○チャプター4 僕の決断 動画を見終わって僕はしばし、呆然としてしまう。 あの愛奈が…僕の愛する大事な大事な妻が…浮気している…。 いつも元気で勝気な愛奈。 他の男はおろかテレビの男性アイドルにさえも興味をもたなかった愛奈が…浮気している。 今のこの状況が夢であってくれたらどんなにいいだろう…。 だが、これは現実なんだ…そんなに都合よくはいかない。 ただ唯一の救いは、彼女が自ら望んで浮気をしているわけではない事。 またマイホーム資金を稼ぐ為にやっている様にみえる事だ。 それと同時にお金の面で愛奈に心配や苦労をかけさせてる事に申し訳なくも思う。 しかし、いくらお金を稼ぐ為とはいえ、愛奈に風俗嬢の様なことをさせるわけにはいかない。 ここは店長に話をしてやめさせるか…それとも愛奈に直接、話をしてやめさせるか… どっちがいいいんだ? 判断に迷い、僕は頭を抱え込んでうつむく。 「えっ!?」 俯いた視線の先を見て、思わず自分の目を疑った…。 あれ?僕…勃起してる!?なぜだ? 改めて意識して見てみると明らかに股間が大きく膨らんでいる。 ちゃんと確認してみたくて、パジャマのズボンを脱ぐ。 そこには今までになくギンギンに勃起している自分の息子がそこにいた。 これは一体、どういう事なんだ? え?店長と愛奈の浮気している動画を見て…僕は…興奮している?? 僕は動画を巻き戻し、愛奈が店長にフェラチオをしているシーンを再度、見直す…。 ああ、愛しい愛奈…僕の愛奈がこんなデブ親父のイチモツを口一杯に頬張り舐めしゃぶる…。 僕は動画を見ながらそっと自分の股間に手を添えゆっくりと扱く…その瞬間! 「あうっ!!!」 どびゅるるるるぅぅぅっ!!!!!!!! 物凄い快感が体を巡ったかと思うと自覚もなく勢いよく僕は…射精していた…。 自分でも信じられないくらい胸がドキドキしている。 こ、こんなに興奮したのは人生の中で初めての経験だった。 正直、愛奈との夜の営みでもこんなに興奮した事はなかった。 ぼ、僕は…愛奈が他の男性とセックスをしているとこを見て興奮している?? これは前にエロ本とかで見た、いわゆる「寝取られ趣味」という奴なんだろうか? 以前に本で見たときにはピンとこなかったが、いざ自分がその立場となるとこんなにも興奮するものだったとは…。 もう一度、動画を見直す…今度は愛奈が店長とセックスをしているシーンだ。 「うううっ!!!!」 どびゅううう~~~!!!!! ま、またしてもちょっと扱くだけで射精してしまった…。 こんな短時間で2回も射精してしまう経験も初めての事だ…。 間違いない…僕は「寝取られマゾ」という奴なのだ…。 なんて事だ…。 心の中で愛奈の浮気をやめさせたいと思っているのに…。 それとは別に愛奈の痴態をもっと見たい、どこまで彼女が堕ちていくのか見たいと熱望している自分がいる…。 僕はどうすればいいんだ? 店長に話をつけてやめさせるか?それとも… ダメだ、混乱した頭じゃ答えが出せない。 そうだ!明日、昼休みを利用してまたあの喫茶店に行こう。 店長に会えば、少し考えがまとまるかもしれない。 僕はそう心に決めて、その日は愛奈のいるベッドにそっと戻って眠りについた。 ――――次の日 カランコロン♪ 「あ!相馬さん!またお越しなると思ってましたよ~♪」 「さ!カウンターにどぞどぞ♪今日はコーヒー飲んでいかれます?」 店長は僕に気づくともみ手をせんばかりの歓迎でカウンターへと招き入れた。 「ええ、コーヒー頂きます」 そう応えると、店長は手際よくコーヒーを淹れ僕の前にカップを差し出した。 淹れ立てのコーヒーのいい香りが鼻をくすぐる。 一口すすってみると、なかなかに美味しい。 どうやら見た目とは違って、仕事ぶりはしっかりしているようだ。 「如何です?