えー、無駄に長いおまけを付けたいなと思い 今作の舞台は海外なので……… 僕が高校生活で2年間『程』 実際にカナダに留学した話をします 『』はちょっとした伏線です、覚えておいてください さて僕が留学するハメに何故なったのか その前にまず僕の両親について話さねばならない ハメと言っている以上 自ら望んだものでは無かったのですよ……… まず僕のお袋は物凄く海外かぶれでした どれ位かぶれていたかというと ネットの無い当時、学生時代に 憧れの映画俳優にファンレターをしたためたり (荒〇の七人の俳優から返事が返ってきたらしい) 何かと『アメリカではこうだ』と口癖のように言ったり 僕の名前を『アレクサンダー』と 命名しようとしたり………… たまにペンネームのせいで 僕はハーフであると思っている方も いるらしいのですが、純日本人です 日本人なのにアレクサンダーですよ? わしゃ大王かっちゅーねん 絶対虐められるよ、こんなん ちなみに他の候補は『平蔵』だったらしい 極端すぎる 海外かぶれどこ行った そんな蛮行を阻止したのが親父です ありがとう親父、マジでありがとう 面と向かってありがとうを言いたいのですが 未だに顔を向けてありがとうと言った事はありません いやぁ、照れくさくて と、いうのは嘘で 僕が嬰児の頃、既に他界していたのです 死因は自殺 写真も残ってないので僕は親父の顔を知りません というか親父がいた実感が無い もし今親父が現世に蘇ったら何を話せばいいのだろう 多分昔の事は訊かないかなぁ あの世って面白い?って聞きながら キャッチボールしてみたいですね 父親とのスポーツって憧れますよね 重い出だしになってしまいました、失礼 えー、中学卒業間近にお袋に宣告されます 海外留学させると 寝耳に水でしたね いや、正確には小学校の頃耳にはしてたんですよ でもあまりにも昔から頻繁に言うんで 絶対冗談だと思ってました 過剰に耳に水を掛け過ぎた結果 爛れて機能してなかったんでしょうね 僕は名前を書けば簡単に入れる 学力の低い高校に入るつもりでした 皆さんのクラスに冗談みたいな 点数を取る馬鹿いたでしょ? 僕の学力はそれと同じレベルだと思ってください 国語とかも10点とか良くて30点とかだったかな 薄々皆さん気付いているとは思いますが 未だに僕は句読点の置き方がわからないので 改行で誤魔化して作品を作っています そんな僕が留学? ガラスのロープを目隠しで渡るようなもんですよ 最悪学力が無いのは良しとして 問題は本人にやる気があるかどうかです 出来る出来ないでは無くて やりたいか、やりたくないか これが肝心だと思います まぁやりたくないんですけどね アメリカ映画とか文化自体は結構好きですよ でも生活ってなったら話は別です この件についてはかなり揉めました 片親だから経済的に余裕も無いですし 無理して行くのは如何なものかと お袋の思惑では 帰国子女枠で良い大学に入るという考えらしい 大学に行く気もゼロの僕はちょっとゲンナリします 揉めに揉めた結果 なんやかんやで僕は折れ、留学は決定 と言っても直ぐに留学とはならない 日本の高校で英語の授業を1年間受け 在学中に海外の単位を取り 残りの2年間現地の高校に転入するという なんとも特殊な高校に行く事になります あまりこの高校について書く事は無いかなぁ そんな変わった出来事無かったし 僕は相変わらず成績がドベだったて事くらいですかね 留学まで話を飛ばしましょう 僕の留学先はカナダ それはとても緑が豊かな地域 日本とは違い馬鹿に背の高い木々が生い茂り 野生の鹿さん、兎さんがたまに道路を ぴょんぴょこ飛び跳ねます 野生の子熊にもドライブ中遭遇した事があります 可愛かったなぁ 子熊がいるって事は親熊が近くにいるんで かなり怖いシチュエーションですが……… まぁ、なんですか かなりの僻地ですね、ここは カナダでもかなり田舎な場所に来てしまった 大きなショッピングモールまで