「筆下ろし法」。今やこの法律を知らぬ者はいないだろう。 性教育を根本から見直し、少子化対策として導入された先進的な制度である。 その是非についてはいまだに議論があり、抗議団体の活動もしばしば話題になっている。 今回は、まさにその「筆下ろし」の現場で活躍する現役女性教師のT先生(26)にお話を伺うことができた。 最新の現代性教育の実態に迫る――。 -------------------------------------------------- 【T先生】 26歳。S大学卒。新人の頃から「筆下ろし」に携わる。 彼女が教えた生徒は200を超える。 好きなタイプは筋肉質な人。 趣味はサッカー観戦。 最近はナイトプールにはまっているとか。 -------------------------------------------------- ――さっそくですが、T先生のお仕事内容を教えていただけますか? T先生: 普段は学校で国語を教えています。 一般的な先生と同じようにクラスを受け持ったり、授業をしたりしています。 放課後になると、「特別保健体育講習」*1を行います。 毎日ってわけじゃなくて、大体2週間に1度ぐらいなんですけど。 *1 「筆下ろし講習」のこと。 ――T先生が講習を行うことになったきっかけは何だったのでしょうか? T先生: そうですね……。(しばし考え込む) 昔から性についての興味は強かったんです。 それに生徒と触れ合うのも好きだったので、自分から志願させていただきました。 ――講習をしているのはT先生だけなのですか? T先生: 当校ではそうですね。やはりどこの学校でも教員不足でなかなか実施したくてもできないところもあると聞きます。 保護者の方たちにもまだまだ理解されていないところもありますし、教員の中にもやはり反発される方もいらっしゃいますので。 ――実施校には男子生徒の志願者数が10倍以上になったところもあります。 T先生: わかりやすいですね(笑)。 でも、当然のことだと思います。やはりこの年代の男子生徒は性に対しての興味は強いですから。 うちも数倍になりました。 ――他の教員から嫌がらせやセクハラをうける方もいるそうですが…… T先生: 私は今のところそれはないですね。皆さん変わらず接してくれています。 セクハラは……。胸が大きいほうなので、少しいやらしい視線を感じることはありますが、それは男性なので仕方ないのかな、と思っています。 それにいやらしい目で見られるのは昔からでしたから(笑) あとは、食事に誘われることは増えましたが……まあ断ればいいだけなので。 時々保護者さんから誘われることがあるのですが、それはちょっと困ってますね。 奥さんやお子さんのことをいえば大抵の方はひいてくれるのですが。 きくところによると警察沙汰になってしまった人もいるそうなので、気を付けています。 ――なるほど。保護者や抗議団体などの反対意見などについてはどうお考えでしょうか? T先生: 私個人の意見としては素晴らしい制度だと思っています。 性欲は三大欲求の一つですし、これから人生を生きていくうえで性の問題は切っても切り離せるものではありません。 性を過剰にタブー視することなく、現代に合わせて柔軟に教育すべきだと考えています。 全ての人が自然と恋人ができ、セックスをすることができるようになるわけではありません。 私が指導する生徒の中には童貞であることをコンプレックスにしている子も多くいます。 そういった子が指導を通して、自信をつけて、変わっていく姿を何度も目にしてきました。 セックスは自信につながる。人生を変えるきっかけになる。私はそう確信しています。 ――貴重なご意見ありがとうございます。 それでは、講習内容についてお伺いします。 実際にどういった形で講習を行っているのでしょうか? T先生: まず大前提として、講習の目的は正しい性知識を得て、性愛の尊さを肌で学び、自信を得ることです。 単に筆下ろしをするだけという誤解が広まってしまっていることを残念に思います。 避妊具の使い方や、女性の体についての知識。そういったこともしっかり教えています。 そのうえで、生徒と体と体を触れ合うことによってセックスの素晴らしさを教えています。 性欲を満たすためだけのものではない、コミュニケーションが大事だとわかってもらうことを意識しています。 ――なるほど。読者の多くが気になっていると思うのですが…… 具体的にはどういった行為をするのでしょうか? T先生: う~ん……生徒の個性に合わせて内容も変わってきますね。 ただ例を出すのであれば、キスや手コキ、フェラチオ、胸や女性器への愛撫。 そして、実際に挿入してのセックスですね。 基本的には正常位ですが、生徒に合わせて、後背位や騎乗位なども行います。 SかMかなどの性的指向によっても内容が変わってきますので、事前アンケートなどを参考に、生徒一人一人にあわせた講習を行っています。 ――よくわかりました。 それでは、講習を行っていく中で苦労したことなどがあれば教えてください。 T先生: そうですね。教師生活は毎日が苦労の連続なのですが(笑) やはり、若さゆえの暴走と言いますか、性欲が暴走してしまう子もいたりして。 ほとんどレイプみたいなことになってしまったこともありました。 その時は、男性教師の方が助けてくれたのですが、私の力不足だったと思っています。 あとは……これも仕方がない事ですが、生徒に本気で好かれてしまうことがあるんです。 行為の最中に告白されることはかなりありますね。 ほとんどの子は性欲に任せて言ってるだけなんですが…… 中には恋人関係になることを迫ってきたり、ストーカーまがいの行為に走ってしまう子もいて…… そういった男女の関係の機微について教えていくのも今後の課題かなと思っています。 けれど、どんな生徒にも愛情をもって平等に接するようには常に意識しています。 ――行為をしていく中で生徒を好きになってしまうことはないのでしょうか? T先生: あ、それはないですね。絶対ないです。 ――中には相性のいい生徒とその後も関係を持ち続ける教師もいるといった噂もありますが…… T先生: あり得ませんね。全く事実無根の噂だと思います。 生徒と講習以外の場でそういった関係になることはまずないです。 ――行為の中で気持ちよくなってしまうことはあるのでしょうか? T先生: (笑)。まあ、女性ですので気持ちよくなってしまうことは当然ありますね。 ただ、あくまで教育の一環でありますのでそれを忘れることはありません。 それに多くの生徒は、経験不足ですので、正直こちら側が満たされることは少ないです。 ――では、最後に。読者にメッセージをお願いします。 T先生: 今現在も多くの方が性について悩んでいるかと思います。 未経験であることをコンプレックスに思っている方もいるかもしれません。 どうか、恐れずに公的制度を利用してセックスをしてください。 童貞であるにもかかわらず、講習を受けずに後悔している生徒も見てきました。 最近では成人向けのそういった施設も整いつつあります。 ぜひ、セックスを経験してください。それがあなたの自信につながります。 ――ありがとうございました。 いかがだっただろうか。 現役教師にしかきくことのできない貴重な話を聞くことができた。 T先生は非常に若く美人でスタイルも抜群だ。 彼女が生徒たちから大人気なのは間違いない。 講習を受けることができる生徒たちは幸せ者であろう。 筆者個人の考えを言えば、魅力的な制度である一方、やはりまだまだ課題は多くあると感じた。 だがどんなものにも問題はつきものだ。 新しい挑戦を続ける女性を小誌は応援したい。 性教育の今後に思いを巡らせながら、本記事はこれにて筆を置くことにする。