;//////// ;Track1 プロローグ。紅の自己紹介 ;//////// ;プロローグタイトルコール ;1/前 【紅】「蓄音(ちくおん)レヱル。現・肥薩(ひさつ)みかん鉄道所属。 旧南颯鉄道(きゅうなんさつてつどう)キハ100形(ひゃっけい)キハ101(いちまるいち)専用レイルロオド 紅。 紅の自己紹介!」 /// ;環境音 列車内(肥薩おれんじ鉄道列車内走行音を想定) F.I. ;3/右 【紅】「(うたたねの寝息)(寝息)(寝息)(寝息)」 【紅】「(寝息)(寝息)(寝息)――ふがっ!?」 【紅】「うぁ――あ……いまぼく……紅、寝ちゃってたね。 ん……(のび)――はぁ。 ごめん、相棒。あんまり乗り心地がよくって、っていうか――」 【紅】「(30秒ほど列車の音に耳をすませる呼吸音)」 【紅】「……いいね、この新型気動車。試運転とは思えないくらい安定してる。 新型っていっても、観光用に改装されただけの車両だけど、いじった部分もかぎられてるんだろうけど。 それでもこの安定加減はすごいよね」 【紅】「車両デザイナー、右田日々姫(みぎたひびき)か。 御一夜鉄道(おひとよてつどう)のれいな、キハ07s(れいななえす)のレイルロオドの同僚だから、どんなものかって思ってたけど―― この改装の仕上がり具合を見る限り、本物なんだね、実際に」 【紅】「……(呼吸音)(呼吸音)……それにしても……ぁ……ふ……(大あくび)」 【紅】「乗客として乗るっていうのはいいもんだねぇ。 なーんにもしないで、それこそ居眠りしてたって目的地につけちゃうんだから。 ……乗務ももちろん楽しいけどね。こっちはこっちですごく楽しい」 【紅】「ま、居眠りとかするくらいゆるんじゃったのは――へへっ、隣に相棒がいてくれるおかげかな。 なにもかも忘れるくらいに安心できて…………って、いけね、実際わすれちゃってた」 【紅】「インタビューっていうの、どうなった? 新聞記者だかなんだかの。 ぼくが寝てる間にひょっとして終わってたりとか――」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――まだならよかった。 ってか、この試運転に乗り込んでくるって話だった気がするけど―― いったい何時にどの駅から…………ぁ」 ;ブレーキ→停車 ;SE ドア開 ;SE 足音乗車 ;SE ドア閉 ;ブレーキ緩解→走行 ;3/右 接近囁き 【紅】「…………この試運転って関係者以外乗ってこれないよね。 ってことは――(呼吸音)(呼吸音)――っ!」 ;3/右 (顔は記者に向ける=マイクと同じ視線) 【紅】「こんにちわ。インタビューの話をくれた新聞記者さんって……(呼吸音)(呼吸音)―― ああ、やっぱり、はじめまして。ぼくは紅。 廃止されちゃった南颯鉄道のキハ100形トップナンバー機、キハ101の専用レイルロオドで、 いまは相棒――マスターと一緒に、肥薩みかん鉄道でお仕事してる」 【紅】「記者さんは、南颯鉄道って知ってる? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……そっか。 いい鉄道だったんだよ。すごく――ものすごく」 【紅】「鹿兒島(かごしま)の西南端。颯馬(さつま)半島の枕咲(まくらざき)から加勢田(かせだ)を経由して移住院(いじゅういん)まで。 ……大詔(たいしょう)うまれの蒸気機関車がことこと貨物を牽(ひ)いてたりしてさ、とってものどかな路線だった」 【紅】「そののどかな路線で、紅はエースだったんだ。 南颯のキハ100形は、帝鉄(ていてつ)のキハ07形(れいななけい)――あの大傑作気動車の唯一の弱点だった足回りを補強した、『改良形』の気動車だったからね。 自社発注のピカピカの新車――ものすごく期待されたし、その期待にも応えてた。絶対に」 【紅】「紅たち、キハ100形は6姉妹でさ。みんな一斉に新造されたいわば六つ子で。 (微笑)……楽しかったよ、毎日毎日。 ただお客さんを運んで戻るだけなのになんでこんなに楽しいのかなって…… ちょっと不思議になっちゃうくらい。うん。楽しかった」 【紅】「けど――エアクラが発展して、鉄道が衰退して。 南颯鉄道も大廃線の波に抗いきれずに廃止されて……妹たちも解体されて」 【紅】「………………。 しんどい時期もあったけど、相棒がいてくれたから、乗り切れて…… いまはもう一度走れてるし、楽しいよ。 楽しいって思えるようになったんだ、また」 【紅】「乗ったことある? 肥薩みかん鉄道。 海沿いの車窓は、多分日ノ本一(ひのもといち)だよ。おおげさじゃなく」 【紅】「ん? ……(呼吸音)(呼吸音)――ああ、そうだ、インタビューだったっけ。 インタビュー、ちょうどみかん鉄道の話を聞きたかったの? ああ、ならよかった」 【紅】「あ、他にも話が?……(呼吸音)(呼吸音)――うん――(呼吸音)――うん。 沿線の……音」 【紅】「音を探せばいいの? 言われてることはわかるけど――でも、音ってそんなのなんのために」 【紅】「うん……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) ! わ! いい!!! それいいねぇ! 『蓄音レヱル』! 音を通じて沿線の、みかん鉄道の魅力を紹介してもらえるって。 しかも新聞、全国紙で!」 ;3/右(顔記者向き) “ねぇ”から →;3/右(顔マイク向き) 【紅】「やるやる、そんなの絶対やるよ。やらなきゃ損じゃん。ねぇ相棒。 あ……けど、音のことなんてぼく全然わかんないし、相棒だって……」 ;3/右(顔マイク向き) “そのへん”から→;3/右 (顔記者向き) 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――だよね。 そのへんって、どうすればいいとかあるかな」 【紅】「うん……(呼吸音)……あー……(呼吸音)ふんふん、そっか。なるほどねー。 紅たちたはただ、紅たちが『いいかんじー』っておもう音がする場所をチェックして、 それを記者さんに伝えればいいだけなんだ」 ;3/右 “んじゃ”で座席から立ち上がり→;1/前 【紅】「そうするためには――オッケーわかった。ヘッドホンかイヤホンね。 んじゃ――よいしょ――紅が相棒につけたげるよ」 ;$=SEヘッドホン装着音(両耳同時) 【紅】「ん…… $ (呼吸音)(呼吸音) ――っと、どう、こんな感じかな。耳、しっかりあたってる?」 【紅】「ちょっとテストした方がいいかな。しよっか。 じゃ、いくよー」 ;7/左 (接近) 【紅】「ひだりみみ」 ;1/前 【紅】「ふふ、よく聞こてるっぽいね。 んじゃ、今度はちっちゃいの聞こえるかのテスト」 ;3/右 (耳打ち・小声) →ふきかけ 【紅】「みぎみみ。でもって―― (ふーーーーーーーーーーーーっ)」 ;1/前 “んしょ”で座席に座り直して →;3/右 【紅】「あはは、良く聞こえてるみたいだね。 テストオッケ−! んしょっ」 ;3/右(顔記者向き) “ってか”から →(顔マイク向き) 【紅】「それなら記者さん、相棒と紅で、『蓄音レヱル 肥薩みかん鉄道』の取材、たしかに引き受けるから安心して。 ってか……ちょっと相棒、耳かして」 ;3/右 (耳打ち) “あはは”から→;3/右(通常) 【紅】「今日ふたりともおやすみだしさ。 このまま一緒に――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あはは! オッケー、そーしよ!!」 ;3/右(顔マイク向き) 【紅】「それならふたりで、このまま一緒に! 音探しの旅! 出発! しんこーーーー!!!」 ;SE 環境音 F.O. ;//////// ;Track2 仙岱名物『ぴんこ団子』 ;//////// ;3/右 【紅】「おばちゃんの店。今ね、一番の有名店になってるんだって、びっくりだけど、当然だよね!」 ;SE ドア開け ;SE 足音 ;環境音 団子屋店内(普通の空調) ;団子焼く音 参考動画 https://youtu.be/ErrKR-OfKrw https://youtu.be/s_taSqzs_Xg ;7/左 (マイクと同じ視線) 【紅】「あ、おばちゃん。ひさしぶり! ぼくのこと覚えてる? 南颯鉄道の、ガタンゴトン亭の――そう、紅!!」 