バスで2本乗り継いで1.5時間とかです これじゃあゾンビが発生した場合生き残れません 結構うろたえましたね さて空港を降りると ホストファミリーが迎えに来ております 作中では宿主と書きましたが ホストファミリーの方がメジャーな呼び方ですね ただ耳馴染みの無い単語だろうし 字数を取るので家主と記させて頂きました 車に揺られながら雄大な自然を眺めます おお、なんと大きな自然だ 車で長い長い道路を走ってみても 見えるのは緑一色、リューイーソー そんな訳でホストファミリーの家に着く訳ですが それは後々語りましょう 留学先の学校、これが今回の話のキモです イントロ長くてすみません えー、僕の学力で入れる学校となると 州内でも恐ろしく偏差値の低い学校です やや、素行はお上品ではありません かといって 鈴〇高校や鬼〇高校のように 荒れてもいません 校内で起こった良くない素行を例に挙げると ・何者かがダイヤル式のロッカーを  バールでこじ開け、生徒のアイ〇ッドを盗む ・敷地内の隅に生徒がたむろして喫煙している  (教師もタバコを吞みながら談話している) ・通学路に空き缶で作った簡易ボングが散乱している ・校内をスケボーで移動する生徒がいる こんな感じですかね でも不思議と荒れてはいないんですよ 綺麗な校内だし、殴り合いも虐めも見たこと無いですね 低所得者層に優しい高校だったので 昼飯にちょっとしたフリーフードが配られます 飯の事はよく覚えている 確か毎日の配給のローテーションはこう リンゴ バナナ ブリトー(野菜とササミのヘルシーなやつ) オートミールを固めたモノ ヨーグルト 素行の良くない生徒はこれを玩具にしてました あるクラスに特にヤンチャな二人組がいまして 先生が黒板に文字を書いてる時 バレないように配給された食べ物で キャッチボールをしてるんですよ 丁度僕の席が真ん中で 教室の端っこと端っこにヤンチャな二人組が リンゴの日はリンゴが僕の頭上を舞い バナナの日はバナナが僕の頭上を舞い 中々コントロールが良かったんですが 二か月目位に先生にバレて怒られてましたね ファッションも自由な学校でした キャップ被ってたり、モヒカンだったり コーンロウだったり、ピアス開けまくってたり 紫とかピンクの髪とか居たり タトゥーしてたり(カナダでは18歳から入れ墨OKです) ゲイやレズビアンもちらほら見かけました 喋らないでも見た目と佇まいですぐわかるんですよ 職員室には 「この部屋で『それカマっぽい』とは言わない事」 って貼り紙あったんで、LGBTには寛容でしたね (欧米等ではダサい事を  That's so gay と言ったりします  サ〇スでカー〇マンがよく言うよね) 移民の国なだけあって人種もごちゃ混ぜでした 日本、中国、韓国、スペイン、イタリア、メキシコ インド、ドイツ、フランス、ロシア、アメリカ、カナダ ざっと思い返してこれ位の人種居ましたね そういえば妊婦の生徒が居たんですよ、びっくり 託児所が併設されているから 子持ちの生徒もいるという噂も聞きました 生徒の平均的な体型ですが 男子はムキムキ、ガリガリ、肥満 本当三種類にくっきり別れてた記憶があります 普通は無いのか?普通っぽいけど腹が結構出てたりする 女子、マジで、皆、おっぱい、大きい 本当、大きい 全員D以上はあるんじゃないか? というか皆服装がね、トレーナーかフードで 下はヨガパンツ、マジで皆この恰好 お尻ムッチムチ、ありえへん ここはエデンか? 