//■トラック06 「彼女からの、いいね!」 【ヒロイン】 「ねえねえ、今日はどうする?」 【ヒロイン】 「どっか寄ってから帰る? それとも、すぐに部屋に行く?」 【ヒロイン】 「んじゃ、ウチの部屋ってことで決まり♪」 【ヒロイン】 「ねえ、そういえばさー。ウチに告白した時のアレって、なんだったわけ?」 【ヒロイン】 「変な音がしてたやつ。あれ、あんたがやってたんでしょ?」 【ヒロイン】 「今更、何か言う気はないってば。その……あんたがカレシで良かったと思ってるし」 【ヒロイン】 「でも、あれは何だったんだろって気にはなるじゃない?」 【ヒロイン】 「ということで、もっかいウチに使ってみてよ?」 【ヒロイン】 「大丈夫だって、ほらほら、やってみて」 【ヒロイン】 「んー。『いいね』って感じ?」 【ヒロイン】 「褒められたーって感じはするけど、それだけかな?」 【ヒロイン】 「これって、何回も聞かせないと意味がないとか?」 【ヒロイン】 「そっちも試してみよっか。十回くらいやってみてよ」 【ヒロイン】 「あははっ、本当に『いいね』って言いまくってる~」 【ヒロイン】 「でも、やっぱりそれだけかなー」 【ヒロイン】 「これを聞かせると、相手が自分のこと好きになるの? ほんとにー?」 【ヒロイン】 「効果がないのは、ウチがあんたのことを好きだからってことじゃない?」 【ヒロイン】 「よくわかないけど、ウチにも使えるの、それ?」 【ヒロイン】 「んじゃ、貸してよ」 【ヒロイン】 「どうしてって……もちろん、あんたに使うに決まってんじゃん」 【ヒロイン】 「周りに『ウチに不釣り合い』とか『似合わない』とか、色々と言われてんでしょ?」 【ヒロイン】 「ウチが知らないとでも思ってる? そうじゃなくても、せっかく付き合ってるのに、学校で全然、話しかけてこないし」 【ヒロイン】 「ウチがあんたを選んだの。あんたがウチを選んだの。他のやつが何を言っても気にすんなってこと」 【ヒロイン】 「でも、それができないみたいだから……それ、使おうかと思って」 【ヒロイン】 「そうそう。ウチのこともっと好きになれば、他のやつに何を言われても気にならないでしょ?」 【ヒロイン】 「だから、それ貸して」 【ヒロイン】 「えっと、写真を撮って、この『いいね』ボタンを押せばいいわけ?」 【ヒロイン】 「それじゃ――『いいね!』」 【ヒロイン】 「好き、好き、大好き。せっかく同じクラスなんだから、もっと一緒にいたい。もっと話したい」 【ヒロイン】 「ねえ、どうだった? なんか聞こえた?」 【ヒロイン】 「顔、赤くない? もしかして、今ので何か変わったとか?」 【ヒロイン】 「ウチの時はどんなことが聞こえた? って……前に言ったじゃん『いいね』って言葉だけだけど」 【ヒロイン】 「ねえ……もしかして、他に何か聞こえたの?」 【ヒロイン】 「どんなこと? なんて聞こえたの?」 【ヒロイン】 「なんで隠そうするわけ? 気になるじゃん。教えてよー」 【ヒロイン】 「言えない? だったら――『いいね!』、『いいね!』、『いいね!』」 【ヒロイン】 「好き。好き。ウチのことも好きって言ってほしい。好き、大好き。とっても好き」 【ヒロイン】 「一緒だと嬉しい。話をすると楽しい。もっと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい」 【ヒロイン】 「ぎゅっとしてほしい。ぎゅっとしたい。キスをしたい。キスをされたい。エッチなことしたい。エッチなことされたい」 【ヒロイン】 「んふふ、これならどう? 言う気になった?」 【ヒロイン】 「まだ言わないの? だったらもっと――」 【ヒロイン】 「やっと言う気になった? 最初から素直にそうしとけばいいのに」 【ヒロイン】 「で、どうだったの?」 【ヒロイン】 「…………え? ウチの声? は? どういうこと?」 【ヒロイン】 「うそ……な、なんで!? ウチの考えてること、聞こえてたわけ?」 【ヒロイン】 「ううう~」 【ヒロイン】 「だったら、何をすればいいかわかってるよね?」 【ヒロイン】 「んっ!」 【ヒロイン】 「ほら、ぎゅっとして、キス……しなさいよ」 【ヒロイン】 「ん……ちゅ、ん、ぴちゅ……んっ、んっ……ちゅ……ふぁっ……はあ、はあ……」 【ヒロイン】 「ウチが『いいね』をした時だけ考えてることがわかるとか、納得いかないんだけどー」 【ヒロイン】 「はあぁむっ。はむ、ん……耳たぶをはむはむされるくらい、がまんしろー」 【ヒロイン】 「れろ、ぴちゅ……ぴちゃ、ぺちゃ……ほら、さっき聞いたこと、忘れるくらい……舐めたげる……れろっ、ちゅ……」 【ヒロイン】 「こっちもしとこっか……はむ、ちゅ、れろ、ぴちゅ、ちゅぴ、ちゅ……」 【ヒロイン】 「もう『いいね!』はしないからっ」