【ルージェニア・ナイトメア(Rugenia Nightmare)】 ● 悪魔の少女。普段は主人公に仕えるクールなメイド長にして、その裏では趣味でGTレースに参加するプライベーターレーサーとしての顔を持つ。外見年齢18歳。その名前は『真紅の悪夢』を意味する。本人曰く『悪魔の大王の一人娘として生まれた』模様で、独り立ちしたあとは主人公に出会うまで一人旅をしていた。 ● いわゆる『ショタコン』というわけではない。たまたま好きになった人が幼い人間なだけ。自分好みの青年に育つまで、手塩にかけてお世話をするつもりでいる。ただし、かなり過保護。 ● 主人公に抱いている感情は恋もあれど、年上として甘やかしたい気持ちが優先している。(人間の主人公との年の差については詳しく言及しないものの『すごく離れている』) ● この作品の世界では、人間より先に『悪魔』と『天使』が地上に暮らしていてお互いへの差別意識から戦い合っていた。が、悪魔も天使も長い寿命の中を生きるうちに、争う理由を忘れてしまい、後発で生まれた種族である人間が作り出した高度文明社会に溶け込みながら現代を生きている。余談だが悪魔と人間の混血は可能である。 ● 実はこの世界の悪魔と天使は人間のそれと比べ物にならないほどの闘争本能を持っているため、それを発散しないと命の危機に直結するほど酷いストレスに悩まされる難儀な種族である。そのため、もとより繁殖数も人間で劣ることも相まって、個体数が激減した歴史を持つ。ルージェと、ルージェのライバルである天使のリアラはその闘争本能からのストレスを車で走ることで発散し、問題なく毎日を送っている、『時代に適応した異種族』である。 ● おとなしそうな振る舞いだが、かなりのスピード狂でカーコレクター。特に加速度に優れるスーパーカーを乗り回すのが趣味で、ドイツのアウトバーンにいる走り屋の間では〝閃光の紅(ライトニング・ルージュ(Lightning Rouge))〟の異名で呼ばれるほど高速ドライブを趣味としている。 ● 現在保有しているのは、ドイツに保管しているレーシング仕様マシン〝イスタンテGT500〟、GTクラスマシンに匹敵するほどのフィーリングを持つ〝イスタンテSE〟、宣伝に対する感謝として与えられた〝イスタンテ・セスト〟(車体の殆どに新炭素素材Eカーボンを採用し、軽量化を図ったマシン。名前こそルージェに配慮して〝イスタンテ〟だがフルモデルチェンジ後の最新モデルがベースなため、内外ともに全く違う別物)の三台。いずれもプレシオーネ社のマシンである。プレシオーネ社社長である主人公の父親からの勧めで、〝イスタンテGT500〟以外は宣伝に協力することを条件に譲ってもらった。セストは事実上のワンオフ車なため予備パーツが無く、事故を起こしたら替えが効かないためもっぱら観賞用。主人公がつらそうにしているとき、二人きりになるときの空間として使うという、とても贅沢な使い方をしている。 ● 車検の問題から〝イスタンテGT500〟は日本で走らせることが出来ないため、ドイツのガレージに保存している。その代わり日本では〝イスタンテSE〟を使用している。こちらは限定カラーの特別仕様車で外像はパープル。走行性能もエントリーグレードの同車より強化されているが、〝イスタンテGT500〟と比べれば走行性能に雲泥の差があるため、GTマシンに慣れきったルージェにとっては少し不満げな感触の模様。(元ネタはディアブロSE30。相場は約8000万円) ● スーパーカーに目覚めたキッカケは幼少時の主人公が学校で悔しいことがあって泣いていた際、慰めてあげようと送迎用の車を借りてドライブに連れて行った時。その時偶然猛スピードで追い越された、シエラ・ドラゴーネ(希少種族である竜の美女)が乗るスーパーカー〝ヒンメル:エーデルクラン〟の走りに影響された結果。 ● ルージェ同様主人公もカーレースをテレビで見るのが好きだったため、一緒にGTレースを見ているうちに、自分専用のスーパーカーを保有したくなったから。それまで無欲同然で溜まっていた貯金を一気に使って〝イスタンテGT500〟を保有した。 ● ルージェの命知らず(daredevil)の走りに魅せられたファンは多く、パーキングエリアで休憩しているときには彼女の美貌も相まって世界各国のレースに協賛しているオーナーたちからのスカウトが押し寄せてくることも。