【紅】「うれしい、覚えててくれたんだー。よかった。 ガタンゴトン亭やってたときは、本当にお世話になりました」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……あはは、あのころより元気に見えるのは当然だよ。 だって、いまはまた相棒と一緒に走れてるから。 エンジンを止められてレストランにされてた紅のキハ101と、相棒――マスターと一緒に、線路の上を走れてるから」 【紅】「もちろん、ガタンゴトン亭でウエイトレスさんやらされてるときも楽しかったよ? 乗務してたら絶対ムリなレベルでいろんなお客さんたちとお話できたし、味覚センサー増設してもらえたのも今から思えばよかったし」 【紅】「そのおかげで、ヘヘ、おばちゃんとこのぴんこ団子の美味しさもわかるようになったんだしね―― って!」 【紅】「そうだった。あのね、おばちゃん、今日はお願いがあって来たんだ。 えとさ、みかん鉄道沿線の素敵なとこを音で紹介しよう、みたいな企画があって。 それで、みかん鉄道の起点、颯馬仙岱(さつませんだい)の一番の名物っていったら、 やっぱり絶対、ぴんこ団子だと思うから」 【紅】「だから、お団子焼く音じっくり聞かせてほしいの……って、え……(呼吸音)(呼吸音)―― 『音なんてほとんどしない』って――」 ;7/左(マイク向き) 【紅】「そうかな? そうだっけ? してる気がしたけど――音。 パチパチっていい感じの、いかにもおいしそーなの――(呼吸音)(呼吸音)――だよね、してたよね」 ;7/左(マイクと同じ視線) 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――あ、うん。実際やってみて聞かせてもらえたらうれしい、 ね! 相棒もよーく聞いててね。なんか、あんまり音しないみたいな話だから」 ;7/左(マイク向き) →“じゃ”から(耳打ち/ひそひそごえ) 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――うん。だね。紅と相棒も静かにしてないとだ。 じゃ、焼いてる間は、あんまりしゃべらないようにしようね」 ;7/左(小声/マイクと同じ視線) 【紅】「それじゃあおばちゃん、お願いします」 【紅】「ん……(できるだけ詰めた息での呼吸。3〜4呼吸)」 ;7/左 小声(継続) 【紅】「網にお団子を乗せて――」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【紅】「指先でそっと串を押してるのって――(呼吸音)(呼吸音)―― あ、そっか。それで網とお団子のくっつき具合がわかるんだ――っと」 ;SE 団子ひっくり返す ;7/左 ‘え?”で マイク向きに 【紅】「おおお、まとめてひっくり返すのかっこいい! ――え?」 ;7/左 ‘呼吸音”からマイクと同じ視線に 【紅】「あ、うん。静かに聞いてみる…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「ほんとだ。ちりちりいってる……ちっちゃい音だけど、確かに――あ!」 ;SE 団子しょうゆだれのカメにだぶん 【紅】「焼けたら一気にタレにつけるんだね。豪快! ん……(呼吸音)……そしたら」 ;SE 網を掃除 【紅】「網、けっこうこまめに掃除するんだね」 ;SE 醤油漬けした団子を網に 【紅】「タレにつけたお団子をまた……(くんくん)――あああ、醤油の焦げる匂い、さいっこー!!!」 ;SE ひっくり返す ;;7/左 “っ!!!”から小声解除 【紅】「もうすぐだよね……もうすぐ完成――(ごくっ)――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!!」 ;SE 団子網からあげる 【紅】「できたー! おばちゃん! いま焼いてくれた4本全部頂戴! 紅と相棒でふたつずつ食べるから」 ;SE がま口財布あけてお金だす ;7/左 ‘はい”からマイク向き 【紅】「はい、お金――っと――(呼吸音)――へへっ、ありがと。 はい、こっちの2本は相棒の分!」 【紅】「(ふーーーっ、ふーーーっ、ふーーーっ)。おいしそ。食べよ! 『いただきまーーーす』 (はむっ)」 【紅】「(むぐっ、むぐっ、むぐっ――ごくっ!) あー、あつあつ、おいし! 素朴であったかい味だよね〜」 【紅】「(はむっ――もぐ、もぐっ――ごくっ)……思い出すなー、この味。 ……味覚センサー、がたんごとん亭やらされるために、後付けされてさ」 【紅】「味って、めちゃくちゃ情報量多いんだよね。 だから最初は情報過多でめちゃくちゃ混乱しちゃって。 甘い辛い苦い酸っぱい渋いとかはわかっても、『おいしい』が全然わからなくって」 【紅】「ぼく――紅はトップナンバー機だから、余裕もたせた設定してもらえてたから、処理落ちとかはしなかったけど―― それでも味、人間の味覚……『おいしい』『まずい』っていう感覚。 こんな膨大なデータ量から分析しきれるのかって、ほとんどビビったみたいになっちゃって、凹んで」 【紅】「……ものなんかもう食べたくないって思ってさ。 またなーんも考えないで軽油だけ飲む生活に戻りたいって思って。そうしたら――へへっ」 ;7/左 (耳打ち) 【紅】「相棒が買ってきてくれたんだよね、おばちゃんのお店の、ぴんこだんご」 ;7/左 【紅】「仙岱(せんだい)のおみやげだーって、のーてんきにさ。 ぼくが凹んでるのにも気づかないで、ぱくぱく、ほんとおいしそーにさ」 【紅】「あのとき……うん。あの瞬間に、ぼく、思ったんだ。 相棒の顔みて、食べる音聞いて、このあったかな匂いをかいで――『おいしそう』って」 【紅】「それで、食べて。 ……『おいしい』って――わかるっていうか、つながって。 そこからさ、人間の食べ物の感覚、わかるようになったって思うから」 ;7/左(マイクと同じ視線) 【紅】「だからだったんだ。 加勢田(かせだ)のがたんごとん亭で、結構遠い仙岱のおばちゃんのぴんこ団子、取り寄せで扱わせてもらったの。 絶対に大人気になるって思ったし、実際に大人気になったし、それに――」 ;7/左 (マイク向き) ;$=SE 照れてバシバシ相棒の腕を叩く音 【紅】「へへ。相棒が紅にくれた、大切な思い出の味だから――なーんて!! $ あらためて言うとてれくさいよね、こういうの! って、へ?」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――あ、そーだったそーだった、音探しだったっけ、ここ来た最初の目的って。 まぁ、そんな派手な音じゃないけどさ、いい音なのは間違いなし、ここも紹介の候補に――(呼吸音)(呼吸音)――だよね! できるよね! よーーしっ!!!」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ、そか。 それも言わればそのとーりだね。 ぴんこ団子は日ノ本で仙岱にしかない名物だけど―― “団子を焼く音”そのものは――うーん、だよねぇ。きっと結構、他の団子のと似たりよったり……なよーな気がする。確かに」 【紅】「けどさ、相棒。どっかある? みかん鉄道沿線に、鹿兒島ならではだとか、隈元ならでは! みないな音なんて」 【紅】「いままで音とかそんなこと気にしたことなかったからさー。 って、あ! 思い出した!!!!」 ;7/左→;1/前 (目を見て話したくって、くるって正面に回り込む) 【紅】「何年か前にあったの、覚えてない? ほら、国が選んださ、『日ノ本音風景100選』みたいなのに――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【紅】「そーそー! あれあれ!!! もろに沿線選ばれたよね! ツルセンター! 出深(いずみ)の!!」 【紅】「あれ、駅だとどこか一番近いかな。野多郷(のだごう)か西出深(にしいずみ)か……(呼吸音)(呼吸音)―― ま、とにかくあそこなら、『沿線ならではの音』間違いなく聞けるでしょ、多分」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――うん! そしたら早速いってみよー!」 ;7/左 (参っくと同じ視線 【紅】「ってことでおばちゃん。