……あぁ、ここに居たのか。探したぞ。  いや、構わん。  今日から君が住む家だからな。  早く馴染む為にも、じっくり見て回るといい。  良い建物だろう?  君も気に入ったようで安心したよ。  さて、待たせたな。  部屋の片付けが済んだから、こっちへ来てくれるか。  ここだ。今日からこの部屋が、君の自室となる。  正式な住まいが決まるまでの暫定的な処置ではあるが……。  その辺は容赦してくれると有難い。  しかし……あいつが亜人の娘達を引き取りたいと言った時は驚いたものだが。  まさかその中に、私の世話になりたいという変わり者がいるとはな。  あーいやいや。違うんだ。  迷惑だなんて思っていない。  ただ。これまでそんな奴はいなかったものだから。  私も少々、驚いているというか……。  とにかく。  君達の面倒は、今後我が騎士団が責任を持って見る。  安心してくれ。  改めまして、今日からよろしくな。  さて、君は明日から学校に通うんだっけな。  昼は学校、放課後は騎士団の訓練で大変だろうが……。  可能な限り支援するから、気軽に頼ってくれ。  特に、騎士団は慢性的な人手不足だからな。  君のような優秀な子に志願してもらえるのは本当に嬉しいよ。  では、夕食時にまた会おう。  それまでは自由に過ごしていてくれ。  鍵はさっき渡しただろう?  この近辺であれば、外出してくれても構わないからな。  まぁ、本当なら、この辺りの案内をしたいところなんだが……。  すまんな。まだ、チハとエイミーの部屋の手配が残っているんだ。  では、また後で。