ナナミが浴室を出て行ったあと、僕は湯船に浸かって天井を見上げ、大きく息を吐いた。  童貞を捨てた……と言っていいのだろうか? わからないけれども、とにかく夢のような体験だった。ナナミのおまんこ、めちゃくちゃ気持ち良かった……。しがみついたナナミの身体も、おっぱいも、何もかも柔らかくて気持ち良くて……夢みたいだけど、夢じゃないのである。ナナミはこれから僕のパートナーロイドとして一緒に暮らすわけで、つまりこれからは、毎日いつでもナナミとセックスできるというわけで……。  ううっ、ヤバい。そんなの、僕の身体、保つんだろうか……。というか、なんでまた元気になりつつあるんだ我が息子よ。もう三回も出したあとだろう。 「ああ……はぁぁぁ……」  いかんいかん、このまま呆けていたらのぼせてしまう。いい加減身体も温まったし、僕はバシャバシャと顔を洗って、風呂を出ることにした。  浴室のドアを開け、すぐ脇の棚のバスタオルを取ろうとすると、ナナミの声。 「ご主人様、入浴はお済みになりましたか」 「な、ナナミ? あ、う、うん、お風呂出たけど……」 「では、お身体お拭きします」 「うえ?」  バスタオルを掴んだまま振り返ると、メイド服姿に戻ったナナミが脱衣スペースに入って来るところだった。素っ裸で立った僕に表情ひとつ変えず(いやそれは元々そうだ)、ナナミは僕の手にしていたバスタオルを受け取り、僕の身体を当然のように拭き始める。まずは頭を拭かれ、首から肩へ、腕へ。な、なんだこれ、王侯貴族か何かか。 「な、ナナミ、何もそこまでしなくても……」 「お嫌でしたか」 「あ、いや……嫌ではない、けど」 「では、お任せくださいませ」  いや、お任せくださいと言われても……。  ナナミの手にしたバスタオルが背中を拭い、お腹に回り、そして下腹部へ。  つまり――また半勃起しているペニスへ、ナナミの手がバスタオル越しに向かう。 「ご主人様。またおちんちんが硬くなられているようですが」 「あ、だ、大丈夫……」 「どうぞご遠慮なさらず。また私のおまんこをお使いになって構いません」  ううっ、だからそんな平然とした顔でそんなこと言われたら、困る。  露出のほとんどない、長袖ロングスカートのメイド服姿のナナミ。その姿に、先程の裸身がダブって、ペニスがまたますます硬くなってしまう。 「いや……え、ええと、ここは狭いから……。ナナミ、あとは自分でやるから、ちょっと向こうで待ってて」 「かしこまりました。では、ご主人様のお着替えを取って参ります」  ナナミはぺこりと一礼してバスタオルを僕に返し、脱衣スペースを出て行く。僕が大きく溜息をついて残りの部分を拭き、勃起したペニスをどうにか誤魔化しながら腰にタオルを巻いて脱衣スペースを出ると、すぐ脇でナナミが畳まれた僕のシャツとパンツを手に待機していた。 「わっ、ナナミ」 「ご主人様、肌着はこちらでよろしかったでしょうか」 「あ、う、うん、ありがとう……ええと、ちょっと向こう向いてくれる?」 「はい」  ナナミが背を向ける。うう、やっぱり気恥ずかしいな、これ……。そう思いながらナナミの持ってきたシャツとパンツを身につける。ズボンは……無い。ナナミには判断つかなかったから自分で選べってことかな。ううん、下着だけで女性の前を歩き回るのは……って、今さらか。  と、視線を巡らすと、ナナミはいつの間にか冷蔵庫の方に歩み寄っている。何をしているのかと思っていると、ほどなくナナミは麦茶の入ったコップを持って戻ってきた。 「ご主人様、どうぞ、お飲み物です」 「あ、ありがとう……」  コップを受け取り、ダイニングの椅子に腰を下ろして、麦茶を一気に飲み干す。風呂上がりの身体に冷たい麦茶が染み渡る。くううっ、たまらん。  はあ、とコップを置いて大きく息を吐くと、ナナミは僕の横に歩み寄ってきた。 