;//////// ;Track1 「まことこまの自己紹介と、この音源の楽しみ方」(ドラマパート:温泉環境音) ;//////// ;//タイトルコール ;3/右 【まこ】 「あやかし郷愁譚 マコ まことこま」 ;7/左 【こま】 「あやかし郷愁譚 マコ こまとまこ」 ;3/右 接近囁き 【まこ】 「(ふ〜〜〜〜っ)」 ;7/左 接近囁き 「(ふ〜〜〜〜っ)」 ;3/右→;11/右遠→F.O. 【まこ】 「うふふふふふっ――」 ;7/左→;15/左遠→F.O. 【こま】 「くすくすくすくすっ――」 ;/// ;SE 湯おけのお湯、カポン ;SE お湯すくって、ざばぁ ;環境音 夏。温泉旅館の露天風呂 F.I. ;SE リスナー足からちゃぽっと湯につかる ;SE お湯でゆったりくつろぐ音。結構長めに ;SE 茂みががさがさ ;9/前遠 【まこ】 「あらあら、本当に人間のお客様。こまちゃんのいったとおりね」 ;9/前遠 呼吸音中まわりこみ動作で →;16/左前遠→;15/左遠→;6/後左 【こま】 「こま、耳には自信あるから。 ……ん。っていうか―― <;SE 湯船のまわりをまわって、入浴中のリスナーにずかずか近づいていく足音> (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) ……ふぅん」 【まこ】 「ちょっ! こまちゃん!!? お客様ご入浴中なのよ?!」 ;6/後左 【こま】 「(くんくん、くんくん、くんくん、くんくん)」 【まこ】 「こ、こまちゃん!? なにをしているの? まこ、こまちゃんをそんなはしたないこに育てた覚えはありません」 【こま】 「こまも育てられた覚えない。 それより、まこ。このおにいさん、いい匂い。 身体の――ううん、魂の一番奥底から、あの懐かしい海の匂いがする」 【まこ】 「えっ!?」 ;SE まこ 小走り足音 →;10/右前遠→;11/右遠→;4/後右 【こま】 「走ると危ない。足元、すべりやす――――あ」 ;4/後右→;1/前 【まこ】 「ひえっ!!?」 【こま】 「おお」 ;SE まこ、湯船に落下 (どぼーん) 【こま】 「まこ、大胆」 【まこ】 「ぷあっ! あっ! けほっ、こほっ―― あっ!? お、お客様、大変失礼いたしまた――てっっ!!!?」 【こま】 「こま、まこをそんなはしたないこに育てた覚え、ない」 ;SE ざぶざぶ湯をかきわけて風呂のヘリにあがる ;1/前→;4/後右 【まこ】 「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」 【こま】 「ひょっとして――見えた、とか?」 【まこ】 「大変っ! 大変失礼いたしましたっ!」 【こま】 「ああ、やっぱり見えたんだ」 【まこ】 「そのようなつもりはまるでなかったのです。 けれど――その――ゆっくりお風呂につかっているところをお騒がせしてお邪魔して。 そのうえ……その、うえ…………おま、た――おま、たを――まこ――のぞきこむ、ような、形に」 【こま】 「(わざとらしいため息)……まこの罪はこまの罪。だから、まことこまを許してほしい。 お詫びに――お詫びに。――ああ、そう」 ;7/左 接近囁き 「今日もこの宿に泊まるなら、とびきり美味しいお魚を、おにいさんに届けるから」 【まこ】 「あ。こまちゃん、それはいい考えね。 ――あ……(呼吸音)(呼吸音)――はい、そうなんですよ。 わたしたち、まことこまは、この旅館の厨房にお魚をおろしてまして……。 マコという名のあやかし――といって、おわかりになりますかしら」 【こま】 「魚偏に麻。魚偏に古い、って書いて、マコ。 まことこま、一対二身(いっついにしん)で一体の、海から来たあやかし。 だから、魚のことはよく知ってる。捕ろうと思えばいくらでも捕れる」 【まこ】 「いくらでもはおおげさですけど、人間とか、シバテンあたりよりは遥かに上手に。 ですので、お好みのお魚などございましたら…………(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――まぁ」 【こま】 「今朝の鮎(あゆ)も。おろしたのはもちろんまことこま。 お客さんがそんなに美味しく食べてくれたなら、こまもうれしい」 【まこ】 「いままでで食べた中で一番おいしい鮎だったまでお褒めいただけるだなんて―― うふふふっ、ありがとうございます」 【こま】 「魚の味がわかる人間。こまは好き。 気に入ったから、まことこまの魚釣り、見に来てもかまわない」 【まこ】 「こまちゃん、お客さんにそんな失礼な……え? (呼吸音)(呼吸音)――むしろ興味がある、のですか? まぁ――うふっ、うふふふふっ、そういうことでしたら、もちろん、よろこんでご案内いたします。 というか、手ほどきはいかがですか?」 【こま】 「まこは、こんなにおっとり見えてえげつないくらい釣り名人。 川魚のことはまだまだ勉強中だけど、それでも、魚籠(びく)いっぱいは一時間もあれば釣り上げる」 【まこ】 「こまちゃんは、投網の名人なんですよ? 茂伸川ではなかなか使ってもらう機会もないのですけれど――え? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい、うふふっ。どーお? こまちゃん」 【こま】 「別に投げるのはかまわない。 というか、投網を使うなら……」 【まこ】 「そうね。いつもより下流の方―― 釣果(ちょうか)は狙いづらいけど、親水公園よりもっと下流にいってみましょうか」 【こま】 「だって。いこう、お客さん」 【まこ】 「って、こまちゃん、そのまえに」 【こま】 「あ、そうだった。あのね、お客さん……っていうのも他人行儀。 だって、一緒に釣りにいくんだし、懐かしい海の匂いもするんだし」 【まこ】 「こまちゃん、そんななれなれし……ぁ……(呼吸音)(呼吸音) そうなんですか? それでしたら、はい。もちろん。 うふふっ、いわれたらそうですね。 まことこま、この旅館の従業員ではありませんし」 【こま】 「そうそう。おにいちゃんは、この旅館のお客さんだけど、 こまとまこのお客さんじゃない、ね? おにいちゃん」 【まこ】 「おにいちゃん……は――(呼吸音)(呼吸音)―― うふふっ、よろしいのですか? それなら、まこも、『おにいさま』と」 【こま】 「じゃ、あらためて、おにいちゃんに教えてあげるね? あのね、おいしい魚を上手に釣るためには、 川釣りでも海釣りでも、川の音、海の音を聞くことがとっても大事になるの」 【まこ】 「流れを読む――って、人間の言葉ではいうみたいですね。 音は、そのはじめの一歩となるんです。 ですから、ね? どうか、ヘッドホンかイヤホンを」 【こま】 「っていっても、いまお風呂だからもってるわけないよね。 ん…… <;SE ガサゴソ音> はい、おにいちゃん。 こまの貸してあげるから、つけてみて? っていうか、つけてあげる」 <;SE イヤホンを耳の穴にいれてもらう音。左耳――> 【こま】 「まこ。そっちつけてあげて」 【まこ】 「はぁい。うふふっ」 ;3/右 接近囁き ”ん”で→;4/後右 【まこ】 「それじゃあおにいさま。失礼しますね? ちから、抜いててくださいね? ん……」 <;SE イヤホン挿れ、右耳> ;6/後左→”ひだり”から;7/左 接近囁き 【こま】 「はいった? じゃ、試そう。 ”ひだりみみ〜〜” (ふっ!)(ふーーーーっ)」 ;3/右 接近囁き 【まこ】 「右のお耳。どうですか? よーく聞こえますか」 ;6/後左 【こま】 「そしたら、まこ」 ;4/後右 「そうね、こまちゃん。せーの」 ;同時 ;6/後左→;5/後→;4/後右 【こま】 「ぐるーーーーん」 ;同時 ;4/後右→;5/後→;6/後左 【まこ】 「ぐるううううり」 ;4/後右 【こま】 「ちゃんと聞こえてる? ……(呼吸音)(呼吸音)―― そ。ならよかった……って、あれ? おにいちゃん、耳まで真っ赤。 ははぁ、さてはこまのすいーとぼいすの魅力に」 ;6/後左 【まこ】 「じゃなくてこまちゃん! ああ、ごめんなさい。 そうですよね、まことこまがいたら、お風呂からあがろうにもあがれませんよね。 あああ――すみません。わたしたちすぐに移動します」 ;5/後右 【こま】 「この宿の入口前で待ってるから。 着替えとしたくおわったら、きてね、またねー。 イヤホンは、自分のつけたら返してくれるんでいいからねー」 ;SE こま足音 ;5/後右→;3/右→;10/右前遠→;9/前遠→茂みがさがさ 【まこ】 「ああ、もう、こまちゃんっったら。 それじゃあ、まこもひとまずは失礼します。んしょ」 ;SE まこ足音 ;6/後左→;7/左→;16/左前遠→;9/前遠→茂みがさがさ ;9/前遠(茂み越し) 【こま】 「それじゃあ、またねー」 ;9/前遠(茂み越し) 【まこ】 「うふふ、またあとで」 ;環境音 F.o <Tr2 ものべの川で魚釣り (ASMRパート。川の環境音+魚釣りの音あれこれ> https://youtu.be/q3jjQEFF23c ;3/右 【まこ】 「これが、まこの釣り竿です」 ;SE 釣り竿振る。ひゅんひゅん ;SE 環境音、流れの豊かな川。 【まこ】 「フライロッド、っていいます。 この竿をふって、リールから糸を繰り出して、ラインの先についてる毛鉤――フライで、あ」 ;7/左 【こま】 「ぴったりのフライがなくても仕方ない。急に、はじめての中流域にくることになったんだから」 【まこ】 「こまちゃん、ちょっといい?」 【こま】 「うん。この網でも虫取りくらいは余裕で――(呼吸音)――ほい」 ;SE 魚のキャッチ用の網を振る 【こま】 「はい、まこ」 【まこ】 「ありがと……(呼吸音)――あ、うふふっ、そうです。 こまちゃんに羽虫捕まえてもらったんです」 【こま】 「万能網。魚のキャッチにも虫取りにもつかえる――ほら、羽虫」 ;SE 左耳 羽虫ぶぶぶ 【こま】 「はい、まこちゃん」 ;SE 羽虫 ;7/左→;1/前→;2/右前 【まこ】 「ありがと、こまちゃん。ん……(呼吸音)(呼吸音)――よし。 うふふ、羽虫さん、ご苦労さまでした。 もう捕まらないように気をつけてね?」 ;SE 羽虫、飛び去っていく 【まこ】 「さて、と――ツールボックスを」 <;SE ツールボックス開けてがさごそ> 【こま】 「ぴったりの色ある?」 【まこ】 「うん。いい感じにつくれそう って、あ……(呼吸音)――うふふ、これは全部、 フライ――毛鉤(けばり)づくりの道具です」 【こま】 「普段、こまとまこ、もっと上流域で釣りしてるから、 この辺の魚が何食べてるのかわからなかった」 【まこ】 「だから、つくるんです。毛鉤。 毛とか羽とか糸を使って、狙いの魚のエサみたいに見える飾りをつくって、針にくっつけて。 魚を騙して釣っちゃうっていう釣りをするための」 【こま】 「その毛鉤をフライっていって、フライを使った釣りを、フライフィッシングっていうの。 まこの大得意」 【まこ】 「うふふっ、5分もかからずできますから、その間はこまちゃんとおしゃべりでも―― (呼吸音)(呼吸音)――あ、はい。もちろん見ててもらうのも大歓迎です」 ;SE まこ、ツールボックスかちゃかちゃ ;フライ作り参考動画 ;https://youtu.be/rmhH9BoUI1o (音はこっち) ;https://youtu.be/dTOzS0fgnDc (手順解説はこっち) 【まこ】 「じゃ、これからドライフライを作りますね」 【こま】 「ドライフライは、水に浮くフライ。 川の流れに沿って流して、魚が羽虫と間違えて食いつくのを待つ」 【まこ】 「フライのつくりかたって、とっても簡単なんですよ。 まずは、針……8番でいいかな。これを――ん……バイス――万力ではさみこんで、固定、して――」 <;SE バイスで針固定> 【まこ】 「そうしたら、下糸を巻いていきます。 針のお尻のわっかになってるところ――アイの根本から、こんな感じに――」 ;SE 下糸巻きつけ(継続 【こま】 「アイのところで一巻きして、右手と左手それぞれで糸をひっぱって、 左手で引っ張ってる糸を、右手の糸でくるくる巻いて、針に固定していってるの」 【まこ】 「キチキチ、糸の音が聞こえるくらいに――んっ……しっかり引いて張り詰めさせながら―― くるくる、くるくる、くるくる、って――(呼吸音)(呼吸音)」 【こま】 「針のまっすぐな部分全部に糸を巻き付けたらおわり。 ……(呼吸音)――まこも、もうすぐ巻き終わる」 【まこ】 「ん……(呼吸音)―― 直線からまがりはじめるところにきたら、くるくるくるくる――(呼吸音) おんなじところに何度もまいて――うん。 <;SE stop>ここまで巻けたらもう下巻きはおしまい。 ですから、鋏で――左手で引っ張ってたほうの糸、を――」 <;SE ハサミちょきん> 【こま】 「右手で巻いてた方の糸はきらない。まだ使うから」 【まこ】 「なに使うかって言うと〜 うふふふっ、これです。水鳥の羽。 これをしごいて――いらない部分をハサミできって―― <SE ハサミ> しごいて、とって――」 【こま】 「まきつけるために、羽の芯のとこだけを作ってるの」 【まこ】 「羽の芯が露出したら――ん……(呼吸音) これを――こう……羽の根元を針のまっすぐな部分に重ねて―― <;SE 糸巻き付け> また、巻いて、巻いて、巻いて、巻いて――」 【こま】 「反対側からにも2〜3回、軽く巻きをいれるのがコツ」 【まこ】 「ん……っと。 <;SE stop> そしたら今度は、アザラシの毛皮を――え? あ、うふふっ。 そうですよね、めずらしいですよね、ふつうの人には、アザラシの毛皮」 【こま】 「かたさがあるのにやわらかで水を弾くの。 結構手触り、いいし……」 <;SE 左耳耳元で綿状のものをクシュクシュならす> 【こま】 「うふふ。音もいいでしょ」 【まこ】 「これを、巻き糸に、こうして…… <;SE 糸に綿をこよりつけていく> こよって――こよって――こよって――」 【こま】 「巻き糸にあざらしの毛がこよられて、太ったでしょう? この太った糸が、毛鉤――フライのおなかになるんだよ?」 【まこ】 「十分こよれたら、こよった糸をまた―― <:SE 糸巻き付け> 巻きつけて、巻きつけて――巻きつけ、て――……(呼吸音)(呼吸音)」 <;SE ストップ> 【こま】 「フライは魚を騙すためのもの。 だから、ここからどんどんどんどん、さっきの羽虫に似せてくの」 【まこ】 「最初の方で針にくっつけておいた水鳥の羽、ね? これをこうして――プライヤーではさんで <SE がちっ> で、水鳥の羽そのものを、針のまっすぐなところにぐるぐる―― <SE 羽巻きつけ> ぐるぐる――巻いてくと――」 【こま】 「ほら! 