紅たちいくけど、もしもここの音オッケーってことになったら、新聞で紹介させてもらってもいーい? (呼吸音)(呼吸音)あはは、ありがとー! じゃ、そうなるようにがんばるねー!!」 【紅】「っと! いまからもーちょっとだけでも売上貢献しておくね!」 ;SE がま口財布あけてお金だす 【紅】「お土産用に、ぴんこ団子! 頂戴! あと千円分!」 ;//////// ;Track3 出深市ツルセンター ;//////// ;3/右 (マイクと同じ視線) 【紅】「ふわ…………」 ;環境音 出水市ツル観察センター 【紅】「(ツルの鳴き声たちに聞き惚れる呼吸、1分ほど)」 【紅】「……すごいね、すごい。ツル、こんなにたくさん集まるんだ。 たくさん……ほんとにちょーたくさん! これ、何羽くらいいるんだろ……(呼吸音)(呼吸音)――」 ;3/右(マイク向き) 【紅】「ってか、不思議。 なんでこんなに集まってるの? ただの田んぼのど真ん中、って感じのとこなのに――」 【紅】「出深になにかこう、ツルを引き寄せるような―― あ! 餌が豊富とか、環境が越冬にぴったりだとか、そんな感じのポイントあったりするのかなぁ」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)…… へええ、水がたまってる湿地帯がねぐらになるから、たぬきとかイタチに襲われにくいんだ」 ;3/右 ‘1万”から マイクと同じ視線に 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――ふんふん。なるほどねー。 その上で餌もあげてるから、ツルたちの飛来数がどんどん増えて―― って!!? 1万!!? 1万羽以上が飛んでくるの!? 一冬で――ふぁ――」 【紅】「そりゃあ……(ツルの鳴き声聞く呼吸。30秒ほど)―― いや、でもそれだってこんなに集まるのすごいよねー――え」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ほえー……海外にも大きな飛来地があったけど、そこでで軍事演習するようになってから、一気にこっちに流れてきて、それで本格的に――」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――あー、保護したらますます来るようになって――って感じになったんだ。 確かにこれ、観光資源になるもんね。ツルがこれだけ集まってるの……景色がもう、単純にすごいし」 【紅】「……(呼吸音)(呼吸音)――鳴き声もすっごいけど、これ、会話とかしてるのかな? 『いろいろいったけどここがやっぱり大安定だわ。ねぐらも餌もしっかりしてるし』 『だよねー。じゃ、来年もここで越冬、予約いれちゃお!』 みたいな感じで」 ;3/右 ‘っていうか”からマイク向き 【紅】「クチコミ――っていうかクチバシコミか、ツルだけに。あははっ! っていうか、相棒――予習とかしたの、ツルのこと。 そんなにめちゃくちゃ詳しいのっってさ、なんか秘密あるでしょ」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あーあーあー! パンフレット! 施設の! そっかそっか、そういうのって情報みっちり書いてあるんだ。へーえ。さすが相棒」 【紅】「説明書とかパンフって、いっつもは読まないでガンガンいっちゃうんだけどさ、ぼく。 これって取材でもあるんだし、確かに読んどいた方がいいね、うん」 【紅】「ってことでそのパンフ見せて。ってか、そこ一緒にすわろ」 ;SE ベンチにふたりこしかける ;環境音 Vol ↓ ;3/右(一冊のパンフをふたりで仲良く見る距離感) 【紅】「どれどれ」 ;SE ペラ音 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……へぇえ。 ツルって、家族単位で行動するんだって。ほんとかな」 ;SE 紅立ち上がる 足音 ;3/右→;10/右前遠(マイクに背中向き) 【紅】「2羽から4羽で行動してるのが多いって……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 ;10/右前遠 (マイクの方振り返って) 【紅】「多すぎてわかんない!!!! 相棒! ちょっと来て! 一緒に探して!!!」 ;リスナーの移動で相対距離が縮まるので ;10/右前遠→;3/右 (マイクと同じ視線) 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)。 ね、探して。2〜4羽で一緒に行動してるツルのグループ。 それって、家族なんだって」 ;環境音 Vol↑ 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――いたの!? どれ!? 体が黒くて首から上が白くて目のとこが赤い――あ! あれか!! ほんとだ、4羽でグループになってる――あっ!」 ;SE 鶴の飛ぶ羽音(いらない?) 【紅】「(見惚れる呼吸音。30秒ほど) グループで……家族で飛んでった。 わ……すごい。仲いい……っていうか――」 【紅】「(きょろきょろと左右見回しながら呼吸)―― うん。いったん見方がわかると、だね。 鶴、グループ組んでるのばっかりだ。 あっちは全体が灰色のがペアになってるし―― あそこのはハネの先だけ黒いのが、三羽セット。多分お父さんとお母さんとこどもだよね――あ!」 【紅】「あれあれ! 頭の上だけ真っ赤なの! 単独行動してる、 独り身なのかな――パートナー探してるみたいな感じなのかも」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あははっ! 相棒にはぼくっていうパートナーがいるじゃない。あのツルとは全然違うよ。 あ、けど――」 ;3/右 (マイク向き) ;↓ シリアスにならず、あっけらかんとお願いします。 【紅】「人間とレイルロオドだもんね。相棒とぼく。 ツルでいったら、種類の違うツル同士がパートナーになってるみたいな感じなのかも。 そういうペアって、いるかな? いるよね! 多分、絶対。 ね、相棒、探してみよ!」 ;3/右(マイクと同じ視線) 【紅】「ん……(真剣に探す呼吸)(なかなか見つからない)(ムキになりはじめる)(見つからなすぎてハラがたってくる――えっ!!?」 【紅】「いたの、どこ――(呼吸音)(呼吸音)――あっ! ほんと。 ハネの先だけ黒いのと、全体が灰色なのと――」 【紅】「でも、どうかな……たまたま近くにいるだけかも―― (真剣に見守る呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あ!」 ;SE ツルの羽音 【紅】「一緒にとんだーーーー! 仲良しなんだ!!!」 【紅】「(飛び去っていく方向へと首を動かしながらしばらく見守る、満足そうな呼吸音)」 ;3/右 (マイク向き) 【紅】「へへ。いるんだね。やっぱり、鶴の世界――自然の中にも、種類が違ってもちゃあんと仲良しになれるコンビって」 【紅】「(安堵の息)……なんだかすごくほっとする。嬉しい――え」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ああ、うん。なんでなのかな。なんでだろ。 ……ぼく……紅……ん――仲間、っていうか、同類? みたいなの、いまなんとなく見つけたかったのかも」 【紅】「だってさ、ほら――ぼくの妹たちって、もう全員が解体廃棄されちゃってるし……」 【紅】「キハ07形たちは――いとこみたいなもんだけど、でもやっぱりライバルだしね、仲間っていうより。 彼女たちにだけはぜーーーーったいに負けないようにって、姉妹みんなで励ましあってきたのもあるし」 【紅】「だから……そんなに深く考えてなかったけど。 ぼくには――紅には相棒がいてくれて…… そんじょそこらのマスターとレイルロオドとは違うじゃない。ぼくと相棒」 【紅】「本当にずっと一緒で。 ガタンゴトン亭でレストランやらされてたとき…… 鉄路から引き剥がされたときにでさえ、離れないでいてくれて」 【紅】「それがさ、ぼくにはすっごく特別なことに思えて…… だけど、なんていうのか……あんまりにも特別すぎたらイヤだみたいな気がして、だから……」 【紅】「だから、自然の中にも紅たちみたいなコンビ見つけたいなって思って――それで―― (真面目に考え込む呼吸音)((呼吸音)(呼吸音)――ああ!」 ;3/右→;1/前(正面にまわって、目を見つめながら) 【紅】「わかった! 紅、安心したかったんだ。 自然の中にもそういうペアをみつけられたら、特別すぎない、結構あることって思える気がして。 そうしたら――」 ;1/前 ‘ひゃ”でハグされて;1/前(密着) 【紅】「『ホントは相棒に無理させてるんじゃないか』って、そんな心配――ひゃっ!?」 ;1/前(密着) 【紅】「(ちょっとびっくりな呼吸)(はにかんだ呼吸)(うれしい呼吸)―― なんだよう、紅、赤ちゃんじゃないんだから、いいこいいことかするなよう」 【紅】「けど……(呼吸音)――うん。ありがと。 無理してないって、好きで一緒にいてくれてるって……へへっ、どんな言葉より伝わってくる」 ;1/前(密着) ‘あ”でぱっと離れて →;1/前 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) ……相棒の心臓の音。とくんとくんて、すごく落ち着いてて気持ちよくって――あっ!」 【紅】「そうだった、ツルの家族見に来たんじゃないよね。 音探しだ。ふつーに観光楽しんじゃってたよ、危ない危ない」 ;3/右 【紅】「音……確かにここの音――ツル達の声…… (30秒ほど傾聴する呼吸音)…… うん、100選ってヤツにえらばれるだけあるよね。 ぼく、いままで聞いたことない音だし、すごいし――絶対紹介するべきって思う」 【紅】「けどさ、単純に『気持ち良い音』かっていうと―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― ちょっと違ってくるかもだよね。 ぶっちゃけ、相棒の心臓の音の方が100万倍ここちいいし」 【紅】「だから次は、もっと単純に気持ちいい音探しんにいかない? 沿線で、気持ちよくって、みかん鉄道っぽい音、ってなるとー……」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― 颯摩多希(さつまたき)駅のベルは……音あんまよくないよね、もう。 潮風にやらちゃって……ってか、そーか、潮風自体もうるさいか。 あそこふきっさらしだからいっつもごーごーいってるし」 【紅】「黒ノ瀬戸大橋(くろのせとおおはし)の渦潮は……見れる時間が限られてるからなぁ。 ごーって渦巻くのはすごいけど、海の音っちゃ海の音なよーな気も――あ!!!」 【紅】「だよ! 海の音!! 八ツ城海(やつしろかい)の音がいい!。 綺麗だし、落ち着くし。牛之濱(うしのはま)あたりだったら景観もすごくいいし」 【紅】「海の音なんて世界中似たようなものかも――って気もするけど、ま、いってみよう! あそこ潮溜まりたくさんあって楽しいし! ね、いいでしょ? いいよね――(呼吸音)――やったぁ!」 【紅】「じゃ、いこー! それじゃツルたち、次のあうのは――また来年の冬になるかもって思うけど!」 ;1/前 (マイクに背中向き) 【紅】「それまで元気で! 仲良くねーーー!!!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track4 牛之濱景勝地 ;//////// ;9/前遠 (マイクに背中向き) 【紅】「おーーーーーーーーーーーーっ!」 ;環境音:牛之浜景勝地 ;SE 砂浜かけもどってくる足音 ;1/前 【紅】「やっぱここいいよねー、ぼく好き。 こんな景色が駅から道路わたってすぐとか凄すぎだしさ、それに……」 ;3/右 (マイクと同じ視線) 【紅】「(一分ほど波音に耳を傾ける)」 ;3/右 ‘あ、だよ”から →マイク向き 【紅】「――音もいい。 落ち着く波音。八ツ城海らしい、穏やかな音――あ、だよ!」 【紅】「台風とかのときに船が避難してくる海だもんね、八ツ城海。 ってことは、まわりの海よりずーっと静かな波音だってことでしょ、絶対。なら!」 【紅】「ここも紹介確定だね、へへっ。 牛之濱お気に入りスポットだから、音もよくってほんっとよかった!!」 ;3/右 ‘遊ぼ”で駆け出して →;10/右前遠 【紅】「じゃ、音探しはこれでオッケーってことで―― 遊ぼーーー!!」 ;10/右前遠 【紅】「相棒! こっちこっち!!! 牛之濱きたら、潮溜まりで遊ばなきゃもったいないって!!」 ;相棒が近づいてくるので、相対距離が変化 ;;10/右前遠→;2/右前→;3/右 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;3/右 【紅】「へへっ! いらっしゃい! ってことで、探そ、海の生き物。 どっちが珍しいのみつけられるか競争! よーいどん!!!」 ;3/右 (マイクに背中向き。探すムーブで、あちこちきょろきょろお願いします。) 【紅】「(真剣に探す呼吸)――お、ウニみーっけ! けど、ウニはこの辺の名物だもんね、相棒ももちろん見つけちゃうに決まってるし――」 【紅】「……(呼吸音)(呼吸音)――イソギンチャク――(呼吸音)――なまこ――(呼吸音)―― あ! カニ――って、ヒライソガニか……(呼吸音)(呼吸音)―― うーん、この辺じゃ差がつかないよね……」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――魚もアゴハゼくらいかなー――あっ!!」 ;3/右(マイク向き) 【紅】「これ、相棒!!! 見て! へへへっ、スガイ!!! マリモレベルになってるの!! これはレアでしょ!!」 ;3/右(密着) 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)……わりとすごいの見つけちゃった ね、ここまでびっしり海藻に隙間なく覆われてるの、めったにいないもん。 まんまるみたいになっちゃってるし」 ;3/右 【紅】「ってか、相棒はなにか珍しいの見つけた? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― あー、やどかり、やどかりねー。かわいいけど、別に珍しくはないよねー――へへっ! っていうことはー!」 【紅】「ぼくの勝ち! 紅選手優勝!!! やったー、えらい!!!!」 ;3/右 ‘ね、相棒”から →;1/前 【紅】「優勝商品に、へへっ、なんか美味しいものとか――あっ!! ね、相棒、知ってる? タラバガニの秘密」 ;1/前 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――そ! 北開道(ほっかいどう)の冬の味覚の代表格の、そのタラバガニ。 タラバガニってさ、さっき相棒が見つけたヤドカリの仲間なんだって! カニの仲間じゃなくって!」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ね、超意外だよねー。 誰がどう見たってカニだもんね、タラバガニ。 けど、あ――スマホで画像みよう、画像」 ;7/左 (くっつく) 【紅】「ん……っと――『た ら ば が に 。 あ し』で、画像検索っと―― (呼吸音)(呼吸音)――あ、このページわかりやすそう――(呼吸音)――わかりやすい! ね、見てみて、ほらほら」 【紅】「ズワイガニは足が十本あるでしょ? カニの仲間はみんなそうなんだって。 けど、タラバガニは……(呼吸音)(呼吸音)――そうなの、八本」 【紅】「本当はもう二本あるけど、一番下のヤツはちっちゃくて見つけづらいんだって。 それがヤドカリとおんなじ特徴で、だからヤドカリの仲間なんだってさー」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー、勉強したとかじゃなくて、聞いたの。 こないだのレイルロオドサミットのとき。すずしろ、あの女優レイルロオドに」 【紅】「あのこさ、ドラマで北開道走ってたから北開道のこだと思ってたけど、実は現役時代一回も北開道走ったことなかったんだって。 だから逆に、ドラマのために北開道のことめちゃくちゃ勉強したって話でくわしーの! 北開道がらみのいろんなこと、めちゃくちゃ」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……ん、あー、なんか。