ご購入&ご視聴いただき、ありがとうございます。  シナリオ担当の毛ガニです。  「前作が黒字になったら続編を出すかも」と言っていた事もありますが……あれは嘘です、まだ赤字なのに続編を作ってしまいました。  アイデアがずるい。「蒸気義足のシンドバードが白鯨に挑むアラビアン・スチームパンク」とか、おもしろ過ぎます。そんなのを思いついてしまっては、作らざるをえませんでした。  まあ、そのアイデアを思いついた後で、夢枕獏が「ジョン万次郎がピークオッド号に助けられて白鯨に挑む」という『白鯨 MOBY-DICK』を出版するだとか、Liar-softの『白光のヴァルーシア-What a beautiful hopes-』がアラビアン・スチームパンクだったりするのを知って、「ネタ被ってるッ!」とあせったのではありますが。  それらとはかなり違った仕上がりにできて、胸をなで下ろしております。  執筆がかなり大変な作品でしたが、楽しんでいただけたようでしたら幸いです。  文章ヲタとしては、こういう作品増えて欲しいものです。  さて、声優は今作も浅見ゆい様。  前作にもまして、おっさん成分多めでしたが見事に演じていただきました。おっさんマシマシなのは、だいたい『白鯨』のせいです。僕としては、コックが珠玉の出来だと思います。  そして、もちろんシェヘラザード。知性や気品が伝わってきて、やはりシェヘラザードは浅見ゆい様だなと再確認しました。意地悪なシェヘラザード、とても良いですね。  イラストも、引き続き寿司勇者トロ様。  シェヘラザードに抱きしめられて潮を吹いている白鯨がかわいいです。  今回はスチームパンクという事で、シェヘラザードのアクセサリーもスチームパンク仕様。海のようなベッドの上には、初見でも分かりやすいよう、外輪車で黒煙を上げるタイプの一般的な蒸気船をお願いしました。  作品の雰囲気にあった、幻想的でスチームパンクで白鯨なイラストに仕上げていただけました。  ちなみに、本作を聴いて『白鯨』に手を出そうと思っていただけた方には、まず、夢枕獏の『白鯨 MOBY-DICK』をオススメします。現代日本人向けですし、とても面白いです。『白鯨』についての予備知識があった方が楽しめますが、本作を聴いていれば大丈夫でしょう。その際には、「当時、語り手のイシュメールは、○○○○○の事だと思われていた」というのを頭の片隅に入れておくとより楽しめます。ネタバレになるので、詳しくは語れませんが読んでみれば何の事かは分かると思います。