巻かれた部分が毛羽立ってきたでしょう? 虫の何かみたいに見えない? (呼吸音)―― わぁい! すごい、おにいちゃん大正解」 【まこ】 「ん。よし――っと。これで虫の足ができました。 <;SE stop> そしたら余分をカットして―― <;SE ハサミ> まき糸を強めにまいて、 <;SE 糸巻き付け> しっかりとめ、て――」 【こま】 「最後の仕上げには、鹿の短い毛をつかうの。 あのね、この筒に入れて――」 <;SE 筒を石の上でとんとん> 【こま】 「そしたら毛先が整うから―― はい、まこ」 【まこ】 「ありがとこまちゃん。 この毛先がそろった鹿の毛も、 真ん中のとこで針にかるうくまきつけて―― きゅうっと――しめる、と――」 <;SE 糸きつく締める> 【こま】 「これも毛が毛羽立つでしょう。真っ白な毛がふわーって――(呼吸音)―― で、まこがふたつに折り曲げる、と――(呼吸音)―― だよね! さっきの羽虫の羽にそっくり!」 【まこ】 「そしたら――ん――巻き糸の役目はここまでだから、 切っっちゃって―― <;SE 巻き糸カット> で、鹿の毛のはみ出た部分も―― <;SE 鹿の毛カット> カットしちゃう、と!」 【こま】 「これで完成! ね? もうさっきの羽虫そっくりでしょ? 鹿の毛の切った部分が頭になって、毛羽立ちをふたつおりしたのが羽。 で、アザラシの毛で太らせてまきまきしたとこが胴体で」 【まこ】 「水鳥の羽の毛羽立ちが、足。 さぁて、うふふっ。これでお魚さんのこと騙せますでしょうか?」 ;SE 右耳元でスプレー、シュ、シュ 【こま】 「あ、いままこが噴いたのはスプレー。 フライにふきかけると、水を吸いづらくなって長い時間浮いてられるようになるんだって」 【まこ】 「ん……(呼吸音)(呼吸音) <道糸にフライくっつけて、その道糸とフライラインを結びつける> っと! うん。ラインと針もくっつきましたー! じゃ、投げるから、ちょっと動かないでてくださいね〜!」 ;参考動画)  (動作) https://youtu.be/-uyiJkfX7iE?t=231 (音) ;SE まこ、前後に何回か竿を振ってからキャスティング(ふるたびに糸が繰り出されてリール鳴る) 【まこ】 「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと」 ;SE フライ、着水(音しないけど、小さく遠くポチャ的な) ;7/左 接近囁き 【こま】 「フライの羽虫が水におちた。いまからもがくよ」 ;SE まこ、竿を振り直したり、糸をひいて泳がせたりを繰り返す 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;7/左(通常) 【こま】 「あ」 【まこ】 「来たっ!!」 ;釣れる https://youtu.be/-uyiJkfX7iE?t=978 【まこ】 「ん――っと――(呼吸音)――(呼吸音)――こまちゃん」 【こま】 「ん。もう網準備してある……ってか、結構いい形(かた)?」 ;SE リールまきながら魚を引き寄せてくる 【まこ】 「はい、いいこ――いいこ――いいこ――いい、こ――ん……」 ;SE 水際まできた魚をおよがせる 【まこ】 「こまちゃん、すくって」 【こま】 「はぁい」 ;SE 魚を網で掬う。魚跳ねる 【まこ】 「わぁ、大きなイワナ。 こんな下流まで、なにしに遊びにきてたの? うふふっ、だからつられちゃったんだよ?」 【こま】 「ね、おにいちゃん。魚、びくにうつすのやってみる? (呼吸音)(呼吸音)――ん。 なら、まずは両手とも川の水にひたして、冷やして――」 ;SE 手を水につける (川環境音ボリュームアップ) ;7/左 接近囁き ”うん”で →;7/左(通常) 【こま】 「人間の手の体温は、魚にはあつすぎてやけどさせちゃうから。 よーく冷やして、冷やして、冷やして……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……うん」 ;7/左 【こま】 「そしたら、網の中のイワナ、両手でそーっとすくう感じで――」 <;SE 魚ぱちゃぱちゃ> 【こま】 「そのまま、ビクの中に流す感じでいれたげて?」 <;SE 魚ぼちゃん> 【こま】 「うん。上手。おにいちゃん、魚扱いのセンスある」 【まこ】 「うふふっ、おにいさま、そうしたらこちらへどうぞ。 フライフィッシング、ね? 次はその手でやってみましょう? 自分でつったお魚焼いてたべるの――おいしいですよ?」 ;SE リスナー足音(川砂利) ;3/右 【まこ】 「うふふ、いらっしゃいませ。 それじゃあ、手ほどきしてさしあげますね? まずは――ちょっと、失礼します」 ;3/右 密着 【まこ】 「竿の持ち方はこのように――で―― <;SE リール音。断続的に継続> こうして、はじめは、手でリールから糸をある程度繰り出して……」 【こま】 「おお」 【まこ】 「上手、とっても上手です…… そうしたら、投げるんじゃなく、前に振られた糸をそのまま水面に置くように――」 【こま】 「って!」 ;SE 魚ハネて着水寸前の毛鉤にくいつく ;同時 【まこ】 「フィッシュオン!」 ;同時 【こま】 「フィッシュオン!」 ;環境音 F.O. <Tr3 釣れたて野外調理(ASMRパート。川・焚き火の環境音+魚さばき、調理> ;環境音 焚き火+川の流れ F.I. ;8/左前 【こま】 「ん……火、起きた。 焚き火なんてひさしぶりだから、うまくできるかヒヤヒヤしたけど」 【まこ】 ;4/後右 「ごめんね? 美味しく食べるから――んっ!」 <;SE 魚にピック突き立てる> 【まこ】 「こまちゃん、活け締め全部おわった」 ;7/左 【こま】 「じゃあ、さばくねー。 あ、おにいちゃん、さばくのも見る? あんまり気持ちいいものじゃなかもしれないけど、いい音は、する」 ;4/後右→;3/右 【まこ】 「こまちゃん、ほんっと手際いいんですよ?」 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。わかった。 じゃあ気合をいれて――包丁、研ぎ直すところから――ん……っと」 ;SE 川から砥石をあげる。ざばぁ ;環境音焚き火 vol↓ 川の流れ Vol↑ 【まこ】 「あらこまちゃん、川の水に砥石つけてあったのね。 うふふっ、最初から気合まんまんだったんじゃない」 【こま】 「まこ、うるさい」 ;SE 岩の上に砥石置く 【まこ】 「あの砥石も天然石なんです。ものべの川の川原でとれた、って。 さざれっていう石のあやかしから2000円で買ったんですけど、 こまちゃん、20000円の価値はあるって」 【こま】 「刃物も、魚と同じで、熱にはすぐによわっちゃうけど――よっ――」 <;SE こま、川の水すくって砥石にかける> 【こま】 「この砥石は表面すごく細やかなのに、すごく熱をもちづらい。 だから――(呼吸音)」 ;SE こま、包丁研ぎ。