//■トラック01 「彼女への、いいね!」 【ヒロイン】 「えーと、こんなとこに呼び出したってことは、そういうことだよな?」 【ヒロイン】 「そっか。ウチの勘違いじゃないってわけだ」 【ヒロイン】 「んー、気持ちは嬉しいけどさ、知らないやつにいきなりそんなこと言われても――え?」 【ヒロイン】 「同じクラス? マ? あ、あははっ、そっか。そうだったんだ。ええと……ごめんっ」 【ヒロイン】 「ほ、ほら、今まで話したことなかっただろ? だから――って、ちょっと何してんだよ」 【ヒロイン】 「記念に写真って……わけわかんないから。勝手に撮るなっての。消すから、スマホよこして」 【ヒロイン】 「だから、ウチの写真を消すから――」 【ヒロイン】 「……は?」 【ヒロイン】 「な、なあ……今、なんか変な音しなかったか? あんた、なんかした?」 【ヒロイン】 「聞こえなかったって、あんなにでっかい音がしただろ? つまらない嘘ついてんじゃねーって」 【ヒロイン】 「ほら、また音がしたじゃん! なあ、今のは聞こえたよな?」 【ヒロイン】 「いや、だからなんか変な音だよ。ピコンってか、ピロンって感じ?」 【ヒロイン】 「……本当に、あんたがなんかしてるわけじゃねーんだよな?」 【ヒロイン】 「……っ!」 【ヒロイン】 「あーっ! うっさい! なんなわけっ、なんかイラつくんだけど!」 【ヒロイン】 「またっ!? えーと、なんの話をしてたんだっけ? あ、告白だっけ?」 【ヒロイン】 「ウチ、今は誰かと付き合う気は――」 【ヒロイン】 「あ……わかった。これって……『いいね』ってことなんだ……」 【ヒロイン】 「うん? だから、あんたがウチのことを『いいね』って……なんでもないっ」 【ヒロイン】 「そ、それ、やめろってのっ! ウチはあんたのことなんて、知らなかったし、なんとも思ってないし!」 【ヒロイン】 「だ、だから、なんか顔が熱いっていうか、ちょっとドキドキするってか……」 【ヒロイン】 「そ、そんなに『いいね』されると、変な気分になるだろ?」 【ヒロイン】 「急に恥ずかしくなってきたんだけど。あまりこっち見んなっ、ウチのこと見んなよ……」 【ヒロイン】 「さっきから、なんか、めちゃくち『いいね』しまくってるけど、そういうの意味ないからな?」 【ヒロイン】 「だ、だから、適当に『いいね』されても、別に嬉しくねーし」 【ヒロイン】 「う……。だ、だから、もう……やめろっての!」 【ヒロイン】 「いくら『いいね』をされても、ウチの気持ちは簡単に変わったりしないからっ」 【ヒロイン】 「そんなに『いいね』するほど、ウチのこと好きなのかよ……?」 【ヒロイン】 「だ、だから、いちいち『いいね』するなって言ってんじゃん」 【ヒロイン】 「少しくらい『いいね』をされたからって、簡単にその気になるような軽い女じゃねーし」 【ヒロイン】 「なんで、諦めねーんだよ。そんなに『いいね』されたら……断れなくなるだろ……?」 【ヒロイン】 「わ、わかった。わかったってば! もう『いいね』しなくていいからっ」 【ヒロイン】 「だ、だから……そんなにウチのことが『いいね』なんだろ?」 【ヒロイン】 「た、試すくらいなら……。少しの間だけ、なら……付き合ってやってもいいって言ってるの」 【ヒロイン】 「…………試しに、ちょっとだけ。本当の恋人とか、勘違いするなよ?」 【ヒロイン】 「わかってると思うけど、周りにはぜったいに言うなよ? 言ったら、許さないからな?」 【ヒロイン】 「わあっ!? わかった。嬉しいのはわかった。だからもう『いいね』するなーっ!!」 【ヒロイン】 「……それ以上、ウチに『いいね』をしたら、本気で怒るぞ?」 【ヒロイン】 「はあああぁ……。もう、どうしてウチがこんなやつのこと……興味ないし、好きでもなんでもなかったのに……」