しかしルージェは主人公と要る時間を削られたくないため全て断っている。 ● ストレスが溜まったら、イスタンテSE〟を駆り出して鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎなどの国際レーシングコースにドライブに向かうことで解消している。(ストレス発散しないと主人公に向けてあらぬ方向で爆発してしまうためそれを避ける意図もある) ● サーキットに出入りするプロレーサーや走り屋の間では謎の美女呼ばわりされている。その情報はライバルであるリアラにも入っており、お互いに顔を合わせたこと無いまま宿敵同士に。 ● 世界各国のサーキット走行に必要なライセンスを取得している。それを活かすべく、いつか主人公と一緒に車で世界一周をしたいと考えている。 ● 普段はクールだが「コウモリ女」と言われるとブチ切れる(コウモリには俗語で裏切り者の意味もあるため。ルージェは主人を裏切る気はない)。近所の子供にそう言われてよく激怒しては主人公に慰められているという子供っぽい一面も。 ● よく映画のドライビングテクニックを独学で真似している。それができてしまうため操縦技術が並外れている。 ● 好きな曲ジャンルはドラムンベース。 ● 〝セスト〟のモデルは〝セストエレメント〟。(セストは炭素元素の意) 【GT500クラススーパーカー〝プレシオーネ:イスタンテ〟(通称:イスタンテGT500)】 ● 数十年前に開催されたGT500クラスレース参戦用として、JPOC(ジャパンプレシオーネオーナーズクラブ)からの発注で生産されたワンオフレーシングカー。ルージェが個人的に改造を施した結果、生産時点より大幅にスペックが引き上げられ、その仕様上日本の車検に通らないため、ドイツに預けている。 ● ミッドシップ4WD駆動・9速シーケンシャルシフト方式(上下の傾倒のみでギアを変えられるレバー)MT搭載。カタログスペック上の最高速度は540km。これは本作中時点で存在する、GTマシンが引き出せる最高速度に匹敵する。 ● 〝イスタンテ〟とはイタリア語で瞬間を意味する。英語で言う『インスタント』と同義。『絶対なる刹那』という意味を込めて名付けられたこの車は、その名に違わない類まれなるパワーを生み出す、水平対向12気筒エンジンを搭載している。大地を揺るがしかねないような、低く、大きなエンジン音が最大の特徴で、アウトバーンの走り屋の間では『月に一度、悪魔の呼び声がやってくる』と噂されている。非常に高いエンジン性能をその身に宿す反面、それを活かすべく極端なセッティングが施されており、ルージェ以外に操縦不可能。特に加速性能、登板能力、旋回性能に秀でている。 ● 世界でたった一台のみ生産された、マニアの間では幻のGT500クラスマシンとされているプレシオーネ社製のレースマシン。ホモロゲーション獲得のため外観はベースとなった市販車に似せられているが、中身はほぼ別物であり事実上のプロトタイプカー(一般販売を度外視したレース専用車のこと)と言える。 ● GTレース現役時代はゼッケン番号88を装備し、伝説のドライバーのもとで数々のレースを制覇し続けた。その後、紆余曲折を経てルージェの手元に渡る。真紅のボディカラーとくさび形のフォルムを持ち、普段はドイツで借り受けている車庫に保存、整備している。 ● 数々のレースによって内外ともに度重なるダメージを負ったことから寄贈保管を見送られ、レースでの役目を終えた後は廃棄を待つ運命にあった。主人公の父親はJPOCオーナーの親友であり、それがキッカケで〝イスタンテGT500〟の廃棄を知ったルージェがポケットマネーで購入した。以降、晴れてルージェの手に渡る。ルージェはこの〝イスタンテGT500〟が大の好みで、レース現役時代から主人公と同じくらいにはゾッコンだった。 ● GT500レース現役時とは異なり、公道を走れるように保安部品の設置、助手席増設と最低限の内張りといった各種処理を施した結果、重量が少し上がっている。数々のレースで摩耗したパーツ群については、ルージェが独自に調達した最新のGTマシン、市販マシンから規格が合うものを継ぎ接ぎで埋め込むことで近代化改修を行なった。