お疲れ様っす。おかえりなさい。 来ますよ。 大丈夫でしたか。変な女に会ったって聞いたんで。 そっすか。よかった。 あ、唯為理は今編集さんから電話きちゃって、話してます。 一緒にお邪魔さしてもらってるんで大丈夫っす。 あの。お姉さんが会ったのって、茶髪のロングで髪巻いてて。 なんか、全身やったら高そうな格好の、お姉さんと同い年位の女っすよね。 で『絶対唯為理に会いたい』って感じだったんすよね。 でもそいつ、唯為理は母方の孫だから苗字が違う事も、じいちゃんが亡くなった事も知らないし。 平日の昼間にフラっと現れて妙だから。 お姉さんは『これなんかおかしいんじゃねーか』って思って、追っ払う事にしてくれたと。 それで、青柳のばあちゃん呼んで。口裏合わせてもらって。 何とかごまかして、すずらん駅まで送ったと。これで合ってます? その後、ちゃんと帰った感じでした? よかったぁ……! お姉さん、やるじゃないっすか! こういうの何て言うんすか? 無血開城、みたいな? はは……そうっすよね。怖い思いさしてすいません。 ありがとうございました。 また助けてもらって、感謝してもしきれないっす。 それでも、本当にありがたいっす。 んであの。その人なんすけど。 いや、あたしがあんましゃべんのもよくないっすね。 唯為理から。 おー。仕事大丈夫だった? じゃああたし、先にうち戻ってるよ。 あの人の事は、自分で話しな。 お姉さん、今日は本当にありがとうございました。 明日また改めてお礼さして下さい。 じゃあ、失礼します。