程よい肉付き、ふーんエッチじゃん(H前リョー〇) まぁ兎にも角にも日本じゃ考えられない事ばかり 中々自由な学校でしたね 学校では時々イベントも催されます 覚えているイベントを書いていこうと思いますが 以下のイベントは参加しないのも自由なので 全員が全員やってる訳ではないです まぁ8割方やってたような気がするけども ・パジャマデー その名の通りパジャマで学校生活を一日過ごす 可愛い女の子のパジャマが拝めます ・ギークデー オタクの恰好をします これを喜んでやるのは陽キャグループのみ ・スクールカラーデー その高校のイメージカラーの色を ファッションに取り入れます ウチの高校は赤でした ・ピンクシャツデー 虐め反対の意思表示で ピンクのシャツを皆で着ようという運動 生い立ちは各自ぐぐってください ・ハロウィン 皆コスチュームを着ます LMFA〇のロボットの恰好してる人多かったですね もっといっぱいあった気するのですが 如何せん10年前の記憶なので思い出せません 次に紹介するのは授業の思い出 日本の高校とは違い選択制なので 好きな科目を選択できます まぁ何でもかんでも自由にという訳ではなく 卒業に必要な最低条件の単位を 満たせる教科を選べます どの教科が必要なのかよく分かってなかったので その辺りは先生に相談して決めました どのクラスも全部英語が付随しているので 理解するのがダルかったです ・数学 この世で一番憎むべき存在 なんて冗談はさておいて 電卓持ち込みOKの授業でした 一番低いレベルの数学を選択した結果 「あれ?これ中一でやったよな………」 という問題を高校でやるハメになりました まぁ、それでも出来ないんですけどね 数学だからあまり面白い話も出来ません 強いて言うなら授業中 生徒が些細な事で教師と口論になった際 結構汚いワードを教師に言ったんですよ その瞬間周りが 「Woooooo」ってハモってました おお、マジでドラマみたいに言うんだなコイツら トイス〇ーリーの宇宙人かよって思いました それしか記憶に無いですね ・国語(←正確にはGlamourなので文法のクラス 読書感想文の提出 こーれが辛かった 適当な本を図書室から借りるんですけど 英語がびっしり書いてある本を読むのが疲れる 他の日本人留学生は英訳されたらき☆す〇を読んで 感想文を提出してました そんなんありぃ??? 自由にも程がある あ、英訳された日本漫画はらき☆す〇しかなかったです 他の漫画は日系が描いたカナダにしか無い漫画でした なんとか楽出来ないかなぁ 漫画すら読みたくないよぉ で、僕は考えた あ!日本で読んだ海外小説の内容を 思い出して書けばいいじゃん 早速日本で見た小説を図書室で探そう! ……………… 俺日本文学ばっか読んで海外の本読んで無かった どうしても日本語訳された海外小説って 本来の意図と違う翻訳されちゃうっていうか 別のニュアンスに変えられちゃうじゃないですか それが気になると翻訳版読めなくなっちゃうんですよ かといって辞書片手に原文読みたかないし! って感じであまり海外の文学見てなかったんです でもね、一つだけ 一つだけあったんですよ シリーズ小説で日本訳版しっかり見たやつ 中二病御用達のクトルゥフシリーズ! ありがとうラヴクラフト! 貴方のお陰でピンチを脱する事が出来ました!! 社会・地理 ↑教師が同じだったのでセットの科目だったような 記憶があるが別々の科目だったかも 教科書が無茶苦茶分厚い、重い タウンペー〇位厚い 白人の生徒が黒人の生徒に教科書を広げて見せて 「おい!お前のマブダチ載ってるぜ!」 と言っていたのに対し、陽キャっぽい黒人が 「うわー、マジだ、懐っ!こいつとは親友だぜ!」 と返していて (えー、誰だろ)と思って覗いてみると 白い三角頭巾を被った団体の写真でした 本場のブラックジョークだ!!!!!!! すげええええ!!!!!! ブラックの濃度濃すぎぃいいいいいいいい!!! ・心理学 心理学用語を学んでいた筈なんですけど 全く思い出せない 当時はかなり興味深く授業を受けてた筈なんですが…… パブロフの犬について発表とかした気が…………… あと映画のインセ〇ションを見て 心理学を学ぼうっていう授業がありましたね 数学と同じ位記憶に無いなぁ………アレぇ??? ・メディア これが一番簡単でした エクセルとか使う授業はありませんでした Ado〇eの編集ソフトを使って色々作ってましたね 結構直感的な作業が出来るUIなんで 最悪英語がわからなくても操作がしやすかったです まぁ授業内容は どこぞの使い方が書いてある ホームページを参照してたので 翻訳サイトで翻訳かければ一発なんですけどね みーんなやる気がなく だらだら進む授業だったんですけど 課題が終われば好きにネット見て良かったので パパッと課題を終わらせてまとめサイトとか見てました ・美術 もう一番楽 一番楽しい 最高のクラスでした だって頭使わなくていいし! 