なんでだっけな。 あ、りいこだりいこ。 サミット中に、カナブンが部屋に飛び込んできて、きゃあきゃあ騒ぎになったとき、 あの虫愛づるレイルロオドが、ひょいってつかまえて窓の外に逃がしてあげて――」 【紅】「で、コガネムシとカナブンとハナムグリの違いとかなんとかの話し始めたんだよ。 みんなぽかーんって聞いてたんだけど、すずしろが――やっぱ女優とかってコミュ力化け物だよね」 【紅】「『そうだったんだ。知らなかった。エビとカニとヤドカリの違いなら、すずしろにもわかるんだけど』って、りいこの興味引いてさ、ちょちょいのちょいで話を鮮やかに本線にもどしたんだよ」 【紅】「で、カナブンの方の見分け方は綺麗さっぱり忘れたけど、エビカニヤドカリの方は面白かったから覚えてたってわけ。 『今度相棒に聞かせよー』って」 【紅】「あ、あとエビとカニとヤドカリはほとんど親戚みたいなものっても聞いたよ。 8620形と9600形――旅客蒸機(りょかくじょうき)と貨物蒸機(かもつじょうき)ほどの違いもないって。だから……へへっ」 ;7/左 (耳打ち) 【紅】「相棒が見つけたやどかりも、ひょっとして食べたらおいしいのかも」 ;7/左 (ぱっと離れて通常) 【紅】「なーんて! そんなことここでしたら密猟になっちゃうもんね! するわけないよね、あははははっ!」 【紅】「考えてみたら、レイルロオドもやどかりっぽいとこあるしねー。 貝殻が車両で、本体がレイルロオド! 密猟にならなくっても、食べるのちょっとかわいそうかなー」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……そうなの? 普通はあんまりやどかり食べないの? カニとかエビの仲間なのに? ……(呼吸音)(呼吸音)――ふーん、そんなもんなんだ」 【紅】「まぁ。この辺のやどかりちっちゃいもんねー。 もーっとおっきいの捕れるとこならまた話は別なのかもしれないけど」 【紅】「そういうとこってあるのかな。 ――んっと――『ヤドカリ 料理』で検索…… (呼吸音)(呼吸音)――へええええ! ね、見て! 相棒!!」 ;左 (くっつく) 【紅】「ほら、これ――三江(みえ)とか嶋根(しまね)とか…… あ、加奈川(かながわ)のジョーガシマってとこでも食べられるんだって。 へえええええ」 ;7/左 【紅】「イセエビみたいな味がするって書いてある……ぼく、ちょっと食べてみたいかも。 ね、相棒。もし行けるチャンスがあったら、そのときは一緒に―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)―― えへへ、ありがと、じゃ、一緒にいこーねー」 【紅】「楽しみができたらなんだか、ヤドカリのこともっと知りたくなっちゃった! ぼくもみつけよー……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――って、相棒……」 ;7/左 (耳打ち) “ひゃっ”で離れて→;7/左(通常) 【紅】「顔色少し悪くない? もしかして、寒いとか――(呼吸音)―― ひゃっ! ほっぺたつめたい! そっか、結構だらだら長居しておしゃべりしてたもんね、ぼくたち」 【紅】「そしたらあったまれるとこいこっか。 駅に戻って――あ、日凪久(ひなぐ)行くのがいいね。 あそこなら無料(ただ)の足湯あるし、ご飯食べてのんびりできるし」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん、じゃ、決まり! っと、相棒――(呼吸音)」 ;7/左(くっつく) 【紅】「冷えちゃってるだろうからさ。手、つないでこ!」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track5 日凪久で足湯、右耳みみかき ;//////// ;SE お湯に足つける音。ちゃぽ ;3/右 (マイクと同じ視線) 【紅】「ふあーーーーーーーーー」 ;環境音 足湯 【紅】「……足湯、いいねー。 相棒は冷えちゃってた分、きっときもちよさもひとしおだよね」 【紅】「(ゆったりとくつろぐ呼吸。一分ほど)」 【紅】「……足湯とか、温泉の音もいいよねー。くつろぐ。 これこそ海の音よりもっと、日ノ本全国にたりよったりなのかなーって思うけど」 【紅】「でも……(呼吸音)(呼吸音)――きっと、にたりよったりだからこそ安心するっていうのもあるよね。 ジョイント音のガタンゴトンとかさ。お客さんで乗ってるときはさ、あれ、安心するよね、ものすごく」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)……乗務のときもやっぱり安心してるのかも。 異音とか聞こえちゃったら一気に緊張しちゃうけど―― 規則正しいジョイント音が聞こえてるときは――(呼吸音)――うん、結構リラックスしてるよね、考えてみたら」 【紅】「(リラックスしつつ考える呼吸音。30秒ほど)」 【紅】「…………音なんて、いままでそれこそ『異音を聴き逃さないように』くらいにしか意識なかったけど。 でも、今日さ――相棒と一緒に音を探して、気にしてみたら…… 単純だけどさ、前よりなんか、いろいろ聞こえてくるようになった気がする」 【紅】「センサ性能が変わるなんてわけないのにさ。 聴覚センサを揺らしてるのも、昨日までとかわんないよーな振動のはずなのに」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――集中して処理する範囲を選択して指定する…… 人間でいうと意識を向ける――ただそれだけで、結構世界がかわるんだなぁっておもった」 ;3/右(マイクに顔むけて) 【紅】「あ、あとね!」 ;3/右(耳打ち) ‘あはは”で離れて;3/右 通常 【紅】「相棒の声も、よく聞こえたよ? いっつもよりももっと素敵に、よーく聞こえた。 あははっ!」 ;3/右(マイクに顔) 【紅】「って、相棒の耳赤くなってる。 足湯でぽかぽかになっちゃった? なら休憩所でひとやすみしよう。 いま、手ぬぐいだすね――あ!」 ;SE ポーチからがさごそ 【紅】「これこれ、手ぬぐいと一緒に買っといたんだ! 日凪久駅(ひなぐえき)の特産品直売所みたいなとこで――へへへ、耳かきっ」 【紅】「『耳かきするとマスターがリラックスしてくれる』って、レイルロオドサミットでいろんなこが口々にいっててさ、 だからぼくも、たまには相棒をねぎらわなくちゃって思って」 【紅】「やり方は共感でばっちり習ってるから大丈夫! それにぼく、こう見えてもそこそこハイスペックだって、それは相棒が一番良く知ってる―― (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん!」 ;$ = SE 足湯からざばっと立ち上がる 【紅】「じゃ、決まり! $ 休憩所いこ! そこでゆったり、耳かきしよー!!!!」 ;環境音 足湯 F.O. ;SE スリッパの足音 ;SE スリッパ脱ぐ、畳にあがる、すわる ;1/前(マイクに背中) 【紅】「おー! 休憩室がらがら! ラッキー!」 ;環境音 休憩室(空調) ;$=SE 膝ぽんぽん ;1/前(マイク向き) 【紅】「相棒、ここここ。 $ ぼくの足まくらにしていいよ。膝枕。 耳かき、それが一番やりやすいんだって」 ;1/前→;3/右 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音) へへっ、いらっしゃーい。 結構重いね、膝枕って。 だけど――(呼吸音)(呼吸音)――うん。なんか、すっごくきもちいい重み。あったかい」 【紅】「じゃ、はじめるからねー。 まず最初は――(呼吸音)――あ、そうだ。 ふーってしてチリとばして、耳の汚れ具合チェックするんだ」 ;3/右(ふきかけ) 【紅】「(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;3/右 (いろんな角度から耳の穴を覗き込む) 【紅】「んーーーーーーーー→ んーーーーーーーーー↑ んーーーーーーーーー↓ (呼吸音)(呼吸音)――なるほどねー」 【紅】「普段見てるわけじゃないから、綺麗なのか汚れてるのかもよくわかんないや! 