中砥 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【こま】 「このくらい続けて研いでも全然だいじょうぶだし、 その上――裏返すと、なんと」 ;SE こま 砥石裏返す ;SE 手で砥石に川の水をかける 【こま】 「もっと目が細かく――仕上げ砥レベルになる。 こんな石他に知らない。20000円ところか、200000円の価値はあるかも」 【まこ】 「って、おおげさすぎよぉ、こまちゃん。 砥石に20万円なんて、そんなお値段だったらだれも」 【こま】 「(悲しそうなため息)……まこは、砥石沼をしらない」 :SE こま、包丁研ぎ、仕上げ砥 【まこ】 「え?」 【こま】 「ネットで(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― “高級 天然石 砥石”とかで検索すると」 【まこ】 「え? え? あ――おにいさま、スマホ―― まこも、のぞいてもいいですか? (呼吸音)あ、ありがとうございます」 ;3/右 接近 "八十九"で →;3/右通常 【まこ】 「んと――わ――28万――34万! ――八十九万円!!!?」 【こま】 「そこまでいくと――どんなものか――(呼吸音)(呼吸音)――こまにも、見当―― つかない、けど――(呼吸音)(呼吸音)―― 20万なら――(呼吸音)(呼吸音)―― 買い手、普通に――見つかる――世界――(呼吸音)―― うん」 ;SE こま、砥石に手で水かける ;7/左 ”ん”で→;8/左前 【こま】 「研げた。ん……」 ;SE 包丁を川の水につける 【まこ】 「ああやって、研いだばかりの鉄臭さとか、熱とかを川の水で流してるんですよ」 ;8/左前 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……そろそろ、かな。 <;SE 包丁水からあげる> ――うん。これなら上等。びくの中のいわなもやまめも―― <;SE びくを川からあげる> いまからさばく。近くで見てて?」 【まこ】 「ですって。行きましょう? こまちゃん、あの岩をまな板にするみたい」 ;SE 足音(リスナーとまこ)、川砂利 ;魚調理 参考動画 :https://youtu.be/fXHt-3PCd1c?t=217 (塩フリとぬめりとり) ;https://youtu.be/qbSk3iJyr5M (さばく) ;7/左 【こま】 「じゃあ、さばく。 その前に、塩を振って―― <;SE 塩フリ> (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【こま】 「たっぷりふれたら――ごしごしこすって―― <;SE ぬめりとり>…… こすって――こすって――(呼吸音)(呼吸音)」 ;3/右 【まこ】 「こまちゃん、ああやって、ぬめりをとってるんです」 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。 そうしたら、口からお尻の方にむかって――串を、ずぶっと―― <;SE 串打ち> 串打ちして……。こまの場合は、これで塩焼きの準備完成なんだけど――」 【まこ】 「こまちゃん、まこの分はいっつもみたくして」 ;7/左(呼吸音) 【こま】 「……イワナでもヤマメでもマスでも鮎でも。 まこは鱗……鱗っていうほどのうろこないんだけど」 【まこ】 「あるよう、ベロにざらざらするもん」 【こま】 「っていって、おとさないとたべられないの。 だけじゃなく、頭も落として、ワタも抜くの。 こま的には、どうして? って不思議なんだけど」 【まこ】 「えー、海のお魚そうするでしょお。 だったら、川でもおんなじにしたほうが絶対にいいと思うし」 【こま】 「……っていうことなんだけど、お客さんはどっちがいい? 塩してそのまま串焼きか。鱗と頭落としてわたを抜いてから串焼きか」 ;同時 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;同時 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【こま】 「わかった。そうする。 じゃあ、まこの分から――ん…… <;SE 包丁つかって鱗を落としていく:継続> (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「こまちゃん、お料理上手でしょお? まこは全然できないから、いっつもこまちゃんに助けてもらってばっかりで」 <;SE 魚裏返して鱗落とし継続> 【こま】 「こまは、逆に――(呼吸音)――まこの得意な――(呼吸音)―― お掃除とかお洗濯とかが――(呼吸音)――だめ。 二身一対一体って――(呼吸音)――たぶん、そういう、もの――(呼吸音)」 ;SE stop 【まこ】 「うふふっ、うろこが落ちましたね。 見ててください。ここからもこまちゃん鮮やかだから」 【こま】 「頭落とすのに鮮やかもなにも―― <;SE 軽やかにストン> ないでしょ」 【まこ】 「ね? きゅうり切ってるみたいにストンって。 あのくらい大きなイワナだと、骨も結構かたいだろうって思うのに」 【こま】 「このくらいは普通――(呼吸音)―― あ、っていうか。おにいちゃんもさばいてみる? こまが手、添えて教えてあげるから」 【まこ】 「ですって、おにいさま。 どうします? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、はい」 【こま】 「なら、もっとこっちくる――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;7/左 (密着) 【こま】 「うん。そうしたら、力を抜いて――そう。 で、手を……そうそう。いい感じ」 ;7/左 (接近囁き) 【こま】 「いきなりワタヌキってハードル高い感じするけど。 逆にこれできちゃえば、あとはラクって気もするから」 ;4/後右 【まこ】 「おにいさま、ケガ、気をつけてくださいね。 こまちゃんの包丁、ほんっと切れ味するどいですから」 ;7/左(接近囁き) 【こま】 「こまを信じて、身体をぜぇんぶ預けてくれれば大丈夫。 だから、息をあわせてほしいの。 すってー(すーーーーーーっ)、はいてーーーー(はーーーーっ)」 【まこ】 「すってー(すーーーーーーっ)、はいてーーーー(はーーーーっ)」 【こま】 「……うん。こまと、おにいちゃんと。ついでにまこも、息があった」 【まこ】 「ちょっとこまちゃん! 自分自身の半身(はんしん)のことついでって!」 ;7/左 (密着) 【こま】 「それじゃあ、いく。力、絶対にいれないでね? 開くときには、お腹の線を、お尻の方から、頭の方へと―― <;SE 包丁 魚の腹ひらく> (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「わあっ、あざやか――(呼吸音)―― こまちゃんとおにいさま、本当に息ぴったり」 【こま】 「ん。 <;SE stop> そうしたら、今度はわたをかきだしてく。 普段はこま、指でやるけど、今日はおにいちゃんと一緒だから、ここもやっぱり包丁で―― <;SE 包丁でワタをかきだす> ん……(呼吸音)(呼吸音)――っと――(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「(感心の息)――上手、すごく」 ;7/左密着 ”どう”から →;7/左 【こま】 「ん……。 <;SE stop> できた。うん。いい感じ―― どう? おにいちゃん、楽しめた?」 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)――あらあら、うふふっ」 【こま】 「それならよかった。じゃ、これも串うち―― 開いたところ、縫うみたいにして波々に……」 ;SE 串打ち 【まこ】 「こまちゃん、それ、まこが」 【こま】 「うん。串打てたのからもっていって焼いといて。 それでね? おにいちゃん。まこと一緒に――焦がさないように見張ってて?」 【まこ】 「もう、こまちゃんったら。 まこだってそのくらいなら平気……(呼吸音)(呼吸音)―― あ、はい! おにいさまが焼きたいんなら、もちろん歓迎……えへへ、大歓迎です」 【こま】 「こまも、全部串打ちできたらすぐいく」 【まこ】 「それじゃあ、うふふっ。 こまちゃん待ちながら焼いてましょう? おにいさま」 ;SE まこ、リスナー足音(川砂利) ;環境音 焚き火 Vol ↑、川の流れ Vol ↓ ;3/右 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「おにいさまは、旅人さん……ですよね? お宿にお泊りだったんですし。 いったいどちらからいらしたんですか?」 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……あらあら、まぁまぁ」 【まこ】 「でしたら、ね? 小さなころは、どちらの海で泳がれてました?」 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ああ、そうなんですね」 【まこ】 「こまちゃんが嗅いだ、って教えてくれた。 そうしてまこも確かに嗅いだ、お客さんの奥底……きっと、たましいの奥底からただよっている、 『懐かしい、海の、匂い』」 ;SE 薪爆ぜる ;3/右 接近囁き 【まこ】 「それは――もしかすると、遠い昔に……遠い、遠い昔に―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「もしか、したらね? おにいさまの遠い祖先に、お坊様って」 ;15/左遠 【こま】 「まこー! おきゃくさーん、全部さばけたー!」 ;3/右みっちゃく ”うふふ”でぱっと離れて ;3/右(通常) 【まこ】 「あっ!!! うふふっ。こまちゃん、お疲れさま」 ;SE こま足音 ;15/左→;7/左 ;7/左 →”黒焦げ”から;8/左前 【こま】 「まここそ、火を見ててくれ――って!?! 黒焦げになっちゃう!!? なにしてたの、まこもおにいちゃんも!!」 【まこ】 「なにって――あわわ、その……ええと――ねぇ? (呼吸音)(呼吸音)――ああ、おはなし。そう。ただ、お話をしてただけ」 ;8/左前 ”こまがこのタイミング”から;7/左 【こま】 「お話もいいけど――はい。 <;SE 串打ちしてあるイワナ手にとる→まこに渡す> おにいちゃんのも、はい、どうぞ」 ;SE 串打ちしてあるイワナ手にとる→お客に渡す 【こま】 「……こまがこのタイミングで来たからよかったけどさ、 もう一分おくれたら黒焦げだったよ。気をつけて」 【まこ】 「うん。ごめん、こまちゃ――って――(くんくん――くんくん!) ああ、すごい、いい香り〜〜 ね? こまちゃん、これ、もう今すぐ食べていい?」 【こま】 「もちろん。っていうか、こまも食べるし――おにいちゃんも……(呼吸音)――えへへ、だよね」 【まこ】 「それじゃあみんなで、『いただきます』しましょ?」 【こま】 「そうだね。せーの」 ;同時 【まこ】 「いただきまーす!」 ;同時 【こま】 「いただきまーす!」 ;↑言ってから ;同時 【まこ】 「(はむっ!!)」 ;同時 【こま】 「(がぶっ!!!)」 ;環境音 F.O. <TR4 こまとまこの波音耳かき(左耳)>(ASMR:波音+耳かきパート) ;このトラック、耳かきシーン入って以降、ずっと睡眠導入で進めていくので、 ;(囁き)指定あるとこ以外でも大きな声は出さないでの、メリハリは声張る以外の方向でのお芝居をいただけますと嬉しいです ;SE ;7/左 こま歯磨き (継続) ;7/左 【こま】 「(歯磨き中っぽいニュアンスを一分ほどお願いします)」 ;SE ;3/右 まこ歯磨き (継続) ;3/右 【まこ】 「(歯磨き中っぽいニュアンスを一分ほどお願いします)」 【こま】 「ん」 【まこ】 「んあ」 ;SE 両方ともstop 【こま】 「がらがらがら――ぺっ」 【まこ】 「ぶくぶくぶく――(音を立てないよう、静かに水を吐くニュアンス)……」 【こま】 「ふー、さっぱりした」 【まこ】 「そうしたらわたしたちは――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――(微笑)。 あ、いいんですか。うふふっ、それじゃあ、お言葉にあまえます」 ;SE 畳足音(三人) :SE並んで 座布団にすわる /まこ <リスナー ↓視線> こま 【まこ】 「(安堵の吐息)本当にありがとうございました、おにいさま。 こまちゃんがイワナの骨を喉にさしちゃったときはどうしようかと思いましたけど……」 【こま】 「お宿の台所でごはんもらってくれて、助かった。 ごくんてしたら、骨とれて、スッキリした」 【まこ】 「それだけじゃなく……うふふっ (あたりをぐるりと見回すニュアンス) ――お宿、わたしたち、お勝手口まわりくらいしかはいったことありませんでしたから」 【こま】 「(あたりを見回す) 古いけど、清潔。いごこちがいい。あったかな感じがする。 おなかもいっぱいだし (ふぁ)――こま、眠くなりそう」 ;SE こま、ねころがる 【まこ】 「って、こまちゃん、おにいさまの前で」 【こま】 「まこー――耳かきしてー。あ、じゃないや。 いいこと考えた」 ;SE こま、起き上がって座り直してひざぽんぽん 【こま】 「おにいちゃん。こまのひざ、まくらにしていいよ。 それでね、こま、おにいちゃんに耳かきしてあげる」 【まこ】 「ああ! それは本当にいい考えね、こまちゃん。うふふっ」 ;3/右 接近囁き 【まこ】 「わたしたち、耳かき、とっても上手なんですよ?」 【こま】 「これ、耳かき――なにでできてるかわかる?」 ;SE 耳元で魚の骨製の耳かきびよんびよん 【こま】 「……(呼吸音)――ふふっ。正解はねー、魚の骨。 かつおのしっぽのとこの骨。 それを削って、耳かきにしたの」 【まこ】 「弾力があって、耳ざわりもよくて軽くてしっかりしてて。 すっごく挿れられごこちがいいんですよ? それに――ね? こまちゃん」 【こま】 「うん、だね。まこ」 【まこ】 「わたしたちが、海からきたあやかしだからかって思うんですけど。 ふふっ――この耳かきをお耳の中にいれるとね? ざざーん、ざざーんって……遠い波音が聞こえてくるんです」 【こま】 「おにいちゃんにも聞こえるのかな? こま、ためしてみたい。だから、ね? おにいちゃん。 <;SE ひざぽんぽん> こま、やせっぽちだから寝心地わるいかもしれ――っ―― <;SE リスナー、こまの膝にねころがる> ……(びっくりして、だけど嬉しい呼吸音)」 ;7/左 接近囁き 【こま】 「えへへっ。いらっしゃぁい。 (ふーーーーーーーーーーっ)、(ふっ)」 ;7/左 【まこ】 「こまちゃん。まこにするより、ずうっと優しく、丁寧に、ね?」 ;7/左 【こま】 「わかってる。 そしたらおにいちゃん。耳かき、そーっといれるからねぇ。 そーっと、そーっと――」 ;SE 耳かき挿入。同時に小さな波音 F.I ;以降、耳かきが耳の中はいってる状態のときは、常に耳の中で小さく波音ならしてください 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「どう、です? おにいさま――(呼吸音)(呼吸音)―― ああ! おにいさまにも聞こえるんですね、波の音…………やっぱり」 【こま】 「それじゃあ、静かに耳かきしていくね? 目をとじて、懐かしい海の景色を、あたまの中に思い描いて」 【まこ】 「ゆーっくり、くつろいでくださいね?」 【こま】 「はじめは耳の浅いとこからいくよ…… あ、まこ、ティッシュ用意しといて?」 ;SE ティッシュ引き抜き 【まこ】 「はぁい、まこちゃん」 【こま】 「ありがと。それじゃあ――ん……」 ;耳かき音 浅・継続 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「どぉ、こまちゃん?」 【こま】 「うん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――お耳、きれい。 おふろでしっかり――(呼吸音)(呼吸音)――あらって、た?」 【まこ】 「なら……あ、お客さん。お耳、すこぉしさわりますね? お耳のふちのうらっかわとか、どうかしら」 ;SE 耳の縁をめくる 【こま】 「あ、ここは少しある――まこ、そのまま抑えてて。 ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「こまちゃんの耳かき、こりこりこりっ、かりかりかりって―― (うれしげな息)――ああ、お客さんも、きもちよさそう」 【こま】 「(満足げな鼻息)――ん……(集中した呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っと」 ;SE stop 【まこ】 「こまちゃん、耳たぶもひっぱる?」 【こま】 「うん。徹底的にやりたい」 【まこ】 「はぁい。それじゃああ――耳たぶ、失礼します」 ;SE 耳たぶひっぱり 【こま】 「あ、やっぱりある。まこ、そのままひっぱっといて――ん……」 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「……いたくないですか? かゆいとかあったら、いってくださいね?」 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) <;SE stop> ――ふぅ。 (ふーーーーーーーーーっっ)(ふっ)」 【まこ】 「こまちゃん、耳かき拭いてとくね?」 ;SE ティッシュで耳かきふき 【こま】 「………………うん。うん。 浅いところはこれでいいね。」 【こま】 「そうしたら、今度は――ふかいとこ――いく――。 ん……」 ;SE 耳かき(深) 継続 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) っと――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「……海の音。波の音。聞こえてますか? 鼓膜じゃなくて、きっとこころに、響く音」 【こま】 「いわれてみたら……(呼吸音)(呼吸音)―― おにいちゃんの……(呼吸音)(呼吸音)――お耳の奥、も――(呼吸音) 海の底、の――(呼吸音)(呼吸音)――いわだなみたい、かも――」 【まこ】 「あ……うふふっ。ヒトデが張り付いてたりとか?」 【こま】 「うん……(呼吸音)(呼吸音)――あ―― (呼吸音)(呼吸音)――よ……ん……(呼吸音)(呼吸音)――っと」 ;SE stop 【まこ】 「あ、ティッシュ?」 ;SE テッシュ抜き 【こま】 「こら、これ――とれたの。まるで」 【まこ】 「うふふっ、かわいい。メンダコみたい」 【こま】 「ね。楽しい。 もっと深海生物、探す――ん……」 ;SE 耳かき(深)継続 【こま】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「こまちゃん? 夢中になりすぎて、おにいさまのこと痛くしちゃったら、メ、よ?」 【こま】 「平気……(呼吸音)(呼吸音)ん…… 奥も……結構、きれい、だし……(呼吸音)(呼吸音)―― 取ろうと、しても――(呼吸音)(呼吸音)―― めだつ、よう、なの――(呼吸音)(呼吸音)――これ、くらい、しか」 【まこ】 「大物、いたの?」 【こま】 「そこそこ、の――(呼吸音)――ン――あっ―― おちちゃ――っ――(呼吸音)(呼吸音)――うん、よし――(息を吐く)。 (吸う)――ん……っと――(呼吸音)(呼吸音)―― もうちょ、っと――(慎重な呼吸音)……」 【まこ】 「こまちゃん、がんばって――」 【こま】 「いけ……そう――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……んんっ――――。と。 ;SE stop (安堵の長い息)」 ;SE テッシュ抜き 【まこ】 「ご苦労さま。どう? (呼吸音)――あ、うふふっ、 ダイオウグソクムシだぁ」 【こま】 「(ふーーーーーーーーーーーーっ)(ふっ!)(ふっ!) ……(慎重な呼吸音)―― うん。うん。これでいい。 左のお耳はきれいになったから、まこに交代」 【まこ】 「じゃ、うふふっ。 ぐるーーーーーんてしながら、わたしのおひざに頭、のせ直してくださいね? 落ち着いたらで、ゆっくりとで、平気ですから?」 【こま】 「(呼吸音)――もういい? 平気? それじゃあ、『せーーーーの』」 ;7/左→;1/前→;3/右 【まこ】 「ぐるーーーーーーーーーーーーーーーん」 <Tr5 こまとまこの耳かき(右耳)>(ASMR:波音+耳かきパート) ;3/右 接近囁き 【まこ】 「(うっとりした吐息――) おにいさま。まこのお膝にようこそいらっしゃいました。 うふふっ―― (ふーーーーーーーーーーーーーーーーっ) たぁくさん、気持ちよくしてあげますからねぇ」 ;3/右 【こま】 「わ」 【まこ】 「こまちゃんもよかっただろうって思いますけど―― まこも負けてないんですよ? 丁寧に丁寧にきもちよおくして、 ぬとぬとしてるばっちいの、ぜぇんぶきれいに出しちゃいましょうね〜」 【こま】 「はぅ……/////////」 【まこ】 「ちょっと、こまちゃん。どうして照れるの? まるでわたしがいやらしいことでもいったみたい―― いった……みたい……あっ!? あの、おにいさま、ごめんなさい。まこ、そんなつもりじゃなくて、 ただあったかくて……うれしくて……」 【こま】 「(呼吸音)……まこ、平気。おにいちゃん怒ってない。 