英語使わなくていいし! アート最高!!!!! 先生の体がタトゥーでビッシリだったのが 印象深かったですね 自身の体をキャンパスにするなんて アーティストの極みでございますよ 先生の趣味で授業中音楽が教室に流れていました レッドツェッ〇リン、ビー〇ルズ、ピス〇ルズ 古めのロックソングが多かったですね 一回だけ日本人の曲かかりましたよ 三味線の吉〇兄弟の曲が流れてました 炭で絵を描く授業が一番記憶に残ってます 模写の授業だったんですけど 好きな画像使ってよかったんですが あし〇のジョーの矢〇ジョー 空手バ〇一代の大〇倍達 銀河英〇伝説のヤ〇ウェンリー クレイジーキャッツの植〇等 TOKY〇TRIBEのカ〇 これ等を模写しましたね 最後以外全然僕の世代じゃないですけど (最後もやや世代じゃない) レトロなモノが好きだったので 古い作品ばっか参考にしてましたね ・体育 基礎のフィジカルをかなり鍛えましたね 確か週3だか4で筋トレの時間がありました 体育館の奥に小さなトレーニングルームがありまして 壁側にギュウギュウにマシーンが並んでいました えー、思い出せる限り書きます ラットプル レッグプレス チェストプレス アームカール レッグエクステンション アブドミナルクランチ お股パカパカするやーつ 思い出すとこんな感じですね あー、あとフリーウェイトのゾーンに スミスマシン、ベンチとラックがありましたね 各々それぞれのマシンを使用して 一定時間経つと隣のマシンの前に移動し休憩 一定時間経つと目の前のマシンの人と交代 って感じで時計周りに進む感じですね 皆筋肉凄くてガリガリの僕は委縮していました だってベンチ100キロ上げる同級生いるんですよ? 軽い恐怖ですよね ランニングの時間は開放的でした 田舎なので広々とした道で 自然の空気を吸いながらのランニング 山中にあるせいか 高低差が多すぎて体力がゴリゴリ削られました 強面な体育の先生が途中でコンビニに入って 皆にコーヒーを奢ってくれたりと 嬉しい思い出が蘇ります ちなみにカナダ人はコーヒーが 大大大好きな印象が強かったです ティム〇ートンというコーヒーチェーン店が そこかしこにあり 僕のいた地域のカナダ人の大半は あるオーダーをします 「コーヒーをダブルダブルで」 少なくとも僕が入店する時 みーんなコーヒー頼む時コレを言います 意味は砂糖二つ、ミルク二つの意味 甘々にして飲むのが定番 むちゃ美味しい、おススメです 課外授業などはスクールバスで移動します 小さくて、可愛い 黄色いバスです ここは小中高一貫の学校なのですが うちのスクールバスって小学生用のサイズなんですよ 想像してください ガタイの良い高校生が 小さなバスに圧縮されて乗ってる様を 笑えるでしょ バスに乗って行った場所は パターゴルフとか打ちっぱなしとかですね あとプール 皆やる気ないからジャグジーの所で リラックスしてました スポーツしなさいよ! 