見た感じ、結構きれいそうだけどー」 ;SE 耳に障ってめくる 【紅】「あ……でも――(呼吸音)――隠れてるとこは少し汚れみたいなのあるかも。 これをカリカリってして取ればいいんだよね、耳かき。 (呼吸音)(呼吸音)。オケ。じゃ、やってみる。かるぅくでいくよー」 ;SE 耳かき(浅・継続) 【紅】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― っと――(呼吸音)(呼吸音)―― めくって――(呼吸音)(呼吸音)―― かり、かり――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「ん。簡単にとれるんだ、これ――(呼吸音)(呼吸音)―― はがして――(呼吸音)(呼吸音)―― こっちも――(呼吸音)(呼吸音)―― はが、して――(呼吸音)(呼吸音)――ん」 【紅】「とれたら……(呼吸音)(呼吸音) よせ、て――(呼吸音)(呼吸音) あつ、めて――(呼吸音)(呼吸音) すく……(呼吸音)(呼吸音)――って――ん」 ;SE stop 【紅】「ほんとに掃除だね、これ。 はたいてはいてあつめてそうして――」 ;SE ティッシュ一枚とりだして、耳かきふき 【紅】「ゴミ箱にざー、みたいな感じ。 こんなんで相棒――(呼吸音)(呼吸音)―― あー、リラックスできてるんだ。えへへっ。顔見たらわかる」 ;3/右 (耳打ち) ”へへ” から→ ;3/右 【紅】「リラックスしてもらえるの、けっこう嬉しい。 へへっ、それじゃあもっと続けるね」 【紅】「浅いとこ、今度は耳の外側の方――(呼吸音)――ん」 ;SE 耳かき(浅・継続) 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)――っ…… これ、ここ――(呼吸音)(呼吸音)―― ちょっと耳たぶひっぱるよ――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)――よしっ。ありがと――」 【紅】「で――(呼吸音)(呼吸音)―― こっちも――(呼吸音)(呼吸音)―― めくる、かんじで――(呼吸音)(呼吸音)―― 下から、上に――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「相棒の、耳――(呼吸音)(呼吸音)―― ふにふに――で――(呼吸音)(呼吸音)―― さわってる、ぼくも――(呼吸音)(呼吸音)―― なんか、リラックス――(呼吸音)――できる、かも――(呼吸音)――っと」 ;SE stop ;SE 耳かきふき 【紅】「ん。浅いとこはこれでいいかなー。 じゃ、ふかいとこいっちゃおー」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)大丈夫大丈夫。 紅せんせーに全て任せて、相棒はリラックスして…… なんなら寝ちゃったっていいからさ」 ;SE 頭をゆっくりなでなで 【紅】「普段、がんばってくれてるんだから―― (呼吸音)(呼吸音)―― たまには、ね。ぼくが相棒を守ってやすませてあげるから――ふふっ」 【紅】「じゃ、今度こそいくよ、深いとこ。 体のちからをぜーんぶ抜いて、ぼくにまかせて……」 ;SE 耳かき(深・継続) 【紅】「っ……(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― ふかい、とこは――(呼吸音)(呼吸音)―― 耳の、穴――(呼吸音)――結構、せまい、ね――(呼吸音)」 【紅】「無理しなくても――(呼吸音)(呼吸音)―― 構わないって――ん――(呼吸音)(呼吸音)―― 共感で習ってるから――(呼吸音)(呼吸音)―― もちろん、無理なんて――(呼吸音)――しない、けど――(呼吸音)」 【紅】「そこに、見えてる――(呼吸音)(呼吸音)―― おっきいの、とか――(呼吸音)(呼吸音)―― とったら、音、が――(呼吸音)(呼吸音)―― 相棒、もっと――(呼吸音)(呼吸音)――ん」 【紅】「もっと、よく――(呼吸音)(呼吸音)―― き、こ、え――(呼吸音)――そう、な――(呼吸音)―― 気が、する――(呼吸音)(呼吸音)―― あ、もうちょっと――(呼吸音)(呼吸音)――うん!」 【紅】「あとは――(呼吸音)(呼吸音)―― そーっと――(呼吸音)(呼吸音)―― こぼさないよう――(呼吸音)(呼吸音)―― 慎重、に――(呼吸音)(呼吸音)――っと」 ;SE stop 【紅】「(安堵の長い息) やったー、とれたーーーー」 ;SE 耳かきふき 【紅】「いまのは結構でかかった。 軽く耳栓みたいになってたから、聞こえ、ひょっとして実際よくなってたりするかも。 ってか、せっかくだしためそうためそう!」 ;3/右 (耳打ち・囁き) 【紅】「どう? ぼくの声、まえよりもっとよく聞こえてる?」 ;3/右 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー、えへっ、えへへっ。 そっかそっかー、いっつも最優先で聞いてくれてるんなら、 こんなミミカスのひとつやふたつに、聞こえ方邪魔されたりしてないかー」 【紅】「耳掃除の成果がはっきりしなくて、残念なようなうれしいような。 ま、いいや! 深いとこは今のがめだってたくらいだし、 これで右耳はお掃除おしまい――じゃないや!」 【紅】「あとね、しあげに耳マッサージすこししよ。 正直、紅が相棒のお耳をもっとふにふにしたいってだけのもあるけど」 ;SE 耳マッサージ(継続) 【紅】「ふにふにしてるぼくも――(呼吸音)(呼吸音) ふにふにされてる相棒も――(呼吸音)(呼吸音) いっしょにリラックスできちゃうんなら――(呼吸音)(呼吸音) こんなにお得なことってないでしょ――(呼吸音)(呼吸音)」 【紅】「それに、さ――(呼吸音)(呼吸音)―― お耳、最初は――さわった感じ――(呼吸音)(呼吸音)―― あかくみえても、結構ヒヤってしてるのに――(呼吸音)(呼吸音)―― それが、だんだん――(呼吸音)――こうして、いる、と――(呼吸音)――」 【紅】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― ね、少しずつ――(呼吸音)(呼吸音)―― ぽかぽか、あったかになってくの――(呼吸音)(呼吸音)―― なんか、しあわせ――(呼吸音)――結構、好き、かも――(呼吸音)――うん!」 ;SE stop 【紅】「耳マッサージもこれでオッケー。 そしたら――ええと……(少し考え込む) あ、思い出した。左耳を上にするため、マスターにごろーんてしてもらうんだ」 【紅】「相棒、いーい? 今からぼくが『ごろーん』っていうから、 そしたらごろーんて体の向きかえて、左耳を上にむけてね。 準備ができたらするからね――(呼吸音)(呼吸音)――オッケー、それじゃ、せーので」 ;3/右→;1/前→;7/左 【紅】「『ごろごろごろーーーーーーーーーーーーーーん!!』」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track6 紅の左耳耳かき ;//////// ;7/左 (ふきかけ) 【紅】「(ふーーーーーーーーーーーっ)」 ;環境音 休憩室 F.I. ;7/左 【紅】「ん〜〜(呼吸音)(呼吸音) ん〜〜(呼吸音)(呼吸音) ん〜〜(呼吸音)(呼吸音)――ああ」 【紅】「こっちの耳は、右耳よりちょっとよごれてるかも。 あ、それか僕が、耳の中の見方、さっきよりわかるようになったのかな」 【紅】「ま、どっちにしても丁寧にお掃除しなきゃなのはおんなじだよね。 じゃ、浅いところからいこっかー。またちょっとめくるね。