ん……。  ふふっ。  ちゅっ❤  ちゅっ❤  ちゅ……❤  あぁ……気がつけば、もうすっかり遅い時間ですわね。  ちゅ❤  ご主人様。  少しだけ。  ご主人様に出会うまでの話をしても、よろしいでしょうか?  ありがとうございます。  私は、淫魔の母親と、獣人の父親の間に生まれました。  ですが、父親の顔は見た事がなく、母親は私が幼い頃に出奔。  これを不憫に思ったハールス様に拾われ、チハ達数名と共に、彼の城で召使いとして暮らしてきました。  あの方は、決して良い領主とは言えませんでしたが……。  亜人には、特別な思い入れがあったようです。  使用人として生きていけるように、しっかりと教育していただきました。  ですから、育てて頂ける事を僥倖と受け止めて。  生涯、同じ城で暮らしていく。  それが私の人生なのだと思う事にしていました。  だけど、時折、憧れる事があって……。  こんな私でも、いつか誰かを心から愛したい。  その方の為に尽くす事を、生きる意味としたい……。  そう考える事が、ございました。  ですが、そのような夢も、イザベラに捕らえられた瞬間に終わり。  これからは、生きていても死んでいても変わらないような日々が始まるのだと思っていました。  でも……貴方様がお救い下さった。  心を亡くすのを待つばかりだった私に、未来を下さった……。  貴方様は、私の希望そのものです。  貴方様があの時行動して下さったから、今の私が。  いえ、私達がいるのです。  ですから、その。  このような話を切り出すのは、私としても少々心苦しくあるのですが……。  ここからは、今後のお話をさせて下さいませ。  あの……ですので。  もし、今後。  ご主人様が正式に騎士をお辞めになって。  新しいお仕事が見つかるまでの間は、私がお支えします。  実は、今回の件で、騎士団の皆様からお墨付きを頂きまして。  ハールス様の城にいた頃の経験と、淫魔の力を生かして、この街の病院で働かないか……と誘っていただいているのです。  お受けしようと、思っています。  ……はい。先程も看護師様と、その件について相談していたのです。  だから……どうかご安心下さいませ。  今度は私が、働いて。  貴方様をお支えしますから……!  ……あら……!  そのようにおっしゃっていただけて、光栄ですわ。  とんでもありません。  どのようなご主人様でも、私には、かけがえのない、素晴らしいお方です。  ふふっ。  ご主人様は誰よりも勇敢なのに、少々泣き虫でいらっしゃるようですね。  大丈夫です。  いつもこの私が、貴方様の側におります。  どんな困難な事でも。  ご主人様と一緒なら、乗り越えられると信じておりますから……❤  お慕いしておりますよ、ご主人様。  もう、絶対に離れません。  大好きです……❤  ちゅっ❤