体育の授業は特に陽キャが多く 陰キャの僕にも優しく 接してくれたのがありがたかったです ヤンチャな方が多かったわけですが 雨の日は保健の授業になり 食堂でだらだらと勉強するんですけど 食堂のテレビを勝手に誰かがつけたりしてましたね チャンネルを泥んこプロレスに変えるんですよ 皆大盛り上がり 先生も笑ってる 副校長にそれが見つかって怒られる なんて事がありました 注意をしない先生というのは中々の違和感 というか学校のテレビが泥んこプロレス放送している ケーブルチャンネルと契約しているという事実が 一番の突っ込みどころなのですが……………… 選択したクラスについて覚えてる事はこれ位かな 交友関係に関してお話しますと あーんまり積極的な行動は取らなかったので 友人は少なかったですね そもそも中一レベルの英語で乗り切っていたので リスニングと発音が多少良かったのが救いでした 黙ってコクコクと首を振るような人間だったのです 日本人留学生あるあるだと思うのですが 日本人は日本人とたむろしやすい 殆どプライベートは日本人と遊んでましたね あー、美術のクラスのオタク連中とは仲良かったですよ その人らは現地のカナダ人です 放課後一緒に鉄〇とかの格ゲーをプレイしてました お前強いなぁって言われるんですけど そら君らウィードキメながらやってるんだから 僕が勝っちゃうでしょって感じで……………… ひょっとして舐めプか? カナダと言えばウィード大国 これについてお話せにゃなりません 僕がいた地域は医療用は合法 娯楽用は違法という法律でした (現在は娯楽用も合法です) 医療用とは名ばかりで皆さん 娯楽として使っていましたね 見た所校内の半数以上はウィードの 使用経験がある口ぶりでした 特にラリって事件が起こる訳でもなく どっちかというと愛用されている方は 平和的な方が多かったのが意外でしたね 作中にウィードを出したんですけども 同人に出てくる薬物って大体 注射か錠剤で出てくるじゃないですか ボングを使ってる描写って中々無かったので ほな僕が描いたろかいと思って描きました えーと、他に何あったかな そうそう、よく日本語でこれなんて言うの? っていう質問は周りからされましたね 大概汚い言葉の翻訳させられるんですが 二回だけ嘘を教えた事があるんです 確か「気分が良い(I feel good)」 って何て言えばいいかってまともな質問が来た時 何故かふざけて 「東証一部上場」って 教えた事ありますね カナダ人「トショーイチブ………ジョジョー?」 嘘つきな僕「上手い上手い、日本人かと思った」 って感じで すぐに他の日本人に使ったらしく 言われた日本人の子が僕のとこ来て 「おい、嘘教えるなよ 東証一部上場の説明大変だったじゃねーか」 って怒られましたね 凄いなコイツ 日本語でも東証一部上場の説明、俺出来ないよ なんか景気が良いっていうか 株版オリコンチャートトップみたいなもんだろ? って認識ですね 皆さん詳しく説明出来ます? もう一つの嘘は美術のクラス 筆を使って自由に作品を作る授業の時です 折角日本人だから日本のモノで勝負したいなと そう考えた僕は黒の絵の具を使い 書道風の感じで漢字を書きました うむ、あくまで書道風だから二度書きしてもバレない 凄い達筆で迫力のある日本語を描きました クラスの壁にそれを飾ってみる うーむ会心の出来 クラスメイト「それ何て読むの?」 俺「……………これはね、夢って読むんだよ」 クラスメイト「へー、カッコいいね」 でかでかと白紙から飛び出しそうな 「   お  っ  ぱ   い   」 という文字 この言葉が皆目に入っているのに 本当の意味を知っているのは僕だけ ちょっとした快楽だ 露出狂の気持ちがわかった気がする 他に面白かったエピソードは ボイコットに関してですね ある日教師が全員授業を放棄して ボイコットしたんですよ 何に対するボイコットかというと カナダのとある州の知事が公約に 「教師の給料アップ」 という話を掲げていたんですが それが実行されていないと 公約をしっかりやれと その州の教師は結託して 同時に授業の後半を ボイコットしたのです 待て待て、俺の単位はどうなる、冗談じゃないよ 先生に訊いてみる どうやら単位はくれるらしい やったね!授業受けないでも単位貰えるの?! 半日休み???!!!うれぴーーーーー!!!! 