こんにちは。 あの、恐れ入りますが……。 少しお伺いしてもよろしいですか? この辺りに、奥平さんという方のおうちはございませんでしょうか? あ、えっと。 付き合ってる、人なんですけど。 ちょっと喧嘩しちゃって……。 話したいんですけど、電話にも出てくれなくて。 困ってるんです。 あ。実はその子、地元はここじゃなくて。 おじいさんおばあさんが住んでいるのがすずらん市だって、前に教えてもらったんです。 だから、遊びに来ているんじゃないかなって。 そうです。三人で過ごしてるのかなって。 せっかくならご挨拶したいですし。 はい。深刻な喧嘩ではない。 もうちょっと待ってれば、向こうから電話もかかってくるかも……。 私も、そう思うんですけど。 でも、やっぱりちゃんと話を聞いてもらわなくちゃって。 私の気持ち、わかってもらわなくちゃって。 これが、最後になっちゃうかもしれないし。 あは……そうなんです。 大好きなんです。 すいません。話しすぎちゃいましたね。 自分でも、夢中になり過ぎちゃってるなって、思います。 だって以前の私だったら、きっと諦めちゃってました。 『喧嘩したらもうダメかな』『価値観が違うなら一緒にはいられないのかな』って。 自分を納得させようとしてたんじゃないかな。 でも、今回は、そうしたくないなって。 もう一度彼女に、何が正しいのかわかってもらう機会が欲しいんです。 あら。あなたも地元の方ではなかったんですね。 えっ? ああ。さっきお電話されてた方ですか? ありがとうございます……! お知り合いに、電話で確認していただけるなんて、助かります。 では、お待ちしてますね。 あ。そうだ。写真があるんです。 この、ボブの子なんですけど。 こんな感じのが最近この辺に遊びに来ていないかって、聞いていただきたいんです。 よろしくお願いしますね……。本当に、大切な人なんです。