「ご主人様。本日はこの後なにかご予定はございますか」 「え? 今日? 今日は特にもう何も……明日の大学の支度だけかな。課題とかも特に無いし、寝る前にちょっと準備すればいいだけだから……何もないよ」 「把握しました。では、明日のご予定はいかがでしょうか」 「明日は……大学が2コマ目からだから、9時ぐらいに起きて10時前までに家出ればいいかな」 「かしこまりました。では、明日は朝の9時にご主人様が起床されるようにいたします。お帰りは何時頃になりますでしょうか」 「帰りは……6時半ぐらいかな。5コマ目まであるから」 「承知しました。昼食のお弁当と、夕飯の支度は必要でしょうか」 「え? あ、作ってくれるなら、両方お願い」 「かしこまりました。それでは明日、ご主人様が大学へ行かれている間、食材の買い物をしてきてもよろしいでしょうか」 「え、買い物? ナナミひとりで?」 「はい。近隣の地図データはダウンロード済みですので、どうぞご心配なく」  ああ、なんかとてもパートナーロイドっぽい。そうだ、ナナミの本分はこうやって日常の雑事を代行してくれることだもんな。タイプSとしての性行為の機能はあくまでオプションなのだ。  言われてみれば、パートナーロイドが単体で買い物している姿など別に珍しくもない。このメイド服姿も、PRとしてはまあ、目立つというほどでもないか。 「解った。じゃあ、それもお願い」 「承知しました。夕飯のご希望や、食べられないものはございますか。特にご指定がなければ私の判断でメニューを決めさせていただきますが」 「うーん、アレルギーとかは無いけど……生のトマトはダメなんで、それだけはパス。あとは、魚より肉が好きかな」 「記憶しました。では、今後は肉料理を中心にお食事のメニューを決定いたします」  うう、一人暮らし開始ひと月で既に面倒臭くなったことを全部やってくれる……。これがパートナーロイド。強い。あまりにも強い。便利とかそういうレベルではない。こんなの、一度使ってしまったら二度と手放せなくなるやつでは? 「それではご主人様、私は待機しておりますので、何か御用があればお呼びください」 「え、あ、うん」  僕が頷くと、ナナミは一礼してすっと退くと、そのままダイニングの壁際に立って目を閉じた。ああ、漫画とかアニメでよく見る、主人が応接室で客と話している間、ドアのところにずっと立ってるメイドさんの姿みたいだけど……。  いかんせんここは1DKの学生向け賃貸マンション。ダイニングと寝室の間にドアもないわけで、どう考えても部屋のどこにいようとナナミの姿が目に入ってしまう。その状況でナナミを放置して何か別のことに集中できるほど、僕の神経は図太くない。 「……ナナミ」 「はい、ご主人様。何か御用でしょうか」  呼びかけてみると、ナナミはすぐに目を開けて顔を上げた。 「ええと、そこにずっと立ってるの?」 「いけませんでしたか。申し訳ありません。では、どこで待機すればよろしいでしょうか」 「いや、そういう問題じゃなくて……」  パートナーロイドだから、別にずっと立ってても疲れたりはしないんだろうけど、だからといって立ちっぱなしにさせておくのは気が咎めるのである。彼女がうちに来て数時間でそこまで割りきれるわけがない。  寝るにはまだあまりにも早すぎるし……じゃあ、ナナミに何をしてもらおう?  何を……って、そりゃやっぱり……アレか? アレなのか?  ううっ、思いだしたら収まってた愚息がまた自己主張を……。  参った。何もさせないでナナミを放置するのは気が咎める、じゃあ何かしてもらおうと考えると、そっちのことしか思いつかない。これじゃただのスケベマスターだ。でも……うう、お風呂で僕が何をしても「嬉しい」と言ってくれたナナミの声が蘇る。