喜びながら早めの帰宅の最中 道端でプラカードを持ちながら 学生がぞろぞろと歩いております 教師が休んで困るのは州知事だけじゃない 真面目に勉強を受けてる生徒達 ボイコットに対するデモ 教師は授業をしろ! そう怒っているのです 「君も僕らと一緒に活動しないか?」 プラカードを僕に渡そうと勧誘してきました 拙僧は中庸がモットーの人間なので あまり右や左の側に偏りません なので、ここでデモに参加をしなければ 未来永劫プラカードを持つ機会は無いだろう ちょっとやってみたいかも……………… でも留学生がデモに参加するのは不味いかも 留学を斡旋している高校にバレたらやばいんじゃないか そう思ってデモの参加は断念しました とまぁ学校のエピソードは大体こんなもんですかね 最後にホストファミリーの話をしましょう 『最初』のホストファミリーの話をします 50代か60代のフランス系の夫婦でした クリスチャンの家庭だったので 食事の前に祈りを捧げていました 勿論僕も食べる前にアーメンって言いましたよ なんというか、行儀の良い家庭でしてね 8時とかには寝る家庭で 規則正しすぎて辛かったですね 案の定ホストファミリーと軋轢が生じたんですよ 同じルームメイトで韓国人の子がいましてね 僕は休日部屋に籠ってニコニ〇動画を見て 韓国人の子は籠ってFPSをしまくってたんですよ そしたらお前ら不摂生だ、外に出ろと そう言われたわけです 韓国人の子は逃げるように 韓国系の協会に籠ったのですが 僕は仕方なく林とかを散策して 時間を潰してたんですが 娯楽が無いんです、この町は 強いて言うなら 近くに小さな小さなショッピングモールがありまして (モールというにはおこがましい位小さい) たまにそこに行きました ちっちゃいアメコミショップがありまして 1ドルのアメコミがいっぱいあって 結構リーズナブル イーゼルスタンドとかに飾れるし 額縁に入れてもお洒落なんでおススメですよ ドラゴン〇ールとマッ〇GOGO それにうる星〇つらのアメコミ版もありました その辺りで時間暇を潰すのも厳しくなってきましてね 結局家に籠りがちになり 矛先は自然僕の方に向く事が多くなります ちゃんとコミュニケーションを取れと そこの家庭は留学生達と話すのが楽しみだったらしく 歴代の留学生の写真や手紙が張ってあります 参った、一番俺向けではない所に来てしまった 僕は望んで留学している訳では無かったので ホストファミリーとも話したい事は無く 英単語もあまり覚えてなかったのし そんなに喋れない……………… 申し訳なかったのでしっかりと謝罪した上で 以下の事を説明しました ・僕が望んでした留学ではない事 ・ステイ費用は支払われているので  それで勘弁してくれないかという事 でも相手の怒りは収まりません 怒りは募り、すれ違いざまに僕に対して 嫌味を言うようになってきます 「Stranger」 直訳で異邦人、カ〇ュの小説かな? ビリージョ〇ルの歌かな? まぁ「このよそ者」って意味ですね 留学中一番辛かったのは このステイ先の出来事でしたね かなりストレスフルでした 自業自得と言われればそうなんですけどね…………… 結構ホストファミリーとの問題で帰国する人も多いと 斡旋した高校の人に言われました 三か月位で限界が来た僕はステイ先のチェンジを発動 そして次のステイ先がかなり緩い家庭で嬉しかったです スペイン系のホストマザーとカナダ人のホストファザー ホストファザーは筋肉ムキムキの大工さんでした ライア〇レイノルズにそっくり ホストマザーは三十代のこれまた筋肉がついた人で 女子のフィジークにも出場経験のある綺麗な人でした タトゥーを全身に入れてました ここの家庭は本当最高でしたね 無理に話せとか言わないし 向こう側から楽しい話振ってくれるし 前のステイではテレビ禁止だったんですけど ここではサウ〇パーク、ジャック〇ス ファミ〇ーガイ、マー〇ーライドショー 教育によろしくない番組を見せてくれます 