んしょ」 ;SE 耳接触 【紅】「そしたらいくよー、あさーくかりかり」 ;SE 耳かき(浅い・継続) 【紅】「よいしょ――(呼吸音)(呼吸音)―― ん……(呼吸音)(呼吸音)―― やっぱ、うん――(呼吸音)(呼吸音)―― さっきの、右耳――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「たった一回――(呼吸音)――片耳、だけでも――(呼吸音)―― 経験は、経験――(呼吸音)――ていうか――(呼吸音)―― 共感で、受け取る情報と――(呼吸音)(呼吸音)―― 自分の手で、得た情報だと――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「密度、ちがって――(呼吸音)(呼吸音)―― いまの、方が――(呼吸音)――さっき、より――(呼吸音)―― みみかき、全然――(呼吸音)(呼吸音)―― しやすく、なってる――(呼吸音)(呼吸音)――っと」 ;SE stop ;SE 耳かきふき ;SE 耳かき(浅い・継続) 【紅】「あ……そか――(呼吸音)(呼吸音)―― どんなみみかき――(呼吸音)(呼吸音)―― つかってるか、とか――(呼吸音)(呼吸音)―― マスターの耳の――(呼吸音)――かたち、とか――(呼吸音)――」 【紅】「同じマスターで――(呼吸音)(呼吸音)―― おなじ耳かき――(呼吸音)(呼吸音)―― つかってたって――(呼吸音)(呼吸音)―― よごれ、かたとか――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「そんなの、おんなじ、わけないし――(呼吸音)(呼吸音)―― 共感で、得られる、情報は――(呼吸音)(呼吸音)―― やっぱり、汎用的っていうか――(呼吸音)(呼吸音)―― 限界、どうしても、あるっていうか――(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ」 ;SE stop 【紅】「そう考えると、ね、相棒」 ;7/左 (ふきかけ・耳打ちささやき) 【紅】「(ふーーーーーーーーーーっ) 相棒の耳のスペシャリストになれるのは、ほくだけっていうことになるよね」 ;$=SE 耳かき吹き 【紅】「えへへ、結構それって嬉しい気がする。 $  最高のスペシャリストになれるよう、集中して丁寧にがんばらないと、だね! うん」 【紅】「ってことで、深いとこいくよ。 こっちの耳の深いところは――……(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 耳接触 【紅】「ん〜〜〜(呼吸音)(呼吸音) ん〜〜(呼吸音)(呼吸音)―― なるほどなるほど、やっぱ右耳より汚れちゃってるね」 【紅】「その分もゆっくり丁寧にとってくね。 じゃ、いくよ――(息を吸う)――んっ!」 ;SE 耳かき(継続・深) 【紅】「んしょ……(呼吸音)(呼吸音)―― っと――(呼吸音)(呼吸音)―― いきなり、これ――(呼吸音)(呼吸音)―― けっこう、おおき、め――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― あ、うごかないで――(呼吸音)(呼吸音)―― よしっ、もちょっと――(呼吸音)(呼吸音)―― っと、これ――(呼吸音)――で――(呼吸音)――(安堵の息)」 ;SE stop 【紅】「とーれた、えへへっ」 ;SE 耳かきふき 【紅】「そしたらもっかい――(呼吸音)――ん……」 ;SE 耳かき(深・継続) 【紅】「ん〜〜――(呼吸音)(呼吸音)―― あ、みっけ――(呼吸音)(呼吸音)―― これ、おっきい、けど――(呼吸音)(呼吸音)―― うす、そう――(呼吸音)(呼吸音)――っ――」 【紅】「へんに、つついたら――(呼吸音)(呼吸音)―― くだいちゃう、かも――(呼吸音)(呼吸音)―― ふち、の――(呼吸音)――ほう、から――(呼吸音)―― すくう、かんじ、で――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「あ……いけそ――(呼吸音)(呼吸音)―― う、ん――(呼吸音)(呼吸音)―― も、ちょっと――(呼吸音)(呼吸音)―― の、って――(呼吸音)――の、れ――(呼吸音)――んっ――」 【紅】「あ、いけた――(呼吸音)(呼吸音)―― あとは――もう、こせ――(呼吸音)(呼吸音)―― うごかないでね――(呼吸音)――絶対に――(呼吸音)―― もう、ちょっと――で――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「んっ――(息をとめる)――――」 ;SE stop 【紅】「(ぶはあっ)――よしっ!」 ;SE 耳かきふき 【紅】「んふふ、とーれた。 いまのはぼく、結構うまくやれたと思う」 【紅】「あとは……どうかなー (ふーーーーーーーーーーーーーーーっ)」 【紅】「ん……(呼吸音)(呼吸音)―― んん……(呼吸音)(呼吸音)―― うん、まぁ、これでオッケーでしょー!!」 【紅】「奥の方にこまっちいのあるっちゃあるけど、 そういうのは勝手に外に押し出されるって聞いてるし、 初心者が無理してほじって、ケガとかさせちゃってもあれだしね」 【紅】「けど――ぼく、もーちょっと物足りない感じするから、 こっちもしあげに、耳マッサージしよ? えいっ!」 ;SE ちょっと強めに耳ギュー からの、耳マッサージ(継続) 【紅】「へへっ、耳ってたたむと、ギョーザみたいになるんだね――(呼吸音)(呼吸音)―― マスターの耳餃子……(呼吸音)(呼吸音)―― あ、いえば、豚耳とかって食べるんだよね――(呼吸音)(呼吸音)―― 仲国(ちゅうごく)だと――確か――(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「――うん、そう、西瓜(すいか)――(呼吸音)(呼吸音)―― レイルロオドサミットでしりあった――(呼吸音)(呼吸音)―― 仲国の、レイルロオドが――(呼吸音)(呼吸音)―― いってた――(呼吸音)――結構、自慢げに――(呼吸音)――」 【紅】「仲国の、人間は――(呼吸音)(呼吸音)―― 四足の、ものは――(呼吸音)(呼吸音)―― 机、以外は――(呼吸音)(呼吸音)―― なんでも食べちゃう――(呼吸音)――みたいな、こと――(呼吸音)――」 【紅】「そしたら――りいこが――(呼吸音)(呼吸音)―― あの、蟲姫(むしひめ)が――(呼吸音)(呼吸音)―― 『コヒョウモンもたべるの!?』――って――(呼吸音)(呼吸音)―― みんな、それで――(呼吸音)――ふふっ――ぽかんて、しちゃって――(呼吸音)――」 【紅】「りいこ、先生の――(呼吸音)――話に、よる、と――(呼吸音)―― コヒョウモンって――(呼吸音)(呼吸音)―― 蝶の、一種で――(呼吸音)(呼吸音)―― けど、前足が――(呼吸音)――退化、しちゃって――(呼吸音)――」 【紅】「……うん、そう――(呼吸音)(呼吸音)―― 足、四本しか――(呼吸音)(呼吸音)―― のこって、ないって――(呼吸音)(呼吸音)―― それで、りいこ、先生、は――(呼吸音)(呼吸音)」 【紅】「『ちょうちょなんて、食べらるとこ、全然ないよ!?』――って――(呼吸音)(呼吸音)―― からかうとか、揚げ足取りとかじゃなく――(呼吸音)(呼吸音)―― 心底、びっくり――(呼吸音)――ふしぎに、思ってる、みたいな、感じで――(呼吸音)――」 【紅】「そしたら、西瓜――(呼吸音)(呼吸音)―― ふふってわらって――(呼吸音)(呼吸音)―― 『そこが仲国4千年の歴史なのです』、とか――(呼吸音)(呼吸音)―― めちゃくちゃうまく――(呼吸音)――はぐらかし、て――(呼吸音)――」 【紅】「りいこ、めちゃくちゃ感心してて――(呼吸音)(呼吸音)―― ってか、あれ、いま考えたら――(呼吸音)(呼吸音)―― 食べて、ためしそうだな――(呼吸音)(呼吸音)―― コヒョウモンとかいう蝶――(呼吸音)――実際――(呼吸音)――って……」 ;SE stop 【紅】「(おおきなあくびを見守る呼吸音)―― ごめん、ぼくの話退屈――(呼吸音)(呼吸音)――じゃなくて…… ああ――(呼吸音)――そか、ねむくなるよね、たしかに、うん」 【紅】「音探しして、神経つかって、たくさん歩いて、乗車して。 海風で体冷やして、足湯でぽかぽかになって―― その上膝枕で耳かきして、みみマッサージだもんね」 【紅】「そんなの、眠くなるなっていうほうがむり――ぁ――ふ……あ――」 【紅】「(おおあくび)」 【紅】「ううー、相棒のあくびうつされたー。 けど……ふふっ――なんか、こういう眠気はわるくないねぇ」 ;7/左 (耳打ち・囁き) 【紅】「……静かだし。