おはよう。 悪いな。休日なのに起こしてしまって。 ああ。実は先ほど、騎士団から連絡があった。 それで、少々急ではあるが、君に伝えたい事ができたという訳だ。 うん。ご想像の通りだよ。 君達の正式な受け入れ先が決まった。 しばらく閉鎖していた古い寮がこの度改装を終え、また使えるようになったんだ。 古いとは言っても、環境は悪くない。 学校にも訓練所にも通いやすくなるし。 何より、仲間達と一緒に住める。 しかし……。 その。 私どもとしては、無理に転居する必要はないと思っている。 君達が引き取られて一か月。 君に限らず他の者達も、今の住まいに慣れてきた頃だろうしな。 だからまぁ、その。 なんだ。 君さえよければ。の話なんだが……。 これからも、この家で暮らしてみないか。 ……もちろん、君の意思が優先だ。 私は君に、納得のいく選択をしてほしいと思っている。 まずは寮へ行ってみて、ここと見比べてから決めるといい。 だが……。もし、ここに残る場合。 『寮暮らしの方が良かった』とは言わせない。 まずは君と話し合って……現状足りていない点とか……不満点を改善すると約束しよう。 とにかく。 今後、もっと良くなる事を保証する。 もちろん、君が『仲間と一緒がいい』と言うのであれば、それがいい。 それから、今回寮母になる者は、相当の料理自慢なんだ。 食事の面では、寮の方が優れていると言わざるを得ない。 だが……私としては……。 うん? うん。 そうか。 ……そうか! はは!  そんなに嬉しいか。 うん。私も同じ気持ちだよ。 そうだ。認めよう。 色々言ったが、本当は単に、私が君と暮らしたいんだ。 私は君にここに居てほしい。 これからも私と、一緒に過ごしてほしい。 つまるところは、それだけなんだ。 ありがとう……改めて、よろしくな。 ふふ……今日からますます楽しくなりそうだな!