結果、強引な修復によってルージェ以外に扱えないほど操縦性に難が生まれたものの、現役時代の仕様をほぼ維持したまま、最新鋭機にも負けない最強の走行性能を獲得した上で復活を果たした。 ● 元の外装はスポンサーロゴだらけのシアンブルーだったが、ルージェの趣味でロッソタルガ(光の当たり具合でピンクっぽく見える真紅)に塗り直している。 ● ただし〝イスタンテGT500〟が数多く抱える弱点は次の通り。専用ハイオク燃料の燃費が非常に悪い事と、ほぼすべてのパーツが一点モノなので、廃車になったら替えが効かないこと。そしてガルウイングドアなため、ドアの窓がまともに開かなくてエアコン抜きでは夏が厳しいこと。維持費が3年で約4300万円かかること。お金持ちの主人公に仕えているのはこの維持費を工面する理由も兼ねている。(趣味でスーパーカーを保有する上で発生する問題をお金の力で解決できる立場として、高給取りのメイドという設定にした。つまり設定に必然性をもたせている) ● 本作中における〝ラ・テッサ〟との対決はドイツ中で「伝説の走り」と名を轟かせることになり、プレシオーネ社はフルモデルチェンジを果たした車には同じ名前をつけることを避ける伝統をこれまで維持してきたにもかかわらず〝イスタンテ〟の名を冠した新モデルの販売計画が持ち上がった。ただし〝イスタンテ〟の新モデルはルージェ仕様車と比べて、コストダウンを目的にかなりのデチューンが施されてしまった、いわばモンキーモデルとなっているため、ルージェは量販タイプに対しては『ニセモノ』『安物』『ガワだけ』『所詮はコレクター向けのホビー』呼ばわりしているらしい。 ● 通称にある『GT500』は生産当時のレギュレーションから名付けられたもの。作中時点でもレースにおいて『GT500クラス』という名称は受け継がれているが、技術の進歩によりレギュレーションの内容は〝イスタンテGT500〟生産時と比べて大きく異なっている。 ● 〝イスタンテ〟のモデルは現実にて1台だけレース専用車両として生産された〝ディアブロJGT-1〟が元ネタ。SUPER GTに投入される際、年々厳しくなっていくレギュレーションに合わせようと、エンジンの排気量を落とそうとしたが、設計の問題上落とすことができず、サーキット走行においてチームの総力を賭けて改良を施してもオーバースペックなエンジン性能を制御できなかったため、惨敗を繰り返した悲劇のマシン。実際にこの車はGTレースでの役目を終えたあとで、カーディーラーに引き渡され、5.6億円で販売展示された後、どこかのコレクターの元へ引き渡された経緯を持つ。その後の動向は不明。 ● 余談だが、〝ディアブロ〟はある会社の大ヒットカー〝カウンタック〟の後継車である。 【主人公(声なし・台本のみ台詞あり)】 ● プレシオーネ・ジャパンの御曹司。年齢以上に童顔な少年で俗に言うショタ。15歳。 ● 将来父親の社長業を次ぐため、自動車業界の英才教育を受けている。しかし本人にとっては少し辟易気味。 ● 学校ではかなりのモテモテだが、彼女は作れていない。実はこれは常日頃から隠れて見守っているルージェの無意識に放つプレッシャーによって周りの女子が近づけないためらしい。 ● プレシオーネ社はイタリアのメーカーで、プレシオーネ・ジャパンはその子会社に当たる。しかしながら、プレシオーネ・ジャパン側が精力的な活動を見せるGTレースでの権威から、レース業界では子会社のほうが世界的に影響を持つメーカーとして知られている。ライバル会社は同じイタリアメーカーである〝キャバリエーレ〟や、日本のメーカーの一つである〝神姫自動車〟など。 ● 幼い頃にルージェと会ったことがあり、その時のやり取りがきっかけでルージェは持ち前の魔法を使って主人公のメイドとして忍び込んだ。そしていつの間にか馴染むようになった。 ● ルージェは色仕掛け含むあの手この手で主人公の気を引こうと躍起になっているが、まだ主人公の精神は女性に気が向くほど熟しておらず、ほとんどの策があまり通じていない。ルージェに抱いている気持ちは、言わば姉にたいして甘えるような感情に近く、女として捉えた上での好意はまだ持っていないが、ルージェにとっては自分に甘えてくれるだけでも十分嬉しい模様。