このままちょっと、寝ちゃっていーよ」 ;7/左 【紅】「紅が見ててあげるからさ。このままぐっすり―― リラックスして、やすんじゃってよ」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track7 のんびりうたたね ;//////// ;ここから完全に安眠導入で、セリフ全部小声orウィスパーでいただけましたら幸いです ;$=SE やさしくゆっくり頭をなでる ;7/左 【紅】「ん…… $ (やさしく頭をなでてあげるニュアンス&呼吸音、一分ほど)」 【紅】「……昔と、逆だね、これ。 大昔――南颯鉄道が廃止されてさ……(呼吸音)(呼吸音)―― そう、あの日。紅と相棒のキハ101が、レストランにされるとか、 いきなり上に命令された日――」 【紅】「『いやならこのまま解体だ』って―― 悔しくってさ、悲しくて…… 泣いたよね、めちゃくちゃ泣いた―― 今とはまるで反対に……相棒の膝に顔をうめて、さ」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【紅】「……正直、ちょっと、解体されてもいいかと思った。あのときは。 頑張って頑張って頑張って――それでもなにか―― どうしても足りてなかったみたいで……(呼吸音)――」 【紅】「営業廃止、廃線だってきかされて――(呼吸音)―― 妹たちも、みんなのこらず――廃棄・解体ってきかされて――」 【紅】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「妹たちはさ、『紅お姉ちゃんが残ってくれれば』って―― 全部をぼくに託してくれて――一度も涙なんてみせないで―― なのに、移籍の話どころか――レールを剥がされ、レストランで、 ウェイトレスの真似事だとか……(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「味覚センサの増設も、冗談じゃないって思ったんだ。 ほく、紅、トップナンバー機だから、冗長性をもたせてつくってもらえてるっていったって―― 乗務とまるで関係のないセンサーでその余裕を使い切っちゃうなんて―― 線路に戻れる可能性、あきらめろっていわれてるみたいな気がして、さ――」 【紅】「けど……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 【紅】「泣いて、泣いて、泣いて。泣いて。 水濡れで視覚センサを壊すんじゃないかって怖くなるくらいに泣いて泣いて。 泣いてるうちに、思ったんだよ。 ふってね、ただ、思ったの」 【紅】「……ここでぼくが逃げ出して、廃棄・解体を受け入れちゃったら―― 相棒を放り出しちゃうことになるなぁって――思ったんだ」 【紅】「それはやだな、すごくやだなって強く感じて――。 そう感じたら、泣きやめたし、立ち上がれたし―― もーちょっとだけがんばれるかもって、思えるようになって……」 【紅】「……相棒がいてくれなかったら。ぼくのマスターがキミじゃ、相棒じゃなかったら…… 紅はあそこで終わってた。 いまこうして、音探しも耳かきもひざまくらも、できてなかった」 【紅】「だから……だから……(呼吸音)(呼吸音)―― だからさ、相棒――って、相棒? ……(呼吸音)(呼吸音)――ねちゃった? ねてるの?…… なんだよ、せっかくぼくが真面目な話をしてるってのに――(呼吸音)――ふふっ」 【紅】「でもまぁ、そういうとこが相棒だよね。 だからこそ、ぼくたち一緒にやってこれたし―― これからだって、きっと――ずうっと――ん……ぁ――ふぁ――あ――(あくび)」 【紅】「ああ、もう、あくびも眠気も。みんな相棒にうつされちゃうや。 けど……ふ……ぁ……ん――ちょっとくらいは、ぼくもうたたね――かまわないよね」 【紅】「ひざのうえ、相棒こんなにぽかぽかんなんだし―― すぅすぅ、寝息――(呼吸音)―― めちゃくちゃ――きもち――よさそう、だし……(呼吸音)」 【紅】「こんなの……ねむく――(呼吸音)―― なるなって、ほうが――(呼吸音)―― むり――だから――(呼吸音)―― ふ、ぁ――ん……(呼吸音)(呼吸音)――」 【紅】「……おやすみ、相棒――(呼吸音)(呼吸音)―― ぼくの、マスター――(呼吸音)(呼吸音)―― せかいで、一番――(呼吸音)(呼吸音)―― 安心、できる――(呼吸音)(呼吸音)――たいせつ、な――」 【紅】「相棒の。ゆめ――(呼吸音)(呼吸音)―― ぼくが、かならず――(呼吸音)(呼吸音)―― まもる、から――(呼吸音)(呼吸音)―― だから――だから――ふ、ぁ――ぼくの……ゆめ……は…………(呼吸音))」 【紅】「ん……(寝入りばなの呼吸*4)」 【紅】「(寝入りばなの寝息)*4」 【紅】「(浅い寝息)*4」 【紅】「(浅い寝息)*4」 【紅】「(すやすや寝息)*4」 【紅】「(すやすや寝息)*4」 【紅】「(熟睡寝息)*4」 【紅】「(熟睡寝息)*4」 ;環境音 F.O. ;//////// ;Track8 Q&Aコーナー ;//////// ;■以下のセリフは”演者様のもの”でお願いいたします。 アドリブ大歓迎――というか、質問と回答いただけたら、どう構成していただくのも大歓迎です! 【演者】「蓄音レヱル  〜南颯鉄道キハ100形、現・肥薩みかん鉄道キハ101専用レイルロオド 紅〜 Q&Aコーナー!」 【演者】「こんばんわ。みかん鉄道キハ101専用レイルロオド 紅のCV担当の、声優のXXです。 音探しに、耳かき、うたたね、お楽しみいただけましたでしょうか。 っていうかひょっとしてこの声とかは、夢の中で聞いてもらってるのかもですね。ふふっ。」 【演者】「このQ&Aコーナーは、わたしXXが、みなさんからいただいたご質問にお答えしちゃうコーナーなんだそうです。 どんな質問がくるのかな。ちょっとドキドキですね」 【演者】「ってことで実際みてみます。 最初のご質問は、ええと――」 【演者】「Q:XXさん、はじめまして。 XXさんのバイノーラルボイスドラマ、楽しみです!。 XXさんは、普通のボイスドラマとバイノーラルドラマとで、準備とか、やってることとか、意識とか、変わってくることってあるんですか? それとも案外おんなじですか? 教えてください」 【演者】「(自由に回答をお願いします)」 【演者】「あくあでもわたしの場合は、ですけど、そんな感じです。 ご質問ありがとうございました。。 次は――それじゃあ、これいきましょうか。ええと――」 【演者】「Q:XXさんが紅ちゃんを演じていて、特に意識したところとかってありますか? もしもあったら教えてください。特になければ、いまこの瞬間にパスタ食べるならどんなパスタがいいのかを教えてください」 【演者】「(自由に回答をお願いします)」 【演者】「――です!パスタたべたくなっちゃうご質問ありがとうございました! で……っと、あ――もうお時間みたいですね。 次が最後の質問になります」 【演者】「ご質問をくださったのは、 『月水面下ゴツメとか』さん。です。 ‘げっすいめんか”で読み方あってましたかね? ともかく、ゴツメさん、ご質問ありがとうございます」 【演者】「いただいたご質問は――こほん。 『レイルロオドには、 <見た目が幼くて中身は大人>なことか <見た目が幼くて中身も幼い>ことか、 <見た目が大人で中身は幼い>ことかいると思います。 紅ちゃんは見た目と外見、一致してると感じましたか? ちがってるとかんじましたか? また、一致してること違うこ、演じやすいのはいったいどっちですか? 教えてください』」 【演者】「(ご自由にご回答ください)」 【演者】「です。たくさんのご質問、本当にありがとうございました! もっとおこたえしたかったんですけど、残念ながらお時間です! ごめんなさい」 【演者】「わたしXXが、紅ちゃんとして。あなたと一緒に楽しく音を探しまわった 『蓄音レヱル  〜キハ1016専用レイルロオド 紅〜』。 貴方の癒やしの、安眠の、お供にしていただけたら嬉しいです」 【演者】 「それじゃあ、また。次の駅でもお会いしましょう。 そのときを、とても楽しみにしています」 【演者】「レイルロオド・紅役、XXでした! それじゃあ相棒! 明日の朝へ――『出発! 進行!!』」 ;///