あ、勇者様、ゴメンね。こんな街外れに呼び出して。 他の仲間抜きで話したい事があったから。 今日さ、勇者様からの指示通りに戦ったら、 皆がピンチになっちゃったでしょ? あの時、私が自分で動けてればピンチは回避できたと思う。 ううん、あの時だけじゃなく、自分の判断でなら 全体の為になれた戦いは何回もあった。 勇者様も呪文が使えるだけあって、 魔法使いや僧侶には適格な指示が出せてると思うよ? でもね、武闘家って独特の洞察力とかカンがあって… それを理解できるまで、私の事は上手く使えないと思う。 だからしばらくは、自由に行動させてくれないかな? ……はぁ、そうだよね。勇者様、強情な性格だもん。 自分の命令が間違ってるなんて、認めたくないよね。 いいわ。それなら今から私と戦って。 どこまで武術を理解してるか見たいから、剣と呪文は無しでね。 その代わり私に三発でも当てられたら勇者様の勝ち。 これからも命令通り動くわ。 うん、いい返事! 職業は違えど、 お互い前衛で戦う者同士! こういうのがわかりやすいよね! …いくよ! はいっ! それっ! やあっ! ほらどうしたの!? まだ私に一発も当てられてないじゃん! 剣も呪文も使えなければこんな物なの!? でもね! 私たち武闘家はいつも! 肉体一つで! 戦ってるのよ! 自分の脚を見なさい。真っ赤に腫れあがっちゃって… もう間合いを取る事すらできないでしょう? 終わりね。お願い、負けを認めて。 なぁに? その顔は。 「同じ条件で女と戦って、ここまで差を付けられるわけない」って… はぁ…。 あのね、そういう言い訳が出来ない様に、 男の子の弱点は外してあげてたの、気づかなかった? そのぶら下がってるモノにうっかりヒットしたら、 卑怯とか言い出すに決まってるからね。 結構気を使ったんだからね? つまり勇者様はね、同じ条件どころか、 手加減した私にすら一方的にボコボコにされちゃったの。 さ、負けを認めなさい。 ……あくまで向かって来るのね。 いいわ、口で認めたくないならその身体に、敗北の証を刻んであげる。 はああああああああ! あ、気づいた? 勇者様、連続蹴りで失神しちゃったんだよ? ん? その格好? 適当な木があったから縛っちゃった。 ああもう、うるさいなぁ。 そんなすぐに解放するわけないでしょ… よく強がれるね? 下半身丸出しにしてさぁ… ふふふ♪ 動揺するのが遅いって。 それじゃ、私相手に負けを認めないとどうなるか… 意地だけは一人前の頭でっかちな勇者様に… 徹底的に教え込んであげるね…♪