むしろ、『ご褒美』って顔してる」 【まこ】 「え!? あ――あっ――(嬉しくて照れて困惑)。 えと、あの――あ、そう、みみかき。とにかく、大事に耳かきしますね?」 【こま】 「こんどはこまがティッシュがかり」 ;SE ティシュ引き抜く 【まこ】 「それじゃあ、いきます。 最初は浅いところから、ゆっくり、やさしく、なぜるみたいにはいりますね? ん……」 ;SE 耳かき(浅)継続 【まこ】 「ぁ……(呼吸音)……っと――(呼吸音)――ん……(呼吸音)……ん、ふ……(呼吸音)」 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【こま】 「まこ、こまより耳かきの使い方が小さい。 ちょっとずつちょっとずつ――丁寧に耳、きれいにしてる」 【まこ】 「(呼吸音)――ん……お耳――(呼吸音)――こまちゃん――ね、端っこ――(呼吸音)」 ;SE stop ;SE ティッシュで耳かきふき 【こま】 「あ、そうだった。こま、めくる――ん――<SE:耳接触>」 【まこ】 「ありがと、こまちゃん。 お客さん、もうちっとだけ、くすぐったの我慢してくださいね?……っ――」 ;SE 耳かき音 (浅・継続) 【まこ】 「あさいとこ――(呼吸音)――すみずみまで……ん――(呼吸音)―― きれいに、したら――(呼吸音)――一番、ふかい――(呼吸音)――ところ、まで――(呼吸音)―― んっ――まこが――(呼吸音)――たくさん、たくさん――ほじ、って――」 【こま】 「(うかつなこといってまこが動揺したらおにいさんの鼓膜がやばいので、エッチだなぁと思うのを耐えてる呼吸)」 【まこ】 「……ぜぇんぶ――でる――まで――(呼吸音)(呼吸音)――ていねい、に――(呼吸音)――んっ―― あ……もうちょっと――ん……(呼吸音)――こまちゃん、ティッシュ――用意――(呼吸音)おね、がい」 【こま】 「あ、うんっ」 ;SE ティッシュ抜き ;se stop 【まこ】 「ふぅ、ありがと……」 ;SE ティッシュで耳かきふき ;3/右 接近囁き 【まこ】 「(ふーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 【こま】 「どお?」 【まこ】 「うん。きれい。 あとは、深いところを――じっくりと―― んしょっ――」 ;SE 耳かき音 深(継続) 【こま】 「右のお耳にも、深海の仲間、いる?」 【まこ】 「さぁ……(呼吸音)――どう、かしら――(呼吸音)――ん……(呼吸音)―― こっち、結構――(呼吸音)――しっとり、してて――(呼吸音)」 【こま】 「あ、ティッシュ用意しとく <;SE ティッシュ抜き>――んしょ」 【まこ】 「ありがと……(呼吸音)――っ……(呼吸音)――あ……このこ、まぁるい―― ん……(呼吸音)――ころがっちゃい、そう――」 【こま】 「そんなにまるいの?」 【まこ】 「ん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――よしっ――ん。 あとは――慎重に、慎重に……(呼吸音)――慎重――にっ――あ」 【こま】 「ころがっちゃった?」 【まこ】 「ころがった――(呼吸音)――けど――ぎりぎり――お耳に――(呼吸音) ひっかかって――(呼吸音)――くれた――(呼吸音)(呼吸音)――から――んっ―― (呼吸音)(呼吸音)――こんど、こそ――(呼吸音)――もっと―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【こま】 「(ごくっ)」 【まこ】 「うんっ――;SE stop (安堵の息)―― うふふっとおれた」 ;SE 耳かき、ティッシュの上にぽんぽん 【こま】 「わ!? ティッシュからもころがっちゃいそう。 ほんとに丸い――ダーリアイソギンチャクみたい」 【まこ】 「あー、そうねぇ。いわれてみれば本当に。 なら (ふーーーーーーーーっ)おにいさまのお耳の奥は、よっぽどいごこちがいいんですねぇ」 【こま】 「ダーリアイソギンチャクはね、繊細だから 、大きく育つのがむつかしいの」 【まこ】 「まこも、こまも――ん―― <;SE 耳かき音(深・継続) おにいさまの――お耳の、中で――(呼吸音)――くらし、たら――(呼吸音)―― うふふっ――少しは、おっきく――(呼吸音)――」 【こま】 「ああ、いいねぇ。おっきくなるの、あこがれるねぇ」 【まこ】 「んふふっ――(呼吸音)――まこと、こま――(呼吸音)―― ふたりで――お客さんの――(呼吸音)――お耳に、住んで――(呼吸音)―― おおきく――(呼吸音)――なったら――(呼吸音)――――きっと、いまより――(呼吸音) ――きれいに、素敵に――(呼吸音)」 【こま】 「おにいちゃん、ね? こまとまこがもし大きくなれたら、なにしてほしい?」 【まこ】 「まこと、こまに――(呼吸音)――できる、ような、こと――なんて……(呼吸音)―― おさかなを、とる、こと、と――(呼吸音)――あとは――こう、して――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳かきを、して――さしあげる、の、と――(呼吸音)」 【こま】 「こまはお料理ができるし、まこはお掃除とお洗濯ができるよ」 【まこ】 「うふふっ――あとは――(呼吸音)――そう―― 海のお話――なら――(呼吸音)(呼吸音)――できます、ね。 まこと、こまが――(呼吸音)(呼吸音)―― まだ、人間の姿に――(呼吸音)(呼吸音)――なることも、できなかった――(呼吸音)(呼吸音) ――ころ――(呼吸音)――のっ――(呼吸音)」 【こま】 「ぉ――ぉ――お――お」 ;SE stop 【まこ】 「ふぅ――とれました」 【こま】 「複雑な形……クマサカガイみたい。いろんなのくっついてる」 ;3/右 接近囁き 【まこ】 「(ふーーーーーーーーーーっ)(ふっ)(ふっ)。 ん〜〜(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん。 うふふっ、これでいいですね。お耳、カキ殻を落とした船底みたいにきれいです」 【こま】 「おつかれさまー、おにいちゃん。 ね、ね? こまとまこ、どっちが耳かき上手だった?」 【まこ】 「もう、こまちゃん。そういう質問はおにいさまのこと困らせちゃうでしょ? ――あ……あら――」 【こま】 「わぁあ、おおきなあくび――ふ……ぁ……ふあああああああああっ」 【まこ】 「うふふっ、こまちゃんにもあくびうつっちゃったのね…… ぁ……ん――ぁ――(こらえようとしてこらえきれないあくび)」 ;"あー"は嬉しい 【こま】 「おにいちゃんのあくびの伝染力すごい。 え? ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー」 【まこ】 「お耳のおく……おにいさまにも海鳴りの音、波の音、やっぱり響いていたんですね」 【こま】 「こまたちにも、それ、聞こえてた。響きあってた。 だから、安心して、なつかしくって――眠たくなったの」 【まこ】 「あの、おにいさま――あつかましいお願いだとは思うのですけど……(ためらいの呼吸) ――! ――ほんの少しだけでいいから…… まこと、こまと――一緒にねむってもらえませんか?」 