お味は?」 「ええ、美味しいです」 「そりゃあ、よかった♪こう見えてもコーヒーには自信あるんですよ~♪」 「あw喫茶店だから当たり前か?タハハハ」 僕は笑顔で話す店長を遮るように話をきりだした。 「動画…見せて頂きました」 さっきまでの笑みが消え、真面目な表情になる店長。 「だから、今日お越しになられたんですよね?ええ、わかってます」 「昨日も言いましたけど、強引に愛奈ちゃんに迫ってない事だけはわかって頂けましたかな?」 「ええ、それは動画を見て理解できました…」 僕はコーヒーカップを覗き込みながら返事をする。 「そうですか…なら、安心しました…」 「あの…相馬さん、合意だったからといって、今の現状が好ましくないのは私も理解しています」 「ですから…今後は愛奈ちゃんと…その…こういった関係はやめようと思ってます」 「彼女がバイトを辞める事にになっても仕方がないとも思ってます」 「相馬さん、なんと言ったらいいか…本当に今回の件は申し訳ない…」 「ちょっと待ってください!!!」 僕はまたもや店長の言葉を遮った。 「は、はい!な、なんでしょう??」 「あの…愛奈との…妻のとの関係…これからも続けてもらう事って可能でしょうか?」 ついに僕は悪魔の言葉をはいてしまった。 今の今まで僕は迷っていた。 しかし、さっきの店長の「関係をやめる」という言葉を聞いた途端、思わず言葉が口をついてしまった。 もう、後戻りはできない。 「は?え?それって、つまり…どういう?」 目を白黒させて驚く店長に対して、僕は後の台詞を続ける。 「言った通りです…愛奈との浮気…続けて欲しいんです」 「これは!…ほう~♪なるほど~なるほど~♪そうきましたか~♪」 少しずつ状況を理解しはじめた店長の顔にニヤけ顔がひろがっていく。 「ただし!条件があります!」 「はいはい♪なんでしょう?相馬さんのいう事なら私、なんでも聞きますよ~?」 「愛奈とのプレイをする時には毎回、画像なり動画なりを撮って私に送ってください」 「それと愛奈が本気で嫌がる事は無理強いしないでください、この2つが僕からの条件です」 「ほぇ?たったそれだけですか?はいはいはいはいwお任せください~♪」 「相馬さん♪奥さんの痴態を見て興奮されたんですね~?いえいえ、わかります♪わかりますよ~♪」 「寝取られ趣味って奴ですなぁ~?」 「かしこまりました!男『藤原周作』相馬さんのお役に立ちますとも~♪ガハハハw」 バンバンバン!!! 店長はそう言って大笑いしながら僕の背中を叩いてきた。 本当にお調子者だな…この人は。 しかし、僕の中でモヤモヤとしたものは吹っ切れた気はした。 「では、そういう事でお願いします」 「ガハハハw任せて下さいよ♪相馬さん♪」 「あ♪そうだ♪じゃあ~、早速、今日あたり新作撮って送りますんで楽しみにしててください♪」 ウインクのつもりで片目をつぶってみせるが不器用すぎて顔がひきつっているようにしかみえない。 「今回の動画、この私が一味スパイスを加えておきますんで♪ガハハハ」 豪快に笑う店長に一礼して僕は店を後にした。 ――――その日の夜 例によって例のごとく、愛奈はいつもの様に遅めの時間に帰宅してきた。 店長はああ言っていたが、特に愛奈に変わった様子は見られなかった。 強いて言えば、洗濯物を畳みながら鼻歌を歌っていた事くらいだろうか…。 愛奈が鼻歌を歌っている時は機嫌がいい証拠だ。 結局、その後は何事もなく時間はすぎていき2人してベッドへと潜り込んだ。 そして、愛奈が寝息をたてているのを確認した僕はこっそりと抜け出し、いつもの様にトイレへたてこもった。 早速、スマホを取り出し店長からのメールを確認すると…来てる!! はやる気持ちを抑えながら、僕はイヤホンをつけ送られてきた動画を再生する。