車で色々な所にも連れて行ってくれるのですが もう不良の車みたいに爆音でヒットチューン 流しながら高速道路を走ってくれたりします 小型犬を7匹飼っていたのも嬉しかったです 寂しい時など居間に行くと ワンワン騒ぎながら近寄ってくるんで かなり癒されました、アニマルセラピーってマジすよ そこの家庭ではなんらトラブルも無く 平穏な日々を送りました トラブルがあるとすれば僕の財布事情です 日本を出た際数百ドル位持ってカナダ来ました それをチマチマ切り崩して 無駄遣いせず過ごしていたんですがね 毎日学校に行くためのバス代がかかる訳で 金が底を尽きかけたんですよ 親からの仕送りはゼロだったのです 冒頭にも話した通り金銭的な余裕が無いのに 留学させるもんだから…………… どうしたもんかと頭を悩ませていた所 それを見かねたホストマザーが 「仕事のお手伝いをしてくれたらお駄賃あげるよ」 と言ってくれたのです 留学経験者の方はご存じかと思いますが 留学生のバイトはご法度 なのでお手伝いという抜け道を使って金を得たのです ホストマザーの経営している お店は動物を扱うお仕事だったので 動物と触れ合えるのが嬉しかったですね 一日働いて40ドル位貰えました 他の日本人留学生は散財しまくっていて 俺もちょっと位買い物したいなと思って 二つだけ買い物をして 他はバス代や食事代に回しましたね さて、留学生活は結構陰キャなりに楽しめた訳ですが ある朝起きてみると 血相を変えたホストマザーが 「日本で地震起こったってよ!」 と騒いでおります カナダ人は地震に耐性がありません まぁ日本が頻繁に地震起きすぎなんですけど 家具のレイアウトとか 絶対に地震を想定してない配置なんですよね そこに金魚鉢置いたら死ぬぜ、みたいな なんで、ちょっとの地震で騒いでるんだろうな そう思ってリビングのテレビを見てみると 2011年3月11日 歴史的な災害が起こります 東日本大震災 僕は当時日本に居なかったのです この時の心境は穏やかではありませんでした 日本に住む友人の 不安な気持ちの投稿やメッセージを見て 心がさわついておりました 学校に登校すると周りから 気遣って貰ったりもして 全校集会では震災の犠牲者に対する 黙とうが行われました 姉妹校が日本にあるからだと思いますけど すごい嬉しかったですね……………… 校内で募金活動もやっていましたよ あまり暗い文章を書きたくないのでこの話はここまで 卒業近くまで話を飛ばします 日本の高校は入学は難しく、卒業は簡単 カナダはその逆、入学は簡単、卒業は難しい 卒業試験があります 偏差値の低い学校なので 真面目に授業を受けていれば テスト結果+単位込みで卒業が見込めるので その辺りは頑張りました 僕は留学費用をドブに捨てたくないので なんとか卒業出来るようにと 頭悪いなりに努力はしましたね でも卒業テストが全然理解出来なかった ほとんどマークシート形式だったのが命拾いでした 先生方は授業の単位は取れてるから テスト悪い点でも大丈夫だよとおっしゃてたんで 鉛筆の側面に番号を振ってコロコロ転がし でた目を黒く塗りつぶす運否天賦を実行しました 結果無事合格 留年してる人間が少しいましたね 当人は全然気にしてないし 周りもとくに馬鹿にするような空気はなかったです 学校を登校しなくてもよくなった僕は のんびりと残りの時間を過ごすかと 家でネットをしていると 同じクラスの日本人からメッセージが来ます 「卒業式に居ないようだけど、長谷川君休むの?」 えっ?????????? 完璧に忘れてた 急いで会場に車を飛ばす てか予行演習とかしなかったので あんまり卒業式やる実感が無かったんです 会場入り口で卒業式の衣装を貰います 裁判官が着るような黒い布と 物知り博士とかがイラストで被ってる四角い帽子 え?こういうの着るのって大学じゃないの? 