、ほら、もっとエッチに腰揺らしてっ」 「ちがっ!」 そんなつもりはないのに、櫻澤君は嘲笑うように腰を大きくグラインドさせる。 「僕もお手伝いしますね。先輩のいいところいっぱい擦れるように」 かき混ぜられて、抉るように突き上げられて、わたしの身体はよりしなり、お尻を突き出してしまう。 ぱちゅぱちゅと打ち付けられるたびに、液が飛び散り腿どころか脛まで濡れて。 「ああ、うねってるっ……きもちよすぎっ」 恍惚とした櫻澤君の声に反応して、膣が疼いてしまう。 「ああっ、やっ、もうっだめっ」 「先輩っ、キュウッてなってるっ。はああっ、イきそうなんでしょ」 「んんんっ、あっ! ……もっ、やああっ」 「ほら、お願いしてっ。ここでやめられたくないでしょ?」 「そ、そんなっ……!」 膣が今にも暴発しそうなほど熱く苦しく切なくて、なのに櫻澤君の腰の動きがゆるやかになってきたことに、わたしは絶望さえ感じてしまって。 こんな、職場の自分のデスクで、後輩に後ろからいいようにされているというのに、わたしの足腰はガクガクと震え、沢山の蜜を垂れ流してしまっている。 「っあうっ……ああ」 ゆったりとした動作で抜き差しをはじめた櫻澤君は、腰から胸へと手のひらを這わせていって、乳首を強くこねはじめた。 「っふう……素直になろ先輩。僕もそんなに、我慢できないよ……。それに、誰か帰ってきたら、どうします?」 ぐちゅり、ぬちっ、ぬっぽ。 水音が響く。櫻澤君は、わざとそれを何度も繰り返して、大きな動作で抜いては挿入して、またゆっくり掻き出すようにしては閉じかけた膣道を押し広げていく。 「っああ、おね、がいっ……」 「ふふ、なんですか先輩」 「い、イかせてっ」 「誰にして欲しいんですか?」 「お、櫻澤……君……は、晴輝くんっ」 「あ、ちゃんと覚えてましたね。お願いする時は晴輝って呼ぶこと」 頬を手のひらで押されて後ろへ捩るように向くと、口内に彼の舌が入り込んできた。舐めたり擦り付けられたり吸われたりしているだけでも身体は震えるというのに、乳首もまたつままれたりこねられたりと、膣をヒクつかせる。 そしてそのまま、静かに彼の腰は動きを再開し、それは徐々に速く強くなっていく。 ぐちゅぐちゅと音が立ち、ナカをこすられキュウキュウとうねり、櫻澤君は再び両手で腰を強く掴んで、パンパンと肌をぶつけるように打ってきた。 「あああああっ、い、いくっ!」 「ほらっ、なんて言うのっ」 「あっ、はあんっ。は、晴瑠くんっ、きもちいいよっ」 「あーっ、たまんないそれっ」 パンパンパンパンと激しさは増して、すぐにやってきた大きな絶頂に頭が真っ白になった。 身体だけが勝手に何度も何度も跳ね上がる。 朦朧とした中、突っ伏したデスクから額にヒンヤリとした感触が戻って、ヒクリと震えたのは下半身で。 ぬりゅりと、まだなお膣の中で彼の肉棒が埋められ擦れた感触に、電気が走る。 「っあ」 覆い被さった状態で、櫻澤君は耳元にキスを落としてきた。 その少し荒い息遣いの隙間から、囁かれる。 「先輩、明日から仕事するとき、思い出して疼いちゃいますね。ここでしちゃったから」 「……やだぁ」 「その時は責任持って僕が先輩の疼き治めますから、ね」 ぬちっ、くちゅん、と軽く抽挿されて意識をソコに持っていかれる。 「っあ!」 絶頂の燻りはそう簡単には治まらなくて。 彼がまたディープキスをして胸にいたずらし始め、やがて腰を動かすのを、わたしはただ無抵抗に待ってしまうのだ……。