い、いいのか? いいんだよな? 僕が何をお願いしてもナナミが喜んでくれるんであれば……。  僕は溜息を押し殺して、もう開き直ることにした。ええい、誰に見られているわけでもなし。誰に憚ることもなし。ナナミは僕のPRだ! どう扱っても僕の勝手じゃないか! 「ナナミ、こっちおいで」 「はい、ご主人様」  僕が意を決して手招きすると、ナナミはすっと足音もほとんどたてずに歩み寄ってくる。僕はダイニングの椅子に腰掛けたまま、ナナミに向き直り、改めてナナミのメイド服姿を上から下までじっくり眺めた。  長いさらさらの黒髪。ゆったりしたメイド服の上からだと盛り上がりがわかる程度の胸。ロングスカートに隠れた腰回り。……うん、何度見てもかわいい。僕の好みのど真ん中どストライク。こんな女の子を好きにしていいというのなら、その役得を存分に味わおう。  決めた、僕は恥を捨ててスケベになる! 「ナナミ。……お風呂ではおまんこ使わせてくれてありがとう。気持ち良かったよ」 「恐縮です、ご主人様。私こそ、ご主人様に気持ち良くなっていただけて嬉しく思います。また私のおまんこをお使いになりますか?」 「ナナミは、僕におまんこ使ってほしいの?」 「はい。いつでもご主人様に、私のおまんこで気持ち良くなっていただきたく思います」  ああ、平然とした無表情でこんなこと言ってくれるナナミ……好き……。 「じゃあナナミ、スカートめくってパンツ見せて」 「かしこまりました」  僕が命じると、ナナミはスカートを掴んでゆっくりとたくし上げていく。  メイド服の長いスカートが捲れ上がり、内側の白いフリフリの中から露わになるナナミの両足。そしてその付け根の下腹部は、シンプルな白いショーツに覆われていた。  ううっ、女の子が自分からスカートめくってパンツ見せてくれるシチュエーションが現実にできるなんて……。タイプSのPRって素晴らしい。素晴らしすぎる。  無表情にスカートをたくし上げて下着を晒したナナミは、僕を見つめて口を開いた。 「ご主人様、これでよろしいでしょうか」 「うん、いいよナナミ……。かわいいパンツ穿いてるんだね」 「お褒めにあずかり恐縮です」 「パンツの上からおまんこ触っていい?」 「もちろんです。どうぞご自由にお触りください」  もちろんあっさり許可が下りる。僕は椅子を下りてナナミの前に膝立ちになると、ショーツの上からそのおまんこに触れた。さらさらした布地越しに、ぷにぷにと僕の指先に弾力を返してくるナナミのおまんこ。割れ目をショーツの上からなぞると、布地が割れ目に食い込んで、下着の上からおまんこの形が露わになる。うわ、これ予想以上にエロい……。 「はあ……ナナミのおまんこ、パンツの上からでも触り心地最高……」 「ありがとうございます、ご主人様。下着越しにおまんこを触っていただけるのも、とても幸せです。ご主人様に私のおまんこをそこまでお気に召していただけたこと、心から光栄に思います」 「そんなに僕におまんこ好かれて嬉しいなんて、ナナミはエッチだなぁ」 「……ご主人様、エッチとはどのような状態を指すのでしょうか」 「あ、それもか……」  そうだった。ナナミの性知識はゼロなのだった。エッチという語彙も無かったか……。 「エッチって言うのは……そうだなあ、僕におまんこやおっぱいを見られたり、触られたり、僕のおちんちんを気持ち良くして射精させたりすることが好きだってことだよ」 「記憶しました。その意味であれば、確かに私はエッチであると言えます。ご主人様に身体を見ていただいたり、触っていただいたり、ご主人様のおちんちんを気持ち良くしてさしあげて、ご主人様に射精していただくことが、私は好きです」 「ううっ……ナナミのエッチ」 「はい、ご主人様。私はエッチですので、どうぞ私のおまんこをお好きなようにお使いください。