【こま】 「おにいちゃんは、懐かしいあの海の匂いがするから。 こまもまこも、ものべのに来てから全然海に帰ってないから」 【まこ】 「だから、ひととき。 あなたの魂の奥底でとどろく海に……そっと、よりそわせてほしいのです」 ;環境音(F.O) <Tr6 まことこまと川の字でおやすみ>(安眠・ウィスパートラック) ;このパートずっとウィスパー、メリハリ抑え、安眠導入を強く意識でお願いします ;3/右 【まこ】 「ふぅ……」 ;7/左 【こま】 「川の字、うれしい。 マンガで読んで、いっかいやってみたかった」 【まこ】 「そうね、こまちゃん。わたしも―― うふふっ、すごくしあわせ。あったかくって、きもちよくって…… よく陽の当たる浅い海の中で、ぷかぷかうかんでいるみたい」 【こま】 「うん。いい匂いのする海藻の生えた亀の甲羅にゆらゆらゆすられてるみたい」 【まこ】 「……ああ――ほんとうに、しあわせ」 【こま】 「のぉんびり……してて……なつかしい匂いがして……(呼吸音)(呼吸音)―― あの海の、においに――つつまれて――(呼吸音)(呼吸音) ふ、ぁ……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ん……あ――はい。そうですよ。 わたしたち、まことこまは、海から……それも、海の底からきたんです」 【こま】 「昔々ね? お坊さんがかなしんでたからきたの。 涙の粒がぽちゃんぽちゃんって、あんまりうるさいからきたの」 【まこ】 「そのお坊さまは、重い重い病気にかかって、仏道をあきらめようと―― それどころか、ご自身の命を断とうとなさってて……」 【こま】 「こまとまこ、そのときはまだ人間の形にばけるのもできなくて。 ただの大きくて古い貝の精で。 だけど、ちょっとはしてあげられることがあったの」 【まこ】 「お坊さま、重い病気で、かさぶただらけで…… 痛い、かゆいってくるしんでらして……」 【こま】 「だから、こま、きれいな水を吐いてあげたの。 そのころのこまとまこは、貝の精だったから、ぴゅーって吐けたの」 【まこ】 「まこはこう――貝の足を―おおきく伸ばして―― こまちゃんがきれいにあらったかさぶたを、ゆっくり掻いてあげたんです」 【こま】 「そしたらね? お坊さん。気持ちいい、ありがたいって―― こまとまこのこと、貝の化け物なのに、すごく親切にあつかってくれて」 【まこ】 「そのうえ――うふふっ。まことこまの水と足、お坊様の病に効果があったんです。 かさぶたがだんだんはがれて、きれいになって―― 元気をどんどん、とりもどしていかれて」 【こま】 「……こまもまこも、お坊さん、元気になったらいなくなるんだろなぁって、わかって。 二度とあえなくなるんだろうなぁって、おもってて。 だから、おくりものを送ることにしたの」 【まこ】 「……海のものたちで織りなした、丈夫できれいな紫色の僧衣を。 お送りしたらお坊様、それはそれは喜んでくださって―― 何度も何度も頭を下げてくださって―― そうして……去っていって、予感のとおり、二度とは戻ってこられなかったのですけれど……(呼吸音)……」 【こま】 「だけどね? まことこまの名前、『マコ』のこと、お坊さんは広めてくれたの。 人間が、自分のかきたいところをかけないところをかく道具に 「マコの手」ってお名前、つけてくれたの」 【まこ】 「それがひろまっていくにつれ――まことこまにも徳がたまって、 できることが増えていって、人間の姿にまでなれるようになって――」 【こま】 「でも、いつのまにか道具の名前が濁っちゃって。『孫の手』っていわれるようになっちゃって。 そうしたらもう、こまとまこのこと、だれも少しも思っても考えてもくれなくなって」 【まこ】 「だから、ご開祖ちゃん……このものべのの土地神の誘いを受けたとき、 移住をためらう理由はひとつだけしかなかったんです」 【こま】 「ものべのは山の中だから、海にすぐにはいけなくなっちゃう。 海から来たまことこまには、それは本当につらいことだったの」 【まこ】 「だけど、それでも――移住して……マコというあやかしのことを、 まことこまのことを、誰かにしって、語ってもらえるようにならないと―― まこもこまも、消えてしまうから」 【こま】 「だから、まいにち不安でしょうがなかったんだけど――ふ……ぁ―― えへへ――おにいちゃんとあえて――おはなしできて――くっついて。 こま、すっごく安心したの」 【まこ】 「おにいさまからは、あのお坊様と過ごした懐かしい海の匂いが―― たましいの座(くら)――その血の深くからただよっていますから……」 【こま】 「あのお坊さんが、しあわせになっておくさんもらって、それで子供をつくったのかな? おにいちゃん、こどものこどもの――そのまた……ふ――ぁ――こども、の……」 【まこ】 「こまちゃん。もう眠たくて仕方ないのね? わたしも――ふ、ぁ――ん……おんなじだけ……ねむい、から」 【こま】 「おにいちゃんは、どお? ……(呼吸音)(呼吸音)――あ――わぁい。 ねむたいんなら、一緒に寝よう?」 【まこ】 「ですね。そろそろ言葉をとざしましょう。 寝ておきましたそのあとにでも――ふ……ぁ――いくらも、おはなしは――」 【こま】 「こま……もっと、おにいちゃんと――おはなし――したい―― 寝て、おきた、あとも――その、さきも…………ん……」 【まこ】 「まこも――ふ、ァ――まるで、おんなじ、ねがいです。 次の、旅へと――あなたが、旅立つ、それ、までは――」 【こま】 「(すぅ――すぅ――すぅ――すぅ)」 【まこ】 「それが、たとえ――かなわ、なくとも…… せめて、今夜の……夢の……中、では…………」 【こま】 「(すぅ――すぅ――すぅ――すぅ――)」 【まこ】 「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うふふっ、ありがとうございます」 【こま】 「(すぅ――すぅ――すぅ――すぅ――)」 【まこ】 「それじゃあ、明日も――ん……ふぁ――おはなし、しましょう――」 【こま】 「(すぅ――すぅ――すぅ――すぅ――)」 【まこ】 「いまは――ですから……(呼吸音)――(呼吸音)――おやすみ、なさい――」 【こま】 「(すぅ――すぅ――すぅ――すぅ――)」 【まこ】 「夢の……中で……ん…………(眠い息)……きっと……懐かしい……あの…………う、み―――― (寝入りばなの寝息)…………」 【こま】 「安眠寝息 ;30秒」 【まこ】 「寝ようとしてる寝息 ;30秒」 【こま】 「安眠寝息 ;30秒」 【まこ】 「寝入ばなの寝息 ;30秒」 【こま】 「安眠寝息 ;30秒」 【まこ】 「落ち着いてきた寝息 ;30秒」 【こま】 「安眠寝息 ;30秒」 【まこ】 「落ち着いてきた寝息 ;30秒」 【こま】 「安眠寝息 ;30秒」 【まこ】 「安眠寝息 ;30秒」 (ループトラック) ;まこが ;3/右 こまが;7/左で、全て左右同時 ;1セット1分ほど、ループトラックなのでループ感でないようニュアンス控えめでお願いできると嬉しいです 【まこ】「(熟睡寝息)」 【こま】「(熟睡寝息)」 【まこ】「(熟睡寝息)」 【こま】「(熟睡寝息)」 【まこ】「(熟睡寝息)」 【こま】「(熟睡寝息)」 ;おしまい