焦りながら着替えての途中参加 皆壇上に上がっております あぶねーあぶねー、もう結構終盤だぞ 最後に帽子を空に投げるアナウンスが流れます え?!投げていいんすか?!!!! 映画でよく見るやつじゃないですか!!!!! テンション爆上がり たまんねぇよ!!!! 早く投げさせてくれ!!!!!!!!! 思いっきり天高くブン投げる!!!!!!! 肩を痛めました 爽快な気分の訪れと共に式はお開き 各自帽子を拾います………… え?拾うの?勝手に誰か回収とかしてくれないの? というかどれが俺のかわかんないし 貰えるのこの衣装? 混乱しながらウロウロとしますが 僕の帽子がどれかわかりません 慌てて適当な帽子を拾い上げ帰宅 後々わかったのですが帽子の作りは結構チープ 裏面の厚紙に名前が書いてありました Travis すまないトラビス、俺がお前の帽子取っちまった……… えー卒業式も終わりハッピーエンドに見えますよね? ところがどっこい、ところがどっこいです あと一か月半すれば 留学生活も二年目、無事帰国 なーんで卒業したのにすぐに帰らないかっていうと 親は良い大学に僕を入れたいらしく その大学の帰国子女枠は留学2年間せにゃ 受験資格を得られないんですよ あと一ヵ月月半 一ヵ月半サマースクールに 通えば終わりだったんですがね 学費が底を尽きあえなく帰国となります えー、苦しい経済状況だった訳ですが 震災の影響で親の事業が 上手く行かなくなったのが原因です 僕の2年間『程』の留学生活は終わりを迎えます 勿論金が無いので他の大学も行けません 親は大学に行かせられんでスマンと嘆いておりましたが (いや、俺大学行きたくない言うとるやんけ……) と思ってましたね 結局僕の留学生活は帰国後役に立ったのかというと まぁ接客業やってる時は外人のお客さんが来たら 僕が対応をするのがお決まりで お客さんからも従業員からも感謝されました こんなカスみたいなツギハギの英語でもいいの? 中一レベルだぜ? みたいな感じでしたけど喜んでくれてなにより でも相変わらず単語全然知らないんで 積極的な活用はしません 英語上手かったら自分の作品を 翻訳して販売してますからね せいぜいPIXIVの外人さんのコメントに対する返事 それから外人さんからのリクエスト依頼を断る返事 これ位しか活用してません ただ留学して学んだデカい事があります 先入観や偏見に対する考えが変わりましたね 海外ではこうだ、みたいな ネットで話されている事って 実際とは違うことばっかりでしたからね バイアスを無くして物事を見つめる大切さを学びました 最後に話の総括をします これを見ている皆さんに言っておきたいのですが 僕が語ったのあくまで 僕の視点の、特定の時代の 特定の地域の、特定の学校の話です なので僕の話を見て 『カナダではこうで~』 みたいなイメージをあまり持たないでください よく留学した人間が全てを 見てきたように語りますが それは一部の話なんです 例えばアメリカ人が日本を旅行した結果 「やっぱジャパンのうどん美味しいなぁ!  薄口の出汁が美味いんだよ~」 と言ってたら違和感覚えません? 関東か関西かによって薄口か濃い口か違うでしょ? こういった一部の情報がネットなどで又聞きとなり 情報の信頼性が薄くなって行きます 事実ではあるんだけど、事実じゃない、みたいな ネットだけじゃありません テレビなどのメディアも大して流行っていないのに 「海外で大ヒット」と 売り文句で購買意欲を煽ったりします 情報は水物です 刻一刻と変化します 地域、世代、時代、性別によって 同じ物を見ていても個人の感覚で感想が違うんです なので皆さん、目に入った情報を予備知識として蓄えて いざという時は情報を吟味する事をお勧めします よく『嘘松』なんて言葉もありますが 容易に信じる方も問題ですが 容易に否定するのも問題です 僕がここに書いた事とかSNSだったら 嘘って思われそうな事ばかりです 現実は創作みたいな出来事が起こったりするもんです