それでご主人様に喜んでいただければ、私はそれが一番の幸せです」 「うん、じゃあ……ナナミのおまんこ見たいから、パンツ脱がすよ」 「ご主人様に脱がせていただけるのですか。恐縮です。よろしくお願いいたします」  ナナミのショーツに手を掛け、僕はゆっくりとずり下ろしていく。下ろすたびにくるくると丸まっていくショーツ。  股間の割れ目が露わになって、太股のあたりまで下がったところで、僕は手を止めた。ナナミのショーツは太股のところで丸まって止まる。うん、全部脱がすより、この脱ぎかけがエロい……。  つるつるぷにぷにの、ナナミのパイパンおまんこ。僕はそれをぐっと顔を近づけて眺め、指先で割れ目の周りの肉をぷにぷにと軽く揉む。ああ……触ってるだけで幸せになれるやつ……。 「はあ……ナナミのおまんこ……好き」 「はい、下着を脱がせてくださり、ありがとうございます、ご主人様。おまんこをご主人様に間近でご覧になっていただけて、とても幸せです」 「そんなに僕におまんこ見られるの好きなら、ナナミはいつでもおまんこ露出した格好の方が幸せかな?」 「ご主人様がそれを望まれるのでしたら。私は何よりもご主人様に喜んでいただくことが幸せですので、ご主人様が私のおまんこをご覧になることを望んでおられないときまで、私からお見せしようとは思いません。ご主人様は私が常時おまんこをお見せした方がよろしいですか?」 「うーん、悩ましいな……。やっぱり、とりあえずは見たいときだけでいいよ。今は見たいし触りたいから、いっぱい見るしいっぱい触るね」 「承知しました。どうぞ私のおまんこをお好きなようになさってくださいませ」  ううっ、たまらん。僕はむにむにと揉んでいた指を、ナナミの割れ目の中に滑り込ませた。つぷ、と中指がナナミの膣内に潜り込み、きゅうっと膣壁が指先を締め付ける。ああ、指が射精しそう……。 「ご主人様、おまんこに指を入れてくださるのですね。ありがとうございます」 「指入れられるのも好き?」 「はい。ご主人様の指がおまんこの穴の中に入る感覚、とても幸せです」 「ううっ、ナナミは本当にエッチだなぁっ」  じゅぽじゅぽっ、と中指をナナミの中で動かすと、トロトロとした潤滑液がナナミの膣内から溢れて手に伝ってくる。ああ、ナナミ自身は性感を感じていないのだとしても、おまんこがちゃんと濡れるというのはこう……なんか……背徳感というか……。  ちゅぽんっ、と指を引き抜き、てらてらと指を濡らした液体を、僕はぺろりと舐めてみる。……あれ、なんか美味しいかも……? 「……ナナミ、おまんこ舐めてみてもいい?」 「はい、もちろん構いません。私の身体は清潔ですし、体内から分泌される液体についても害はありませんので、ご主人様に舐めていただいても問題はありません」  ああ、この突然のひどく即物的な発言がまた……。こういうところがアンドロイドなんだなと思わせるナナミだ。でも、そういうところも含めて興奮してきてしまう自分は、なんかどんどん変な性癖に目覚めてきているような……。 「ご主人様がお望みでしたら、どうぞ私のおまんこをお舐めくださいませ」 「ううっ、じゃあナナミ、その椅子に座って」 「かしこまりました」  さっきまで僕が座っていたダイニングの椅子にナナミを座らせ、太股に溜めていたショーツを足下まで下ろさせる。そのままショーツは片足首に引っかけさせて、僕はナナミの足を広げた。くぱぁ、と僕の眼前でピンク色を露わにするナナミのおまんこ。ううっ……なんか、美味しそう……。  僕はナナミの前に膝を突いて、その太股の間に顔を突っ込む。 「そ、それじゃあ……ナナミのおまんこ、いただきますっ」 「はい、どうぞご主人様、私のおまんこを召し上がってくださいませ」  たまらず、僕はそのままナナミのおまんこにむしゃぶりついた。